このページでは様々な時宜に即した「今日の宇宙(Space of the Day)」をご紹介しています。掲載期間はおおむね一か月。土曜日・日曜日・祝日は「肩の凝らない」記事を選んでいます。

5月30日(火)
NASAの月探査軌道船、 HAKUTO-R 1 月着陸船の衝突サイトを見る

<前書き>: この件については既に多くの報告が提供されていますので、ここではNASAが発表したイメージを中心に、その要点を掲載します。

アイスペース(Ispace)の HAKUTO-R ミッション1は、月面に着陸する予定の民間資金による宇宙船として2022年12月11日に打上げられた。月への数ヶ月の旅の後、この宇宙船は、アトラス・クレータ(Atlas crater)の近くに着陸するために、地表への制御された降下を開始した。翌日、そのチームは、異常が発生し、ミッションの月着陸船が地表に安全に着陸しなかったと発表した。

着陸未遂の翌日の2023年4月26日、NASAの月偵察軌道船(LRO:Lunar Reconnaissance Orbiter)のカメラが着陸地点を見た。

以下、図の説明

左上の動画イメージ: 着陸(衝突)前と後の地表面の比較。矢印Aは、左上の反射率が高く、右下の反射率が低い顕著な表面変化を示している。矢印B、C、Dは、衝突周辺の他の変化を示している。右下のスケールバーは直径50メートル。

反射率の違いとは--- HAKUTO の衝突によって地表面近くの地下の粉塵が舞い上がり、地表に落ちることによって表面の色が変わり、その部分の日光の反射の割合が変化した。なお、円形のクレータ内部の顕著な色の変化は撮影した時刻の違いによる影の差である。

下のイメージ、左から、大判はそれぞれのイメージをクリック。
なお、“クレータ錯視”によって凹凸が逆に見えることがあることに注意! 例:左上の図のクレータは“窪み”であることが明確に意識できるが、下中央のイメージの左端、下端の円形は盛り上がって見えることがある。共にインパクトクレータであり凹である。

  1. 着陸未遂の翌日4月26日に軌道船のカメラが見た着陸サイト
  2. 軌道船の狭角カメラが撮った月面着陸地点の合成イメージ。中央左の青の✕印に注目。
  3. 前後のイメージを分割して作った比較画像。衝突によって、直径約60〜80メートルの反射率の高い領域が生じた。


<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: LRO(月探査軌道船)

5月29日(月)
北極の気温の異常

北極の増大は、北極地域が世界平均よりも速いペースで温暖化するプロセスである。この現象は、温室効果ガス排出の影響を悪化させる正のフィードバックメカニズムに大きく起因している。

この急速な温暖化は、北極圏の生態系の微妙なバランスを不安定にするだけでなく、地球規模の気候パターン、人口、野生生物に深刻な影響を及ぼしている。

このイメージは、1991年から2020年の平均と比較した、2022年の北極圏の平均気温の偏差を示している。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。一昨日、5月27日(土)のヨーロッパ宇宙機関の記事も参考に・・・。

<出典>: Week in images (ESA)

5月28日(日)
イスラエル、エルサレムの街の明かり

アラブ首長国連邦の宇宙飛行士、国際宇宙ステーションの遠征69フライトエンジニア、スルタン・アルネヤディ(Sultan Alneyadi)が259マイル上空を周回しているときに、イスラエルのエルサレムの街の明かりを撮った。

<ひとこと>: アラブ首長国連邦の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに長期滞在するのは初めてのことです。写真の技術に優れているように見えますので、土・日を中心に、折を見て、その写真を取り上げます。イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Space station

5月27日(土)
世界の海の氷の更新された視界

左のイメージはヨーロッパ宇宙機関の気候変動イニシアチブによって発表された新しいデータセットでとられた詳細レベルの増加を示し、右のイメージは Eumetsat OSI SAF での海氷の濃度を示しています。
イメージが広域であり変化が微小に見えるのでご注意ください。

地球の氷の減少は、間違いなく気候変動の最も明確な兆候の一つである。ヨーロッパ宇宙機関の気候変動イニシアチブの一環として、新しい高解像度の海の氷の濃度データ記録が最近発表され、世界中の海の氷の濃度に関する新しい洞察を提供している。
ここ数十年、地球の気温の容赦ない上昇は、海氷の範囲と厚さの懸念される減少をもたらしてきた。特に北極圏では海の氷が急速に減少しており、ヨーロッパ宇宙機関の衛星観測はこの傾向の憂慮すべき証拠となっている。
これは、先住民の生活を混乱させ、極地の野生生物、世界的な気象パターン、海流にも影響を与えるため影響は深刻である。
ヨーロッパ宇宙機関の気候変動イニシアチブの海氷チームは、最近30年間(1991-2020)の海氷の濃度を、より高い解像度でカバーする新しいデータレコードを発表した。このデータセットは、先の40年間の記録ほど長くはないが、より詳細に氷を見ることができる。
このデータは、マイクロ波イメージと数値気象予測データから、 CCI 海氷チームによって開発された専用アルゴリズムを介して処理され、コペルニクスセンチネル1号レーダーミッションのデータを使用してデータを検証した。

--- 以下略。

右下は北極における晩夏の海氷面積の遷移。

<出典>: Week in images (ESA)

5月26日(金)
スパニッシュダンサー渦巻銀河

完璧ではないにしても、この渦巻銀河は少なくとも最も写真写りの良い一つである。何十億もの星を含む島の宇宙、イルカの星座 (ドラド)の約4千万光年にある NGC 1566 は、豪華なフェースオンの視界を見せている。ハッブル遺産目録でオンラインで保存されているこれらのイメージのいくつかが、この示されたイメージをつくるために自由にダウンロードされ、結合され、精励なアマチュアによってデジタル的に処理された。NGC 1566 の燃え上がっているセンタは、恐らく周囲の星やガスを荒廃させる超巨大なブラックホールを中央に収容する、最も近くて最も明るいセイファート銀河の渦巻の一つにしている。グランド・デザイン渦巻に分類される NGC 1566 は、明るく青い星の集団と暗い宇宙のダストレーンによって追跡される、二つの際立ったまた上品な渦巻の腕を示している。多くの NGC 1566 のハッブル宇宙望遠鏡のイメージが、星の構成、超新星、渦巻の異常な活動的な中心を調査するためにとられた。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

5月25日(木)
CFHT からのヘリックス星雲

我々の太陽も何時かこのように見えるのだろうか? このヘリックス星雲は、太陽のような星の寿命の終わりにつくられるガスの雲である惑星状星雲の、最も明るく最も近い例の一つである。 我々の、螺旋(ヘリックス)を見下ろしているかのような有利な位置から、この星の外層のガスが宇宙に放出されているのを見ることができる。 白色矮星になる運命にある残りの中心の星の核が、非常にエネルギッシュな光で輝き、以前に放出されたガスを光らせている。 NGC 700 の名を与えられたこのヘリックス星雲は、みずがめ座の方向約700光年にあり、幅約 2.5 光年に及ぶ。 この注目の写真は、米国ハワイ州の休火山の頂上にあるカナダ-フランス-ハワイ望遠鏡(CFHT)で撮影された。ヘリックス星雲の内側の端のクローズアップは、未知の起源の複雑なガスの節を示している。

<ひとこと>: イメージのリンク先は壁紙サイズ版(1600 × 900)です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

5月24日(水)
火星の平らな岩の丘

火星には何故それほど多くの平らな岩があるのだろう? 地球の岩と比較して、ある火星の平原と丘の視界は異常に平らな多くの岩を示している。この理由の一つは火星と地球に共通するプロセスである浸食である。火星の二酸化炭素の風は、火星の砂の周りを吹く時に、紙やすりのような働きをすることがある。この砂は、長く露出した石のトップをすり減らして岩を滑らかにし、異なる浸食を引き起こすことがある。
上面の平らな岩で覆われたいくつかの丘を捕えた此処に示されたイメージは、NASAのキュリオシティ・ローバーによって、先月、火星でとられた。このロボット探査車は、今、10年間火星を横断して徘徊し、地球の隣人惑星の過去の、湿度と風の多くの詳細を明らかにするのに役立っている。これと他のイメージをとった後、キュリオシティは、マカー・バンド・バレー(Marker Band Valley)を登るために、石と滑りやすい砂を注意深く進んだ。

<ひとこと>: イメージは原画の一部を切り出しています。クリックして原画をご覧ください。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

5月23日(火)
カラーの土星の月ヘレーネ

その色は微妙かもしれないが、土星の月ヘレーネは全ての光が謎である。この月は、2012年に、土星を周っているロボット・カッシーニ宇宙船がこの小さな月の一つの地球の直径の中を飛んでいるときに、先例のない詳細で撮られた。これまでのクレータと丘が現れているが、このイメージでは、また、異常に滑らかなまた筋になって表れた地形をも示している。惑星天文学者達は、この差渡し30キロメートルの浮かぶ氷山の起源と進化について手掛かりを集めるために、ヘレーネのこれらの詳細なイメージを調べている。ヘレーネは、また、安定したラグランジュポイントとして知られる重力のえくぼを占める四つの知られた土星の月の一つであり、大きな月ディオネに先行して土星を回っているので珍しい。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

5月22日(月)
暴走する星アルファ・カメロパルダリス

宇宙の海を耕す船のように、暴走する星アルファ・カメロパルダリス(Alpha Camelopardalis)が、この優雅な弧を描く船首の波または船首の衝撃波をつくり出した。 この巨大なスーパージャイアンツは、その星間の経路の材料を圧縮しながら、宇宙を通して秒速60キロメートル超で動いている。このほぼ6度のワイドの視界の中心のアルファ・カム(Alpha Cam)は、太陽の約25〜30倍大きく、5倍熱く(絶対温度3万度)、50万倍以上明るい。 首の長い星座カメロ・パルダリスの約4千光年にあるこの星は、また、強い恒星風をつくり出す。 アルファカムのボー・ショック(船首の衝撃波)は、星自体から約10光年離れている。 何がこの星を動かしているのだろう?  天文学者達は、長い間、アルファカムは、他の集団のメンバーとの重力の相互作用によって、または、おそらく巨大なコンパニオンの星の超新星爆発によって、近くの若く熱い星達に放り出されたと考えてきた。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

5月21日(日)
カリフォルニア州の都市群、サンフランシスコとオークランド

国際宇宙ステーションが上空262マイルを周回しているとき、サンフランシスコ湾で隔てられたカリフォルニア州のサンフランシスコ(上)とオークランド(下)の都市が、NASAの宇宙飛行士遠征69フライトエンジニア、ウディ・ホーバーグによって撮られた。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Space station

5月20日(土)
モーリタニアの「サハラの目」

モーリタニアの侵食された地質のドーム、「サハラの目」としても知られるリシャット構造が、アフリカ大陸の上空259マイルを周回する国際宇宙ステーションから撮られた。

<参考、英語版ウィキペディアから>: ゲルブ・エル・リシャットとも呼ばれるリシャット構造(Richat Structure)は、アフリカ北西部のモーリタニア中西部のウアダネ近くのサハラ砂漠のアドラル高原にある顕著な円形の地質学的な特徴。地元の方言では羽を意味する言葉が使われ、アラビア語では、地元の井戸から水を引くために使用される革のポーチの円形の開口部タゲンセとも呼ばれる。
直径40キロメートルの侵食された地質学的ドームであり、同心円状のリングのように見える層の堆積岩を露出させている。火成岩が内部に露出し、壮観な流紋岩(rhyolites)、斑糲(はんれい)岩(gabbros)、中央の巨大角礫岩(megabreccia)がある。この構造は、また、アシュール文化(ヨーロッパの前期旧石器文化)考古学の人工品の特別な堆積の場所でもあり、最初の地質学的遺産のサイト、100の一つとして選ばれた。

<ひとこと>: この地は多くの国際宇宙ステーションの宇宙飛行士によって撮られています。イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Space station

5月19日(金)
2023年1月から5月中旬までの海面温度

このアニメーションは、1985年~1993年と比較した、2023年1月から5月中旬までの海面温度を示している。我々の海の最近の表面温度は最高記録に達した。エルニーニョの切迫に伴って、我々は、間もなく、極度に悪い方向に向かうと懸念される。頭上を周っている衛星は、エルニーニョを一層理解し、この周期的な現象の結果を予測するために、このパターンを追って注意深く使われている。

エルニーニョとラニーニャの海洋と大気の結合システムは、ともにエルニーニョ南方振動(El Niño Southern Oscillation)として知られており、気象の変動によって引き起こされる温暖化傾向に加えて、地球の気温と降水量の大きな変動の要因となる。

エルニーニョは数年ごとに発生し、貿易風が弱まり、西太平洋の暖かい水が東に移動し、風のパターンと海洋の力が変化する。これは世界中の天候に大きな影響を与え、生態系や漁業の変化、干ばつ、洪水、暴風雨などにつながる可能性がある。

気象モデルは、地球に一般的な冷却効果をもたらすラニーニャの3年後、今後数か月でより厄介なエルニーニョに戻ることを示唆している。

 <ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .gif です。右図は2022年5月(左)と2023年5月の海面温度

 <出典>: Observing the Earth (ESA)

5月18日(木)
SuperBIT からのタランチュラ星雲

タランチュラ星雲または30ドラドス(30 Doradus)は直径160光年以上、近くの衛星銀河「大マゼラン雲」の巨星領域に形成されている。それは、約16万光年にあり、ローカルグループの全銀河達で知られている、最大の、最も激しい星形成領域である。 この宇宙のクモ形類の動物はこの壮観なイメージの中央に近くにあり、NASAの気球で運ばれた 0.5 メートル望遠鏡、今、宇宙の端近くに浮いている SuperBIT(Super Pressure Balloon Imaging Telescope)のフライトの間にとられた。良く研究されたタランチュラ (NGC 2070) の中の激しい放射線、 R136 としてカタログ化された大規模な星達の中央の若い集団からの星の風と超新星の衝撃波が星雲の輝きにエネルギーを与え、蜘蛛のようなフィラメントを形をつくっている。タランチュラの周辺には、若い星の集団、フィラメント、吹き出したバブル形の雲による他の星形成領域がある。 SuperBIT の広い視界は、南の星座ドラドで、2度または満月四つに及んでいる。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

5月17日(水)
M2-9: バタフライ星雲の翼

星は死後芸術として評価されるだろうか? 実際には、星は死んだときにそれらの最も芸術的な表現をもたらす。我々の太陽やここに描かれた M2-9 のような低質量の星達の場合、これらの星達はそれらの外側のガスの包みを投げ棄て、彼ら自身を一般的な星から白色矮星まで変化する。その費やされたガスは、数千年間かけて徐々に弱まり、しばしば惑星状星雲と呼ばれる印象的なディスプレイを形成する。代表的な色で示された 2100 光年にあるバタフライ惑星状星雲 M2-9 は、不思議なまた不完全な話を語る羽根を持っている。中心では、二つの星達が、冥王星の軌道の10倍の、ガスのディスクの中を周っている。 死にかけた星から放出された包みが、双極性の外見をつくってディスクから起きている。 惑星星雲の原因となりまた形づくる物理的プロセスについては多くの未知が残っている。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

5月16日(火)
フォーマルハウトのダストの多いディスク

フォーマルハウト(Fomalhaut) は、南のうお座の方向、惑星地球から25光年の明るい星である。天文学者達は、1980年代にフォーマルハウトの過剰な赤外線放射に初めて注目した。以来、宇宙と地上ベースの望遠鏡は、この赤外線放射の源を、 熱く若い星を囲む惑星システムの証拠、ダストの破片のディスクとして確認した。しかし、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の中間赤外線装置カメラからのこの鋭い赤外線イメージは、恐らく、埋め込まれているが見えない惑星達によって形づくられ維持されている、衝突し合っている天体と内部のダスト・ディスクの可能性がある証拠とギャップ、外側のリングの大きなダストの雲を含めて、これまで見られなかったフォーマルハウトの破片のディスクの詳細を明らかにしている。地球と太陽の平均距離、天文ユニット(au)による尺度が左下に描かれている。我々の太陽系の海王星の軌道を越えた小さな氷の天体と破片のカイパーベルトの距離の2倍くらいに、フォーマルハウトの外の星周ダスト・リングが横たわっている。

<ひとこと>: 「今日の天文写真(Astronomy of the day)」に掲載された記事です。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のサイトからの発表は こちら から。イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

5月15日(月)
スカイラブ1号打上げ50周年

1973年5月14日、NASAのケネディ宇宙センターから無人のスカイラブ1号/サターンⅤ宇宙船が打ち上げられ、煙の雲が周辺に渦巻いている。このスカイラブ1号の積載物には、軌道の作業場、アポロ望遠鏡マウント、マルチドッキングアダプタ、エアーロックモジュールなど、宇宙ステーションの主要構成要素を含んでいた。スカイラブ2クルーは、アポロ指令とサービス・モジュールに乗って、後日、宇宙ステーションに打上げる予定だった。

スカイラブは低軌道での恒久的な運用への道を開くのに役立った。1973年5月25日から1974年2月8日までの人間搭乗の過程で、3人のクルーがスカイラブを訪れ、物理、天文、生物科学の分野での270の科学的および技術的調査を行った。これらの活動は、我々が現在国際宇宙ステーションで行っていることの先駆けであった。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Skylab

5月14日(日)
宇宙から見た地球:西之島、日本

このコペルニクスセンチネル2のイメージは日本の西之島を示している。

ズームインしてこのイメージを10メートルのフル解像度で探索するか、〇をクリックして詳細を確認しよう(後述)。

小笠原諸島の一つである西之島は、東京から南に約千キロメートル離れた小さな無人の火山島である。環太平洋火山帯の西端に沿った火山活動によって、実際には水没した火山の先端であるこの島が生まれた。

1974年までは、水没したカルデラの尾根の一部しか見えず、島の長さは約700メートル、幅は約200メートルであった。以来、西之島は爆発的な活動と穏やかな期間を交互に経験してきたが、長年にわたる様々な噴火による溶岩によって島は大きくなった。

このイメージは2021年2月に取得されたもので、島は南北方向に約 3.2 km、東西方向に約2kmである。

島の周りの水の黄色がかった色は、火山活動による火山の鉱物、ガス、海底堆積物によるものである。南東に約10キロ伸び、海流が明るい緑の渦巻きに変わっている。

ガスと蒸気の噴煙が火山から昇り、太平洋を北東に漂っているのを見ることができる。噴煙が高くなると蒸気が凝縮して雲を形成する。

火山の噴煙は、灰が酸素の供給を汚染してジェットエンジンに損傷を与える可能性があるので、航空業界にとって特に懸念事項である。衛星の大気センサーは、噴火によって放出されるガスとエアロゾルを識別し、それらのより広い環境への影響を定量化し、航空業界に早期警告を提供するのに役立つ。

衛星のデータは、火山活動をよりよく理解するためにも使用できる。光学機器とレーダー機器は、溶岩流、土砂崩れ、地盤の亀裂、地震を画像化し、被害の評価に使用できる。

<扱い方>: 下の「出典」のリンクから該当するページを探し、左上図のような〇印をクリックすると、その部分を拡大し、概略の英語解説を見ることができます。一方、左上のイメージは説明なしの高精細イメージに直接リンクしています。
なお、ヨーロッパ宇宙機関の「今週のイメージ」は、同時に複数の記事が掲載されます。リンク先から該当する記事を探してください。

 <出典>: Week in images (ESA)

5月13日(土)
宇宙からの地球:花咲くカリフォルニア

2023年4月8日にコペルニクス・センチネル2号ミッションによって捕えられたこのイメージは、ロサンゼルスと南カリフォルニアの後背地の一部を示している。

このイメージを探査するために、10メートルの解像度でズームインするか、より学ぶために〇印をクリックしよう(後述)。

米国で二番目の居住者を持つロサンゼルスの広がるメトロポリタン・エリアが、イメージの下に灰色で見ることができる。サン・バーナーディーノ(San Bernardino)市がロサンゼルスのおよそ100キロメートル東にある。右下の明るい緑と、暗い青のいくつかの湖が確認できる。北の都市の境界の、アンヘレス(Angeles)とサン・バーナーディーノ(San Bernardino)国有林の植物の生育するエリアが、サンガブリエル(San Gabriel)とサンバーナーディーノ山脈の山麓の丘に見える。最高 3068 メートルのサンアントニオ(San Antonio)山と周囲の山頂が雪で覆われている。モハーヴェ砂漠(Mojave Desert)がイメージの上部を支配している。

長年続いた干ばつの後、カリフォルニアは、最近、記録破りの冬の降水を経験している。宇宙からも見えるように花のフィールドが広がっている。ポピーの鮮やかなオレンジと黄色や、ランカスター(Lancaster)の西、アンテロープ(Antelope)谷、ウォーカー峡谷(Walker Canyon)で最も目立つ、咲く野草の花がイメージを通して見ることができる。

<扱い方>: 下の<出典>のリンクからイメージを開き、左上図のような〇印をクリックすると、その部分を拡大し、主な地勢等の概略の英語解説を見ることができます。一方、左上のイメージは説明なしの高精細イメージに直接リンクしています。

<出典>: Week in images (ESA)

5月12日(金)
ウェッブが水蒸気を見つけたが、岩石の惑星またはその恒星からだろうか?

宇宙で最も一般的な星は赤色矮星であり、そのことは、岩石系外惑星が赤色矮星を周回しているのが見つかる可能性が最も高いことを意味している。赤色矮星は冷たいので、その惑星が液体の水を有するのに十分な暖かさを保つためには、狭い軌道のハビタブルゾーンになければならない。このような恒星達は活動的であり、特に若いときにも活発で、惑星の大気を破壊する可能性のある紫外線やX線の放射線を放出する。その結果、天文学における重要な未解決の問題の一つは、岩石惑星がそのような過酷な環境で大気を維持できるかどうかである。

その疑問に答えるために、天文学者達は、NASAのジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を使って、 GJ 486 b として知られる岩石系外惑星を調査した。それは親星に近すぎてハビタブルゾーン内に収まらず、表面温度は摂氏430度である。それでも、ウェッブの近赤外分光器(NIRSpec)を使った彼らの観測は水蒸気のヒントを示している。水蒸気が惑星に関連している場合、それはその灼熱の温度とその星に近接しているにもかかわらず、それが大気を持っていることを示している。水蒸気は以前にも気体を有する系外惑星で観測されたことがあるが、これまでに岩石系外惑星の周囲で大気が確実に検出されたことはない。但し、チームは、水蒸気は恒星自身からであり、惑星からではない可能性があると警告している。

GJ 486 b は地球より約30%大きく、質量は3倍であり、このことは地球よりも重力の強い岩石の世界であることを意味している。赤色矮星の周りを地球日で1日半弱で周回しており、昼の側と夜の側が固定された潮汐ロックされていると予想される。

<ひとこと>: ジェームスウェブ宇宙望遠鏡のコーナーからの発表は こちら から。

<出典>: James Webb Space Telescope

5月11日(木)
2024年4月の皆既日食のマップ

来年4月8日、皆既日食(Total Solar Eclipse)が、メキシコ西からカナダ東部まで、テキサス州の南で米国を入りメイン州の北で出て、北アメリカを横断するだろう。北アメリカの全てが、少なくとも部分日食を経験するだろう。此処に示されているのは皆既食の通り道のマップである。皆既日食を見た多くの人々は、彼らの生涯の残りの間にそれについて語る。ウォーミングアップとして、今年後半、10月中旬に、環状日食(Annular Solar Eclipse)が見られるだろう。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。先のことですが、非常の狭い範囲まで予知しているという意味で取上げました。原画で確認してください。あくまで北アメリカで見られるということで日本は別です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

5月10日(水)
NASAのアニメーション、宇宙最大のブラックホールの大きさを示す

新しいNASAのアニメーションが、超大質量ブラックホールの「巨大さ」を強調している。これらのモンスターは、我々のミルキーウェイを含むほとんどの大きな銀河の中心に潜んでおり、太陽の100万倍から数百億倍の質量を含んでいる。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 Youtube です。ブラックホールの「巨大さ」をアニメーションでご覧ください。

<出典>: Black Holes

5月9日(火)
銀河、ジェット、そして有名なブラックホール

明るい楕円銀河メシエ87(M87)の超大質量ブラックホールのイメージが、2017年に、地球のイベント・ホライズン望遠鏡によって、史上初めて撮影された。 おとめ座銀河団の約55万光年の巨人 M87 は、スピッツァー宇宙望遠鏡からのこの赤外線画像に、青い色合いで描かれた大きな銀河である。 M87 はほとんど形がなく雲のように見えるが、このスピッツァーのイメージでは、銀河の中央領域から発するジェットを比較的詳細を記録している。

右上の挿入図に示されているジェット自体は数千光年に及ぶ。右に見られる明るいジェットは我々の視線に近づきつつあり、反対に、特に見えない退くジェットによって生まれた衝撃波が、素材のかすかな弧を照らしている。

右下の差込みには歴史的なブラックホールのイメージが概要で示されている。スピッツアイメージでは完全には未解決の、落ち込む素材によって囲まれたこの超巨大ブラックホールが、活動銀河 M87 の中央からの相対的なジェットをドライブする巨大なエネルギーの源である。

イベント・ホライズン望遠鏡の M87 のイメージが、今、有名な超巨大ブラックホールのより鋭い視界を明らかにするために画質を向上させられた。

<ひとこと>: イメージのリンク先は壁紙サイズ版(1600 × 900)です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

5月8日(月)
NASAのシャドウカム月の南極地域を撮る

<左図>:前例のない詳細のシャクルトンクレータ(Shackleton Crater)。
      初めにイメージをクリックして大判から矢印の先を確認してください。

NASAのアルテミスⅠミッションの成功と、最近のアルテミスⅡのクルーを指名よって、アルテミスⅢの間の、人類初めての月の南極地域への旅に向けた準備が順調に進んでいる。この準備のために、NASAの科学者達とエンジニア達は、宇宙における我々の場所と、かってない遠くに冒険するのに役立つ科学的知見を生み出すことを約束する、この影の領域について可能な限り学んでいる。

科学者達が情報を収集する方法の一つは、影のカメラ(ShadowCam)と呼ばれる高感度光学カメラの使用である。このNASAの機器は、2022年8月に打ち上げられた KARI (韓国航空宇宙研究院)の、 DANURI (ダヌリ)とも呼ばれる KPLO (韓国パスファインダー月周回機)に搭載された他の五つの韓国の機器とともに飛行している。

マリン・スペース・サイエンス・システムズとアリゾナ州立大学(ASU)によって開発された ShadowCam は、同等の月面カメラよりもはるかに光感度が高い。直射日光が当たらない恒久的に影のある領域の高解像度画像を取得し、アルテミスミッションやロボットミッションの科学や探査計画に役立てる。

昨年12月にダヌリが月周回軌道に入って以降、 ShadowCam は月の北極と南極領域のイメージを定期的に撮ってきた。以下に強調表示されているのは、これまでのいくつかの傑出したイメージとそれらが明らかにするものである。

地球照テスト 反射力 新月の間に地球照を使う

<参考>: 地球照(Earth shine)--- 太陽光を含まず地球から反射される光のみで照らされる輝き。

<ひとこと>: 記事は一部を切り出したものです。それぞれのイメージのリンク先は原画です。

<出典>: Moon to Mars

5月7日(日)
船からの日食

4月20日に、概ね陸地への接近を避けた狭い経路に沿って、珍しい皆既食またはハイブリッド食をもたらす新月の影が惑星地球の南半球を走った。インド洋からオーストラリアの西の沖までの、皆既食の軌跡のセンターラインの近くの海上の食の追跡者達は、合計62秒の食を見ることができた。
この海上の食のイメージでは、宇宙に向かって流れる、活動的な太陽の壮大な大気圏と太陽のコロナを捕えている。 1/2000 から 1/2 秒までの11の露出の一つの合成写真が、皆既食の間の、完全には見ることのできないコロナの詳細に至る、明るさの拡がった視界を記録している。

<ひとこと>: 文章は意訳しています。イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

5月2日(火)
SOHO、彗星との遭遇

この合成イメージは、NASA/ヨーロッパ宇宙機関のSOHO(Solar and Heliospheric Observatory)の LASCO コロナグラフにによって観測された最も明るい彗星のコレクションを示している。これらの彗星のほとんど全ては、サン・グレーザ(Sungrazer:太陽をかすめるように通過する彗星)プロジェクトに参加している市民科学者達によって発見されている。これらの LASCO のイメージを調査することによって、誰でも新しい彗星を報告し、新しい発見をすることができる。

LASCO はコロナとして知られる太陽の外側の大気を調査しているが、強力な彗星ハンターでもある。SOHOは、その26年間の運用で 4500 を超える彗星を観測し、歴史上最も成功した彗星ハンターとなっている。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Week in images (ESA)

5月1日(月)
ウェッブ、巨大な銀河集団の初期の宇宙の前篇を明らかにする

NASA/ヨーロッパ宇宙機関/カナダの望遠鏡のこのイメージで強調された七つの銀河は、ビッグバン後6億5千万年に相当する、天文学者達が赤方偏移 7.9 と呼ぶ距離にあることが確認された。このことは、これらを、これまでに発展途上の集団の一部として分光器で確かめられた最も初期の銀河達にしている。

ウェッブによって確認されたこれらの七つの銀河は、NASA/ヨーロッパ宇宙機関のハッブル宇宙望遠鏡のフロンティアフィールド計画のデータを使った観測の候補として最初に確立された。この計画では、非常に遠い銀河を詳細に観測するために、ハッブルの時間を重力レンズを使った観測に使った。ただし、ハッブルは近赤外線を超える光を検出できないために、観測できる詳細さは低かった。ウェッブは、ハッブルによって探査された銀河達に焦点を当て、イメージに加えて分光器の詳細なデータを集めるこの調査を取上げた。

天文学者達は、ウェッブの近赤外線分光器(NIRSpec)を使って距離を正確に測定し、これらの銀河が発達中の集団の一部であることを確認した。 YD4 銀河は、これまでのイメージデータから更に遠くにあると推定されていたが、他の銀河と同様赤方偏移によってより正確に位置づけすることができた。(以下一部略)

この結果はアストロフィジカルジャーナルレターズに掲載されている。

 

<ひとこと>: 以上はヨーロッパ宇宙機関からの解説を引用しています。

なお、この記事に関連するハッブルによるこれまでの深宇宙の探査の経緯の概略は以下のとおり。

1,ハッブルのディープフィールド
ハッブル宇宙望遠鏡は、1995年12月18日から10日間続けて、空の、星や銀河が見えない、非常に狭い暗黒の部分を、長時間かけて露光して見た。この試みは成算があって計画されたものではなかった。しかしその結果は、かって見たことのない遠い宇宙の存在だった。この領域は ハッブルのディープフィールド(HDF:Hubble Deep Field:ハッブルの深宇宙) と呼ばれる。


2,ハッブルのウルトラ・ディープフィールド
その後、2003年9月24日から2004年1月16日にかけて(実観測日数 11.5 日)、ろ座の1度ほどの暗黒領域の露光が行われた。この領域からは更に遠い銀河などが発見された。この領域は ハッブルのウルトラ・ディープフィールド(HUDF:Hubble Ultra Deep Field:ハッブルの超深宇宙)呼ばれる。


 <参考>:本サイト内の記事
      「ジェームスウェブ宇宙望遠鏡」 および 「アストロサイエンス」

 <出典>:  Week in image:ESA

4月30日(日)
宇宙からの地球:ローマ、イタリア

イタリアの首都ローマの歴史的中心部が、2023年3月28日に撮られたこのイメージに紹介されている。ズームインしてこのイメージを 1.2 メートルのフル解像度で探索するか、〇をクリックして詳細を確認しよう。

ちょっと面倒ですが楽しんでみてください! (扱い方下記)

永遠の都として知られるローマは、イタリアで3番目に長い川であるテベレ川のほとりにある。川が街を蛇行しているのを見ることができる。砂とシルト質の川床による川の水の色は、テベレ川が「ブロンド川」として知られる理由である。

このイメージには、世界的に有名なサイトがいくつか表示されている。ローマの円形劇場であるコロッセオの独特の楕円形がイメージの中央右の近く、川の東側、フォロロマーノとパラティーノの丘の遺跡に隣接している。その下には、古代ローマで最大の戦車競馬場であったチルコマッシモの細長い輪郭がある。川の曲がり角の左側には、川の市街地で唯一の島であるボート型のテヴェレ島がある。テヴェレ川を北上すると、ナボーナ広場の楕円形の東に、直径43メートルを超えるパンテオンの白いオープントップのドームがある。川の反対側を少し北に行くと、サンピエトロ大聖堂とその有名な広場があるバチカン市国の主権国家が見える。星型のサンタンジェロ城も近くにある。それはハドリアヌス皇帝の墓だったが後に要塞として機能した。

イメージから明らかなように、ローマには公園、歴史的な別荘、公共の庭園など、多くの緑地があり、合わせて約4千ヘクタールをカバーしている。

このイメージは、ヨーロッパ宇宙機関のサードパーティミッションプログラムの一部、非常に高解像度の編隊であるプレアデスネオミッションによって取得された。

<扱い方>: 下記リンクから該当するイメージ(Rome Italy)を開き、左上図のような〇印をクリックすると、その部分を拡大し、主な施設等の概略の英語解説を見ることができます。
右下はコロッセオを指した例とその解説です---訳:その特徴的なオーバル(卵型)形を持つこのコロシアム(Colosseum)は、これまでに建設された最大のローマの円形劇場である。

一方、左上のイメージは説明なしの高精細イメージに直接リンクしています。

<出典>: Observing the Earth

4月28日(金)
M87巨大ブラックホールを取り巻く降着円盤とジェットの同時撮影に初めて成功

2019年4月、イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)によって撮影された史上初のブラックホールシャドウの画像が公開された。おとめ座の方向約5千5百万光年にある楕円銀河M87の中心に存在し、質量が太陽の65億個分もある超巨大ブラックホールである。撮影された画像は、光さえ脱出できないブラックホールの視覚的証拠を初めて示すとともに、銀河の中心には巨大ブラックホールが存在することを決定的にするものだった。

しかしながら、この画像だけでは中心部のブラックホールの周囲に広がる構造が明確ではなかった。撮影された直径約 0.011 光年のリング状構造は、ブラックホールに最も近いところで重力によって光の軌道がねじ曲げられた「光子リング」と呼ばれる領域だった。この光子リングの周囲には「降着円盤」と呼ばれる構造が広がっていると予言されている。一方、波長の長い電波を用いた広視野の観測では、中心部から高速で噴出する「ジェット」と呼ばれるガス流の様子が確認されている。また、M87は「活動銀河核」と呼ばれる明るい中心核を持つことが知られている。巨大ブラックホール、降着円盤、ジェットというこれらの「活動銀河核の三種の疑問」を明らかにすることが、天文学者達への大きな宿題として残されていた。

研究チームは、今回、グローバルミリ波 VLBI 観測網(通称 GMVA)と呼ばれる地球規模の国際電波望遠鏡ネットワークを主に用いて中心部の詳細な観測を行った。波長 3.5 ミリメートル帯で観測する GMVA は、波長 1.3 ミリメートル帯で観測する EHT と互いに不足を補い合う役割の国際 VLBI ネットワークである。

今回の観測では、チリのアルマ望遠鏡とグリーンランド望遠鏡も新たにネットワークに加わり、データ品質が大幅に向上し、M87巨大ブラックホール周辺の様子がかつてない高い精度で明らかになった。

<イメージの解説>: 波長 3.5 ミリメートル帯の観測で得られた楕円銀河M87中心部の電波画像。グローバルミリ波 VLBI 観測網(GMVA)に、アルマ望遠鏡とグリーンランド望遠鏡が新たに参加した地球規模の国際電波望遠鏡ネットワークにより、2018年4月14日から15日にかけて観測が行われた。中心部のリング状の構造は巨大ブラックホールを取り巻く降着円盤であり、そこにつながるジェットの様子も捉えられている。

この研究成果は英国の科学雑誌「ネイチャー」に、2023年4月26日付で掲載された。

<ひとこと>: 以上は要約です。詳細は下記リンク(国立天文台の記事)から。

<出典>: 国立天文台

4月27日(木)
NGC 2419:銀河間放浪者

球状星団 NGC 2419 の星達が、星座やまねこ座方向の、このハッブル宇宙望遠鏡の視界のフィールドに密やかに詰め込まれている。フレームの端近くの二つの明るいスパイクの星達は我々の銀河の中にある。しかし NGC 2419 自体は約30万光年離れている。比較として、ミルキーウェイの衛星銀河大マゼラン雲は約16万光年にある。大雑把にオメガ・ケンタウリのような他の大きな球状星団と似た NGC 2419 は、本質的には明るいが、とても遠く離れてのでかすかに見える。その極端な距離は、調査することを、また、我々のミルキーウェイ銀河のハローを徘徊する他の球状星団とその特性を比較することを難しくしている。ある時は「銀河間放浪者」と呼ばれる NGC 2419 は、実際にミルキーウェイの向こうから来たように見える。宇宙を通した集団の動きの測定は、かつて、それが、より大きなミルキーウェイとの度重なる出会いによって崩壊した他の小さな衛星銀河、いて座矮小回転楕円体銀河に属していたことを示唆している。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

4月26日(水)
偏光の卵星雲

卵星雲の中心は何処だろう? 宇宙の卵から現れたこの卵星雲の中央の星は、ゆっくりと自身を白色矮星に変え、ガスとダストのシェルを投げ出している。その卵星雲が急速に前惑星状星雲に発達し、約1光年に広がっている。それは、北の星座はくちょう座の方向約3千光年に横たわっている。
厚いダストが中央の星を視界から遮断し、そのダストの殻がこの星からの光を一層反射している。平面で振動する光は分極化として知られる効果を引き起こす。卵星雲のために偏向された光の方向の測定は、隠された源の位置の手掛かりを与える。2002年にハッブルの調査用高性能カメラ(掃天観測用高性能カメラ)によってとられたこのイメージは、分極化の方向に焦点を当てるために、特別にコード化された色を与えられている。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

4月25日(火)
M100:グランドデザインの渦巻銀河

真に宇宙規模で雄大な M100 は、グランドデザインの渦巻銀河として知られている。 それは、我々のミルキウェイ銀河に似たはっきりした渦巻き腕を持つ、100億以上の星の大きな銀河である。 おとめ座銀河団の最も明るいメンバーの一つである M100 (別名 NGC 4321)は、かみのけ座に向かって100万光年にある。この M100 のハッブル宇宙望遠鏡のイメージは広視野カメラ3でとられ、銀河達のこのクラスの特質である明るく青い星の集団と複雑な曲がったダストレーンを強調している。 M100 の変光星の調査は、宇宙の大きさと年齢を判定することで重要な役割を演じている。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

4月24日(月)
NGC 1333:ペルセウスの星の保育所

NGC 1333 は可視光線では反射星雲として見られ、星間のダストによって反射される星明りに特有な青い色によって支配されている。それは、英雄、ペルセウスの星座の方向僅か千光年にあり、大きな星形成分子雲の端に横たわっている。このハッブル宇宙望遠鏡のクローズアップは、 NGC 1333 の推定された距離で、幅1光年超の領域を占めている。それは、ハービッグハローオブジェクト、ジェット、最近形成された星から放射される成長するガスからの強いコントラストの赤い放射が物語るヒントとともに、ダストの領域の詳細を示している。実際に NGC 1333 は百万年未満の何百もの星達を含み、全面的な星くずによって、依然として可視光線望遠鏡からはほとんどが隠されている。この混沌とした環境は、45億年以上前に形成された我々の太陽と類似しているのかもしれない。この星の託児所のハッブルの驚くようなイメージは、この宇宙望遠鏡の打上の33回目の記念日を祝って公開された。

 <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。
    この記事は ハッブル宇宙望遠鏡のコーナー にも掲載があります。

 <出典>: Astronomy Picture of the Day

4月23日(日)
ネパールのヒマラヤとエベレスト

ネパールのヒマラヤの亜熱帯側に雲が集まり、インドの上空263マイルを周回する国際宇宙ステーションの外部高解像度カメラで撮影されたこの写真の中央にはエベレストが見える。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Space station

4月22日(土)
宇宙からの地球:韓国、ソウル

韓国の首都ソウルとその周辺が、2023年2月21日にヨーロッパ宇宙機関のコペルニクスセンチネル2ミッションで捕らえられたこのイメージに紹介されている。このイメージの最高解像度は10メートルである。高精細 こちら(84MB) または、低精細 こちら(1.68 MB) で確認しよう。

北朝鮮との国境から南に約50キロメートルに位置する韓国ソウルの大都市圏が、イメージの中央に灰色の領域として表示されている。
漢江が市内を流れており、イメージの右側には部分的に氷で覆われているのが見える。朝鮮半島で最大の川の一つである。ソウルを西に流れて黄海に流れ込む、水を着色する黄色がかった砂にちなんで名付けられている。
ソウルは森林に覆われた山々に囲まれており、この冬のイメージでは茶色く見える。北漢山国立公園が市のすぐ北にあり、島のようで、周囲の都市環境の大きな緑として機能している。ソウルの西には、ソウルの主要港として機能する沿岸都市、仁川がある。韓国の主要空港である仁川国際空港が大きな人工島の西側のイメージにはっきりと見える。--- 以下略。

<ひとこと>: イメージはメイン記事にリンクしています。表示されるイメージの〇印をクリックすると、主な施設等の概略の解説が英語で表示されます。

<出典>: Observing the Earth (ESA)

4月21日(金)
NASA、火星の衛星への国際ミッションに10人の科学者を選出

NASAは、NASAが支援する参加科学者として、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)の火星衛星探査(MMX)ミッションの科学ワーキングチームに参加する米国中の機関からの10名の研究者達を選んだ。

2024年に打ち上げ予定の JAXA の MMX ミッションは、火星の衛星、フォボスとダイモスを訪問し、フォボスの表面に着陸し、表面のサンプルを収集する。このサンプルは2029年に地球に届けられる予定である。選ばれた科学者のうち7名は MMX の飛行装置を用いて調査を行う。

 <ひとこと>: NASAが10人ほどの大勢の科学者達を指名して一つの探査に関わる公式の発表は見たことがありません。これは、火星の衛星の探査の重要性と、「はやぶさ」など日本のサンプル収集の技術への高度の信頼を示すものと考え、ここに取り上げました。この記事は、昨日の「火星探査写真集」に掲載したものです。イメージのリンク先は原画(JAXA 提供)です。

これらのうち、ジョンズホプキンス研究所、NASAのジェット推進研究所、大学などの7名が機器の開発を、3名がサンプルの分析に関わります。

 <出典>: Mars

4月20日(木)
注目すべき10の地球の事実

毎年4月22日は、 地球の日(Earth day) として我々の故郷、美しい惑星を祝ってきた。1970年に設立された「地球の日」は、地球の環境問題を強調し、将来の世代のために世界を保護することの重要性についての認識を高めるために使われてきた。しかし、毎日が「地球の日」であるべきではないだろうか? 美しい惑星は一つしかない。地球に関する最も注目すべきこの事実の厳選されたリストを楽しもう。

  •  地球は実際には丸くない?
  •  珊瑚礁は地球最大の生きた構造である
  •  地球はグニャグニャの内部を持っている
  •  南極大陸は地球上で最も大きな氷床のホームである
  •  月は地球から徐々に離れている
  •  アタカマは地球上で最も乾燥した場所である
  •  地球の磁極は西に忍び寄っている
  •  ヨーロッパは大きさで2番目に小さな大陸であるが住民は3番目に多い。
  •  チベットは地球の第三極である。
  •  木は呼吸している

    <ひとこと>: ここでは疑問のみを抽出しています。答えは下のリンクから(英語)。

    <出典>: Observing the Earth (ESA)

  • 4月19日(水)
    リゲル・ワイド

    惑星地球の夜に、光り輝く、青い、超巨星リゲルが、ハンターオリオンの足をマークしている。ベータ・オリオンと呼ばれ、それは、この視界の注目すべき深く広いフィールドの中心にある。二つの星達は、最終的にコアの崩壊する超新星としてそれらの時代を終えるのに十分に巨大であるが、リゲルの青い色は、その対抗するスーパージャイアント、オリオンの黄色いベテルギウス(オリオンアルファ星)より非常に熱いことを示している。約860光年にあるリゲルは、太陽よりも熱く、太陽の半径の約74倍に及んでいる。それは、おおよそ水星の軌道の大きさである。星雲の豊かな星座の方向広さ10度のフレームにおいて、オリオン星雲は左上にある。リゲルの右側に向かって、また、その光り輝く青い星明りに照らされて、ダストにまみれた魔女の頭星雲が横たわっている。そのコンパニオンの星達は非常にかすかであるが、リゲルは多重星システムの一部である。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

    <出典>: Astronomy Picture of the Day

    4月18日(火)
    ジュース(Juice)、宇宙からの最初の「自撮り」を送る

    ヨーロッパ宇宙機関の木星の氷の衛星探査機(ジュース)は、地球を背景として、宇宙船の一部を示す最初の監視カメラ画像を撮影した。このイメージは、クールーのヨーロッパの宇宙ポートからアリアン5で打ち上げられ後、数時間で撮られた。

     <ひとこと>: 大判はイメージをクリック

     <出典>: Juice

    4月17日(月)
    ルービンの銀河

    このハッブル宇宙望遠鏡イメージにおいて、北の星座ペルセウスの方向、我々のミルキーウェイ銀河の中の手前に、明るくスパイクのある星達が横たわっている。その向こうに鋭い焦点を向けられているのは、約2億 3200 万光年にある巨大な渦巻銀河 UGC 2885 である。

    直径 100,000 光年ほどのミルキーウェイの直径と比較して差渡し約 800,000 光年ほどであり、およそ1兆の星を持っている。

    それは、ミルキーウェイの星達の約10倍である。銀河達がどのようにしてそのような巨大な大きさに増大することができるのかを理解する調査の一部として、 UGC 2885 は興味深い航海の一部であり、また、渦巻銀河の回転についての天文学者ヴェラ・ルービンの先駆的な調査であった。

    彼女の業績は、我々の宇宙の暗黒物質の優位な存在を実証した最初であった。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

    <出典>: Astronomy Picture of the Day

    4月16日(日)
    激しい雨と雪がトゥーレアリ湖を復活させる

    2023年3月29日にランドサット(Landsat)が撮ったこの強化されたカラーイメージで、カリフォルニア州コーコラン近郊のトゥーレアリ(Tulare)湖周辺の農地の植生に対して洪水 (濃い青) が際立っている。2023年の最初の3か月間の大雨と雪は、湖底に再び水をもたらしたが、近くのいくつかの町も浸水した。2023年は、この地域の歴史の中で最も雨の多い年である。

    カリフォルニア州のサン・ホアキン・バレー(San Joaquin Valley)にあるトゥーレアリ湖は、かつてミシシッピ川の西の最大の淡水湖だった。1920年までに、湖に水を供給する川が堰き止められ灌漑などの用途に転用された。以来、湖底はさまざまな作物を栽培する農場で覆われている。

     <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

     <出典>: Earth

    4月15日(土)
    Juice 打上げられる

    ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の最新の惑星間ミッションであるジュースは、2023年4月14日14時14分(中央ヨーロッパ標準時)にフランス領ギアナのヨーロッパの宇宙ポートからアリアン5ロケットで打上げられた。この打上げの成功は、巨大な惑星木星周辺の海の世界の秘密を明らかにするための野心的な航海の始まりを示している。

    打上げとロケットからの分離に続いて、ドイツのダルムシュタットにあるヨーロッパ宇宙機関のヨーロッパ宇宙運用センター(ESOC)は、中央ヨーロッパ標準時15時4分にオーストラリアのニューノルチャ地上局を介した信号を確認した。宇宙船の長さ27メートルの広大なソーラーアレイは、15時33分に独特な十字形に展開され、ジュースの外部太陽系への旅を確実にした。この重要な操作の完了は、打上げの成功を印した。

    ヨーロッパ宇宙機関事務局長のヨーゼフ・アシュバッハーは「ヨーロッパ宇宙機関は、国際的なパートナーとともに、木星に向かっている」「ジュースの壮大な打上げには、数十年前にミッションを考案した人々のビジョンと野心、この素晴らしいマシンを作ったすべての人の技術と情熱、フライトオペレーションチームの意欲、そして世界の科学コミュニティの好奇心が伴っている。人類の最大の疑問に答えるために、我々は共に科学と探査の限界を押し広げ続ける。」と言った。

     <ひとこと>: イメージのリンク先は打上のビデオ(.mp4)です。 Youtube で見るには こちら から。

     <出典>: Juice

    4月14日(金)
    <お知らせ>: ジュースに打上げはフランス領ギアナの打上基地周辺の気象不適合から一日延期され4月14日となりました。時刻等は昨日の記事をご覧ください。

    木星の秘密を探る:ジュースが解くトップ5の謎

    木星、その磁気環境、その衛星は、太陽系で最も興味深いシステムの一つである。2023年に打ち上げられ、2031年に木星に到着する予定のヨーロッパ宇宙機関の木星の氷の衛星探査機ジュース(Juice)は、この魅力的な惑星とその自然の衛星についてさらに明らかにする。

    1.  木星の海の世界はどんなものだろう?   

      木星の衛星の四つ、ガニメデ、エウロパ、カリスト、イオは「ガリレオ衛星」として知られている。これらのうち、図の最も上の衛星、イオを除く三つは氷の地殻の下に液体の水の海が隠されていると考えられている。これらの海はどの程度の深さだろう?


    2.  そして、何故ガニメデはそれほどユニークなのだろう?

      三つの衛星のうち、ジュースの主な科学的ターゲットは、冥王星や水星よりも大きな太陽系最大の衛星、固有の磁場を持つ唯一の衛星であるガニメデである。太陽系で他の二つの天体のみがガニメデのような双極の磁場を持つが、それは惑星(水星と地球)である。 ガニメデは、氷の世界の自然と特性を研究するための理想的な自然の実験室を提供する。ジュースはこの月の特徴に焦点を当てる。


    3.  木星システムに生命が存在する可能性はあるだろうか?

      木星の衛星が居住可能性のための適切な条件を提供しているかどうかの判断は、ジュースの中心的な目的の一つである。


    4.  木星の複雑な環境はどのように衛星を形づくっているのだろう?

      木星は強力かつユニークな重力、磁気、プラズマ環境を持っている。特に、その磁場は地球の磁場の約20倍強い。この惑星の複雑な磁気環境の理解は太陽系の傑出した謎の一つであり、特にその衛星達との相互関係は主要な研究対象である。


    5. 木星システムは、太陽系のガスの巨人であるだけでなく、太陽系以外の星を周回することが知られている多くの巨大惑星の原型となる。


     <注>: 1および3を除く図のリンク先は動画(.mp4)です。解説は要点のみ抽出しています。

     <出典>: Juice

    4月13日(木)
    ジュースの打上をライブでフォローする

    ヨーロッパ宇宙機関の木星の氷の月探査衛星 「ジュース(Juice:Jupiter Icy Moons Explorer)」 は、中央ヨーロッパ夏時間2023年4月13日14時15分(日本時間13日22時15分)にフランス領ギアナのヨーロッパの宇宙ポートから打上げられる。

    <注>: この探査計画には日本も参加しており、日本からの探査機器も主要な機器として搭載されている。

    打上中継は13時45分(日本時間21時45分)から16時5分まで。
    視聴は ヨーロッパ宇宙機関ウェッブテレビ または YouTube から。
     22時15分:ジュース打上
     22時42分:打上ロケット(Ariane 5)から分離
     22時51分:最初の信号受信
     23時55分:ソーラーパネル展開完了

    <ひとこと>: ジュースは、巨大なガス惑星木星と、その三つの大きな海洋衛星(ガニメデ、カリスト、エウロパ)を、一連のリモートセンシングや地球物理学的機器で詳細に観測する。そのミッションの第一の調査目的は、これらの衛星における生命の存在可能性とその環境調査である。ジュースは地球と金星のフライバイによって重力支援を受けた後、8年後に木星へ到着するは予定である。ジュースは機器展開後の大きさがバス2台分ほどもある大きな探査機である。

    右下のイメージをクリックすると、その展開のアニメーションが見られる

     <出典>: Juice

    4月12日(水)
    オリンパスモンス:太陽系最大の火山

    我々の太陽系最大の火山は火星にある。 地球のエベレストの3倍の高さであるが、火山の緩やかな斜面と火星の低い重力の故に、オリンパス・モンズは人間が登るのは難しくはないだろう。全てのハワイの火山のチェーンより大きなエリアをカバーするオリンパス・モンズの斜面は、典型的に、僅かに数度昇るのみである。オリンパス・モンズは、長い昔に流体の溶岩によって造られた、巨大なシールド(盾状)火山である。比較的静かな表面の地殻が、時とともにそれをつくり上げるのを許した。その最後の爆発は約 2500 万年以前であったと考えられている。この示されたイメージは、現在赤い惑星を周っている、ヨーロッパ宇宙機関のロボット、マーズ・エクスプレス宇宙船によってとられた。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

    <出典>: Astronomy Picture of the Day

    4月11日(火)
    銀河中心の電波のアーク

    我々の銀河の中央の近くのこの変わったカーブの構造を引き起こしているのは何だろう? 示された電波イメージのトップを横断する傾斜する長い平行した放射は、集合的に銀河中心の電波の弧として知られ、銀河面から出ている。この電波の弧は、アーチとして知られる奇妙な曲がったフィラメントによって銀河の中心と結ばれている。右下の明るい電波構造は、銀河の中心のブラックホールを囲むいて座 A* (Sagittarius A*)として知られている。その起源の仮説の一つには、それらが恒常的な磁場の線に沿って流れる熱いプラズマを含んでいるので、その電波の弧とアーチがそれらの形状を持っているというがある。NASAのチャンドラX線天文台からのイメージは、近くの冷たいガスの雲と衝突するこのプラズマを示しているように見える。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

    <出典>: Astronomy Picture of the Day

    4月10日(月)
    M57:ハッブルのリング星雲

    何百年も前にその珍しい形を理解することができなかった星観察者達によって注目されたそれは、空の指輪のように見えた。土星のリングを除き、このリング星雲(M57)は最も有名な天体かも知れない。 今、我々は、それが何であるか、そしてその象徴的な形が我々の幸運な視点に起因することを知っている。この鮮明なハッブル・イメージの部分をベースにした、拡大する星雲の三次元構造の最近のマッピングは、この星雲が、アメリカンフットボールの形をした輝くガスの雲の中央の周りに巻きつく、比較的密度の濃い、ドーナツ状のリングであることを示している。惑星地球からの我々の視界は、リングに向かって正面向き(フェースオン)のフットボールの長軸を見渡している。惑星状星雲のこの良く研究された例において、輝く素材はもちろん惑星からは来ていない。その代わりに、このガス状の側板は、外層が死にかけている、かつての太陽のような星 --- 今は星雲の中央に見られる光の小さい跡から放出されていることを表している。熱い中央の星からの激しい紫外線光はガスにおける原子をイオン化している。このリング星雲は 2,500 光年にあり差渡し約1光年である。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は壁紙サイズ版です。

    <出典>: Astronomy Picture of the Day

    4月9日(日)
    北海道の首都、札幌

    日本の北の島、北海道の首都である札幌が、上空419キロメートルを周回する国際宇宙ステーションの外部高解像度カメラから撮られた。

     <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

     <出典>: Space station

    4月8日(土)
    パタゴニアのプランクトンの渦巻き

    2014年12月からのこの強化されたカラー画像で、植物プランクトンが南アメリカ近くの大西洋に豊かな色の花をつくり出している。パタゴニア棚ブレイク(Patagonian Shelf Break)は生物学的に豊富な海洋地帯であり、陸からの浮遊塵、南からの鉄分の豊富な流れ、深部からの湧昇流が植物プランクトンに豊富な栄養素を提供している。ここに見られる色の帯は、プランクトンの位置だけでなく、それらを運ぶ動的な渦と流れをも明らかにしている。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。この記事は4月1日に掲載されたものです。

    <出典>: Water

    4月7日(金)
    タイタンを見る

    厚い大気に包まれた土星最大の衛星タイタンは本当に見るのが難しい。小さな粒子が超高層大気でほとんど入り込めない霞をつくり、可視光線の波長の光を強く散らし、覗き見る目からタイタンの表面を隠す。しかしながら、タイタンの表面は、散乱が弱く、大気の吸収が減少する赤外線波長で、よりよく画像化されている。タイタンのこの可視光線イメージ(中央)のまわりに配列されているのは、この苛立つような月の、いくつかの最もくっきりした赤外線の全球の視界である。疑似カラーのこの六つのパネルは、2004年から2017年まで土星を軌道を周ってきたカッシーニ宇宙船の可視光・赤外線光マッピング分光計からの、13年間の赤外線のイメージデータの一貫した処理を示している。これらはカッシーニの可視光の視界との驚くような比較を提供している。タイタンへのNASAの革命的な回転翼航空機ミッションは、2027年に打上げられる予定である。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

    <出典>: Astronomy Picture of the Day

    4月6日(木)
    銀河の巨人、タイタンと土星

    カッシーニ・ホイヘンス宇宙船からのこの自然なカラーの視界では、土星の最大の衛星タイタンが、その背後にある巨大な惑星と比較して非常に小さく見える。2012年4月29日のこのイメージは、土星で生じる季節の変化も示している。土星の北半球に春が来ると、紺碧の青は消え、南の冬が青い色合いを加える。この現象は、恐らく、紫外線の強度とそれが生成する靄の変化が原因である。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は壁紙サイズ版です。

    <出典>: Saturn

    4月5日(水)
    金星の火山

    最近の噴火の兆候を示している金星の火山であるマアトモンス(Maat Mons)は、金星の表面のこのコンピューターシミュレーションの惑星地図の赤道近くの黒い正方形にある。

    科学者達は、NASAのマゼランミッションによって30年以上前に撮影されたレーダーイメージ目録を精査することによって、金星での最近の火山活動の直接的な地質学的証拠を発見した。このイメージは、火山の噴出口が1年足らずで形を変え、サイズが大幅に増加していることを明らかにした。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

    <出典>: Venus

    4月4日(火)
    月軌道からの恒久的に影になった領域

    NASAのアルテミスⅠの打上の成功によって、2025年にアルテミス宇宙飛行士が着陸する、これまで未踏のこの月の南極近くの影の領域は、これまで以上に手の届くところにある。

    これらの将来の月探査の取り組みをサポートする一つの機器は、ShadowCam と呼ばれる超高感度光学カメラである。このカメラは、2022年8月に打ち上げられ、昨年12月に月周回軌道に入った韓国航空宇宙研究院(KARI)の韓国パスファインダー月周回機に搭載されている六つの機器の一つである。

    月周回軌道の以前のカメラは、太陽に照らされた地表のイメージを取得するように設計されてきた。マリン・スペース・サイエンス・システムズとアリゾナ州立大学によって開発された ShadowCam の主な機能は、月の極近くの恒久的に影になる領域内のイメージを収集することである。これらの地域は直射日光を受けることがなく、燃料や酸素として使用できる探査やその他の居住用途に重要な資源である水の氷が含まれていると考えられている。

    NASAの月偵察軌道船用に開発されたカメラをベースにした ShadowCam は、光感度が200倍高いため、山やクレータの壁などの近くの地質学的特徴で反射される光を使って、直接光がない場合でも、恒久的に影になる領域内の詳細なイメージを撮ることができる。

    イメージの説明:

    月偵察軌道船カメラ(LROC)(左)とShadowCam(右)によって撮影されたシャクルトンクレータの恒久的な影の壁と床のイメージ。各パネルには、幅 1,800 メートル、高さ 2,200 メートルのエリアが表示されている。

    <ひとこと>: イメージのリンク先はシャクルトンクレータの原画です。

      今日、月探査計画アルテミスの第二回、アルテミス2有人月周回探査に搭乗する飛行士達が発表されます。

    <出典>: Artemis

    4月3日(月)
    ヨーロッパは既に枯渇しているのだろうか?

    ヨーロッパは、記録上2番目に暖かい冬に耐えた。この非常に乾燥した暖かい冬のために、南ヨーロッパと西ヨーロッパの多くが土壌水分の大幅な異常の影響を受けている。ヨーロッパ宇宙機関の土壌水分/海洋塩分ミッションからのデータが、ヨーロッパ全体の低レベルの土壌水分を監視するために使われている。 コペルニクス気象変動サービスによれば、2022年12月から2023年2月までの間の平均気温は、1991年から2020年の間の平均を 1.4°C 上回った。特に2023年2月には、高温と雨不足が相まって、西ヨーロッパと南ヨーロッパは、平均よりも乾燥した条件を経験し、いくつかの地域では土壌の水分のレベルが低くなった。
    以下のマップは、土壌水分の全球観測を提供する、ヨーロッパ宇宙機関の土壌水分および海洋塩分(SMOS)ミッションのデータを利用している。ここに示す比較は、2023年の中央西ヨーロッパに影響を与える干ばつの深刻さを明確に示している。干ばつの影響は特にフランス、スペイン、英国、イタリア北部で顕著であり、水の供給、農業、エネルギー生産に懸念が高まっている。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

    <出典>: Observing the Earth

    4月2日(日)
    イタリアのシチリア島にある活発な成層火山、エトナ山

    ウクライナの黒海沿岸の262マイル上空を周回する国際宇宙ステーションからの写真に、イタリアのシチリア島の活火山 エトナ山(右に上空から見た写真) が煙を噴出している。

     <ひとこと>: エトナ山 は現在活動的な火山として知られています。イメージは共に該当部分を切り出し処理を加えています。原版は下のリンクから。左の図のリンク先は壁紙サイズ版です。

     <出典>: Space station

    4月1日(土)
    遠征68の11名のクルー

    国際宇宙ステーションの11人のクルーが集合している。下段左からロシアのアンナ・キキナ(立っている)、ロシアのアンドレイ・フェディアエフ、アラブ首長国連邦(UAE)のスルタン・アルネヤディ、NASAのウディ・ホーブルク。中列左から、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若田浩一、NASAのニコール・マン、ロシアのドミトリ・ペテリン、NASAのフランク・ルビオ。後列、NASAのスティーブン・ボーウェン、ロシアのセルゲイ・プロコフィエフ指揮官、NASAのジョシュ・カサダ。

     <ひとこと>: 国際宇宙ステーションクルーはほぼ半年ごとに交替しています。かってロシアのソユーズで送迎していたときは、ソユーズの乗員が3名が限度であったため、ステーションクルーは6名が標準でした。その時は3名出立後に後任の飛行士が到着しましたので、交替の期間は3名のときもありました。最近は定員4名の米国側のスペースXのドラゴン宇宙船が加わり、更に後任のクルーが到着後に先任のクルーが出発しますので一時的に11名が滞在するようになりました。
    中段左には出発する前の若田飛行士が見えています。イメージのリンク先は原画です。

     <出典>: Space station


      HOME