このページでは様々な時宜に即した「今日の宇宙(Space of the Day)」をご紹介しています。掲載期間はおおむね一か月。土曜日・日曜日・祝日は「肩の凝らない」記事を選んでいます。なお、ヨーロッパ宇宙機関の「今週のイメージ(Week in images (ESA))」は、同時に複数の記事が掲載されますのでリンク先から該当する記事を探してください。

<急告>: NASAのサイトの大幅な編集方式変更のため、原典、大判イメージのリンク等に一部乱れがあるかも知れません。 --- 2023年9月30日

12月11日(月)
12月の夜空:空に燃える炎・オリオン大星雲

今年も冬の季節がやってきた! ここ北半球では澄み切った空から様々な天体の壮大な景色を眺めることができるが、最も有名なのは狩人のオリオン座であろう。

既述したように、オリオンは空の暗闇をテストするのに最適な方法である。肉眼で見ると、この砂時計の形をした星は容易に見つけることができる。ギリシャ・ローマ時代の叙事詩の狩人として知られるオリオンは、多くの文化で多くの名前と意味合いを持っている。エジプト神話では、この星座はサ神を表している。バビロニア人はそれを「天国の羊飼い」と呼んでいた。中国の民間伝承のシェンやラコタの物語のタヤムニカンク(Tayamnicankhu)など、多くの物語があるのはオリオンのベルトである。しかし、マヤでは、オリオン座の一部に宇宙の炉、つまり創造の火があると信じられていた。

地球から 1,500 光年に星形成領域があり、オリオン座の至宝であるメシエ42(M42)オリオン大星雲がある。オリオン座の「剣」の一部であるこの24光年幅のダストとガスの雲は、オリオン座のベルトの最初の星であるアルニタクの下にあり、適度な暗い空の下で肉眼で簡単に見つけることができる。双眼鏡や望遠鏡を使って台形の形をした四つの星など、より詳細に解くこともできる。これらの若い星達は、この壮大な天体の中核を成している。

M42 は、アマチュア天体写真家、プロの天文台、宇宙望遠鏡によって同様に撮影され、最も写真に撮られている星雲の一つである。ハッブル宇宙望遠鏡、スピッツァー宇宙望遠鏡、チャンドラ宇宙望遠鏡が長い間関心を集めてきた場所であり、2023年2月にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がリストに加わった。

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ここに見えるのは星だけではない。2023年6月、ウェッブ望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)と中間赤外線装置(MIRI)は、その周囲に原始惑星系円盤が形成されている発達中の恒星システムを撮った。科学者達は、この惑星形成円盤を d203-506 と名付けた。これらの天体を複数の波長の光で捉えることで、天文学者達は、夜空のぼんやりとした水素領域に、他の天体が隠れているかもしれないことについて、さらに深い洞察を得ることができた。

これらのウェッブイメージでは、オリオン大星雲の一部をオリオンバーとして示している。これは、左上隅にある台形星団からの高エネルギーの紫外線が高密度の分子雲と相互作用する領域である。恒星の放射のエネルギーはオリオンバーをゆっくりと侵食しており、生まれたばかりの星の周りに形成された原始惑星系円盤の分子と化学的性質に大きな影響を与えている。 左の一番大きなイメージはウェッブの近赤外線カメラからのものである。右上は、ウェッブの MIRI を使った小さな領域に焦点を合わせている。これらのイメージでは合計18個のフィルターが使われ、近赤外線で 1.4 ミクロンから中間赤外線で 25.5 ミクロンまでをカバーした。この MIRI 領域の中心には d203-506 と名付けられた惑星形成円盤を持つ若い星のシステムがある。右下では、この若いシステムの NIRCam と MIRI を組み合わせたイメージが表示されている。その伸びた形状は、それに当たる過酷な紫外線からの圧力によるものである。天文学者達の国際チームは、 d203-506 に、初めてのメチル・カチオン(methyl cation)として知られる新しい炭素分子を検出した。

<ひとこと>: 記事および文章は大幅に省略しています。大判はイメージのリンクから。

<出典>: Kat Troche(筆者名)

12月10日(日)
オーロラ

ヨーロッパ宇宙機関の宇宙飛行士サマンサ・クリストフォレッティが国際宇宙ステーションから観測したオーロラ。彼女は2022年8月21日にこのイメージをソーシャルメディアで共有し、「太陽は最近本当に活発です。先週、私たちは、私が宇宙で300日以上経験した中で最も素晴らしいオーロラを見ました!」と投稿した。

<ひとこと>: このイメージは、国際宇宙ステーションから撮られたオーロラでも秀逸と考えられるものの一つです。
なお、下記ヨーロッパ宇宙機関の「今週のイメージ(Week in images (ESA))」は、同時に複数の記事が掲載されます。原典を見るときはリンク先から該当する記事を追ってください。

<出典>: Year in images. ESA

12月9日(土)
微小重力下での骨と筋肉の喪失に対抗する

微小重力の下では、地球の重力のような絶え間のない負荷がかからないために、骨を構成する組織はそれに適応するように再形成される。骨細胞は、新しい骨を作る細胞の働きが鈍化する一方で、古い骨組織や損傷した骨組織を分解する細胞が通常のペースで働き続けるために分解が成長を上回り、骨が弱くなり、脆くなる。宇宙飛行士の体重を支える骨は、宇宙で1ヶ月ごとに約1%密度が下がる。通常、地球上を動き回るだけで活性化する筋肉も、それほど激しく働く必要がなくなるために弱くなる。この骨と筋肉の喪失は萎縮と呼ばれる。

萎縮は宇宙飛行士達の健康に深刻な影響を及ぼす。地球上では、筋肉や骨の減少や萎縮は、通常の老化、座りがちな生活習慣、また病気によっても起こる。これは、転倒、骨粗鬆症、その他の深刻な健康問題を引き起こす可能性がある。

研究者達は、萎縮の大まかな原因を理解しながらも、微小重力による筋肉や骨の萎縮の根本的なメカニズムや要因の調査を続けている。多くの研究は、宇宙飛行士がミッション中や地球に帰還したり、あるいは月や火星に足を踏み入れたりしたときに健康を維持するために、食事、運動、薬の適切な組み合わせを決めることに焦点を当てている。

<ひとこと>: 国際宇宙ステーションクルーは一日に2時間、必ず運動すること義務付けられています。右のイメージのリンク先は動画 .mp4 です。

<出典>: Space Station Research Integration Office

12月8日(金)
25年前:国際宇宙ステーションの最初のピース

今から25年(四半世紀)前の1998年12月13日、エンデバー号の貨物室を離れた直後、ロシア製のザリャー(Zarya:左側)モジュールと米国製のユニティ(Unity:右側)モジュールが、宇宙の暗闇と地球の地平線を背景にしている。その数日前の1998年12月6日、スペースシャトル「エンデバー」がフロリダ州のNASAのケネディ宇宙センターから打上げられ、ユニティ接続モジュールと二つの加圧嵌合アダプターを積んで打上げられた。同日、 STS-88 クルーは、ロシアのザーリャー・モジュールを捕らえ、11月20日に打ち上げられたユニティ・ノードと結合した。ユニティは、米国が提供した国際宇宙ステーションの最初のパーツだった。

現在の宇宙ステーションの構成部分は世界各国で製造されたものであり、宇宙空間では複雑なロボットシステムと宇宙服を着た人間によって接続され、チームワークと文化的な協調の証として機能している。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Space station

<付図>:
左: スペースシャトルエンデバー打上(大判は こちら
中央:ユニティノード1を届けた STS-88 クルー(大判は こちら
右: エンデバーの貨物室から持ち上げられるユニティノード1モジュール(大判は こちら )。

12月7日(木)
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、遠方宇宙に大量の巨大ブラックホールを発見

東京大学宇宙線研究所の播金優一助教と国立天文台科学研究部の Yechi Zhang 研究員、中島王彦特任助教らからなる研究チームは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測データを使い、120-130 億年前の遠方宇宙に10個の巨大ブラックホールを発見しました。この数は従来の研究で予想されていた数の50倍で、宇宙誕生後10-20億年後の遠方宇宙に既に大量の巨大ブラックホールが存在していたことを示す重要な結果です。詳しくは以下のリンクをご覧ください。

 (日)https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/news/14512/
 (英)https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/en/news/14513/

<ひとこと>: 詳細は国立天文台のサイト(下記)からご覧ください。

<出典>: 国立天文台

12月6日(水)
彗星67Pの表面からのダストのジェット

彗星の核には尾を作るジェットが発せられる明らかな場所はない。 しかし、2016年、ヨーロッパ宇宙機関の探査機ロゼッタは、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星 67P から現れたジェットを撮り、また、その中を飛行した。 特徴的なことは、片側が高さ10メートルの壁で囲まれた小さな円形の窪みから出てくる明るい噴煙を示す写真である。 ロゼッタのデータを分析したところ、ジェットはダストと水の氷で構成されていたことがわかった。 起伏に富んでいるが、それ以外は目立たない地形は、多孔質の表面のはるか下で何かが起こり、プルーム(噴煙)が発生した可能性が高いことを示している。このイメージは、ロゼッタが、 67P 彗星の表面に、制御された衝突で終了する約2か月前に撮影された。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

12月5日(火)
M1:信じられないほど膨張する蟹

M1 としてカタログ化された蟹星雲は、チャールズ・メシエの有名な彗星でないもののリストの最初の星雲である。蟹星雲は、実際に、今、巨大な星の死の爆発からの破片の拡大している雲、超新星の残骸であることが知られている。蟹座の激しい誕生は1054年に天文学者達によって目撃された。およそ10光年に及ぶこの星雲は、秒速約 1,500 キロメートルで依然として拡大している。ハッブル宇宙望遠鏡とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡からのこれらの鋭いイメージを比較することによって、その膨張を見ることができる。この蟹のダイナミックな壊れたフィラメントが、2005年のハッブルの可視光線と、2023年の赤外線光でのウェッブによって捕えられた。この宇宙の甲殻類は、おうし座の約 6,500 光年に横たわっている。

Nov 15, 2023

<ひとこと>: 大判はそれぞれのイメージのリンクから。なお、この表示では両者の大きさの比較は難しいと思います。下のリンクから表示されるイメージをクリック(タップ)してみてください。二つのイメージが交互に表示され大きさの違いが分かると思います。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

12月4日(月)
ハッブル宇宙望遠鏡、ミッション1の30周年を祝う

1993年12月2日の夜明け前、スペースシャトル「エンデバー」は、NASAのハッブル宇宙望遠鏡を修理するという重要なミッションのために、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。

ハッブル宇宙望遠鏡の打上前には、最初のサービス(保全)ミッションがこれほど緊急になるとは誰も予想していなかった。1990年の打ち上げ以来、この望遠鏡は主鏡の形状に欠陥があったため、ぼやけた画像を地球に送り返していた。鏡からの光の焦点が合わなかった。イメージは地球から撮影されたものよりもまだ優れてはいたが、その品質は世界が期待するものではなかった。(右にその例)
--- 以下略。

<付記>: 今日、宇宙の鮮明なイメージを撮り、天文学の最先端を走り続けているハッブル宇宙望遠鏡だが、その最初の成果は惨憺たるもので失敗作とまで言われた。3年後の第一回保全ミッションでは、ほぼ全てと言えるほど主要な機能の大幅な交換・改修が行われた。左上の写真は、その保全ミッションでの、スペースシャトルの背面の保管室(下部)、後方に立っているのが捕らえられ接合されたハッブル宇宙望遠鏡である。

なお、更に重要なことはスペースシャトルが設計上の欠陥によって廃止となり、望遠鏡を修理する術がなくなったことである。
NASAは、2003年のスペースシャトルコロンビアの事故の反省から、クルーが救済機の到来を待つことができる国際宇宙ステーションのような宇宙船以外は有人宇宙船は使わないと決定している。ハッブル宇宙望遠鏡は一時廃止が決定され、その後利用できる範囲で使うことに変更された。従って、現在の機器を使い果たせば廃止せざるを得ないことになる。
ハッブル宇宙望遠鏡は、現在、設計上必要な3台のジャイロスコープの1台が故障し調査中である。修復不能であれば設計外の1台ごとでの運用を試みることになるだろう。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: NASA Hubble Mission Team

12月3日(日)
海洋の温暖化、氷河の急速な後退をもたらす

ドバイで開催される COP28 気候変動枠組条約締約国会議に注目が集まる中、新たな科学的知見が、気象の危機が南極大陸に打撃を与えていることを再び示している。

科学者達は、衛星データを使って、南極半島西部のカドマン氷河から海に伸びる棚氷が崩壊し、氷河が異常に暖かい海水にさらされ、氷河が急速に加速し、後退したことを発見した。

その結果、2018年11月から2021年5月の間に、約50年間安定していた氷河が、なんと8キロメートルも後退したことがわかった。

その結果は、2018年から2019年にかけて南極半島西部周辺の海水温が異常に高かったことが、カドマン氷河システムを劇的に変化させる引き金になったと結論付けている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Sentinel-1 (ESA)

12月2日(土)
アルテミス1:飛行13日目

アルテミスⅠミッションの飛行13日目(2022年11月28日)に、 オリオン宇宙船は、その故郷の惑星から最大の距離に到達した。 地球から43万キロ以上離れた場所の遠い逆行軌道で、人間を乗せるために設計された宇宙船、オリオンは最遠記録を上回った。その記録は、以前に、1970年のアポロ13号の月面着陸ミッションで樹立された。アルテミスⅠミッション飛行13日目のオリオンからのこのビデオフレームの視界に地球と月が同じフィールドにある。惑星とその大きな天然の衛星は、無人の宇宙船の視点からは同じ大きさに現れている。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

12月1日(金)
太陽系の温度(その5:海王星、冥王星)

<海王星>: 太陽系の最後の主要な惑星である海王星に移ろう。暗く、冷たく、超音速の風に吹かれるこの巨大な海王星は、太陽の周りを回る8番目の、そして最も遠い惑星である。海王星の平均気温は摂氏マイナス 200 度である。

海王星には、木星とその大赤斑に負けないような、大暗斑とスクーターがある。

この海王星の写真は、1989年8月に、NASAの探査機ボイジャー2号が撮影した2枚のイメージから作成された。探査機が海王星に接近したのはこれが最初であり最後である。このイメージは、ボイジャー2号が監視した三つの特徴を示している。北(上)には大暗斑があり、明るく白い雲が急速に変化している。大暗斑の南側には、ボイジャーの科学者達が「スクーター」と名付けた明るい三角形の地形がある。さらに南には「ダークスポット2」と呼ばれる、明るいコアを持つ特徴がある。

地球の30倍以上太陽から離れている海王星は肉眼では見えない。2011年、海王星は発見以来初めて165年ぶりに太陽の周りを公転した。

これで、主要な惑星は終わりになる。

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<冥王星>: しかし、もう一つ確認しておかなければならない場所がある。海王星の向こうには、大きなハートを持つ小さな世界、矮惑星の冥王星がある。

冥王星の平均表面温度は摂氏マイナス 225 度で、生命を維持するには寒すぎると考えられている。しかし、冥王星の内部は暖かく、奥深くには海があるのではないかと考える人もいる。

太陽からの平均距離は59億キロメートルで、太陽光が冥王星まで移動するのに 5.5 時間かかる。正午に冥王星の表面に立つと、太陽の明るさは地球の 1/900 になる。地球上では、毎日、日没近くに、光が冥王星の真昼と同じ明るさになる瞬間がある。


<ひとこと>: 右側のイメージの大判は下記リンク(原典)からご覧ください。

<出典>: solar system

11月30日(木)
太陽系の温度(その4:土星、天王星)

<土星>: 太陽系を外に向かうと、太陽から6番目の惑星であり、太陽系で2番目に大きな惑星である土星にたどり着く。土星は平均距離14億キロメートルで太陽を周回している。太陽から土星まで太陽光が移動するのに80分かかる。

同じ巨大ガス惑星である木星と同様、土星は水素とヘリウムでできている巨大な球体であり、真の表面は持っていない。平均温度は摂氏マイナス 140 度である。

真の凍るような寒さに加えて、土星の上層大気の風は赤道域で秒速 500 メートルにも達する。対照として、地球での最も強いハリケーン級の風は、秒速最大約 110 メートルである。そして、その圧力は、ガスを液体の中に押し込めるほど強力である。

NASAのカッシーニ探査機が撮影したこの一連のイメージは、1990年以降に土星で観測された最大の嵐の発達を示している。これらのほぼ真の色に近い視界は、2010年後半から2011年半ばまでの嵐を記録し、嵐の明確な頭が急速に大きくなり、最終的に嵐の尾に飲み込まれたことを示している。

土星の北極には、6角形のジェット気流という興味深い大気の特徴がある。この六角形のパターンは、ボイジャー1号探査機のイメージで初めて発見され、2012年にはカッシーニ探査機によって詳細に観測された。直径約 30,000 キロメートルにも及ぶ六角形は、時速約 322 キロメートルの波状のジェット気流であり、中心には巨大な回転する嵐がある。このような気象の特徴は他の太陽系には見られない。

 

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<天王星>: 横向きの惑星である天王星の天気をチェックしよう。

太陽系で3番目に大きな直径を持つ太陽から7番目の惑星である天王星は、非常に冷たく、風が強い惑星である。平均温度は摂氏マイナス 195 度である。天王星は、その軌道面からほぼ90度の角度で回転している。この独特な傾きによって、天王星は横向きに回転し、転がるボールのように太陽の周りを回っているように見える。また、天王星にも環がある。この氷の巨人は、13のかすかなリングと37の小さな衛星に囲まれている。

図は、1986年に探査機ボイジャー2号が撮影した天王星のイメージである。

<ひとこと>: 右側のイメージの大判は下記リンク(原典)からご覧ください。

<出典>: solar system

11月29日(水)
太陽系の温度(その3:火星、木星)

<火星>: 火星は太陽からの平均距離が2億 2800 万キロメートルにある。この距離で、太陽から火星まで光が届くのに約13分かかる。

火星の表面温度の中央値は摂氏マイナス 65 度である。大気が非常に薄いために、太陽からの熱は火星から簡単に逃げ出す。火星の気温は、摂氏 20 度から摂氏マイナス 153 度の範囲にある。時折、火星の風が強くなり、惑星の大部分を覆う砂嵐が発生する。このような嵐の後、すべてのダストが落ち着くまでに数か月かかることがある。

火星にあるNASAの2台のローバーには気象観測機器があり、それぞれの場所で、毎日の気温をチェックすることができる。

・パーサビアランスからの火星の天気予報は こちら から。
・キュリオシティの毎日の天気予報は こちら から。

パーサビアランスローバー周辺の地面の温度は、おおむね摂氏マイナス 93 度から 17 度の範囲である。地表近くの気温はほぼ摂氏マイナス 83 度からマイナス 13 度の範囲である。

右図は、マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)によって撮影された、2018年に発生した全球規模の砂嵐が火星を包み込んだ様子をアニメーションで並べて表示したものである。

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<木星>: 惑星が太陽から遠ざかるにつれて急速に冷える。巨大ガス惑星である木星や土星は固体の表面を持たないために、地球の海面と同じ圧力の大気中の温度からその温度が取られる。同じことが氷の巨人である天王星と海王星にも当てはまる。

木星の縞模様や渦巻きは美しいが、実は水素とヘリウムの大気に浮かぶアンモニアと水の冷たく風の強い雲である。地球を象徴する大赤斑は、何百年もの間猛威を振るってきた、地球よりも大きな巨大な嵐である。木星の平均気温は摂氏マイナス 110 度である。

木星は太陽から平均7億 7800 万キロメートルにある。この距離では、太陽から木星まで太陽光が移動するのに43分かかる。木星は太陽系で最も一日が短い。木星の一日は約10時間(木星の自転時間)しかかからず、約12地球年(地球の日で 4,333 日)で太陽の周りを一周する(木星の一年)。

木星の赤道は太陽の周りを回る軌道に対して僅か3度傾いている。これは、この巨大な惑星がほぼ直立して回転し、他の惑星ほど極端な季節がないことを意味する。

<ひとこと>: 右側のイメージの大判は下記リンク(原典)からご覧ください。

<出典>: solar system

11月28日(火)
太陽系の温度(その2:金星、地球)

<金星>: 金星は水星に次いで太陽に2番目に近い惑星であり、太陽からの平均距離は約1億8百万キロメートルである。太陽の光が金星まで行くのに約6分かかる。

金星は地球に最も近い隣人であり、大きさも似ている。地球の双子とさえ呼ばれているが、金星は雲に包まれており、温室効果が働き、表面を鉛の融点以上に熱する濃い大気を持っている。平均表面温度は摂氏464度である。

従って、金星は---水星ではなく---太陽系で最も熱い惑星である。

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<地球>: 地球は太陽から平均1億5千万キロメートル離れている。太陽からの光が地球に届くまでには約8分かかる。

我々のホームの世界は、晴れの日、にわか雨、竜巻、強烈なハリケーン、猛吹雪、砂嵐など、ダイナミックでありまた嵐の惑星である。しかし、様々な嵐にもかかわらず、地球は一般的に他の惑星に比べて非常に快適な気温を持っている。地球の平均表面温度は摂氏15度である。しかし、地球では極端な気温がある。米国大気圏局(NOAA)によると、デスバレーでは、1913年7月10日に、カリフォルニア州のファーネスクリークで観測された摂氏 56.7 度という、地球上でこれまでに記録された世界最高気温の記録がある。世界気象機関によると、地球の最低記録温度は、1983年7月21日の、南極のボストーク基地での、摂氏マイナス 89.2 だった。

<ひとこと>: 右側のイメージの大判は下記リンク(原典)からご覧ください。

<出典>: solar system

11月27日(月)
太陽系の温度(その1:太陽、水星)

太陽と太陽系の惑星の平均温度を見てみよう。平均気温は、水星、金星、地球、火星などの岩石惑星の表面の平均温度である。矮惑星の冥王星も固体の表面を持っています。しかし、巨大ガス惑星には地表がないので、平均は地球の海面と同等の平均気温になる。

まず、太陽から始めよう。

太陽は途方もなく暑い。しかし、太陽の温度は少々不可解である。太陽の最も熱い部分はその中心であり、温度は摂氏 1500 万度を超える。太陽の表面と呼ぶ部分、光球は、比較的冷たく摂氏 5,500 度である。太陽の最大の謎の一つであるコロナは、太陽の外側の大気であるコロナは、表面から離れるほど熱くなる。コロナは摂氏 200 万度に達し、光球よりもはるかに高温である。これによって太陽の温度は逆である。

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<水星> 水星は太陽から約 5700 万キロメートル離れている。この距離から水星まで太陽光が届くのに約3分かかる。水星は太陽のすぐ隣に位置しているが、相対的には夜は非常に寒くなり、平均表面温度は摂氏 167 度である。日中の気温は平均よりもはるかに高くなり、最高気温は摂氏 430 度に達することがある。

<ひとこと>: 左のイメージの大判は、イメージのリンクから。

<出典>: solar system

11月26日(日)
タリム盆地のダストの壁

中国のタクラマカン砂漠タリム川水系は、地球上で最も乾燥した、最も不毛な広がりの一つである。3面を山脈で囲まれ、また、その多くの部分は年間10~40ミリメートルの雨を受け、結果として雨影(rain shadow)によって干からびる。
<注> rain shadow ---山または山脈の風下側で、風上側に比べて著しく降水量が少ない地域(気象用語)

11月から3月は特に乾燥し、通過する気象システムはしばしば砂埃の壁をかき混ぜ盆地を横切って流れる。このイメージは、アクア衛星の MODIS (中間分解能画像分光放射計)センサーが2023年11月11日に取得したものであり、寒冷前線がこの地域を通過し、東に向かって砂埃を吹き上げていた。イメージの左上の雲の中に見える天山山脈の北に、嵐が雪を降らせた。

砂漠の広がりと闘い砂嵐の数を減らすために、中国当局はタクラマカン砂漠とゴビ砂漠の端に沿って森林を造成する植林キャンペーンに取り組んでいる。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Earth Observatry

11月25日(土)
アポロ17号:三日月型の地球

この素晴らしい写真の宇宙の黒い背景に対して、我々の惑星が太陽に照らされた湾曲した三日月を見せている。 この馴染みのない視点から見ると、地球は小さく、遠い惑星の望遠鏡のイメージのように、地平線全体が完全に視野の中にある。低地球軌道からの国際宇宙ステーションのクルーによって楽しまれている、この惑星の非常に近い視界のみが可能である。90分ごとに一回この惑星を周る彼らの下には、雲、海、大陸の光景が、遠いこの惑星の端の部分的な弧とともに渦巻いている。しかし、このデジタル的に回復されたこのイメージでは、これまでに1968年~1972年に月に旅して戻った、アポロ宇宙飛行士達24人の人間によってのみ達成された視界を示している。その元の写真(AS17-152-23420)は、1972年12月17日の帰路の途中でアポロ17号のクルーによってとられた。これは、今では、人間の手によってとられたこの惑星の眺望からの、地球の最後の写真である。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

11月24日(金)
オメガ・ケンタウリの新しいガイアイメージ

ヨーロッパ宇宙機関の星探査ガイア・ミッションが、その焦点を当てられていた製品発表の一部として、新しいデータの宝庫を公開した。このデータ公開の一部として、ガイアは、地球から見ることができ、また典型的な集団の大きな例である、オメガ・ケンタウリを調査した。

オメガ・ケンタウリのこの宇宙船の美しい新しい視界が、ガイアの空によって視覚化されて、ここに示されている。それは、ガイア・データ公開3に見られるように、また、新しいデータ公開の一部として載せられた新しいガイア・モードを通して星達を結合している。肉眼で見られる限界の下から、100万倍以上微かなマグニチュードまでの、様々な明るさレベルを持つ星達が示されている。

チームは、通常の望遠鏡のパイプラインで測定するには近過ぎる状態にある、また、以前に見られたより最高15倍も微かな集団コアのそれらを星を検出し、ガイアが以前に見られなかった 526,587 の星達を明らかにした。この新しいデータは、オメガ・ケンタウリにおける10倍以上多くの星達を明らかにしている。この新しい知識は、星の構成がどのように分布しているか、それらがどのように動いているかなど、研究者達が集団の構造を更に調査するのを可能にするだろう。

<参考>: ガイア衛星(ヨーロッパ宇宙機関 2013年12月打上)
ここではガイアの派生調査の例としてオメガ・ケンタウリが取上げられているが、本来、地球規模の宇宙探査ミッションであるガイアの目的は、ミルキーウェイ銀河の約20億個の天体を測量することによって、銀河系最大かつ最も正確な3次元地図を構築することであった。その成果として、ミルキウェイがいくつかの銀河を吸収しながら発展した歴史、多数の新しいブラックホールの発見などが挙げられる。最近その4回目の成果が発表された。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Week in images (ESA)

11月23日(木)
Arp 87:ハッブルからの銀河の合体

このダンスは死に向かっている。これらの二つの大きな銀河達は闘っているので、星達、ガス、ダストの宇宙のブリッジが、今、 75,000 光年以上伸びそれらに加わっている。その橋自体が、これら二つの巨大な星のシステムが互いに接近していること、また相互の重力によって引き起こされる激しい潮汐を経験していることの強力な証拠である。 さらなる証拠として、 NGC 87Aとしても知られる右側のフェースオン渦巻銀河は、星形成の爆発で生成された多くの若く青い星団を見せている。左(NGC 3808B)のねじれたエッジ・オン渦巻は、銀河達を渡している、また、奇妙な極のリングで囲まれた素材で包まれているようである。共に、このシステムは Arp 87 として知られている。このような相互作用は何十億年にもわたって引き出されるが、これらの接近の繰り返しは、最終的には一つの合体した銀河に生まれ変わるだろう。 このシナリオは珍しいようにも見えるが、銀河の併合は一般的であり、 Arp 87 はこのような避けられないプロセスにある。この Arp 87 ダンスのペアは、しし座に向かった約3億光年にある。 左端の、遠い背景銀河のように見える目立ったエッジオン渦巻銀河は、進行中の合併には関与していない。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。左上のイメージは横幅を圧縮しています。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

11月22日(水)
NASAのジュノ、木星の風が円筒状の層を貫いていることを発見

NASAのジュノは、9月7日に行われた54回目の木星フライバイで、この木星の姿を捉えた。このイメージは雲の特徴と色のディテールを強調するために処理されている。

この新しい知見は、長らく議論されてきた巨大ガス惑星の内部構造について、より深い洞察を与えてくれる。

NASAのジュノー計画によって収集された重力データは、木星の大気の風が自転軸に平行な円筒形で木星を貫通していることを示している。この発見に関する論文は Nature Astronomy に掲載された。

木星の渦巻く大気の激しさは、天文学者や惑星科学者達にとって長い間魅惑的であったが、ジュノは、2016年に軌道に入って以来、一連の科学機器が木星の乱流の雲のデッキの下を覗き込み、巨大ガス惑星が内側からどのように機能しているかを調査してきた。

ジュノが惑星の内部について知る方法の一つは電波である。科学者達は、NASAのディープ・スペース・ネットワーク・アンテナを使って、ジュノが時速20万 9,000 km)で木星を通り過ぎる際の探査機の無線信号を追跡し、毎秒 0.01 ミリメートルという小さな速度の変化を測定している。これらの変化は、木星の重力場の変動によって引き起こされ、それらを測定することで、ミッションは本質的に木星の大気の中を見通すことができる。

このような測定は、木星の奥深くに希薄なコアが存在することや、雲の頂上から約 3,000 km まで伸びる木星のゾーンとベルトの深さなど、多くの発見につながった。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Jet Propulsion Laboratory

11月21日(火)
ユークリッドからのペルセウス銀河団

空には新しい宇宙望遠鏡、ユークリッド(Euclid)がある。 2台の大型パノラマカメラを搭載し、可視光から近赤外光までを捉える。 ユークリッドの直径 1.2 メートルの主鏡の5時間の観測で、その鋭い光学系を通して、2億5千万光年離れたペルセウス座銀河団の 1000 を超える銀河をとった。 背景には10万以上の銀河が見え、中には100億光年も離れたところにあるものもある。 ユークリッドの革命的な性質は、その幅広い組み合わせにある。満月の2倍の面積の視野、620メガピクセルのカメラの高い角度分解能、赤外線のビジョンが、イメージとスペクトルの両方を捉える。空の3分の一をカバーし20億個の銀河を記録したユークリッドの最初の調査は、暗黒物質と暗黒エネルギーが我々の宇宙をどのように形作ってきたかを研究することを可能にする。

<ひとこと>: これはヨーロッパ宇宙機関のユークリッド(Euclid)ミッションが、2023年11月7日に公開した五つの最初の科学イメージの一つであり、「今日に天文写真(下記)」に取上げられたものです。ユークリッドミッションが発表した内容等は、11月9日の記事で取上げています。大判はイメージのリンクから。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

11月20日(月)
オリオンからの惑星地球

1年前の米国東部標準時2022年11月16日午前1時47分に、NASAの深宇宙の最初の統合テスト探査システム、アルテミスⅠミッションの宇宙打上システム(SLS:Space Launch System)ロケットがオリオン宇宙船を乗せて地球を出発した。ケネディ宇宙センターの歴史的な第39B打上施設から打上げられて1時間以上の後、オリオンの外部ビデオカメラの1台が、宇宙からのこの新しい視点を捉えた。手前にはオリオンの軌道操作システム(Orbital Maneuvering System)エンジンと補助エンジン、下部にはヨーロッパのサービスモジュールがある。 モジュールの長さ7メートルの引き伸ばされた太陽電池アレイの翼の一つを超えて、この宇宙船の美しい故郷の世界が横たわっている。月面の近い接近通過を行い、月を越えて 70,000 キロメートル逆行軌道に着き、この無人のアルテミスⅠミッションは、月と火星の人間の探検を可能にする能力を試して25日間続いた。アルテミスⅠの成功に基づいて、2024年11月以降に、4名のクルーによるアルテミスⅡミッションが、月のまわりに挑戦して戻るだろう。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

11月19日(日)
宇宙の科学:ロボットヘルパー

クルーの時間は国際宇宙ステーションの貴重な資源であり、将来の宇宙ミッションのためにのみその価値が増加する。クルーの時間を最大限に活用する方法の一つには、ロボット技術を使用して、クルーの様々な作業を支援したり、他の作業を完全に自動化したりすることがある。

現在、宇宙ステーションで行われている JEM 内部ボールカメラ2調査は、この技術を開発するための継続的な取り組みの一環である。2018年に宇宙ステーションに打ち上げられた自由浮遊遠隔操作パノラマカメラ(free floating remote-controlled panoramic camera)は、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)による今回の調査で、このカメラを使った研究活動の映像や写真を、自律的に撮影する実証実験を行っている。現在、クルーには、研究者達にとって重要なツールである科学活動のビデオや写真を撮る時間が割り当てられている。この自律捕獲技術の実証が成功すれば、最終的にはクルーの時間を解放することができる。この調査は、ロボットが実行する可能性のある他のタスクのテストプラットフォームとしても機能する。

<ひとこと>: 左上のイメージのリンク先は動画 gif 、右のイメージのリンク先は Youtube です。

<出典>: Space station

10月18日(土)
宇宙からの地球:パナマ運河

水中で輝く宝石のように、中央アメリカを横断するパナマ運河を通過する船が、このヨーロッパ宇宙機関のコペルニクスセンチネル1号のイメージに捕らえられている。

ズームインしてこのイメージをフル解像度で探索するか、または図のような〇をクリックして詳細を確認しよう(下の「アクセス方法」参照)。

大西洋と太平洋を結ぶ長さ80キロメートルのパナマ運河は、前世紀最大のエンジニアリングプロジェクトの一つである。

両端の水門は、水位を26メートルも上げ下げするために使用され、運河に入る船は上昇し、出口で海面まで下げられる。通常の状態では、運河は毎年最大 14,000 隻の船舶が通過し、世界で最も忙しい海上航路のひとつになっている。

コペルニクスセンチネル1号衛星はレーダー機器を搭載し、全天候型の昼夜を問わず地球表面のイメージを提供し、船の交通を監視するには理想的である。

ここでは、2020年から2022年に得られた数百のレーダー・イメージが一つのイメージに圧縮されている。違いを強調するために、2020年のイメージは青、2021年のイメージは緑、2022年のイメージは赤など、毎年、別々の色が割り当てられている。運河の両端では、水路に出入りし、通過するのを待っている船は、年に応じて赤、緑、青の点として表示されている。

水路には海上交通の痕跡がはっきりと見え、イメージの中央にある大きく黒い内陸水域であるガトゥン湖の交通も同様である。

ガトゥン湖(Lake Gatun)は、カリブ海に流入する、北のチャグレス川(Chagres River:図の中央右下の〇印の付いた黒い筋)を堰き止めることによってつくられた。そこでは川が黒い曲がった線として見ることができる。湖の水は運用を維持するのに役立っているが、今年、パナマは、記録上最も乾燥した季節の一つを経験しており、堰き止めを満たすために必要な淡水の供給に、かなりの影響を及ぼした。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Week in images (ESA)

<詳細図のアクセス方法>: 上の出典のリンクからのペ-ジ、ヨーロッパ宇宙機関の「今週のイメージ(Week in images)」は、同時に複数の記事が掲載されますので、リンク先から該当する記事を探し出す必要があります。その地点の簡単な説明がついた図のようなが示された記事があります。

11月17日(金)
PDS 70:ディスク、惑星、その衛星達

最も注目を集めているのは大きなリングではない。 星 PDS 70 の周りの大きな惑星形成リングがはっきりとイメージ化され、それ自体は非常に興味深いものである。また、右側の惑星ではなく、大きな円盤の内部が最も話題になっている。惑星 PDS 70c が新しく形成され、興味深いことに、サイズと質量は木星に似ている。 騒ぎを引き起こしているのは、惑星 PDS 70c の周りの不明瞭な片である。そのぼやけた片は、現在その月に形成されているダストの円盤であると考えられており、これまでに見られたことがなかった。 この注目のイメージは、2021年に、チリ北部の高地アタカマ砂漠にある66台の電波望遠鏡アタカマ大型ミリ波アレイ(ALMA)によって撮られた。 アルマ望遠鏡のデータから、天文学者達は、月(衛星)の形成を推測している。この系外惑星系円盤は地球の軌道に似た半径を持っており、何時の日か、我々の木星の四つと左程かわらない(ガリレオ衛星を指す?)、三つほどの月の大きさの衛星を形成するかも知れない。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

11月16日(木)
地球低軌道(LEO)での地上用半導体製造の利点

半導体および宇宙製造の SME(Subject Matter Experts)が共同で、微小重力が半導体および関連材料の製造にどのようなメリットをもたらすかを概説するホワイトペーパー(白書)を作成した。地球の重力は、迅速かつ高収率の半導体製造には大きな障壁となっている。微小重力は、これらの障壁を乗り越える道筋を提供している。また、地球低軌道ベースの製造をサプライチェーンに組み込むことには、実質的なメリットがある。この白書は、この産業を宇宙に移行することが、NASAの宇宙産業アプリケーション(InSPA:In Space Production Applications)の目標を達成するための道筋であると主張している。これらの目標には、米国の技術的リーダーシップの強化、国家安全保障の向上、質の高い雇用の創出、人類への利益の提供、地球低軌道の堅固な経済の発展の実現が含まれている。

<写真>: NASAの宇宙飛行士で遠征65のミーガン・マッカーサーが、微小重力科学グローブボックスで、実験用サンプルを交換している。この物理学的研究は、微小重力下で溶融物を結晶化する実験的方法を探求し、溶融物中の流体運動を減少させ、サブコンポーネントの分布を改善し、半導体結晶の製造に使用される技術の向上につながることが期待されている。

<ひとこと>: 国際宇宙ステーションでは無重力(微小重力)を利用した様々な実験が行われています。しかし、まとまった成果として大きく取上げられる例はあまり多くはありません。「宇宙生産アプリケーションとは?:What is In Space Production Applications?」は こちら からご覧いただけます。

大判はイメージのリンクから。

<出典>: In Space Production Applications (InSPA)

11月15日(水)
エルニーニョ、食料不安への影響が予測される

エルニーニョ現象が、地球全体の降雨パターンを混乱させ、食料生産にさまざまな影響を及ぼしている。ある場所では雨が多過ぎ、他の場所では少な過ぎ、作物の収穫量に影響が及び、飢饉早期警戒システムネットワーク(FEWS NET)に参加している科学者達によれば、1億1千万人が食糧支援を必要とすると予測されている。

エルニーニョ現象は、中部と東部の熱帯太平洋の海面水温が平年より高くなることを特徴とする自然現象である。海表面のこの周期的な温暖化が流れの中央の巨礫のように働き(イメージの動きを参照)、雨量のパターンを移動させる方法で大気の循環を混乱させる。米国南部とアフリカの隅ではより湿度が高い状態が予想され、より乾燥した条件が、アフリカ南部、ラテンアメリカ、オーストラリア、東南アジアの一部にかかる可能性がある。

今年のエルニーニョは、特定の領域において、2023年末から2024年中頃までを通して強さを得続けることが予想され、高いレベルでの食糧不安に関与することが推測される。FEWS NET パートナー達によって開発されたこのマップは、小麦、トウモロコシ、米、大豆、モロコシを含む、重要な必需品の収穫の上で、エルニーニョが投影されたインパクトを示している。このマップは、1961年から2020年までの、歴史上の収穫産出高と気象データの分析に基づいている。NASAからの科学者達、米国海洋大気圏局、メリーランド大学・カリフォルニア大学等がこのマップの開発に貢献した。

科学者達の過去の作物収量の分析では、エルニーニョ現象による干ばつによって、アフリカ南部と中央アメリカでのトウモロコシの収穫量が減少する可能性があり、オーストラリアの小麦の収穫量と東南アジアのコメの収穫量も一般的に減少する。世界の大豆の収量は、平均して、エルニーニョ現象の間に改善する。一方、平年を上回る降雨によって、アフリカとアフガニスタンのホーン岬の多くでの、3年間のかんばつからの段階的な回復を容易にすることが期待される。

FEWS NET の食料安全保障アナリスト達は、地域の降雨不足や余剰が作物の収穫量、ひいては食料安全保障にどのように影響するかのシナリオを作成し、この情報を使って、米国国際開発庁(USAID)が食料支援や人道的ニーズを理解するのに役立てている。この作業は、多くの人々が日々のニーズを満たすために自ら作物を育てることに依存している地域では特に重要である。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Earth Observatry

11月14日(火)
日本の沖の新しい島

日本の南の火山群島の一部である硫黄島の沖合に最近新しい島が出現した。2023年10月末に海底火山が噴火し始め、その後、火山灰や岩石が積み重なって新しい島が形成され、宇宙からも見えるようになった。

2023年10月18日に Landsat-9 が取得した左のイメージは、噴火が始まる前の硫黄島周辺である。11月3日の右の画像では、硫黄島の南の海岸から約1キロメートルのところに新しい小さな島が見えている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Week in images (ESA)

11月13日(月)
宇宙から見た地球:日本の秋

このイメージは、2023年11月1日の、ヨーロッパ宇宙機関のコペルニクス・センチネル3号ミッションの撮影であり、日本列島の秋の色を捉えています。

ズームインしてこのイメージをフル解像度で探索するか、または、円をクリックして解説を見よう--- 下の<ひとこと>欄に内容を抽出してあります。

日本は、太平洋の西側に、約 2500 km にわたって無数の島々が連なっている。しかし、陸地のほぼ全域は、この国の四つの主要な島で占められており、そのうちの三つがこのイメージに写っている。北から南へ、北東から南西へ弧を描くように伸びる最大の島、本州、本州のすぐ下にある四国、その下に九州が見える。

また、日本は山岳地帯が中心であり、国土の約68%が森林に覆われていることも分かる。気温が下がり、日照時間が短くなったことで紅葉が始まり、特にイメージ上部の森は茶色や赤の色で現れている。これらの色は、さまざまな樹種、地域の天候、標高、斜面の向きによって異なっている。

都市部と耕作地は、灰色の色調の、はっきりとしたコントラストで際立っている。本州の東海岸で最大のエリアは日本の首都東京である。東京湾を囲むように広がるこの大都市圏は、約3千7百万人が住む世界最大のメガシティである。本州の太平洋岸に沿って南下している他の都市部は名古屋と大阪である。

本州には、1707年から休火山となっている国内最高峰の富士山もある。その雪をかぶった山頂が、東京の南西約100キロメートルの太平洋岸近くに、小さな白い点として見ることができる。

山頂から噴煙が立ち上るもう一つの火山は、九州の南の島桜島である。かつては鹿児島湾の真ん中にあった島火山だったが、1914年の大噴火で東の大隅半島と結ばれ、現在は半島となっている。

コペルニクスセンチネル衛星は、共に働く四つのセンサーを運んでおり、これまでの全センチネルミッションの中で最も複雑なものとなっている。このイメージの作成に使用された海洋・陸地カラー装置(Ocean and Land Colour Instrument)は、海洋の生態系のモニタリング、作物管理と農業の支援、大気エアロゾルと雲の推定値の提供など、地球に関する新しい視点を提供している。

<ひとこと>:
1、本州の季節の移り変わり(紅葉前線の進み具合)がこれほどはっきり出るのは驚きです。紅葉は北部から琵琶湖付近まで進んでいます。左上のイメージのリンクから確認してください。
2、右図それぞれの〇の解説(右から左へ)
 (1) 東京、東京湾を囲むように広がる東京の首都圏は、約 3700 万人が住む世界最大のメガシティ。
 (2) 富士山は1707年から休火山となっている、日本最高峰の山である。
 (3) 気温が下がり、日照時間が短くなったことで紅葉が始まり、茶色や赤の色合いで現れている。色は、さまざまな樹種、地域の天候、標高、斜面の向きによって異なる。--- 長野県北部だろうか? 
 (4) 名古屋
 (5) 大阪
 (6) 海岸線沿いの海域の ターコイズ・カラー は、堆積物を海に運ぶ川の流出を示している。

<出典>: Sentine3- (ESA)

11月12日(日)
NASAの観測ロケット、アラスカのオーロラの中で打上げられる

2023年11月8日、アラスカ州フェアバンクスのポーカー・フラット研究場から打上げられた観測ロケット。ロケットはオーロラに突入し、オーロラが大気を熱し、高高度の風を引き起こす仕組みを理解するためのデータを得ることに成功した。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: NASA Newsletters

11月11日(土)
ディンキネシュ、月の出

先週の水曜日(11月1日)、航海中のルーシー(Lucy)探査機は、最初の小惑星である 152830 ディンキネシュ(Dinkinesh)に遭遇し、内部メインベルト小惑星に衛星があることを発見した。 ルーシーの長距離観察画像装置(Long-Range Reconnaissance Imager)は、秒速 4.5 キロメートルのフライバイの間に、400キロメートル以上の距離から、このバイナリシステムのクローズアップを捉えた。その素晴らしい世界、ディンキネシュ自体は小さく、幅は最大で800メートルに満たない。 宇宙船の視点から見たその衛星が、小惑星の背後から現れている。この小惑星の衛星の幅は約220メートルと推定されている。

<続 報>:
この観測の後、ルーシーの観測位置の変化から、実際には小惑星ディンキネシュの衛星の更に裏側にもう一つの衛星が隠されていることが分かった(右図Bの右端)。

最接近時に撮影されたディンキネシュ(Dinkinesh)とその衛星の最初のダウンリンクしたイメージでは、ルーシーの視点から見ると、接触した連星の二つの塊が、たまたま互いの後ろに並んでいた。チームが遭遇の数分間に撮影された追加のイメージをダウンリンクして初めて、この天体の本質が明らかになった。この6番目のイメージは、最接近から約 960 分後の、約 1,630 km の距離からに撮影された。

<前半の記事>: Astronomy Picture of the Day

<後半の記事>: 後半の記事は こちら から。大判イメージは、イメージのリンク先、原典の記事から確認してください。

11月10日(金)
この冬、強いエルニーニョが更に洪水をもたらす可能性

南北アメリカ大陸の西海岸沿いの道路や建物が浸水するような高潮の洪水が、2030年代までに変わる可能性がある。

NASAの海面水位変動科学チームの分析によれば、この冬強いエルニーニョ現象が発生すると、アメリカ大陸の西海岸沿いの都市では、道路を浸水させ低地の建物に浸水する、高潮による洪水の頻度が高まる可能性がある。

エルニーニョ現象は、太平洋の赤道域の海面が平年より高く、海水温が平年より高くなる周期的な気候現象である。これらの条件は、アメリカ大陸の西海岸に沿って極方向に広がる可能性がある。今年も発達中のエルニーニョ現象は、米国南西部に例年よりも多くの雨をもたらし、インドネシアなどの西太平洋の国々に干ばつをもたらす可能性がある。これらの影響は通常1月から3月にかけて発生する。

NASAの分析によると、強いエルニーニョ現象が発生すると、シアトルやサンディエゴなどの都市で、この冬に「10年に一度」と呼ばれる洪水が最大5回発生する可能性があることが分かった。エクアドルのラ・リベルタッドやバルトラのような所では、この冬、10年に一度の洪水が3回発生する可能性がある。この種の洪水は、通常、エルニーニョの年以外では、アメリカ大陸の西海岸では発生しない。研究者達は、これらの都市では、2030年代までに、エルニーニョに関わらず、海面上昇と気候変動によって、年間10年に一度の洪水が同程度になる可能性があると指摘している。

<イメージ>: SWOT 衛星からのデータは、2023年8月12日と10月3日の間の、エクアドルとペルーの沖で海面水位の偏差(平均高度と比較した海面の高低)を示している。このデータは、アメリカ大陸の西海岸に沿ってエルニーニョ現象が発達していることを示している。

<ひとこと>: 大判はヘッドラインから。10月26日の記事も参照。

<出典>: Jet Propulsion Laboratory

11月9日(木)
ヨーロッパ宇宙機関、ユークリッド衛星の初めてのイメージを発表

ユークリッド、渦巻銀河を見る--- NASA(JPL)の記事から。 

この渦巻銀河 IC 342 のイメージは、ユークリッド(Euclid)ミッションが、2023年11月7日に公開した、五つの最初の科学イメージの一つである。暗黒物質と暗黒エネルギーの謎を調査するヨーロッパ宇宙機関主導のユークリッド天文台(Euclid)は、2024年初めに通常の科学運用を開始する予定である。

NASAのジェット推進研究所(JPL)は、ユークリッド宇宙船の計器の一つに重要なハードウェアを提供した。さらに、NASAは米国に拠点を置くユークリッド科学データセンターを設立し、NASAが資金提供する科学チームは、他のユークリッドの科学者達とともに、ダークエネルギー、銀河の進化、暗黒物質を調査・研究する。

他のユークリッドイメージは こちら から。

<ひとこと>: ここでは発表された五つのイメージを「静止画単体」でゆっくり見ていただくために、NASAが発表した記事をベースにしていますが、ヨーロッパ宇宙機関では1分のビデオとして発表していますので こちら(.mp4) からご覧ください。なお、画面が現れるまでに少し時間が掛かりますが、細かな動きを見ることができます。
ユークリッド(Euclid)ミッションは、ヨーロッパ宇宙機関がより力点を置いている探査機の一つです。ヨーロッパ宇宙機関は、先に、ミルキーウェイ銀河全体の星達の位置とその動きをくまなく調査するためにガイア(gaia)衛星を打上げ、その結果は大きな成果をもたらしています。今回のユークリッドは、多くの銀河に重点を置き、その隠された背景を調査して、天文学で最も基礎的な疑問、暗黒エネルギーや暗黒物質の本質を調査しようとするものです。

<出典>: Jet Propulsion Laboratory

11月8日(木)
2023年の控えめなオゾンホール

NASAとNOAA(米国大気圏局)が毎年行っている衛星と気球による測定によれば、2023年の南極オゾンホールは、9月21日に最大サイズに達した。2千6百万平方キロメートルのこの穴は、1979年以来、一日あたり12番目に大きなオゾンホールとしてランク付けされた。

9月7日から10月13日までのオゾン層破壊シーズンのピーク時の間の今年のホールは、平均2千3百万平方キロメートルであり、北米とほぼ同じ大きさであり、この期間で16番目に大きかった。

「これは非常に控えめなオゾンホールである。人為的に生成された塩素化合物のレベルの低下は、活発な南極の成層圏の天候の助けを借りて、今年のオゾンレベルを僅かに改善した。」と、NASAのオゾン研究チームのリーダー、ゴダード宇宙飛行センタのポール・ニューマンは言っている。

この図は、NASAのオゾン監視チームが計算した、2023年9月21日の南極上空のオゾンホールの大きさと形状を示している。中程度のオゾン損失(オレンジ)が、より強いオゾン損失(赤)のエリアの中に見られる。

成層圏のこの部分が太陽の有害な紫外線から地球を保護するために、オゾン層は地球の天然の日焼け止めのように働く。オゾン層が薄くなると、日焼け、白内障、皮膚がんの原因となる紫外線からの保護が低下する。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンク先から。右下のイメージは暦年のオゾンホールの大きさ、 Youtube から。

<出典>: Earth Observatry

11月7日(火)
NASAのジュノ、ガニメデの表面に塩類と有機物を観測

NASAのジュノ・ミッションによって収集されたデータは、木星最大の衛星の表面に塩の過去が泡立っている可能性があることを示している。

NASAのジュノミッションは、木星の衛星ガニメデの表面でミネラル塩と有機化合物を観測した。この発見のデータは、氷の月へのフライバイ中に、探査機に搭載された木星赤外線オーロラマッパー(JIRAM)分光計によって収集された。この発見は、ガニメデの起源と深海の組成をより深く理解するのに役立つ可能性があり、「Nature Astronomy」にも掲載された。

水星よりも大きなガニメデは、木星の衛星の中で最大であり、氷の地殻の下に隠された広大な内部の水の海のために、長い間、科学者達にとって大きな関心を集めてきた。NASAのガリレオ探査機とハッブル宇宙望遠鏡、ヨーロッパ南天文台の超大型望遠鏡によるこれまでの分光観測では、塩や有機物の存在が示唆されてはいたが、これらの観測の空間分解能が低く断定できなかった。

2021年6月7日、ジュノは最低高度 1,046 キロメートルでガニメデの上空を飛行した。最接近の直後 JIRAM は月面の赤外線イメージと赤外線スペクトル(光の反射に基づく物質の化学的指紋)を取得した。

イタリア宇宙機関によって構築された JIRAM は、木星の深部から放出される赤外線を捉え、この巨大なガス惑星の雲の頂きから50〜70キロメートル下の層の気象を調査するように設計されている。しかし、この装置は、ガリレオ衛星、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの地形に関する洞察を提供するためにも使用されている。

<ひとこと>: 大判イメージは下記リンク(原典)から。

<出典>: Jet Propulsion Laboratory

11月6日(月)
NASAのジュノ・ミッション、木星とイオを共に捉える

NASAのジュノミッションは、2023年7月31日の木星への53回目の近接フライバイを完了する数時間前に、木星の火山の衛星イオを通り過ぎ、同じフレーム内に二つの天体のこの劇的な視界をとらえた。

太陽系で最も火山活動が活発な世界、イオの表面は、溶けた溶岩と硫黄ガスで定期的に噴火する何百もの火山によって特徴付けられる。ジュノは、2007年以来の、イオに最も近い外観を科学者達に提供しており、この宇宙船は、2023年後半から2024年初頭の更に接近するパスの中で、一連の科学機器からの追加のイメージとデータを収集する。

このイメージを作成するために、市民科学者 Alain Mirón Velázquez は、 JunoCam 機器からの生の画像を処理して、コントラスト、色、シャープネスを向上させた。2023年7月30日に生のイメージが撮影された時点で、ジュノは、イオから約 51,770 キロメートルにあり、木星の雲の頂きから約 395,000 キロメートル上空にあった。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Photojournal.JPL

11月5日(日)
クリュチェフスコイからの火山の噴煙のうねり

2023年秋、ロシアの カムチャツカ半島のクリュチェフスコイ(Klyuchevskoy)火山 の噴火活動がエスカレートしている。NASAのアクア(Aqua)衛星に搭載された中間解像度画像分光計(MODIS:Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer)センサーが、2023年11月1日に、このイメージを取得した。灰の噴煙は、クリュチェフスコイから海抜12キロメートルまで昇り、東南東に 1,600 キロメートル伸びたと報告された。

この疑似カラー画像は、火山から発せられる溶岩流と火山灰の噴煙を詳細に示している。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Earth Observatry

11月4日(土)
太陽系の不吉な音

これらは、各種天体や宇宙船など、20ほどからの様々な信号を音響化したものです。ハロウィーンに合わせて発表されました。

特別な意味はありませんが、聞いてみるのも一興かと取上げてみました。左図または下のリンクからお聞きください。

なお、左のイメージは、最終のステファン・クィンテットからの場面を示しています。

<出典>: The solar system

11月3日(金)
国際宇宙ステーションでのハロウィーン

軌道を周っている研究室に乗っているクルーメンバーは、依然としてハロウィン・スピリッツに入るのを好んでいる。

個々に、または、全クルーかどうかにかかわらず、彼らは、宇宙ステーションに積まれた活用できる素材から設計された、気味の悪い、怖いけれど常に創造的なコスチュームで扮装する。

過去のハロウィーンからの以下の場面を楽しもう。

<ひとこと>: イメージはいくつかの代表的なものを選んでいます。全てのイメージは次のリンクから。

<出典>: Space station

11月2日(木)
SWOT ミッションの、世界の海面に関する前例のない視界を見る

このアニメーションは、7月26日から8月16日までに、地表の水および海洋地形(SWOT:Surface Water and Ocean Topography)衛星が収集した全地球海面データを示している。赤とオレンジは平均より高い海高を示し、青は平均よりも低い海高を表している。(ジェット推進研究所・カリフォルニア工科大学)

国際探査ミッション SWOT から得られた全球の海面高度に関するデータは、地球の海の魅惑的な眺めをもたらしている。

SWOT 衛星は、海面の高さを全球的に合成した画像など、地球の水の魅力的な画像を送り返している。この衛星は、7月26日から8月16日の間に完了した SWOT の最初の21日間の科学軌道の中で、示された視覚化されたデータを集めた。 SWOT は地球の表面にあるほぼ全ての水の高さを測定しており、地球の海と淡水の湖や川のこれまでで最も詳細で包括的な視界の一つを提供している。この衛星は、NASAとフランス宇宙機関 CNES の共同研究である。

このアニメーションは、世界中の海面高度の偏差を示しており、赤とオレンジは全球平均海面高度よりも高い海面高度を示し、青は平均よりも低い海面高度を表している。海面水位の違いは、米国東海岸沖のメキシコ湾流や日本の東海岸沖の黒潮流など、海流を際立たせることができる。また、エルニーニョ現象が発生した際の太平洋赤道域の東部など、海面水温は温暖化とともに膨張するため、海水温が比較的暖かい地域を示すこともある。

SWOT 科学チームは、画期的な Ka 帯レーダー干渉計(KaRIn)装置を使って測定を行った。ブームに10メートル離れた二つのアンテナを配置した KaRIn は、地球を一周しながら水面から跳ねるレーダーパルスを集め、水面高度を測定する。

<ひとこと>: 米国東海岸沖のメキシコ湾流・日本の東海岸沖の黒潮の流れ、また、冬季であったアフリカ南部から南インド洋にかけての極端な海高の凹凸が目につきます。この間の気象と気温の変化はどのように関係したのだろう? アニメーション動画はイメージをクリック。

<出典>: Jet Propulsion Laboratory

11月1日(水)
JAXA 相模原キャンパス特別公開 2023

毎年行われているJAXA 相模原の特別公開2023があります。
11月3日の現地公開の申込は JAXA から。

 

ここではオンライン公開の概要のみを紹介します。

日時 2023年11月4日(土) 10:00 〜 16:45
URL YouTubeライブ配信 (録画視聴可能) [申込不要]
Youtube の視聴は https://youtube.com/live/Fw3s4GSzBpw から。
SNS ・X (Twitter)(@ISASopen)・TikTok(@jaxa_isas)
  ※ ハッシュタグ #ISASopen で感想やコメントお待ちしています!

参加費無料・どなたでもご参加いただけます。
ご注意 プログラムの構成により、終了時間が変更になる場合があります。

講座の詳細は次のイメージをクリックして大判を確認してください。


<ひとこと>:  Youtube は録画でご覧になることもできます。 詳細は下記の JAXA のサイトから。

<出典>: JAXA


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