このページではNASAの各機関が発表する科学記事を中心に、欧州宇宙機構(ESA)、国内関連機関などの主要な科学記事を掲載しています。国内記事を除きリンク先は英文です。
なお、人名・地名・機器の名前などの固有名詞の“日本語読み”には誤りがあるかもしれません。

 
<8月18日(月)>
  1. 小惑星(18805)ケリーデイ

    このGIF動画には、2025年7月19日にヨーロッパ宇宙機関のヘラ(Hera)宇宙船によって行われた小惑星(18805)ケリーデイ(Kellyday)の観測が含まれており、ヘラは小惑星から約600万キロメートル離れていた。イメージは処理されて位置合わせされており、ケリーデイがフレームの中心を下向きに移動している様子が示されている。---動画です。リンク先から確認してください。

    小惑星ケリーデイは小惑星オテロの約40倍暗く見え、これらの観測はヘラの小惑星フレーミングカメラによる微弱な物体検出の限界を推し広げた。このような困難な条件下でもケリーデイを検出できることは、カメラができるだけ早く小惑星を検出し、接近中に小惑星をヘラの視野の中心に保つ必要があるヘラのディディモス到着にとって良い前兆である。

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  2. 誕生直後の銀河は予想以上に粒々だった:「宇宙ぶどう」が破った銀河誕生の常識 (ALMA:国立天文台)

    これまでに進められてきた宇宙初期の銀河の観測は、大きく明るい銀河が主な対象でした。宇宙初期の銀河進化の全体像をつかむためには、より数の多い一般的な銀河の姿を明らかにすることが必要ですが、そうした銀河は小さく、星もガスも少なく暗いため、従来の観測では調べることが困難でした。

    本研究で観測されたのは、重力レンズ効果によって拡大された宇宙初期の銀河を探索するアルマ望遠鏡の大規模掃天観測プログラム(ALMA Lensing Cluster Survey: ALCS、https://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/ALCS/)で、ビッグバンからわずか約9億年後の宇宙初期に見つかっていた若い銀河です。強い重力レンズ効果を受け、増光・拡大されて見える天体ですが、これまでのハッブル望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いた観測では、細かい構造までは分解されておらず、滑らかな円盤状に見えていました。

    研究グループは、JWSTとアルマ望遠鏡を用いて、100時間以上の観測時間を費やして重点的に観測を行いました。重力レンズによる拡大効果も相まって、かつてない高感度・高解像度観測を異なる波長で実現しました。

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  3. 「いぶきGW」(GOSAT-GW)搭載 温室効果ガス観測センサ3型(TANSO-3)の初観測結果(JAXA)

    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、環境省及び国立研究開発法人国立環境研究所(NIES)が、共同で開発してきた温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」(GOSAT-GW)※1は、2025年6月29日に打ち上げられ、現在初期機能確認運用※2を実施しています。7月14日から7月20日にかけて、同衛星に搭載したセンサのうち「温室効果ガス観測センサ3型(TANSO-3)」の初観測を行い※3、TANSO-3が正常に動作していることを確認しました。

     TANSO-3は、「いぶき」(2009年打上げ)と、その後継衛星である「いぶき2号」(2018年打上げ)による長期間の温室効果ガス観測を引き継ぐセンサです※4。TANSO-3では温室効果ガスなどが固有の波長の光を吸収する性質を利用して、温室効果ガスの濃度や二酸化窒素のカラム量※5を算出します。  TANSO-3の特徴としては回折格子型イメージング分光方式※6を採用したことで、フーリエ変換分光方式※7を採用した「いぶき」や「いぶき2号」に対し、空間方向にも連続的な分光データを取得可能であるとともに、観測点数の大幅な増加が可能となりました。また、広域観測モード※8と、精密観測モード※9の2つの観測機能を切り替えて運用することにより、全球観測と大規模排出源等の詳細観測を両立する世界で唯一のセンサです。

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  4. 誕生直後の銀河は予想以上に粒々だった:「宇宙ぶどう」が破った銀河誕生の常識 (国立天文台)

    宇宙初期の若い銀河に、これまでの観測や数値シミュレーションでは予測されていなかった複雑な内部構造が見つかりました。トロント大学の藤本征史氏を中心とする研究グループは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡やアルマ望遠鏡などの高解像度の観測によって、宇宙誕生から9億年後に存在した暗く若い回転銀河が、少なくとも15個以上のコンパクトな星団に粒々と分裂した「ぶどうの房」のような構造を持つことを明らかにしました。宇宙初期における銀河形成の理解を大きく見直す契機となる可能性があります。

    これまでに進められてきた宇宙初期の銀河の観測は、大きく明るい銀河が主な対象でした。宇宙初期の銀河進化の全体像をつかむためには、より数の多い一般的な銀河の姿を明らかにすることが必要ですが、そうした銀河は小さく、星もガスも少なく暗いため、従来の観測では調べることが困難でした。

    本研究で観測されたのは、重力レンズ効果によって拡大された宇宙初期の銀河を探索するアルマ望遠鏡の大規模掃天観測プログラム(ALMA Lensing Cluster Survey: ALCS、https://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/ALCS/)で、ビッグバンからわずか約9億年後の宇宙初期に見つかっていた若い銀河です。強い重力レンズ効果を受け、増光・拡大されて見える天体ですが、これまでのハッブル望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いた観測では、細かい構造までは分解されておらず、滑らかな円盤状に見えていました。

    研究グループは、JWSTとアルマ望遠鏡を用いて、100時間以上の観測時間を費やして重点的に観測を行いました。重力レンズによる拡大効果も相まって、かつてない高感度・高解像度観測を異なる波長で実現しました。

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<8月1日(金)>
  1. 国際宇宙ステーションでの人類の継続的な滞在の25周年を祝う

    NASAとそのパートナーは、2000年11月以来、宇宙で生活し、働く人類を支援してきた。世界的な取り組みである国際宇宙ステーションには、23か国から280人以上の人々が、さまざまな国際宇宙船や商業宇宙船で訪れてきた。このユニークな微小重力研究所は、110か国以上の5,000人以上の研究者達による4,000以上の実験を主催してきた。宇宙ステーションは、また、研究、技術開発、乗組員と貨物の輸送のための地球低軌道での商業市場の成長を促進している。

    NASAは、この歴史的な成果を象徴する専用のロゴを作成した。このロゴは、この 2025 年 7 月 17 日の、宇宙ステーションのキューポラが見える。中心的な宇宙飛行士達は、25年間にわたって人類が継続的に存在してきた。宇宙飛行士達を取り囲む宇宙の暗い空には、軌道上の研究所を支える15のパートナーの国を象徴する15の星がある。

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<7月25日(金)>
  1. NASA、オックスフォード、かつて考えられていたよりも暖かい天王星を発見

    何千年もの間、天文学者達は天王星は遠い星にすぎないと考えていた。天王星が惑星として広く受け入れられたのは18世紀後半になってからだった。今日に至るまで、この輪状の青い世界は科学者の予想を覆しているが、NASA の新しい研究は、この世界の神秘性の一部を解き明かすのに役立つ。

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  2. NASA、地球の磁気シールドを調査するミッションを打上

    NASAの最新ミッションであるトレーサーズ(TRACERS)は、地球の磁気シールドが宇宙の気象の影響から地球をどのように守るかの調査を間もなく開始する予定である。タンデム再接続衛星とカスプ電気力学偵察衛星の略である双子のトレーサー宇宙船は、この水曜日に、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地の宇宙発射複合施設から、スペースXファルコン9ロケットで打上げられた。

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  3. NASAの科学者達、ベテルギウスの伴星を発見

    夜空で10番目に明るい星ベテルギウスが、非常に近いコンパニオンの星と共に周回しているという100年前の仮説が、エイムズ研究センターの科学者達が率いる天体物理学者のチームによって真実であることが証明された。この研究は、天体物理ジャーナルレター(The Astrophysical Journal Letters)の論文に掲載された。

    地球に最も近い赤色超巨星であるベテルギウスの明るさと測定速度の変動は、長い間、ベテルギウスにパートナーがいる可能性があるという手がかりを示していたが、より大きな星の強烈な輝きによって、暗い隣りの星を直接観測することはほぼ不可能であった。

    他の天文学者達のチームによる最近の2つの研究は、100年以上にわたるベテルギウスの観測を使って、伴星の位置と明るさの予測を提供することによって、伴星の仮説を再燃させた。

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  4. NASAとJAXA、XRISM衛星X線天の川銀河の硫黄を調査

    国際的な科学者チームは、日本主導のXRISM(X線イメージング・分光ミッション)宇宙船のデータを使って、星間に広がる元素、硫黄の前例のない集計を提供した。

    天文学者達は、2つの連星システムからのX線を使用して、星間物質中の硫黄、即ち星間の空間に見られるガスとダストを検出した。これは、硫黄の気相と固相の両方を直接測定する初めてのものであり、宇宙を研究するXRISMの主要な方法であるX線分光法のユニークな機能である。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画(Youtube)です。

 
<7月18日(金)>
  1. パーカー太陽探査機、最も近いイメージを撮る (Parker)

    昨年末に記録的な太陽の通過を遂げたパーカー太陽探査機は、太陽の大気中から驚くべき新しい画像を撮った。これらの新たに公開された画像は、かつてないほど太陽の近くで撮影されており、科学者達が地球に影響を与える可能性のあるイベントを含む、太陽系全体にわたる太陽の影響をよりよく理解するのに役立っている。

    以下要点
    パーカー太陽探査機は、太陽表面からわずか380万マイルの地点で、太陽に最も近い画像を撮った。
    新しいクローズアップ画像は、太陽が放出する帯電した亜原子粒子の絶え間ない流れである太陽風の特徴を示している。
    これらの画像やその他のデータは、科学者達が地球への影響を理解するために不可欠な、太陽風の謎を理解するのに役立っている。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

  2. NASAのIXPEイメージャーが珍しいパルサーの謎を解き明かす

    天文学者の国際チームは、NASAのIXPE(Imaging X-ray Polarimetry Explorer)その他の望遠鏡からの観測を使用して、爆発した星の脈動する残骸が宇宙の奥深くの周囲の物質とどのように相互作用するかを説明する新しい証拠を発見した。

    米国、イタリア、スペインに拠点を置く科学者達は、PSR J1023+0038、略してJ1023と呼ばれる謎の宇宙のデュオに照準を合わせた。J1023システムは、低質量の伴星から供給される急速に回転する中性子星で構成されており、中性子星の周囲に降着円盤を作り出している。この中性子星はパルサーでもあり、自転するときに対向する磁極から強力な双子の光線を放出し、灯台のビーコンのように回転する。

    J1023システムは、パルサーが伴星を餌とする活動状態と、電波として検出可能な脈動を放出する休眠状態との間をはっきりと遷移するために、研究するには珍しく価値がある。

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  3. チャンドラ、幼児の系外惑星が縮小しているのを発見

    チャンドラX線天文台のデータを使用した新しい研究によれば、星がX線の集中砲火を放ち、それが密集した軌道を回る若い惑星を驚くべき速度で衰退させている。研究者チームは、この惑星が木星の大きさから、小さく不毛な世界になると判断した。

    この図は、天文学者達が星の周りで何かが起こっていると考えている、水星と太陽の間のわずかな距離でそれを周回している惑星を視覚的に表現している。

    TOI 1227 bと呼ばれるこの「幼児」の惑星は、わずか約800万年であり、太陽の約1000倍若い。図は、うっすらと赤い星TOI 1227の周りの木星サイズの惑星(左下)を示すアーティストのコンセプトである。星の表面からの強力なX線は、青い尾で表される惑星の大気を引き裂いている。星のX線は、最終的に大気を完全に取り除く可能性がある。

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  4. すばる望遠鏡が見つけた太陽系の「化石」

    すばる望遠鏡による観測で、小天体セドナに代表される、太陽系外縁部を特異な軌道で公転する小天体群「セドノイド」の一員となる4番目の天体が新たに発見されました。研究チームによって「アンモナイト」の愛称がつけられたこの天体「2023 KQ14」は、太陽系形成初期から安定した軌道を持っていたことが数値シミュレーションから示されました。アンモナイトの発見は黎明期の太陽系の記憶をとどめた「化石」として、未知の第9惑星の存在や太陽系の成り立ちを解明する手がかりになると期待されています。

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  5. 油井飛行士の打上げと大西飛行士の帰還

    国際宇宙ステーション長期滞在クルー油井亀美也宇宙飛行士搭乗のクルードラゴン宇宙船(Crew-11)打上げ日時及び大西卓哉宇宙飛行士搭乗のクルードラゴン宇宙船(Crew-10)帰還予定

    2025年(令和7年)7月11日
    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

    1.Crew-11の打上げ: 日本時間:2025年8月1日(金) 1時9分---米国東部夏時間:2025年7月31日(木)12時9分

    2.Crew-10のISSからの離脱: 2025年8月5日(火)以降

     ※時刻は24時間制表記

    なお、上記の日時は、ISSの運用状況等に応じて変更される可能性があります。最終的な日時が決定しましたら改めてお知らせいたします。

    <ひとこと>: イメージはありません。

 
<7月11日(金)>
  1. 発見警報:科学者達、カルーセル惑星を見つける

    古いケプラーのデータに対する新たな調査によって、これまでは惑星がゼロであると考えられていた惑星システムに、実際には、昔ながらのメリーゴーランドのように、独自のスタイルで恒星を周回する2つの惑星があることが明らかになった。

    このKOI-134システムには、2つの異なる軌道面で恒星を独特の方法で周回する2つの惑星が含まれており、1つの惑星はトランジット時間に大きな変動を示している。これは、この種のシステムとしては初めて発見されたシステムである。

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  2. NASA、太陽系内を移動する星間彗星を発見

    7月1日、NASAが資金提供したチリのリオ・ウルタドのATLAS(Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System)調査望遠鏡は、星間空間から生じた彗星の観測を、初めて報告した。いて座の方向から到着したこの星間彗星は、正式に3I/ATLASと名付けられた。現在、約6億7,000 万キロメートルの所にある。

    その最初の報告以降に、発見前の観測が、世界中の3つの異なるATLAS望遠鏡とカリフォルニア州サンディエゴのパロマー天文台にあるツヴィッキー過渡施設の目録から収集された。これらの「発見前」の観察は、6月14日にまでさかのぼる。この天体が最初に報告されて以来、多くの望遠鏡が追加の観測を報告している。

    彗星は地球に脅威を与えず、少なくとも1.6天文単位(約1億5000万マイルまたは2億4000万キロメートル)の距離に留まる。現在、太陽から約4.5天文単位(約6億7000万キロメートル)にあり、3I/ATLASは10月30日頃に太陽に最も接近し、火星の軌道のすぐ内側にある1.4天文単位2億1000万キロメートルの距離に到達する。

    この星間彗星の大きさと物理的性質は、世界中の天文学者達によって調査されている。3I/ATLASは、9月まで地上の望遠鏡から見え、その後は太陽に近づきすぎて観測できなくなる。12月初旬には太陽の反対側に再出現すると予想されており、新たな観測が可能になる。

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  3. ESA、星間彗星3I/ATLASを観測

    ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の地球防衛局の一部である地球近傍天体調整センター(NEOCC)の天文学者達が、2025年7月2日に新たに発見された星間彗星3I/ATLASの観測を行った。

    この彗星は、2017年の有名な1I/オウムアムア彗星、2019年の2I/ボリソフ彗星に続く、これまでに観測された3番目の彗星である。2025年7月1日、チリのリオ・ウルタドにある小惑星地球衝突ラストアラートシステム(ATLAS)望遠鏡によって初めて発見された。

    その異常な軌道は、すぐに、それが星間空間から来たという疑惑を引き起こした。これは後に世界中の天文学者達によって確認され、この天体は正式な名称である3I/ATLASと命名され、3番目に知られている星間天体としての地位を示した。

    7月3日現在、3I/ATLASは、太陽から約6億7000万キロメートル離れており、2025年10月下旬に火星の軌道のすぐ内側を通過して最接近する。幅は最大20キロメートルと考えられており、太陽に対して約60キロメートル/秒で移動している。地球に危険を及ぼすことはなく、地球と太陽の間の距離の1.5倍以上である2億4000万キロメートル以上に近づくことはない。

    この観測は、ヨーロッパ宇宙機関の天文学者達が専用の観測時間を割り当てる望遠鏡の1つである、ハワイのラスカンブレス天文台望遠鏡を使用して行われた。

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<7月4日(金)>
  1. 我々の大気の見方を変えるMTG-S1とSentinel-4が打ち上げられる

    メテオサット(Meteosat)第3世代衛星(MTG)の2機目であり、コペルニクス・センチネル4号ミッションの最初の機器が、7月1日火曜日に打ち上げられた。衛星は、現在、高度36,000kmから地球の大気を監視するために進んでいる。この静止軌道からのミッションは、ヨーロッパ上空の激しい嵐と大気汚染を予測するための画期的なデータを提供できる。

    このMTGとコペルニクス・センチネル4号は、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)がヨーロッパのパートナーとともに科学・社会課題に取り組むために開発した世界クラスの地球観測ミッションである。

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  2. 発見警報:燃える恒星・焼かれる惑星

    約400光年離れた巨大な惑星、HIP 67522 bは、親星の周りを非常にきつく周回しているために、恒星の表面から頻繁にフレアを引き起こし、惑星の大気を加熱して膨張させているように見える。

    主な事実
    地球上では、太陽フレアによる「宇宙天気」が無線通信を妨害したり、衛星に損害を与えたりする可能性があるが、地球の大気は有害な影響から我々を守っており、我々はフレア自体の手の届かないところで太陽を周回している。

    惑星HIP 67522 bは、僅か1700万年前の若い星のシステムのガス惑星であり、この惑星は、その星の周りを1周するのにわずか7日しかかからない。言い換えれば、「一年」は地球上で一週間ほどしか続かない。そのために、この惑星は危険なほど星に近づいている。さらに悪いことに、この恒星は、特に若い頃に燃えることが知られているタイプである。

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  3. NASAのルーシーミッション、小惑星ドナルドヨハンソンの全景を提供 (Lucy)

    NASAのルーシーミッションの科学者達は、4月20日に、宇宙船がメインベルトの小惑星ドナルド・ヨハンソン(Donaldjohanson)と遭遇したときに収集されたデータの分析を続けている。

    イメージは、宇宙船のL'LORRI画像装置が、最接近の数分前に撮影したものである。この成功したドレスリハーサルにより、チームは、宇宙船とチームの両方がメインイベントである木星トロヤ群の小惑星との遭遇に向けて十分に準備ができているという高い自信を得ている。

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  4. 2025年7月現在の地球近傍小惑星

    NASAの惑星防衛調整局は、毎月、NASAの惑星防衛の取り組み、地球近傍物体の接近、および地球に衝突の危険をもたらす可能性のある彗星や小惑星に関するその他のタイムリーな事実に関する最新の数値を示した月次更新を発表している。これまでにわかったことがここにある。

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<6月27日(金)>
  1. 太陽への24回目の接近を終える (パーカー太陽探査機)

    NASAのパーカー太陽探査機(Parker Solar Probe)は、6月19日(木)に、24回目の、太陽表面からの記録的な距離である620万キロメートルの接近を終えた。。宇宙船のベースラインミッション計画の最後のフライバイであるこの後、パーカー太陽探査機は太陽の周りの軌道に留まり、ミッションの次のステップが2026年に正式に見直されるまで観測を続ける。

    パーカー太陽探査機は、6月22日(日)にミッションオペレーターと連絡を取り、すべてのシステムが健康で正常に動作していると報告した。この探査機は地球とは接触せずに、接近中は自律的に運用されていた。

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  2. 銀河の隣人についての新しい見方を語る (Chandra)

    アンドロメダ銀河は、メシエ31(M31)とも呼ばれ、天の川銀河に最も近い渦巻銀河で、約250万光年の距離にある。天文学者達は、ミルキーウェイの渦巻きの構造と進化を理解するためにアンドロメダを使うが、地球はミルキーウェイ銀河の中に埋め込まれているために、それは難しい。

    銀河M31は、天体物理学の多くの側面で重要な役割を果たしてきたが、特に暗黒物質の発見において重要な役割を果たしてきた。1960年代、天文学者のヴェラ・ルービンと彼女の同僚たちはM31を研究し、銀河とその渦巻の腕の回転に影響を与えている目に見えない物質が銀河にあることを突き止めた。この未知の物質は「ダークマター」と名付けられた。その性質は、今日の天体物理学における最大の未解決の問題の1つであり、NASAの近日公開予定のナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡は、その答えを出すのに役立つように設計されている。

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  3. 新たな超解像度画像解析で発見!星誕生直後の惑星形成の第一歩 (ALMA:国立天文台)

    我々が住む太陽系のような惑星系が形成された時期を明らかにすることは、生命の起源を探る旅の出発点となります。その鍵となるのが、惑星が誕生する現場である原始惑星系円盤内に見られる特徴的な構造です。原始惑星系円盤とは、若い星の周りに広がる低温の分子ガスと固体微粒子(塵)で構成されている円盤を指します。この円盤内に惑星が存在する場合、その重力によって円盤内の物質が集まったり、押し出されたりすることで円盤に円環状や螺旋状などの特徴的な構造が形成されます。このような形成中の惑星からの『メッセージ』とも言える特徴的な円盤構造を観測するには、アルマ望遠鏡による高い解像度の電波観測が必要になります。

    アルマ望遠鏡を用いた原始惑星系円盤の観測は、これまで多く行われてきました。特に、アルマ望遠鏡大規模観測計画であるDSHARPとeDiskでは、高解像度の観測によって原始惑星系円盤に含まれる塵の分布の詳細を明らかにしました。DSHARPプロジェクトでは、星形成開始から100万年以上経過した20個の若い恒星の周りの原始惑星系円盤で、特徴的な構造が普遍的に存在することが明らかになりました。一方、eDiskプロジェクトで調べられた星形成開始から1-10万年程度の降着段階(星と円盤への質量降着が活発な段階)にある19個の若い星の周囲の円盤においては、はっきりとした構造がほとんど見られませんでした。このように、星の年齢(注釈)に応じて、原始惑星系円盤の特徴が異なることが示唆されています。

    <ひとこと>: イメージはありません。

  4. 新たな画像作成法が明らかにした原始惑星系円盤の構造の進化過程 (ALMA:国立天文台)

    アルマ望遠鏡の公開観測データから、新たな画像作成の方法を使って多数の原始惑星系円盤を描き出すことで、円盤の中の構造が生じる時期と条件が絞り込まれてきました。原始惑星系円盤の構造はどのように進化していくのか、そして惑星はいつ、どうやって生まれるのかを理解する上で、たいへん重要な知見です。

    惑星は、形成されたばかりの恒星を取り囲んだガスと塵(ちり)から成る、原始惑星系円盤の中で誕生します。形成が始まってから100万年以上経った恒星の原始惑星系円盤には、同心円状やらせん状といった特徴的な構造が観測されています。これは、円盤内ですでに惑星が誕生した証拠であると考えられています。一方、形成から10万年以内の恒星の原始惑星系円盤には、このような構造がほとんど見られません。このことから、惑星は恒星の形成が始まってから10万年から100万年の間に誕生することが示唆されています。しかし、この年齢の原始惑星系円盤については高解像度での観測の例が少ないため、円盤内の構造の進化について、その途中経過はよく分かっていませんでした。

    <イメージの説明>: へびつかい座の星形成領域に分布する原始惑星系円盤の画像。各パネルの、左下の楕円(だえん)のマークは解像度を表し、小さいほど解像度が高いことを意味しています。右下の白線は30天文単位を表す目盛りです。左列から右列へ向かって、また同じ列では上から下へと、中心の恒星の年齢は高くなり、円盤の構造の進化が進んでいます。

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<6月20日(金)>
  1. NASAとISRO、NISAR地球ミッションの6月の打上げを目指す

    NASAとインド宇宙研究機関(ISRO)は、NISAR(NASA-ISRO合成開口レーダー)衛星ミッションの打上げを2025年6月を目標としている。LバンドとSバンドの二つのレーダーを搭載した最初のミッションであるNISARは、12日ごとに2回、地球の陸地と氷の表面のほぼすべてをスキャンする。このミッションでは、地球の陸域生態系の変化、氷床、氷河、海氷の成長と後退、地殻の変形を測定する。打上げサービスはISROによって提供され、静止打ち上げロケットMark IIロケットを使用して、宇宙船をインドの南東海岸にあるサティシュダワン宇宙センタから地球低軌道に運ぶ。

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<6月13日(金)>
  1. チャンドラ、宇宙の「正午」に驚くほど強いブラックホールジェットを発見 (Chandra)

    チャンドラX線天文台からの新しい研究によると、ブラックホールが遠い宇宙で驚くほど強力なジェットを噴出したと議論されている。このジェットは宇宙のかなり早い時期に存在し、ビッグバン自体の残りの輝きによって照らされている。

    天文学者達は、チャンドラとカール・G・ジャンスキー超大型アレイ(VLA)を使って、宇宙が始まってから約30億年後に起こった「宇宙の正午」と呼ばれる時期の、このブラックホールとそのジェットを調査した。この間、ほとんどの銀河と超大質量ブラックホールは、宇宙の歴史上のどの時期よりも速く成長していた。

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<6月6日(金)>
  1. 他に類を見ない星 (Chandra)

    2025年5月28日に公開されたこの合成画像では、これまでに見たことのないような振る舞いをする珍しい星(右が白丸で囲まれている)とその周辺が紹介されている。天文学者達のチームは、NASAのチャンドラX線天文台とオーストラリアのスクエア・キロメートル・アレイ・パスファインダー(ASKAP)電波望遠鏡からのデータを組み合わせて、ASKAP J1832−0911(略してASKAP J1832)として知られる発見された天体を調査した。

    ASKAP J1832は、2022年に発見された「長周期電波過渡現象」と呼ばれる、電波強度が数十分にわたって規則的に変化する天体に属している。これは、1秒間に何度も変動を繰り返す高速で回転する中性子星であるパルサーで見られる繰り返し変動の長さの数千倍である。ASKAP J1832は、44分ごとに電波強度を循環するため、この長周期電波過渡現象のカテゴリに分類される。Chandraを使って、チームは、ASKAP J1832も4分ごとにX線で定期的に変化することを発見した。このようなX線信号が長周期の電波過渡現象で発見されたのは今回が初めてである。

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  2. 銀河団は再び崩壊するコースにある (Chandra)

    NASAのチャンドラX線天文台と他の望遠鏡からの新しい観測は、2つの銀河団が衝突し、今、互いに戻る準備ができている珍しい宇宙のイベントを捉えた。

    銀河団は、宇宙で最大の構造の一部である。重力によってまとめられたそれらは、数百または数千の個々の銀河、大量の過熱ガス、目に見えない暗黒物質のモンスターサイズのコレクションである。

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  3. NASAのデータにおける大質量の星を食している3つのブラックホール

    NASA、ESA(欧州宇宙機関)、その他の機関の宇宙および地上のデータを使用した新しい研究では、大質量ブラックホールが大質量に星を食する、3つの極端な例が説明されている。これらの出来事は、100個以上の超新星爆発を誘発し、これまでに発見されたビッグバン以来、最もエネルギーの高い宇宙爆発を表している。

    それぞれの超大質量ブラックホールは、遠くの銀河の中心にあり、太陽の3倍から10倍の重さの星を破壊したときに突然明るくなった。その後、明るさは数か月続いた。

    科学者達は、これらのまれな出来事を、「極端な核過渡現象」と呼ばれる宇宙の出来事の新しいカテゴリーと表現している。このような極端な核の過渡現象をさらに探すことで、通常は静かで、宇宙で最も巨大な超大質量ブラックホールのいくつかを明らかにするのに役立つ可能性がある。

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