このページでは様々な時宜に即した「今日の宇宙(Space of the Day)」をご紹介しています。掲載期間はおおむね一か月。土曜日・日曜日・祝日は「肩の凝らない」記事を選んでいます。なお、ヨーロッパ宇宙機関の「今週のイメージ(Week in images (ESA))」は、同時に複数の記事が掲載されますのでリンク先から該当する記事を探してください。

<急告>: NASAのサイトの大幅な編集方式変更のため、大判イメージのリンクを含む混乱があるかも知れません。

2023年9月30日

10月2日(月)
HH 211: 形成する星からのジェット

ガスの雲が重力で縮むときに、それは、原始星に縮み続けるには速過ぎる回転が可能なディスクを形成する。理論家達は、この回転が、放出するジェットによって減らされることがあると仮定している。この推測は、ある時には壮観な形でジェットを発するのが見られる若い星のオブジェクト、既知のハービッグ・ハロー(HH)オブジェクトと一致する。

描かれているのは、赤外線光でまた大きな詳細でウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)によって最近描かれた構成の若い星、ハービッグ・ハロー211(HH 221)である。二つの細い粒子のビームに沿って、赤い衝撃波が、その流れが既存の星間ガスに衝撃を与えているのを見ることができる。 HH 221 のジェットは、星形成の詳細の調査が続く中で、次の10万年間で明るくなり弱まって行くだろう。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。ウェッブ宇宙望遠鏡のサイトの記事は こちら から。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

10月1日(日)
ジブラルタル海峡2題(その2)
ドラゴンの窓から見た地球

この地球の眺めは、国際宇宙ステーションに接近したスペースXドラゴンエンデュランス宇宙船の窓から捉えられた。写真は大西洋と地中海を結ぶジブラルタル海峡、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸を隔てている。

<ひとこと>: NASAのサイトの変更のため大判イメージは接続できません。

<出典>: Space station

9月30日(土)
ジブラルタル海峡2題(その1)
夜、沿岸の街の灯に囲まれる

    この夜の写真は、アフリカ側はモロッコとアルジェリア、ヨーロッパ側はスペインの沿岸都市の明かりに囲まれた地中海(右図)を示している。ジブラルタル海峡(左端)と大西洋に広がる街の明かりが際立つ。この写真の時点で、国際宇宙ステーションはマヨルカ沖のバレアレス海の上空261マイルを周回していた。

    <ひとこと>: NASAのサイトの変更のため大判イメージは接続できません。

    <出典>: Space station

9月29日(金)
ジュース:何故それほど長い期間を要するのか?

軌道上で最も近い地点で地球と木星は約6億キロメートル離れている。打上から5か月後の時点で、ヨーロッパ宇宙機関の木星の水探査機ジュース(Juice)はすでに3億7千万キロメートルを旅しているが、それはその道のりの僅か5%に過ぎない。なぜそんなに時間がかかるのだろう?

その答えは、ヨーロッパ宇宙機関のミッションコントロールの飛行力学専門家がよく知っている。使用される燃料の量、ロケットの出力、宇宙船の質量、惑星の形状まで様々な要因に依存する。

これに基づいて機関のフライト・ダイナミクス専門家達がルートを設計する。軌道力学の世界は直感に反する場であるが、少しの忍耐と多くの計画により、僅かな燃料で多くの科学を行うことができる。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。訳文は前文のみ。詳細は下のリンクから(英語)。

<ジュース概要>:  ジュース(JUICE:JUpiter ICy moons Explorer、木星氷衛星探査機) は、欧州宇宙機関 (ESA) が主導する木星氷衛星探査計画で、日本やアメリカも参加する国際協力ミッション。表面の下に液体の水や氷を持つと考えられる木星の衛星、ガニメデ、カリスト、エウロパを主な観測対象とする。2023年4月に打上げられ、木星軌道に到達するのは約8年後の2031年7月の予定。

<出典>: Enabling & Support / Operations (ESA)

9月28日(木)
遠い系外惑星にメタンを発見

生命は他の何処にあるのだろう? 生命が生き残っている惑星が存在するかもしれないという人類の大きな疑問の一つが、2019年に、遠い系外惑星 K2-18b の大気圏での顕著な多量な水蒸気の発見によって前進した。この惑星とその親星 K18-124 は、しし座の方向約124光年にある。この系外惑星は我々の地球よりも大きく重いが、その故郷の恒星のハビタブル・ゾーンを周回している。 K2-18 は我々の太陽より赤いが、地球の空の太陽に似た明るさで K2-18b の空に輝いている。この2019年の大気の水の発見は、ハッブル、スピッツア、ケプラーの三つの宇宙望遠鏡からのデータで、この惑星が星の前面を動くときの水蒸気の色の吸収に注目することによって行われた。今2023年には、ウェッブ宇宙望遠鏡の赤外線による更なる観測により、メタンを含む他の生命を示す分子の証拠が明らかになった。ここに示されたイラストレーションでは、左下に描かれた赤色矮星を周る、月(中央)が周っている右端の系外惑星 K2-18b を想像している。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

9月27日(水)
OSIRIS-REx サンプルリターンカプセル、ユタの砂漠に着陸

NASAのオシリス・レックス(OSIRIS-REx)ミッションからのサンプルリターンカプセルが、2023年9月24日日曜日に、ユタのテストおよびトレーニングレンジの砂漠に着陸した直後に見られる。サンプルは、2020年10月にNASAの OSIRIS-REx 宇宙船によって、小惑星ベンヌから収集された。

推定250グラムのベンヌのサンプルは、9月25日月曜日に、未開封のキャニスターで、ヒューストンのジョンソン宇宙センターに航空機で運ばれる。キュレーション科学者達は、キャニスターを分解し、サンプルを抽出して計量し、岩やダストの目録をつくり、これらベンヌの破片を世界中の科学者達に配布する。

<ひとこと>: キャニスター(保護缶)は中央右下の黒い物体(右に例示)。大判はイメージをクリック。

<出典>: OSIRIS-REx

9月26日(火)
火のリングの日の出の日食

ほとんどの日の出はこのようには見えないが、 それは日の出にはほとんど月がないからである。 しかしながら、2013年5月10日の早朝、西オーストラリア州からの月は、地球と昇る太陽の間にあった。 知識を持たない人が何が起こっているのかを理解するのは難しいかも知れない。 金環日食では、月は地球から遠すぎて太陽全体を遮ることができず、月の全ての端に日光が注ぐ火のリングを残す。 このタイムラプス(コマ落とし)ビデオは、また、地平線のすぐ上の地球の大気の高い屈折を通して日食を記録し、異常な昇る太陽と月をも平らに見えるようにした。 ビデオの進行につれて太陽は昇り続け、一方、太陽と月は分離し始める。
次の金環日食は3週間以内に起こる。10月14日土曜日、晴天を通して、南北アメリカを横断する細い帯からの火の輪が見える。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 Youtube です。この日食は日本では見られません。中継放送があると思いますので、発表があり次第お知らせします。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

9月25日(月)
メテオサット第3世代:全体像を描く

気象学の大きな飛躍として、メテオサット(Meteosat)第3世代の二つの機器、フレキシブル・コンバインド画像装置(FCI:Flexible Combined Imager)と雷光画像装置(LI:Lightning Imager)によって得られた予備データが、今日9月11日に初めて成功し、それらの補完的な機能が強調された。この最初のアニメーションは、システムの将来の影響のプレビューを提供している。

このアニメーションは、国際時間2023年6月3日の12時に始まり4日の12時までの、メテオサットの第3世代の機器からの観測の合成である。雷の活動が、中央アフリカ、南アメリカの北部、ヨーロッパ、中東でより激しくなっている。

雲と雷の動きは、赤道に沿って東から西へ、高緯度では西から東への地球規模の循環パターンに従って同期している。太陽の光が海と小さな水域から衛星に向かって反射する明るい海面反射エリアが、一日中東から西に横断している。

これは予備的な試運転データであり運用上の使用ではない。

<ひとこと>: 14秒の短かい動画(.mp4)です。イメージをクリック。

<出典>: Observing the Earth(ESA)

9月24日(日)
太平洋で、熱帯性低気圧ジャバが撮られる。

太平洋の熱帯性低気圧ジャバ(Jova)が、259マイル上空を周回する国際宇宙ステーションから描かれる。

<ひとこと>: このイメージは、9月9日に撮られたものですが、見事な渦を見ていただくために取り上げました。大判はイメージをクリック。

<出典>: Space station

9月23日(土)
オシリス・レックス、ベンヌにタグ付け

地球に近い小さな小惑星の岩が散乱した表面への慎重なアプローチの後、2020年10月20日、オシリス・レックス(OSIRIS-REx)宇宙船の腕が、小惑星ベンヌ(asteroid 101955 Bennu)に手を伸ばした。タッチ・アンド・ゴー (TAG)と呼ばれるサンプル収集、幅30センチメートルのサンプリングヘッド(TAGSAM)は、この中の岩石のいくつかを粉砕しているように見える。このイメージは、地球から約3億 2100 万キロメートルの、表面に接触した直後にスナップされた。1秒後、宇宙船は、緩い表面の素材を収集することを目的としたボトルから窒素ガスを発射し、多量のベンヌのレゴリスをサンプリングヘッドに吹き込んだ。 そして今、約3年後の9月24日日曜日に、小惑星ベンヌのサンプルが地球に到着する予定である。 サンプルリターンカプセルは、 OSIRIS-Rex 探査機が地球を接近フライバイする際に降ろされる。ドロップオフの20分後、宇宙船は推進装置に点火し、地球近傍小惑星アポフィス(99942 Apophis)の軌道の周回に向かうだろう。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。オシリス・レックスの収集したサンプルは、日本時間明日24日夜、サンプルを地球に降下させる予定(一昨日9月20日の記事参照)。中継放送は日本時間午後11時、 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

9月22日(金)
センチネル衛星のトリオ、メタンの極端な放出先をマッピング

気候変動に対処し温室効果ガスの排出を削減するために、地球温暖化の強力な原因であるメタンの漏洩を検出することが一層重要になっている。研究者達は、最先端の衛星技術の能力を利用して、宇宙からのこれらの漏れを監視している。

メタンは強力な温室効果ガスであり、二酸化炭素に次いで気候温暖化の2番目に大きな原因である。大気中での寿命が約30年と短いにもかかわらず、10トンのメタンは、1世紀にわたって、1トンの二酸化炭素の30倍の驚異的な熱を保持することができる。これは、我々の惑星を温暖化させる、メタンが強力なプレーヤであることを意味している。

しかし、ここに良いニュースがある。メタンは二酸化炭素ほど長く固執しないため、比較的迅速な気候変動対策を講じる機会を提供している。メタンの排出量を削減すれば、僅か10年以内に世界のメタンレベルが目に見える形で削減されることがわかる。

「極端な放出者(super-emitters)」は、湿地などの自然プロセスや農業などの人間活動に至るまでのメタンの源を指すが、一般的には、石油やガス事業、炭鉱、さらには埋め立て地など、重大なメタンの漏れにつながる機器や、インフラストラクチャに関連する産業施設に見られる。

これらの極端な放出者は排出量の削減において有効な果実である。これらの放出を修正するには「複雑かつ高価な」ソリューションは必要ない。多くの場合、比較的簡単な修理で大幅な気候改善につながる可能性がある。

しかしながら、最初にこれらの放出者を特定する必要があるという課題がある。可能であれば、我々は効果的に取り組み、気候変動との闘いに変化をもたらすことが可能となる。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Observing the Earth / Copernicus (ESA)

9月21日(木)
NASA、米国初めての小惑星サンプル帰還の放映を最終決定

NASAによって宇宙で収集された初めての小惑星のサンプルが、9月24日日曜日に地球に到着する。

NASAによる OSIRIS-REx(オシリスレックスまたはオサイリスレックス:Origins, Spectral Interpretation, Resource Identification and Security – Regolith Explorer)のカプセル着陸のライブ報道が、東部標準時午前10時(現地時間午前8時)に始まり、NASAテレビおよびウェブサイトで放映される。オンラインで見るには https://www.nasa.gov/live から。

着陸後の記者会見
着陸後の記者会見は、サンプルカプセルが軍事範囲の一時的なクリーンルームに到着する東部標準時午後5時(現地時間午前8時)頃に行われる。

<ひとこと>:  OSIRIS-REx は日本の「はやぶさ」と同じく小惑星の地表のサンプルを採集して持帰るミッション。このミッションでは、小惑星ベンヌ(Bennu)が対象となった。中継放送は上記のほか 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。イメージは米国で回収の演習を行った時の写真。現地時間午前8時ごろなので、「はやぶさ」のような明るい光の航跡は期待できない。

<出典>: Asteroids

9月20日(水)
シュワスマン・バッハマン彗星三つの断片

周期彗星 73P/シュワスマン・ワッハマン3号(73P/Schwassmann-Wachmann 3) は少なくとも2度分裂している。初期の太陽系から残された氷とダストの宇宙のスフレ、この彗星は、1995年の軌道の間に、初めて、いくつかの大きな部分に分かれるのが見られた。彗星は比較的壊れやすいので、熱、重力、ガスの流出などによるストレスがその原因になる可能性がある。しかしながら、それらが熱い太陽に近づいたときにこのような壮観な姿に分裂する性向によって、2006年の通過においては、空の全域に数度に拡がった何十もの破片に崩壊した。ハッブル宇宙望遠鏡は、2006年に、それぞれが自身の核と尾を持つ、多産な破片のこの示された鋭い視界を記録した。この写真は、惑星地球から 3200 万キロメートルの距離で、 3,000 キロメートル以上の範囲に広がっている。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

9月19日(火)
NASAのスウィフト、新しいトリックを学び、食するブラックホールを見つける

2004年に打ち上げられたNASAのスウィフト天文台を使って、科学者達は太陽のような星を繰り返し齧っている遠方の銀河のブラックホールを発見した。このオブジェクトは、この衛星のX線望遠鏡(XRT)からのデータを分析する新しい方法によって可能になったスウィフト科学の新時代を告げるものである。

--- 中間略 ---

星が巨大ブラックホールに近づき過ぎると、重力が強い潮汐を引き起こし、星をガスの流れに分解する。前の縁はブラックホールの周りを揺れ動き、後の縁はシステムから逃げる。これらの破壊的なエピソードは 「潮汐破壊現象(tidal disruption events)」 と呼ばれる。天文学者達は、それらを、すでに破片がブラックホールを周っている物質の円盤と衝突したときにつくり出される多波長の光のフレアと見ている。

天文学者達は、最近、部分的または繰り返しの潮汐破壊(partial or repeating tidal disruptions)と呼ぶ、この現象の変化を調査している。

これらの出来事の間、軌道を回る星がブラックホールの近くを通過するたびに、星は外に膨らんで物質を流すが生き残る。このプロセスは、星が多くのガスを失い、最終的にバラバラになるまで繰り返される。個々の星とブラックホールのシステムの特性は、科学者達が観測する放出の種類を決め、分類するための幅広い行動を決める。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Swift

9月18日(月)
宇宙を自由に飛ぶ

宇宙を自由に飛ぶのはどんなだろう? スペースシャトルチャレンジャーの貨物室から約100メートルのところに、 ブルース・マッカンドレスⅡが、これまでにない誰よりも遠くに浮かんで夢に生きていた。 有人操作ユニット(MMU)に導かれた宇宙飛行士マッカンドレスが宇宙に自由に浮かんでいる。 1984年のスペースシャトルミッション 41-B で、マッカンドレスと仲間のNASAの宇宙飛行士ロバート・スチュワートが、それを初めて経験した。 「テザーED宇宙遊泳」。 有人操作ユニットは窒素ジェットを発射することで働き、衛星の展開と回収を支援するために使われた。質量が140キログラム以上ある MMU は、地球上では重いが軌道上で漂うときには重量がない。この MMU は、後に、簡易船外活動救出(SAFER)バックパック推進力ユニットと入れ替えられた。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

9月17日(日)
宇宙からの地球:フィンランド湾に花咲く

このコペルニクスセンチネル-2のイメージは、フィンランド湾の鮮やかなエメラルドグリーンの藻類の渦巻きを特徴としている。

ズームインしてこのイメージを最大解像度10メートルで探索する(左上のイメージをクリック)か、あるいは、イメージのように円印をクリック( こちら から)して詳細を確認しよう。
注 --- ヨーロッパ宇宙機関の「今週のイメージ」は、複数の記事が同時に掲載されます。リンク先から該当する記事を追ってください。

フィンランド湾はバルト海の最東端の腕である。写真の地域は湾の西部を示している。フィンランドの首都であり、最も人口の多い都市、ヘルシンキは、イメージの左上隅の海岸に薄茶色で示されている。このイメージでは、エストニア(Estonia)の海岸の下部がとらえられ、タリン(Tallin)が雲に覆われている。

毎年夏になるとバルト海に藻の帯が咲く。2023年7月13日のこのイメージに示すように、これらの花は通常緑色の糸として表われる。風と流れが混ざり合った、縞、渦、がはっきりと見える。

藻類の花は、植物プランクトン(海面またはその近くを漂う微視的な海洋植物)の急速な成長を表している。個々には微視的であるが、光合成に使用するクロロフィルが海水を集合的に着色し、地球を周回する衛星によって測定可能になる。

これらの生物は海の生き物に不可欠であり海洋食物連鎖の基盤を形成している。特に重要なことに、それらは、大気からの二酸化炭素の除去と酸素の生成にも大きな役割を果たしている。

ただし、一部の植物プランクトンや海藻は海洋生物や人間に害を及ぼす可能性がある。それらは有毒物質を生成する可能性があり、また、水中の酸素濃度を枯渇させることがある。

高い水温、遅い循環、海に放出される過剰な栄養素は、藻類の急速な増加につながり、その結果、大きな花が咲き、自然の生態系や水産養殖や観光に脅威を与える可能性がある。

13のスペクトルチャンネルを備えたヨーロッパ宇宙機関のコペルニクスの画像装置は、藻類の異常発生を検出し、クロロフィルの表面濃度など、水質を定義する側面を測定するために使用できる。衛星データを使用して、ブルームの成長と広がりを追跡し、観光業や漁業への影響を軽減するための早期警報システムの開発に役立つ。

<出典>: Week in images (ESA)

9月16日(土)
センチネル1、モロッコ地震からの変化を明らかにする

    マグニチュード 6.8 の強い地震が、75月8日金曜日の夜遅く、 マラケシュ(Marrakech) から約75キロメートルのアトラス(Atlas)山脈を襲った。それは西モロッコでは稀な出来事、ヨーロッパとアフリカの構造プレートの断層線に沿った地域で起きた。

    その地震は何千人もの命を奪い、建物や家屋を崩壊させ、道路を封鎖し、この国の北の海岸まで揺れをもたらした。

    <ひとこと>: それぞれのイメージのリンク先は原画です。

    <出典>: Sentinel-1 (ESA)

9月15日(金)
冥王星の北

このコントラストが強められたカラーのシーンで冥王星の北部の凍った峡谷を眺めよう。このイメージで構築に使用した画像データは、2015年7月の、太陽から60億キロメートル離れた冥王星システムへの最初の偵察飛行、ニューホライズンズ宇宙船によってとられた。今、ローウェル・レヒオ(Lowell Regio:ローウェル領域)として知られるこの領域は、ローウェル天文台の創始者パーシバル・ローウェル(Percival Lowell)にちなんで名付けられた。火星の運河の存在もまた彼の推測で知られている。ローウェルは、最終的に1930年にクライド・トンボーによって冥王星の発見に結びついたその調査を始めた。このフレームでは冥王星の北極は中央左上にある。左の広い峡谷の青白いフロアは幅約70キロメートルであり、南に垂直に走っている。高高度は黄色がかった色である。これらのニューホライズンズの測定は、ローウェル・レヒオを横断して、窒素の氷に加えてメタンの氷が大量にあることを判定するために使われた。冥王星は11才の少女よって名付けられた太陽系の唯一の世界である。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

9月14日(木)
惑星と月の肖像:NASAのジュノーミッション、木星とイオを共に捉える

2023年7月31日にNASAのジュノーミッションが木星の53回目の近接フライバイを完了する僅か数時間前に、宇宙船はこの惑星の火山の衛星イオを通り過ぎ、同じフレーム内の両方の天体のこの劇的な視界を捉えた。

太陽系で最も火山活動が活発な世界であるイオの表面は、溶けた溶岩と硫黄のガスで定期的に噴火する何百もの火山によって特徴付けられる。ジュノは2007年以降、イオの最も近い外観を科学者達に提供しており、宇宙船は2023年後半から2024年初頭のさらに近いパスで、一連の科学機器からの追加のイメージとデータを収集する。

この画像を作成するために、市民科学者 Alain Mirón Velázquez は、JunoCam 装置からの生のイメージを処理し、コントラスト、色、先鋭度を向上させた。2023年7月30日に生の画像が撮影された時点で、ジュノは、イオから約 770,245 キロメートルで、木星の雲の頂きから約 395,000 キロメートル)上空にあった。

JunoCam の生のイメージは、製品に処理するために https://missionjuno.swri.edu/junocam/processing に一般に公開されている。NASAの市民科学の詳細については、 こちら を参照。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Jupiter

9月13日(水)
火星の大気から酸素を抽出する

MOXIE (Mars Oxygen In-Situ Resource Utilization Experiment)と呼ばれるこの装置は、NASAのパーサビアランスローバーで、16回目かつ最後の酸素を生成した。この機器は予想していたよりもはるかに成功したことが証明された後、その運用は終了した。その結果は、火星の大気から酸素を抽出することが可能であることを示している。

パーサビアランスが2021年に火星に着陸して以来、 MOXIE は、小型犬が10時間呼吸できる合計122グラムの酸素を生成した。最も効率的な時には、98%以上の純度で、当初の目標より2倍多い、1時間に12グラムの酸素を生成することができた。8月7日の16回目の実行では 9.8 グラムの酸素をつくった。装置は全ての技術要件を無事に完了し、火星の年間を通じてさまざまな条件で運用され、機器の開発者達はその技術について多くを学ぶことができた。

MOXIEは、火星の薄い大気から送り込まれた二酸化炭素(CO2)の各分子から一つの酸素原子(O)を分離する電気化学的プロセスを通して酸素分子をつくる。

<ひとこと>: 火星の大気の多くは窒素と二酸化炭素で構成されており酸素は少ない。極地方には水が発見されており、酸素を得るには“水の電気分解”の方が手っ取り深いかも知れない。しかし、これ等は地球に比較して少量であり、人間が活動するには限界がある。この実験がどれほど効果を生むのかは分からないが、大気から酸素を得ることができることが明らかになったことは、今後の探査の指針になるだろう。

この記事は 「火星探査写真集(9月11日)」 に掲載したものです。イメージと解説は要点のみを取り上げています。

<出典>: Mars

9月12日(火)
宇宙ゴミとしての短い段階でのアイオロスの最終的なイメージ

アイオロス(Aeolus) は4年11ヶ月6日の間地球の周りの軌道に乗っていた。最後の3時間、それはスペースごみになった。この新しいアニメーションは、ヨーロッパ宇宙機関の風のミッションで、これまでに撮影された最後の8枚の画像から作られており、非常に短い「ジャンク」フェーズ中に、地球の大気に襲われて回転し始めていることを示している。

アイオロスは、2023年7月28日の最後のコマンドが実行された後に破片になり、その後は、飛行制御チームは、衛星と話したり、聞いたり、影響を与えたりすることができなくなった。何ヶ月にもわたる準備と一週間の集中的で重要な操作の後、チームはできる限りのことをした。衛星は不動態化され、電源がオフになり、ヨーロッパ宇宙機関の宇宙ゴミ局(Space Debris Office)に「引き渡され」、最終的な降下を追跡した。

アイオロスが飛行する可能性のある地球上の経路である地上の軌道を見ると、ドイツの追跡および画像レーダー(TIRA:Tracking and Imaging Radar)が良い視界に得ることは明らかだった。このレーダーは34メートルのアンテナを使って、約4分間アイオロスを追跡した。

<ひとこと>: アイオロスは、軌道からの観測で、地球全球について、地表から高度30キロメートルまでの三次元的な風向・風速データを得ることを目的として、2018年に打上げられた。その終焉に当たって、ヨーロッパ宇宙機関は、その廃棄衛星の動きを観測する特別な体制を敷き、地球の大気に再突入して燃え尽きる際の動きをコントロールできるかを探った。大判はイメージをクリック。

<出典>: SPACE SAFETY (ESA)

9月11日(月)
ダークマターの小規模なゆらぎをアルマ望遠鏡で初めて検出

<お断り>: この記事は、国内向け・日本語の記事ですが、興味深い内容と深さから、敢えてここに取上げました。

宇宙空間に漂うダークマターの密度に、3万光年以下という小規模な空間的ゆらぎがあることが、アルマ望遠鏡を用いた観測で初めて明らかになりました。ダークマターの正体を解明するために重要な一歩となります。

ダークマターは、直接光で⾒ることができない物質で、宇宙の質量の⼤部分を占めています。その重力が及ぼす影響は、星や銀河といった宇宙の基本構造が作られる過程で重要な役割を果たしてきたと考えられています。ダークマターの空間分布は一様ではなく、その重⼒によって遠⽅からやってくる電磁波の経路をわずかに変化させます。重⼒レンズ効果と呼ばれるこの現象の観測から、ダークマターは銀河や銀河の集団と似通った分布をしていることが分かっています。しかし、さらに⼩さな規模の分布は、これまで詳しく分かっていませんでした。

国立天文台を含む研究者達の国際研究チームは、アルマ望遠鏡を⽤いて、地球から110億光年の距離にあるクエーサー「MG J0414+0534」を観測しました(右図)。
このクエーサーは、⼿前にある銀河の重⼒レンズ効果によって見掛けでは四つの像に分かれて⾒えます。しかし、今回観測された見掛けの像の位置や形は、手前の銀河による重力レンズ効果のみを考慮して計算したものとは異なっており、銀河よりも小規模でかつ複数のダークマターの塊による、重力レンズ効果が働いていることが分かりました。 さらに詳細な解析から、ダークマターの密度に3万光年程度の小さな規模の空間的なゆらぎがあることが判明したのです。これは、これまでに観測されたダークマターのゆらぎよりもはるかに小さな規模です。この結果は、宇宙空間に低速のダークマターが漂っていると仮定した理論的な予測と⼀致するものでした。

ダークマターの塊による重力レンズ効果は非常に小さいため、直接そのものを検出することは極めて困難です。今回は、銀河による重力レンズ効果とアルマ望遠鏡の高い解像度とを組み合わせることで、初めて検出することができました。本研究は、ダークマターの理論を検証し、正体を解明するための重要な⼀歩と⾔えます。

<イメージの説明>: 検出されたダークマターの密度の空間的なゆらぎ。ダークマターの密度は、オレンジ⾊が明るいほど⾼く、暗いほど低い。アルマ望遠鏡が捉えた重⼒レンズ効果を受けたクエーサーの姿を、青白色で表している。

<ひとこと>: それぞれの大判はイメージをクリック。
これは9月11日に 「アストロサイエンス」 に掲載した記事です。更なる詳しい記事は こちら から。

<出典>: ALMA:国立天文台

9月10日(日)
宇宙植物実験で成長するシロイヌナズナ

植物生息3宇宙植物実験装置(the Plant Habitat-03 space botany experiment)で、キャベツやマスタードに似た シロイヌナズナ(Thale cress plants) が育っているのがとられる。この実験は、研究者達が、将来の宇宙ミッションで、どのように食料を育て、クルーの健康を維持するかを学ぶのに役立つ。

<ひとこと>: 国際宇宙ステーションでは、これまでに、レタスやトマトなど、様々な植物が実験的に育てられています。半年に及ぶ宇宙の滞在では、新鮮な野菜の摂取は飛行士達の楽しみでもあるようです。イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Space station

9月9日(土)
2023年多国間調整委員会共同声明

国際宇宙ステーション多国間調整委員会は8月23日水曜日に会合を持ち、微小重力実験室の運用状況を再検討した。

理事会のメンバーは、国際宇宙ステーションの運用を2030年まで延長するという米国、日本、カナダ、欧州宇宙機関の加盟国によるコミットメント、および2028年までの運用延長に関するロシアのコミットメントを歓迎した。メンバーは、国際宇宙ステーションのパートナーシップが、このユニークな軌道上の実験室での微小重力研究を前進させ、宇宙ステーションの安全な運用を確保するために協力し続ける準備が整っていることを確認した。

会議中、理事会は、長期的な宇宙探査を支援する技術とエンジニアリングソリューションを開発およびテストするための環境を提供し、低軌道の商業化を促進するための試験場として機能する国際宇宙ステーションの役割を強調した。また、低軌道での運用について、利用目標や宇宙での技術協力を可能とするための相互運用性標準の重要性など、それぞれの計画や優先順位について議論が行われた。

<写真>: 2021年11月に、スペースXクルードラゴンによって撮られた国際宇宙ステーション。

<ひとこと>: この記事は9月7日の 「国際宇宙ステーションは今!」 に掲載したものです。

国際宇宙ステーションは、これまで、2024年までの運用は確定していましたが、それ以降の方向は全て未定でした。ロシアによるウクライナ侵攻後間もなく、ロシアの国営宇宙機関 ROSCOSMOS のトップは、プーチン大統領に、2024年以降の国際宇宙ステーションの運用には参加せず、独自の宇宙ステーションを開発すると報告し了承を得ていました。ウクライナとの闘争に多額の費用を要しているロシアにとって、独自でステーションを構築するなど出来るはずもなく、また、撤退するにも多額の費用が必要になるので、2028年までの延長は追い詰められら上での策とも言えるのではないだろうか? なお、現在の国際宇宙ステーションは、その約半分をロシアのモジュールが占めており、また、独自の物資や人員の輸送も行っているので、共同して開発に当たっている、米国、日本、カナダ、欧州宇宙機関と同等に維持するのは難しくなるのではないだろうか?
また、現在20か国以上が参加を表明している月ゲートウェイ構想にはロシアは参加していない。

 <出典>: Space station

9月8日(金)
  NASAの月偵察軌道船(LRO)、チャンドラヤーン3号着陸地点を観る

NASAの月偵察軌道船(LRO:Lunar Reconnaissance Orbiter)は、月面のチャンドラヤーン3号着陸地点を撮った。

インド宇宙研究機関(ISRO)のチャンドラヤーン3号は、2023年8月23日に月に着陸した。チャンドラヤーン3号の着陸地点は、月の南極から約600キロのところにある。

LRO カメラの略(LROC)は、23日後に着陸機のこの斜めの視界を得た。車の周りの明るいハローは、ロケットの噴煙と、細かいレゴリス(土壌)との相互作用に起因している。

 <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

 <出典>: LRO

9月7日(木)
  NASAの月偵察軌道船(LRO)、ルナ25号の衝突の可能性が高いクレータを観る

NASAの月偵察軌道船(LRO:Lunar Reconnaissance Orbiter)は、ロシアのルナ25号ミッションの衝突地点の可能性が高い月面の新しいクレータをとった。ルナ25号は8月19日の降下中に月面に衝突する異常を経験した。

この GIF 動画は、ロシアのルナ25号ミッションの新しいインパクトの可能性のあるクレータ出現の前と後の、2020年6月27日と2023年8月24日の、月偵察軌道船の視界を示している。

ロシアの宇宙機関ロスコスモスは、8月21日に、衝突地点の推定を発表していた。

 <ひとこと>: イメージは GIF 動画です。イメージをクリックしてご覧ください。

 <出典>: LRO

9月6日(水)
クレータ錯視(オリジナル解説)

錯視(さくし) は「目の錯覚」ともよばれ、視覚上の錯覚のことである。生理的錯覚に属するものは「クレータ錯視」のほかにも数多くのものが存在し、その一つ、天文学上の例では、月や太陽が地平線に近いときは中天にあるときよりも大きく見える現象も良く知られている。

ここでは「火星探査の記事」にしばしば現れる、クレータの凹凸の見掛け上の錯覚の例を取り上げて見よう。

ここに取り上げるイメージはインパクトクレータによって生じた凹凸であり、もちろん衝突による穴(凹)である。しかし左上のイメージは盛り上がって(凸)に見えないだろうか? これはイメージに与えられた光の方向に由来する錯覚とされる。

右の上下二種類の、二つのイメージを見てみよう。
それぞれ上は「実際のもの」、下は同じイメージを単に「180度回転させたもの」である。
錯視は思い込みによるものなので、個人によって、またその時によって、何れが凸に見えるかは異なるが、本来窪み(凹)であるべきクレータが盛り上がって(凸)に見えないだろうか?

一旦別のイメージに視点を移して戻してみると凹凸が変化して見えることがある。何度か繰り返して見よう。特に下の二つのイメージに顕著に現れるだろう。

火星や月の探査の記事を読むとき、特にクレータ内部の地勢などの記事において、このような錯覚が理解を阻むことがある。

<ひとこと>: これは、今日の「火星探査写真集(9月6日)」の記事を機にまとめたものである。リンクはそれぞれの原版を指している。

<出典>: オリジナル

9月5日(火)
ウェッブからの珍しい渦巻銀河M66

渦巻銀河 M66 が対称ではないのはなぜだろう? 通常、ガス、ダスト、新しく形づくられた星の密度の波は渦巻銀河の中央を回り、ほとんど対称形な銀河をつくる。 M66 の渦巻の腕とその核の違いは、恐らく、全て、近くの銀河の隣人 M65 と NGC 3628 の、以前の相互作用と潮力の引きに起因している。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した赤外線で取り上げられたこの銀河は約10万光年に及び、しし座の三つ子銀河(Leo Triplet) として知られるグループの約3千5百万光年にある。多くの渦巻銀河と同様に、M35 の長く複雑なダストレーンは、渦巻の腕に続く明るい星や銀河間のダストと絡み合っているのが見られる。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

9月4日(月)
太陽とその欠けている色

これは太陽の全ての目に見える色であり、プリズムのような装置に太陽の光を通すことによってつくることができる。このスペクトルはマックマス・ピアース(McMath-Pierce)太陽天文台で作成され、我々には初めに白く見える太陽はほぼ全ての色の光を発しているが、黄緑色の光で最も明るく見えることを示している。示されたスペクトラムの暗い片は、下で発せられる日光を吸収する太陽の表面または上のガスから生じる。ガスの種類が異なれば吸収する色も異なるため、たとえば、1868年に太陽スペクトルにヘリウムが最初に発見され後に地球上で発見された。今日ではスペクトル吸収線の大部分は特定されているが全てではない。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

9月3日(日)
JAXA の宇宙飛行士古川聡、宇宙ステーションに搭乗

国際宇宙ステーションに到着し、遠征69からのウェルカムメッセージを片手に、 JAXA の宇宙飛行士、クルー7ミッションスペシャリスト古川聡が笑顔で撮影される。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Space station

9月2日(土)
メキシコ湾のハリケーン・アイダリア

2023年8月31日、国際宇宙ステーションが上空261マイルを周回していたとき、ステーションの外部高解像度カメラの一つがメキシコ湾のハリケーン・アイダリアを捉えた。ハリケーン・アイダリアは、8月30日の朝、カテゴリー3の嵐としてフロリダのビッグ・ベンド(Big Bend)に上陸した。嵐が陸地に到達したとき、風は時速205キロメートルを測定した。

<参考>:  嵐の経路のアニメーションは こちら から。例として、嵐の CNN ニュースは こちら から。

 <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。なお、アイダリア(Idalia)はイダリアと読まれることもあります。

 <出典>: Space station

9月1日(金)
赤外線のソンブレロ銀河

この浮遊するリングは銀河の大きさである。 事実、それは、近くのおとめ座銀河団で最大の銀河の一つ、写真写りの良いソンブレロ銀河である。 可視光では銀河の中央部を覆い隠す暗いダストの帯は、赤外線の光では明るく輝く。デジタル的に先鋭化されたこのイメージは、周回するスピッツァー宇宙望遠鏡によって記録された赤外線の輝きを、NASAのハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された可視光線での既存のイメージに疑似カラーで重ね合わしている。 M50 としても知られるソンブレロ銀河は 2,800 万光年にあり、直径約 50,000 光年に及ぶ。 M104 は、小さな望遠鏡でおとめ座に見ることができる。

<ひとこと>: イメージのリンク先は壁紙サイズ版(1600 × 900)です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

8月31日(木)
SN 1006:ハッブルからの超新星のリボン

この珍しい宇宙のリボンは何がつくったのだろう? 古代の人間がこれまでに目撃した中で最も激しい爆発の一つである。 西暦1006年、星の爆発からの光が地球に到達した。オオカミ座(Lupus)の星の爆発から地球に届いたこの光は、2年以上金星より明るく見え、空に「客星」をつくった。今では Sn 1006 でカタログ化されているこの超新星は、約 7,000 光年離れて起き、今日も拡がりかつ弱まり続けている大きな残骸を残した。ここに描かれているのは、熱しまたイオン化された周囲を取り巻く、薄い外側に動く衝撃波の前面によって支配された、拡大する超新星の残骸の小さな部分である。超新星の残骸 Sn 1006 は、今では、約60光年の直径を持っている。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

8月30日(水)
ウィスコンシン州のロールクラウド

これはどんな雲だろう? ロールクラウド(roll cloud)と呼ばれるアーカスクラウド(arcus cloud)の一種(下記参照)。これらの稀な長い雲は、進行する寒冷前線の近くに形成される可能性がある。 特に前進する嵐の前線からの下降気流が湿った暖かい空気を上昇させ、露点以下に冷却し、雲を形成することがある。 これが拡がる前面に沿って均一に起こるとロールクラウドが形成されることがある。ロールクラウドは、実際には恐らく雲の長い水平軸に沿って空気が循環している。 ロールクラウドは竜巻に変形するとは考えられていない。 同様のシェルフクラウド(棚雲)とは異なり、 ロール雲は、親の積乱雲から完全に切り離されている。
左の写真では、2007年に、米国のウィスコンシン州で、嵐が近づくにつれてロールクラウドが遠くまで広がっている。

<参考>:  ロールクラウド(英語) --- ロール雲(roll cloud)と棚雲(shelf cloud)は雷雨の前縁近くに見られ、嵐の下降気流からの比較的冷たい空気が嵐を供給している暖かく湿った空気に向かって進むときに形成される。ロールクラウドとシェルフクラウド(どちらもアーカスクラウドと呼ばれる)の主な違いは、ロールクラウドが親の雷雨から切り離されていることである。

<ひとこと>: この記事は Wikipedia からの引用です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

8月29日(火)
太陽軌道船、太陽風にパワーを供給するかも知れない小さなジェットを発見

太陽風は、プラズマと呼ばれる荷電粒子で構成されており、太陽から継続的に逃げている。それは惑星間空間を通って外側に伝播し、その経路のものと衝突する。太陽風が地球の磁場と衝突するとオーロラが発生する。

太陽風は太陽の基本的な特徴であるが、太陽の近くでどのように生成されるかの理解は難しいことが証明されており、何十年にもわたる研究の重要な焦点となっている。現在、その優れた機器のおかげで、太陽軌道船(Solar Orbiter)は重要な一歩を踏み出した。

このデータは、太陽軌道船の極紫外線画像装置(EUI)機器からのものである。2022年3月30日にこの装置が撮影した太陽の南極のイメージは、太陽の大気から放出されるプラズマの小さなジェットに関連する、かすかな短命の特徴の集団を明らかにしている。

<ひとこと>: イメージのリンク先はビデオ(.mp4)です。

<出典>: Solar Orbiter

8月28日(月)
2023年7月14日のウィーンの地表面温度

2023年7月14日のオーストリア・ウィーン周辺の地表面温度が、中央ヨーロッパ時間 22:27 に宇宙から測定された。この温度は、国際宇宙ステーションに搭載されているNASAのエコストレス(Ecostress)装置によって記録された。

高温の表面は明るい赤ではっきりと見え、公園や植生の冷却効果がイメージに見ることができる。

宇宙から取得する地球の表面温度の測定は、気候変動の影響を追跡し、また、都市のヒートアイランドが形成される都市に関しては、そのような極端な事態に備えるために特に不可欠である。

オーストリア全土の地表面温度は、ヨーロッパ宇宙機関のグリーン移行情報ファクトリー(社会と経済のグリーン移行を加速するために地球観測からの実用的な情報を提供するオンラインプラットフォーム) を介しても調査できる。そのユーザーは、建物の屋上の緑化の存在をマッピングして定量化することもでき、このプラットフォームは、都市のヒートアイランド現象を緩和するための影響に関する貴重な洞察を提供するだけでなく、都市が将来の極端な熱波に備えるためのさらなる緩和策を計画するのに役立つ。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。街なかのウィーンゴルフクラブの冷却効果に着目。ダニューブ川より植生の地域の方が温度が低い?

<出典>: Week in images (ESA)

8月27日(日)
X線分光撮像衛星・小型月着陸実証機の打上

X線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)の打上げ延期について

X線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)を搭載したH-IIAロケット47号機の打上げが2023年8月26日に予定されていましたが、天候の悪化が予想されることから、下記のとおり変更いたします。(JAXA)

打上げ日 : 2023年8月28日(月)
打上げ時刻 : 午前9時26分22秒(日本標準時)
打上げ予備期間 : 2023年8月29日(火)~2023年9月15日(金)
打上げ場所 : 種子島宇宙センター 大型ロケット発射場

月曜日朝早くの打上げなので、日曜日の記事として取り上げました。打上の中継(午前8時55分から)は左上のイメージをクリック。

X線分光撮像衛星 XRISM(X-Ray Imaging and Spectroscopy Mission)
NASAやESAの協力のもと2018年に開始された、JAXA宇宙科学研究所の7番目のX線天文衛星計画です。星や銀河、そしてその間を吹き渡る高温ガス「プラズマ」に含まれる元素やその速さを測ることで、星や銀河、銀河の集団がつくる大規模構造の成り立ちをこれまでにない詳しさで明らかにします。XRISMには、広い視野をもつX線撮像器と極超低温に冷やされたX線分光器が搭載されます。これらを使って、プラズマに含まれる元素やプラズマの速さを、画期的な精度で測定します。

<参考>: 以下はNASAの記事の要約です。

JAXA と NASA 、 XRISM ミッションの打上準備完了
XRISM (X線イメージングおよび分光計ミッション)と呼ばれる強力な衛星が、天文学者達にX線の空の革新的な外観を提供するように設定されている。

日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)が主導し、 NASA と ESA (欧州宇宙機関)の協力を得て、種子島宇宙センターから H-2A ロケットで打上げられる予定である。 JAXA は YouTube で打上げの模様をライブ配信し、英語と日本語で放送する。
「 XRISM で調査することのいくつかには、銀河の中心にある超大質量ブラックホールによって放たれた恒星爆発や光速に近い粒子のジェットの余波が含まれる」と、NASAのゴダード宇宙飛行センターの XRISM 主任研究員リチャード・ケリーは述べている。

 

小型月着陸実証機 SLIM

将来の月惑星探査に必要なピンポイント着陸技術と、小型で軽量な探査機システムの実現を目指す月面探査機。将来の太陽系科学探査を見据え、リソース制約の厳しい惑星への着陸やより高性能な観測装置搭載のための軽量化を実現する。

 

 

大判イメージは省略。

 <出典>: JAXA

8月26日(土)
ギリシャで猛威を振るう山火事

ロードス島で2023年7月に火災が発生してから1か月の後、南ヨーロッパの夏の終わりの熱波のうだるような暑さのために、今週、ギリシャでは、更に多くの火災が発生した。このコペルニクスセンチネル2号のイメージは、トルコ国境に近い、ギリシャ北東部のエヴロス(Evros)地方のアレクサンドルーポリ(Alexandroupoli)近くの炎を示している。

暑く、乾燥し、風の強さのために、ギリシャ全土で数十の山火事が発生し、最も深刻な山火事は4日目に入り、北東の港湾都市アレクサンドルーポリに拡がった。

この衛星のイメージは自然色と赤外線の合成であり、8月23日に撮られた時点で約70キロメートルの火災の前線を強調している。この火災は、チュニジア方向の南西に約 1600 キロメートルに伸びる噴煙をつくった。焼けた部分はイメージの濃い茶色で見ることができる。

コペルニクスセンチネル2号ミッションは、地球の土地と植生の変化を監視するための13のスペクトル帯を備えた革新的な広い帯状の高解像度マルチスペクトル画像装置を搭載している。

気候変動と土地の利用の変化は、山火事を一層頻繁かつ激しくすると予測されている。壊滅的な山火事に照らして、ヨーロッパ宇宙機関は、世界中で起きている山火事の詳細な分析を提供する世界火災アトラスを再開した。

 <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

 <出典>: ESA  複数の記事が掲載されています。リンク先から該当する記事を追ってください。

8月25日(金)
リングの氷の巨人海王星

リングの氷の巨人海王星が、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡からの、この鋭い近赤外線イメージの中心近くにある。この薄暗く遠い世界は太陽から最も遠い惑星であり、惑星地球の約30倍遠くにある。しかし、驚異的なウェッブの視界のこの惑星の暗く幽霊のような外観は、赤外線光を吸収する大気中のメタンに起因している。しかしながらイメージでは、海王星の吸収するメタンの大部分の上に達する高高度の雲が際立っている。凍った窒素で覆われた、海王星最大の衛星トリトンが反射する太陽光で海王星より明るい。左上にウェッブ望遠鏡の特徴的な回折スパイクが見られる。トリトンを含め、海王星の14の既知の衛星のうち七つがこの視界に識別できる(大判で確認)。この宇宙ベースの惑星の肖像画では海王星のかすかなリングが印象的である。1989年8月に海王星がボイジャー2号宇宙船によって訪問された時以来の、この複雑なリングシステムの詳細がここに初めて見られる。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

8月24日(木)
月への玄関口(ゲートウェイ)

月ゲートウェイのヨーロッパ宇宙機関(ESA)が提供する国際居住(I-Hab)モジュールが、2023年8月18日のこの画像の焦点である。このモジュールは、居住および補給の前哨基地である HALO とともに、宇宙ステーションの二つの居住モジュールの一つである。宇宙飛行士達は、この二つの居住区内で生活し、研究を行い、月面ミッションの準備をする。

I-Hab には、ゲートウェイの科学調査能力を強化する生命維持システムとカメラ機器も収容される。日本宇宙航空研究開発機構は、 I-HAB の環境制御・生命維持システム、バッテリー、熱制御、画像部品などを提供する予定である。これらは、打上げ前にヨーロッパ宇宙機関によってモジュールに統合される。

ゲートウェイは、宇宙打上システムロケット(SLS)、オリオン宇宙船、宇宙飛行士達を月に送る有人着陸システムとともに、NASAの深宇宙探査計画を支援する月軌道上の人類初の宇宙ステーションになる。

<ひとこと>: 月ゲートウェイは2024年末ごろに無人で一部の構成部分を打上げ、2026年早期のアルテミス4での有人の構築開始が予定されています。大判はイメージをクリック。

<出典>: Gateway

8月23日(水)
火星のフォボス

フォボスはなぜそんなに暗いのだろう? 火星の衛星二つの中で最も大きくかつ最も内側のフォボスは、太陽系全体で最も暗い月である。その異常な軌道と色は、氷と暗い岩の混合物で構成される捕えられた小惑星である可能性があることを示している。 この火星の端近くのフォボスのカラー写真は、現在火星を周回しているヨーロッパ宇宙機関のロボット宇宙船マーズエクスプレスによって2021年後半にとらえられた。フォボスは激しくクレータされた不毛の月であり、最大のクレータは裏側にある。このようなイメージから、フォボス、恐らく、数メートルの緩いダストで覆われると決定された。フォボスは火星に非常に近い軌道を回っているために、ある所からは火星が一日に2回昇りまた沈むように見えるが、他の場所からはまったく見えない。火星の周りのフォボスの軌道は継続して崩壊している。恐らく、約5千万年で火星の表面に衝突し破片に崩壊するだろう。

<ひとこと>:  フォボス(Phobos) は火星の衛星として誕生したのではなく、他の天体が火星の引力で捕らえられたとする考え方が有力である。日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が火星衛星探査計画(MMX)を計画しており。この探査機は火星の二つの衛星の近接探査と、フォボス構成物質のサンプルリターンを行う予定である。2024年の打上、2025年火星圏到着、2029年地球帰還を想定している。この探査にはNASAも参加している。大判はイメージをクリック。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

8月22日(火)
川の銀河

大きな銀河は小さな銀河を食べて成長する。我々の銀河でさえ銀河の共食いを働き、近寄り過ぎた小さな銀河達を、ミルキーウェイの重力によって捕え吸収している。実際に、このような行いは宇宙では一般的であり、この南の星座エリダヌスからの相互作用する銀河の印象的なペアによっても示されている。5千万光年以上離れたこの川、大きく歪んだ渦巻 NGC 1532 が、矮小銀河 NGC 1531 との重力の闘争で小さな銀河を閉じ込めている。 ほぼエッジオンで見られる渦巻き状の NGC 1532 は幅約10万光年に及ぶ。チリの、セロトロロ汎天文台の、全米科学財団のブランコ4メートル望遠鏡に取り付けられたダークエネルギー・カメラからの、これらの合体する銀河達が、この鮮明なイメージにとらえられている。この NGC 1532/1531 のペアは、よく研究されたシステム、 M51 として知られるフェースオン渦巻と小さなコンパニオンと似ていると考えられている。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画、大きなイメージです。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

8月21日(月)
フェニックスの赤い惑星での自画像

NASAのマーズフェニックスランダー(Mars Phoenix Lander)は、2008年6月5日から7月12日まで、地表面ステレオ画像装置(SSI:Surface Stereo Imager)を使って自身のイメージを集めた。この合成は、それぞれのポイントの三つ異なるフィルタでとられたイメージによる、100以上の異なる SSI ポイントから成っている。15年前の2008年8月、フェニックスは、火星の、氷、土、大気圏を調査するその3ヵ月のミッションを終えた。

フェニックス火星着陸船の目的は、火星の北極圏の水の歴史を調査し、居住可能地帯の証拠を探し、氷と土壌の境界の生物学的可能性を評価することであった。広義には、この着陸船は、火星に生命が存在したか否かを判定し、赤い惑星の気候と地質を特徴付け、その地表面での将来の人間の探査に備えるように設計された。フェニックスは氷のために火星の土をサンプリングし、2か月後、科学者達は火星に水があることを確認した。加えて、他の土のサンプルの調査では、これらの土が、塩類及び、過塩素酸塩、ナトリウム、マグネシウム、塩化物、カリウムなどの、他の化学物質から成ることを示唆した。

火星の冬を迎え、日光の不足と劣悪な気象条件のために、この着陸船は2008年10月28日にセーフモードに入った。セーフモードの間、宇宙船は、ミッション・コントロールからの指示を待つ間、最低限の活動を除き停止された。10月30日から11月2日までは着陸船からの毎日の通信があったが、2008年11月2日以降信号は受取れなくなった、そして、ミッションは終わった。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

フェニックスは3カ月の短命の着陸船であったが、それは予定されたことであった。火星探査の最も重要な目的の一つは火星の生命の痕跡を探すことであり、そのためには「水」の存在を探すことであった。これまでの探査で火星に水が存在するという証拠は様々に認められているが、いずれも間接的な証拠に基づいている。フェニックスは、敢えて寒さの厳しい北極に着陸船として送り込まれた。狙いは当たった。これまでに水の氷そのものの存在を直接見たのはフェニックスが唯一である。

<出典>: Mars Phoenix

8月20日(日)
ワシントンのグレイシャーピークとベイカー山近くの山火事

ワシントン州の グレイシャーピーク(Glacier Peak)ベイカー山(Mount Baker) 近くの山火事が、北米のマイル上空を周回する国際宇宙ステーションから撮られた。(撮影日8月15日;掲載日8月18日)

 <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

 <出典>: Space station

8月19日(土)
カナダ、ノースウェスト準州の野火

2023年8月8>日、NASAのアクア衛星の中解像度画像分光放射計が、 ノースウェスト準州(カナダ領の北緯60度以北、連邦政府の管轄下にある特別行政区) の数十の大規模な火災から流れる濃い煙の噴煙のこのイメージをとらえた。これらの火災のいくつかは、州都で最大の都市であるイエローナイフ周辺で猛威を振るい、消防士達が予防措置を行っている。これらの火災は、5月、6月、7月の、アルバータ州、ブリティッシュコロンビア州、ノバスコシア州、ケベック州での大規模な火災の発生に続くものである。(撮影日8月8日;掲載日8月16日)

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Fire and Smoke

8月18日(金)
ハワイ州マウイ島の火災

致命的な山火事の現場であり、ハワイのマウイ島の、特に大きな被害を受けた沿岸の町ラハイナ(左下)が、太平洋上空259マイル(414キロメートル)を周回する国際宇宙ステーションから描かれる。(撮影日8月12日;掲載日8月16日)

 <ひとこと>: イメージの 原画(5568 x 3712) 大き過ぎ不鮮明です。イメージのリンク先は約1/3に圧縮し処理を加えたものです。

 <出典>: Space station

8月17日(木)
名古屋南の台風

台風ハヌン(Khanun:台風7号)が、日本の名古屋の南の、太平洋上空259マイル(414キロメートル)を周回する国際宇宙ステーションから撮影された。(撮影日8月12日;掲載日8月16日)

 <ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

 <出典>: Space station

8月16日(水)
氷の巨人にあらゆる目

NASAのニューホライズンズチームは、アマチュア天文コミュニティに、天王星と海王星の観測ミッションを強化するよう呼びかけている。

NASAのニューホライズンズ宇宙船は、この秋、太陽系のはるか彼方の場所から天王星と海王星を観測する予定であり、ミッションチームは、二つの氷の巨人を同時に観測することで、世界のアマチュア天文コミュニティに、協力して宇宙科学に真の貢献をするよう呼びかけている。

9月には、ハッブル宇宙望遠鏡と並行して、ニューホライズンズがカラーカメラを天王星と海王星に向ける。地球から50億マイル(80億キロメートル)以上離れたカイパーベルトのニューホライズンズの位置からの、これら二つの巨大な惑星の「後ろ」から見たユニークなイメージは、上空の大気と二つの世界のエネルギーバランスに関する新しい洞察を提供する。

「地球上の望遠鏡からのデータとニューホライズンズが宇宙で収集した情報を組み合わせることによってモデルを補完し一層強化することによって、天王星と海王星の大気に渦巻く謎を明らかにすることができる」。「これらの補完的な観測は、16インチという小さなアマチュア天文望遠鏡からでも非常に重要になる可能性がある。」と、コロラド州ボルダーにあるサウスウェスト研究所のニューホライズンズ主任研究者であるアランスターン(Alan Stern)は述べている。

<ひとこと>: イメージ gif 動画です。大判はイメージをクリック。

<参考>:  ニューホライズンズ(New Horizons) は、太陽系最遠の主要天体、冥王星を観測するためにNASAが打上げた宇宙船。国際時間2006年1月19日打上、2015年7月14日冥王星最接近通過し観測、2019年1月1日エッジワース・カイパーベルトの太陽系外縁天体小惑星 2014 MU69 に最接近通過し観測、現在は太陽系離脱に向かっている。

<出典>: New Horizons

8月15日(火)
アンティキティラ島のメカニズム

2,000年前、このようなデバイスを構築する技術が存在したことは誰も知らなかった。 アンティキティラ(Antikythera)島のメカニズム(写真参照)は現在、最初のコンピューターと広く見なされている。 朽ち果てたギリシャの船とともに海底で発見され、 その複雑さは何十年にもわたる研究を促し、今日でもその機能のいくつかは未知の可能性がある。しかしながら、デバイスのX線画像は、多数の時計のような車輪とギアの主な機能は、ポータブルで、手回しの、地球を中心とした空の将来の星と惑星の位置、月食と日食の予測する オーレリー(Orrery:リンク先は Youtube ) をつくることにあると確認した。アンティキティラ島のメカニズムの腐食したコアの、最大のギアは約13センチ、メカニズム全体の高さは33センチと、大きな本に近いサイズになっている。 最近の失われた構成要素の最新のコンピューターモデルが、この驚くべき古代の機械のより完全なレプリカの作成を可能にしている。

<ひとこと>: 日本語ウィキペディアの解説は こちら から。イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

8月14日(月)
火星の上、5メートル

ミッションの872日目(地球の日付8月3日)、マーズヘリコプター、インジェニュイティは、赤い惑星の地表上54回目の飛行でこの鮮明な画像を撮った。 飛行中、ヘリコプターは、ジェゼロ・クレータのフロアから約5メートルをホバリングした。インジェニュイティの着陸脚の先端が画面の端から覗いている。

右上隅付近に示されている軌跡(注:右に切り出し見易く編集したイメージを表示)は、遠くから見たパーサビアランスマーズローバーの跡であり、左の図ではローバー自体はフレームの右上端にある。

短い「ポップアップ」飛行として計画されたインジェニュイティの54回目の飛行は約25秒続いた。 これは、インジェニュイティの予定外の着陸をもたらした、7月22日の53回目の飛行に続くものである。

<ひとこと>: 地球以外の天体で初めて飛行している地球発の火星探査ヘリコプター、インジェヌイティ(Ingenuity:独創性)は、地上のローバーのための資料をとる前回の飛行で予定外の着陸をもたらした。このイメージは、その飛行の中で撮られたものである。火星は大気が薄くまた重力も小さいので、その飛行には地球と異なる設計が必要である。

なお、インジェヌイティからの直接の発表は下表の「火星探査は今!」から。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

8月13日(日)
フロリダの大西洋岸のケープカナベラル

ケープカナベラル宇宙軍基地とNASAのケネディ宇宙センタ付近の、フロリダの大西洋岸のケープカナベラルが、ミズーリ州の上空260マイルを周回する国際宇宙ステーションから撮られる。

<ひとこと>: 原版イメージは大きなものですが、非常に鮮明さに欠けていますので、壁紙サイズ版(1600 × 900)---イメージをクリック---と共に、処理を加えたイメージを挙げています。原版イメージは こちら から。

<出典>: Space station

8月12日(土)
ナポリ湾の緑の海

2023年7月11日に得られたこのコペルニクスセンチネル2号のイメージは、イタリアのナポリ湾の異常なエメラルドグリーンの海を示している。ナポリがあるカンパニア(Campania)の地域環境保護庁によれば、この現象はすでに過去の夏にも起きている。

高い海水温と湾内の遅い水の交換の組み合わせが、植物プランクトンの増殖に結びつき、この海域での最近のテストでは、海水温は約29度で、塩分濃度は平均よりも低いが、クロロフィルの濃度は通常よりも高いと報告されている。

<ひとこと>: イメージは原画を切り出しています。ベスビオス火山を含む原画はリンク先から。

なお、ヨーロッパ宇宙機関の「今週のイメージ(Week in images)」は、同時に複数の記事が掲載されます。原典を見るときは下記リンク先から該当する記事を追ってください。

<出典>: Week in images (ESA)

8月11日(金)
M64:ブラックアイ銀河のクローズアップ

この壮大な渦巻銀河はメシエ64である。望遠鏡の視界での暗い蓋のような外観から、しばしばブラックアイ銀河(Black Eye Galaxy)または眠れる森の美女銀河(Sleeping Beauty Galaxy)と呼ばれる。直径約 7,400 光年のこの渦巻の中心領域は、ハッブル宇宙望遠鏡からの再処理されたイメージが描かれている。 M64 は、北の星座かみのけ座の、約 1,700 万光年にある。

M64 の中央領域を部分的に隠している巨大なダストの雲は、若く青い星の集団と、星形成領域と関連する水素の赤い輝きによって飾られている。しかしダストの印象的な雲はこの銀河の唯一の特異性ではない。これ等の観測は、 M64 が、実際には、二つの同心の、逆に回転するシステムから成ることを示している。 M64 の全ての星達は、銀河の中央領域の星間ガスのように同じ方向に回転しているが、約4万光年に拡がる外側の領域のガスは、反対方向に回転している。このダストの目と奇怪な回転は、恐らく、二つの異なる銀河達の10億年に及ぶ融合の結果である。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

 

7月10日(木)
星 CW レオニス周辺のシェルとアーク

この星の周りで何が起こっているのだろう? CW レオニス(CW Leonis:しし座レオニス)は、内部の核融合から分散される大気の炭素の故にオレンジに見える最も近い炭素の星であるが、 CW レオニスは、また、ガスの炭素に富んだ星雲にのみ込まれているように見える。この星雲の複雑さの原因は明らかでないが、そのシェルと弧の形状には確かに興味をそそられる。
ハッブル宇宙望遠鏡によるこの注目のイメージは、この複雑さを詳述している。 炭素の星の表面は重力が低いために、炭素と炭素化合物を宇宙に放出する能力が高まる。 この炭素の一部は、若い星形成領域の星雲や銀河の円盤によく見られる暗いダストを形成することになる。 人間とすべての地球の生命は炭素ベースであり、我々の炭素の少なくとも一部はかつてはおそらく 炭素の星のような死に近い星達の大気中を循環している。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

8月9日(水)
渦巻銀河 NGC 1398 のリングとバー

いくつかの渦巻銀河は何故中心の周りにリングを持っているのだろう? 渦巻銀河 NGC 1398 は、その中心の周りに真珠のような星、ガス、ダストの輪があるだけでなく、その中心を横断する星とガスの棒(Bar)を持っている。 また、リボンのように見えるらせん状の腕が遠くにある。
チリのエル・ソース(El Sauce)天文台からの注目の深いイメージは、この壮大な渦巻銀河を印象的な詳細で示している。 NGC 1398 は約6千5百万光年離れており、これは、恐竜が地球から姿を消したときにこの銀河を去った光を、今、我々が見ていることを意味する。 このフォトジェニックな(写真写りの良い)銀河は、ろ座の方向に、小さな望遠鏡でも見ることができる。中央近くのリングは、恐らく、他の銀河との重力の遭遇によって、あるいは、銀河自身の重力非対称によって引き起こされた、星形成の拡大する密度の波である。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

8月8日(火)
ニューホライズンズの赤外線の視界

NASAのニューホライズンズ宇宙船は、2015年7月14日に冥王星に最接近する直前に、最大の衛星であるカロンのこの高解像度の強化されたカラーの視界をとらえた。このイメージは、宇宙船のラルフ/マルチスペクトル・ビジュアルイメージングカメラ(MVIC)によって撮影された青、赤、および赤外線イメージを組み合わせたものである。色は、カロン全体の表面の特性の変化を最もよく強調するように処理されている。

ニューホライズンズは、2015年の夏に冥王星とその衛星の5か月間の偵察フライバイ調査を行い、太陽系の端にある世界の理解に貢献し、その後、太陽系形成の遺物である、遠くの、神秘的なカイパーベルトに深く足を踏み入れた。宇宙船は、今、地球から8億キロメートル以上離れており、機械学習AIソフトウェアを使って、カイパーベルトを超える検索を、はるかに高速かつ生産的に行っている。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: New Horizons

8月7日(月)
早期の試運転テストイメージ – VIS 装置

ヨーロッパ宇宙機関のユークリッド(Euclid)の VISible 装置(VIS)は、可視光(550〜900 nm)で空を画像化し、数十億の銀河の鮮明な画像を撮影してそれらの形状を測定する。このイメージは、焦点を絞った VIS 機器が期待どおりに機能するかを確認するために、ユークリッドの試運転中に撮影された。ほとんど処理されていないために、例えば真っ直ぐに横切る宇宙線など、いくつかの不要なアーティファクト(人工の産物)が残っている。ユークリッド・コンソーシアムは、最終的に、長時間露光された調査観察を、アーティファクトがなく、より詳細で、先鋭な科学対応のイメージに変換する。

左側のイメージはこの装置の全視野を示しており、右側の一つの検出器が四つの象限に分割されているズームインは、この機器がすでに達成している並外れた詳細レベルを示している。渦巻銀河や楕円銀河、近くや遠くの星、星団などが見える。しかし、このズームインがカバーする空の面積は、実際には満月の幅と高さの約4分の一に過ぎない。

ユークリッドの望遠鏡は、この画像をつくれるように、566秒間の光を収集した。

<ひとこと>: ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のユークリッド宇宙船は、日本時間7月2日午前0時12分に米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打上げられました。宇宙が加速的に膨張している理由を調査するミッションです。詳細は7月3日の記事、または 「すばる望遠鏡の記事」 をご覧ください。
イメージのリンク先は原画です。なお、ヨーロッパ宇宙機関の「今週のイメージ」は複数の記事が同時に掲載されます。原典を見る場合は下のリンク先から該当する記事を探してください。

<出典>: Week in images (ESA)

8月6日(日)
宇宙からの地球:ニューヨーク

ヨーロッパ宇宙機関のセンチネル2号のこのイメージをズームインして10メートルのフル解像度で探索するか、下のリンクから表示されるイメージの“〇”をクリックして詳細を確認しよう。2022年11月のこのイメージは多様な茶色は秋の色を捉えている。これは、山や森がこの地域の典型であるイメージの上部に特に顕著である。

ニューヨークは、米国で最も人口の多い州の一つである。ここでは、左上にハドソン川周辺のエリアが見え、ニューヨーク市を通り、川を南下し、イメージの中心を占めるロングアイランドの大西洋岸まで続く。ロングアイランドはコネチカット州の南岸とほぼ平行であり、北大西洋の長さ145キロメートルの入り江であるロングアイランドサウンド(Long Island Sound)によって区切られている。

ロングアイランドサウンドとグレートサウスベイ(島の南岸にある干潟)の海域の明るい青の色調は、表面の流れによる渦のような形をした堆積物を示している。 ロングアイランドの西に灰色の領域として見えているのはニューヨーク市である。五つの行政区で構成され、中央にはマンハッタン島があり、ハドソン川、イースト川、ハーレム川に囲まれている。ハドソン川とイースト川の合流点は、世界最大の自然の港の一つを形成している。 ハドソン川によってニューヨークから隔てられたニュージャージーの一部が左下に見える。

ズームインすると、マンハッタン島の中心にセントラルパークの340ヘクタールの緑の長方形があり、ブルックリンとマンハッタンを結ぶ一つの橋、マンハッタンの南端沖にある有名な自由の女神があるリバティ島など、多くの象徴的な場所を見ることができる。

<ひとこと>: イメージのリンク先は解像度10メートルの原画です。
ヨーロッパ宇宙機関の今週のイメージは、同時に複数の記事が掲載されます。下記リンクから該当する記事を追ってください。

<出典>: Week in images

8月5日(土)
世界中の野火を数える

センチネル3、月別夜間の野火
センチネル3、地域別月別夜間の野火
センチネル3、カナダの月別夜間の野火
ここ数週間、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル、アルジェリア、チュニジア、カナダで壊滅的な山火事が広がり、人的被害と甚大な環境的および経済的被害を引き起こしている。

山火事は多くの生態系の自然な部分であるが、科学者達は、それらがより頻繁により広範囲に及んでいると警告している。これに応えて、ヨーロッパ宇宙機関のワールドファイア地図の最新バージョンが利用可能になり、世界中の山火事の詳細な分析が提供されている。

地球の気温の上昇と異常気象の頻度の増加によって野火の数が急増し、植生や森林地帯の広大な地域が急速に失われている。ギリシャやイタリアなどの国々は、すでに大規模な火災の壊滅的な影響を経験している。

ヨーロッパ森林火災情報システム(EFFIS)は、2023年7月29日の時点で、今年だけで欧州連合全体 234,516 ヘクタール以上の土地がすでに焼失したと報告している。この状況では、これらの山火事によってもたらされる増大する危険と戦うための緊急の注意と効果的な対策が必要である。

深刻な山火事に照らして、ヨーロッパ宇宙機関は、国内規模と世界規模の両方で、発生している個々の火災の分布に関する洞察を提供する「世界火災アトラス(World Fire Atlas)」を再開した。

 <ひとこと>: 大判はそれぞれのイメージをクリック。

 <出典>: Sentinel-3 (ESA)

8月4日(金)
NASAのミッション最新情報:ボイジャー2号通信一時停止

2023年8月1日:NASAのディープ・スペース・ネットワーク(DSN)は、複数のアンテナを使って、ボイジャー2号からのキャリア信号を検出することができた。宇宙船がデータを地球に送り返すために使用する搬送波信号が微弱過ぎてデータを抽出できないが、この検出によって、宇宙船がまだ動作していることが確認される。宇宙船はまた、予想される軌道を続けている。ミッションでは、宇宙船が10月中旬にアンテナを地球に向けることを期待しているが、チームは、アンテナがまだ地球から離れている間に、ボイジャーをより早く指令しようとしている。これを行うには、 DSN アンテナを使って、ボイジャーにアンテナを回すようにコマンドを「叫ぶ」ようにする。この中間の試みはうまくいかないかもしれないので、その場合には、チームは、宇宙船が10月にその向きを自動的にリセットするのを待つ。

ボイジャー2号は、アンテナを地球に向けたままにするために、毎年複数回向きをリセットするようにプログラムされている。次のリセットは10月15日に行われ、通信を再開できるようになるだろう。ミッションチームは、ボイジャー2号が沈黙している期間中、計画された軌道にとどまることを期待している。

ボイジャー1号は、地球から約240億キロメートルにあり正常に動作し続けている。

 <ひとこと>: NASAの ボイジャー2号 は、1977年8月20日に、木星以遠の惑星と衛星の探査を目的として打上げられた。姉妹機であるボイジャー1号のその16日前に打上げられた。ボイジャー2号は2018年11月5日に太陽圏(ヘリオスフィア)を離脱して星間宇宙に入ったと発表された。この記事の発表は9カ月ぶりであり、星間宇宙にあるボイジャとの交信が如何に慎重に行われているかをも示している。
なお、NASAのディープ・スペース・ネットワーク(DSN)は、アメリカのほか、スペイン、オーストラリアにアンテナを持っており、24時間宇宙船等との交信ができるように構成されている。

 <出典>: Voyager

8月3日(水)
ラグーン星雲の忙しい中央

ラグーン(干潟)星雲の中心は壮観な星形成の旋風である。 イメージの中央付近に見える、少なくとも二つの長い漏斗形の雲は、それぞれ約1/2光年の長さであり、極端な恒星の風と強烈なエネルギーの星の光によって形成されている。 非常に明るい近くの星、ハーシェル36がこの地域を照らしている。ダストの広大な壁は、他の熱く若い星を隠して赤く見せている。これらの星からのエネルギーが冷たいダストとガスに注がれ、隣接する領域には大きな温度差が生じ、恐らく漏斗をつくったせん断する風が生じた。幅約15光年にわたるこの写真は、軌道を回っているハッブル宇宙望遠鏡による四つの色で撮られたイメージを結合している。M8としても知られるラグーン星雲は、いて座の方向約5千光年にある。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

8月2日(水)
暗黒宇宙を調査するユークリッドミッション、最初のテスト画像を得る

地球から160万キロメートルの旅の後、その望遠鏡はきらびやかな星のフィールドの写真を撮り、成功していることを示している。

NASAの協力をを受けたヨーロッパ宇宙機関の宇宙船、ユークリッド(Euclid)に搭載された二つの機器は、最初のテストイメージを捉えた。この結果は、望遠鏡が設計された科学的目標、恐らく予期以上の目標を達成することを示している。

このミッションでは、暗黒物質の性質や宇宙の膨張の加速する理由など、科学者達が「ダークエネルギー」と呼ぶ、いくつかの宇宙に関する最大の謎を掘り下げる。

ユークリッドは、1月1日に、フロリダ州ケープカナベラルから打ち上げられ、地球から約5万キロメートル離れた目的地、第2ラグランジュポイント(L2)として知られる場所に到着した。

ミッションのスペシャリスト達は、科学観測が始まる前の今後数か月間、性能検証テストを継続する。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Euclid

8月1日(火)
X線の熱い星達を持つ鷲星雲

有名な鷲星雲の星の柱はX線光でどのように見えるだろう? NASAの軌道を周っているチャンドラX線天文台は、星形成のこれらの星間の山脈を通して凝視した。 M16 においては、ダストの柱自体は多くのX線を発しないことが判明したが、多くの小さいが明るいX線源が明らかになった。これらの源が、このイメージの明るい点として、チャンドラ(X線)、XMM(X線)、JWST(赤外線)、スピッツア(赤外線)、ハッブル(可視光線)、 VLT (可視光線)からの露出の合成写真として示されている。星達を生み出すこれらのX線は調査の話題として残されているが、あるものは、熱い、最近形成された、低質量の星達であると仮定されており、一方、他は熱い、古い、高質量の星達であると考えられている。これらのX線の熱い星達がフレームのまわりに点在している。 可視光線で見られる以前に確認された蒸発するガスのグロビュール(EGGS:Evaporating Gaseous Globules、滴)は、現在X線を発するほど十分に熱くはない。

<ひとこと>: イメージのリンク先は原画です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day


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