- 太陽への24回目の接近を終える (パーカー太陽探査機)
NASAのパーカー太陽探査機(Parker Solar Probe)は、6月19日(木)に、24回目の、太陽表面からの記録的な距離である620万キロメートルの接近を終えた。。宇宙船のベースラインミッション計画の最後のフライバイであるこの後、パーカー太陽探査機は太陽の周りの軌道に留まり、ミッションの次のステップが2026年に正式に見直されるまで観測を続ける。
パーカー太陽探査機は、6月22日(日)にミッションオペレーターと連絡を取り、すべてのシステムが健康で正常に動作していると報告した。この探査機は地球とは接触せずに、接近中は自律的に運用されていた。
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- 銀河の隣人についての新しい見方を語る (Chandra)
アンドロメダ銀河は、メシエ31(M31)とも呼ばれ、天の川銀河に最も近い渦巻銀河で、約250万光年の距離にある。天文学者達は、ミルキーウェイの渦巻きの構造と進化を理解するためにアンドロメダを使うが、地球はミルキーウェイ銀河の中に埋め込まれているために、それは難しい。
銀河M31は、天体物理学の多くの側面で重要な役割を果たしてきたが、特に暗黒物質の発見において重要な役割を果たしてきた。1960年代、天文学者のヴェラ・ルービンと彼女の同僚たちはM31を研究し、銀河とその渦巻の腕の回転に影響を与えている目に見えない物質が銀河にあることを突き止めた。この未知の物質は「ダークマター」と名付けられた。その性質は、今日の天体物理学における最大の未解決の問題の1つであり、NASAの近日公開予定のナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡は、その答えを出すのに役立つように設計されている。
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- 新たな超解像度画像解析で発見!星誕生直後の惑星形成の第一歩 (ALMA:国立天文台)
我々が住む太陽系のような惑星系が形成された時期を明らかにすることは、生命の起源を探る旅の出発点となります。その鍵となるのが、惑星が誕生する現場である原始惑星系円盤内に見られる特徴的な構造です。原始惑星系円盤とは、若い星の周りに広がる低温の分子ガスと固体微粒子(塵)で構成されている円盤を指します。この円盤内に惑星が存在する場合、その重力によって円盤内の物質が集まったり、押し出されたりすることで円盤に円環状や螺旋状などの特徴的な構造が形成されます。このような形成中の惑星からの『メッセージ』とも言える特徴的な円盤構造を観測するには、アルマ望遠鏡による高い解像度の電波観測が必要になります。
アルマ望遠鏡を用いた原始惑星系円盤の観測は、これまで多く行われてきました。特に、アルマ望遠鏡大規模観測計画であるDSHARPとeDiskでは、高解像度の観測によって原始惑星系円盤に含まれる塵の分布の詳細を明らかにしました。DSHARPプロジェクトでは、星形成開始から100万年以上経過した20個の若い恒星の周りの原始惑星系円盤で、特徴的な構造が普遍的に存在することが明らかになりました。一方、eDiskプロジェクトで調べられた星形成開始から1-10万年程度の降着段階(星と円盤への質量降着が活発な段階)にある19個の若い星の周囲の円盤においては、はっきりとした構造がほとんど見られませんでした。このように、星の年齢(注釈)に応じて、原始惑星系円盤の特徴が異なることが示唆されています。
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- 新たな画像作成法が明らかにした原始惑星系円盤の構造の進化過程 (ALMA:国立天文台)
アルマ望遠鏡の公開観測データから、新たな画像作成の方法を使って多数の原始惑星系円盤を描き出すことで、円盤の中の構造が生じる時期と条件が絞り込まれてきました。原始惑星系円盤の構造はどのように進化していくのか、そして惑星はいつ、どうやって生まれるのかを理解する上で、たいへん重要な知見です。
惑星は、形成されたばかりの恒星を取り囲んだガスと塵(ちり)から成る、原始惑星系円盤の中で誕生します。形成が始まってから100万年以上経った恒星の原始惑星系円盤には、同心円状やらせん状といった特徴的な構造が観測されています。これは、円盤内ですでに惑星が誕生した証拠であると考えられています。一方、形成から10万年以内の恒星の原始惑星系円盤には、このような構造がほとんど見られません。このことから、惑星は恒星の形成が始まってから10万年から100万年の間に誕生することが示唆されています。しかし、この年齢の原始惑星系円盤については高解像度での観測の例が少ないため、円盤内の構造の進化について、その途中経過はよく分かっていませんでした。
<イメージの説明>: へびつかい座の星形成領域に分布する原始惑星系円盤の画像。各パネルの、左下の楕円(だえん)のマークは解像度を表し、小さいほど解像度が高いことを意味しています。右下の白線は30天文単位を表す目盛りです。左列から右列へ向かって、また同じ列では上から下へと、中心の恒星の年齢は高くなり、円盤の構造の進化が進んでいます。
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