このページではNASAの各機関が発表する科学記事を中心に、欧州宇宙機構(ESA)、国内関連機関などの主要な科学記事を掲載しています。掲載の内容はそれぞれの記事に準拠していますが編集方式は本サイト独自です。日付は本サイトでの掲載月日を示します。原則として発表の翌日に掲載しています。掲載期間はおよそ一ヵ月です。

記事の取得元を含む源記事はそれぞれのヘッドラインをクリック。ただし日本国内記事を除きリンク先は英文です。
人名・地名・機器の名前などの固有名詞の“日本語読み”には誤りがあるかもしれません。

 
<10月2日(月)>
  1. 太陽系外縁探査を続ける (New Horizons)

    NASAは、ニューホライズンズの太陽系外縁探査の使命を継続するための更新された計画を発表した。

    2025会計年度の初めから、ニューホライズンズは、拡張された低活動モードでの操作中に容易に取得できる、独自の太陽物理学データの収集に焦点を当てる。

    科学界は現在、到達可能なカイパーベルト天体を認識してはいないが、この新しい経路により、そのような天体が特定された場合には、そのような天体の将来の近接フライバイに宇宙船を使う可能性が生ずる。また、宇宙船は燃料を節約し、説得力のあるフライバイ候補を探す間、運用の複雑さを軽減することもできる。

    大判イメージは省略。

  2. 宇宙の科学:2023年9月29日の週、宇宙における火災の安全

    国際宇宙ステーションクルーは、9月29日までの週に、火災を含むさまざまな科学的調査を実施した。この JAXA の調査では、微小重力下での物質の可燃性を調査している。有人宇宙船で使用されている材料の現在のテストでは、燃焼現象に大きな影響を与える重力は考慮されていない。たとえば、炎が固体材料に広がる能力は、微小重力には存在しない浮力の影響を受ける。微小重力下での燃焼実験を行い浮力の影響を取り除くことで、研究者達は特定の火炎の挙動をよりよく理解することができる。

    大判イメージは省略。

  3. 2023年9月現在の地球近傍小惑星

    NASAの惑星防衛調整局(Planetary Defense Coordination Office)は毎月、NASAの惑星防衛の取り組み、地球近傍天体の接近、地球に衝突する危険をもたらす可能性のある彗星や小惑星に関するタイムリーな事実に関する最新の数値を特集した毎月の更新を発表している。図は9月実態である。

    左のイメージは一部です。全体はヘッドラインからご覧ください。

  4. NASAのロケット、大気を研究するために10月の食の影に飛び込む

    NASAの観測ロケットミッションは、10月の金環食中に三つのロケットを打ち上げ、太陽光の突然の低下が上層大気にどのように影響するかを調査する。

    2023年10月14日、南北アメリカの金環食の観察者達は、太陽が通常の明るさの10%まで暗くなり、月が太陽を食するときに明るい「火の輪」だけが残るのを体験する。NASAの観測ロケットミッションは、太陽光の突然の低下が我々の上層大気にどのように影響するかを調査するために三つのロケットを打ち上げる。

    大判は省略。

  5. 歳差運動する M87 ジェットの噴出口 ― 巨大ブラックホールの「自転」を示す新たな証拠 ― (国立天文台)

    楕円(だえん)銀河M87は中心に巨大ブラックホールを持つことで知られています。このM87の中心から噴出するジェットについて、過去20年以上にわたる観測で得られた多数の画像を分析した結果、ジェットが噴出する方向が約11年周期で変化していることが分かりました。さらに観測結果を理論シミュレーションと比較した結果、巨大ブラックホールの自転が引き起こすジェットの歳差運動(首振り運動)に起因する現象であることが明らかになりました。M87の巨大ブラックホールが自転していることを示すとともに、強力なジェットの発生にブラックホールの自転が深く関与していることを裏付ける成果です。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

 
<9月28日(木)>
  1. チャンドラ、1840年代の大噴火の物語を巻き戻す (Chandra)

    NASAのチャンドラX線天文台からの90年以上のデータからつくられた新しいムービーが、時間とともに変化する有名な星のシステムを示している。イータカリーナには二つの大質量の星がある。一つは太陽の約90倍の質量、他は太陽の約30倍の質量であると考えられている。

    19世紀半ば、イータカリーナの「大噴火」と呼ばれる大爆発が観測された。この出来事の間、イータ・カーリナは太陽の10倍から45倍の質量を放出した。この物質は、二つの星の反対側にある、現在ホムンクルス星雲と呼ばれる球状のガス雲の密集したペアになった。ホムンクルスは、チャンドラデータとハッブル宇宙望遠鏡からの光学光(青、紫、白)の合成画像ではっきりと見られる。

    イメージをクリックして Youtube から。

  2. 新しいシミュレーション、土星のリングと氷の衛星の起源に光を当てる (Saturn)

    晴れた夜には、アマチュアの望遠鏡で、土星とその一連の注目に値するリングが、地球の表面から見ることができる。NASAが生命を探すことを期待している潜在的な場所の一つである土星とその衛星について、彼らは私達に何を教えてくれるだろう? 新しい一連のスーパーコンピューターシミュレーションが、恐竜がまだ地球を歩き回っていた頃の大規模な衝突を伴うリングの起源の謎に対する答えを提供した。

    NASAとそのパートナーによる新しい研究によると、土星のリングは、数億年前に衝突して粉々になった二つの氷の衛星の残骸から進化した可能性がある。リングにならなかった破片も、土星の現在の衛星のいくつかの形成に貢献した可能性がある。

    動画はイメージをクリックして Youtube から。

 
<9月26日(火)>
  1. NASA初めての小惑星サンプルが着陸、クリーンルームに安置される (OSIRIS-REx)

    NASAのオシリスレックス(OSIRIS-REx)チームによる長年の期待と努力の後、小惑星ベンヌから収集された岩石とダストのカプセルが最終的に地球上にある。現地時間午前8時52分に、ソルトレイクシティ近くの国防総省のユタ・テスト&トレーニングレンジの標的のエリアに着陸した。1時間半内に、カプセルは、ヘリコプターで訓練場の格納庫に設置された一時的なクリーンルームに運ばれ、窒素の連続的な流れに接続された。

    大判はイメージをクリック。

 
<9月22日(金)>
  1. ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とアルマ望遠鏡の最強タッグで、 最遠方の原始銀河団を捉えることに成功 (ALMA:国立天文台)

    日本の橋本拓也助教(筑波大学)とスペインのJavier Álvarez-Márquez研究員(スペイン宇宙生物学センター)を中心とする国際研究チームは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とアルマ望遠鏡を使った観測により、最も遠い131.4億光年かなたにある原始銀河団の中でも、とくに銀河が密集している大都市圏に相当する「コア領域」を捉えることに成功しました。多くの銀河が狭い領域に集まることで、銀河の成長が急速に進んでいることが明らかになりました。さらに研究チームはシミュレーションを活用して大都市圏の姿の将来予想をしたところ、数千万年以内には大都市圏が1つのより大きな銀河になることを明らかにしました。銀河の生まれと育ちに関わる重要な手がかりとなることが期待されます。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  2. 天の川銀河中心の分子雲の“速度計測”に成功 (国立天文台)

    天の川中心の巨大ブラックホールから少し離れた所にある巨大分子雲の3次元位置と速度をVERAによって精密に測定することに成功しました。天の川銀河の円盤部から巨大ブラックホールへ物質がどのようにして運ばれるかを理解する上で必要な情報を与える成果となりました。

    天の川銀河は中心近くに棒状の構造を持つ棒渦巻銀河であると考えられています。銀河の外側の円盤部分にある天体は円運動に近い運動をしている一方で、棒構造の影響で内側では複雑な動きが確認されています。特に中心から約300光年の位置には、都市圏を取り囲む環状線のように高密度な分子雲が集中する領域が存在することが知られています。これまで電波や赤外線、X線などの観測を通して分子雲の3次元的な位置関係や運動を明らかにする研究がなされてきましたが定説はいまだに得られていません。この問題を解き明かす手法の一つとして、VLBI観測の高い空間分解能を活かした年周視差測定による距離決定と天球面上での天体の動きである固有運動の測定による3次元速度の決定は重要な役割を果たすと考えられています。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

 
<9月20日(水)>
  1. NASA、初めての米国の小惑星サンプル着陸の中継放送を最終決定 (OSIRIS-REx)

    NASAが宇宙で収集した初めての小惑星サンプルが、9月24日日曜日に地球に到着する。NASAによる OSIRIS-REx (起源、スペクトル解釈、リソース識別、セキュリティ–レゴリス探査機)のカプセル着陸のライブ報道は、東部標準時午前10時(現地午前8時)に始まり、NASA TV、NASAアプリ、および ウェブサイトで放映される。

    大判イメージは略。中継放送の詳細は 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。

  2. 複雑有機分子が極低温の分子雲内でできる過程を量子化学計算で検証 (国立天文台)

    アストロバイオロジーセンターの小松勇特任研究員と国立天文台の古家健次特任助教によって、星間空間で検出される代表的な複雑有機分子であるジメチルエーテルとギ酸メチルが生成される過程を、量子化学に基づく反応経路自動探索法を用いて検証しました。その結果、それぞれの分子について極低温(~10K)の分子雲内で反応が進行し得る経路を発見しました(図1)。本研究は理論化学に基づいてエネルギー的に実現しやすい反応経路を探索する数値シミュレーションを天文学に応用するもので、複雑有機物が観測される裏で何が起こっているかを理解するのに役立つ成果であると言えるでしょう。本研究成果は、米国の科学誌『ACS Earth and Space Chemistry 』のオンライン版に2023年8月17日付で掲載されました。

    大判イメージ含む詳細はヘッドラインから。

 
<9月19日(火)>
  1. 超巨大ブラックホールが新たな星の誕生を抑制する (国立天文台)

    銀河中心の超巨大ブラックホールから噴き出すジェットが作り出す分子ガスの流れ(アウトフロー)を、アルマ望遠鏡を用いた観測で発見しました。また銀河の中心付近では、ジェットの激しい作用によって、星の材料となる分子が破壊されていることも分かり、新たな星の誕生が抑制されている可能性があることも明らかになりました。

    銀河の中心にある超巨大ブラックホールの中でも、周囲から吸い込んだガスを膨大なエネルギーとして放射するものは活動銀河核と呼ばれ、宇宙に多数存在することが知られています。ブラックホールの活動が、周囲の星間物質、特にガス分子の分布や組成に及ぼす影響を知ることは、銀河の進化の過程を理解する上で重要です。しかし活動銀河核の場合は、中心部が濃いガスや塵(ちり)に埋もれていることが多く、可視光線や赤外線での観測が困難です。また電波による観測も、これまでは解像度が足りず、分子ガスの分布や銀河核の中心付近の構造までは分かりませんでした。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  2. 古川聡宇宙飛行士の軌道上記者会見 (JAXA)

    これは、9月14日に行われた、国際宇宙ステーションの古川聡宇宙飛行士の、約18分強の中継です。この中継はNASAでは放送されず、JAXA独自の中継だったことから大きくは扱われませんでした。録画はヘッドラインをクリックしてご覧ください。

 
<9月16日(土)>
  1. NASA、最新のアルテミス協定署名者としてドイツを歓迎 (Altemis)

    2023年9月15日木曜日:ワシントンのドイツ大使公邸で行われた式典で、ドイツは、アルテミス協定に署名した29番目の国になった。署名式にはNASAのビル・ネルソン長官が出席し、ドイツを代表してドイツ宇宙機関のヴァルター・ペルツァー長官が署名した。

    ドイツは当然のことながらヨーロッパ宇宙機関の一員ですから、今回の加盟は国家としても独立して参加することを意味します。大判イメージは省略。

  2. NASA、2023年を記録上最も暑い夏と発表

    ニューヨークのNASAのゴダード宇宙センタ(GISS)の科学者達によれば、1880年に世界の記録が始まって以来、この夏は最も暑かった。

    大判はイメージをクリック。イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  3. 星の創造の舞台!! オリオン座でのフィラメント分裂による新たな星の誕生の証拠 (国立天文台:野辺山)

    九州共立大学の島尻芳人教授が率いる国際共同研究チームは、長野県にある野辺山45m電波望遠鏡およびフランスにあるNOEMA電波干渉計を用いて、オリオン座にある星が生まれている場所(星形成領域)NGC 2024に対して、分子からの放射(分子輝線)の詳細観測を行いました。その結果、分子輝線のデータの詳細分析から得られる円柱状の細長い構造(フィラメント)の内部のガスの動きから、フィラメントが分裂することで、将来的に星を生むもととなるガスの塊(コア)を形成していることを観測から明らかにしました。大部分の星はこのようなフィラメントを介して誕生するため、この結果は、星の誕生メカニズムを解明する上で重要な手がかりとなります。また、観測の副産物として、分子輝線によりフィラメントの太さが異なることも明らかにしました。この結果は、この研究分野で10年以上続いているフィラメントの太さが普遍的かという論争において重要な役割を果たします。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  4. ペルセウス座流星群 2023・マウナケアから3日間の特別配信 (すばる望遠鏡)

    国立天文台と朝日新聞社は、ペルセウス座流星群の極大日を含む3日間、すばる望遠鏡のあるハワイ島のマウナケア山頂域から、星空特別配信を行いました。視聴者数は3日間で延べ 65 万人に上り、世界中の多くの方々が星空の美しさとペルセウス座流星群の姿を楽しみました。この特別配信では、すばる望遠鏡のキャットウォークに常設されている星空ライブカメラ(東の空が見える)に加えて、すばる望遠鏡のドームと南の空が見える位置に特別配信カメラを設置し、ふだんよりも広い範囲の星空をお楽しみいただけるようにしました。また、今回から、常設カメラも含め、4K による星空配信を行っています。
    ゲストスピーカーは、日本の流星群予報の第一人者である国立天文台の佐藤幹哉さん、明石市立天文科学館館長で天文学広報普及活動の第一人者である井上毅さん、そして、すばる望遠鏡の建設など日本の天文学研究に大きな足跡を残されている国立天文台名誉教授の家正則さんの3名です。どのお話も、それぞれのご専門に根差した、大変興味深い内容です。まだご覧になっていない場合は、ぜひ アーカイブ からご視聴ください。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

 
<9月15日(金)>
  1. チャンドラX線天文台の新しい画像 (Chandra)

    驚異的なイメージの新しい集合が、チャンドラX線天文台その他の望遠鏡からのデータを強調している。これらの天体は、世界で最も強力な望遠鏡によって、X線、赤外線、電波など、人間の目には見えない光で観測されている。これらの様々な種類の光からのデータには人間の目が知覚できる色が割り当てられている。

    このイメージの五つオブジェクトは距離とカテゴリの両方に及んでいる。ヴェラとケプラー(Vela and Kepler:共に宇宙船の名)は、ミルキウェイ銀河の中の爆発した星の残骸であり、その中心が上部のパノラマで見ることができる。 NGC 1365 は、地球から約60万光年にある二重棒状の渦巻銀河が見えます。 ESO 137-001 は、一層遠く一層大きなスケールで、銀河が宇宙を駆け抜け、その後ろに航跡を残すときに何が起こるかを示している。

    個々の詳細はヘッドラインからご覧ください(英語)。

 
<9月13日(水)>
  1. 「GALAXY CRUISE」2023 特別キャンペーンを開催 - 答え合わせのできる銀河を分類しよう (すばる望遠鏡)

    すばる望遠鏡が捉えた広大な宇宙画像の中を「航海」しながら、市民が銀河の研究に参加する「GALAXY CRUISE(ギャラクシークルーズ)」。2023年9月12日午前9時より、本物の銀河そっくりの「シミュレーション銀河」を分類する、特別キャンペーンが始まります。

    銀河はどのように生まれて、どのように進化(成長)するのでしょうか。宇宙にはなぜ、はっきりした構造がない楕円銀河(だえんぎんが)から、円盤と渦巻き構造を持つ渦巻銀河(うずまきぎんが)まで多種多様な形の銀河が存在するのでしょうか。GALAXY CRUISE は、銀河の成長と多様性の鍵を握ると考えられる、銀河同士の衝突・合体に着目し、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム、HSC)が捉えた銀河を市民が分類することで研究に参加する、国立天文台「市民天文学」プロジェクトです。2019年11月に第1シーズンが始まり、2022年4月からは、より暗い銀河を含めた第2シーズンが進行中です。これまでに、104 の国と地域から 11,734 名(うち、日本からは 7,979 名)の参加登録があり、銀河の総分類数は 396 万を超えています。

    ギャラクシー・クルーズは こちら から。大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  2. 東アジア 惑星科学・探査 夏の学校 2023 報告 (国立天文台)

    2023年夏,待望の韓・中・日 夏の夏の学校 (詳しくは こちら) を復活させることができました!新型コロナの流行阻止のために世界中が鎖国状態になって4年間も空いてしまった間に日本、中国、韓国それぞれで惑星探査が進展し、惑星科学を学ぶ学生を取り巻く状況も大きく変化しました。大いなる期待と些かの不安を抱えながら、韓国済州島へ向けて出発です。期間は7月19-21日の3日間でした。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

 
<9月11日(月)>
  1. ダークマターの小規模なゆらぎをアルマ望遠鏡で初めて検出 (ALMA:国立天文台)

    宇宙空間に漂うダークマターの密度に、3万光年以下という小規模な空間的ゆらぎがあることが、アルマ望遠鏡を用いた観測で初めて明らかになりました。ダークマターの正体を解明するために重要な一歩となります。

    ダークマターは、直接光で⾒ることができない物質で、宇宙の質量の⼤部分を占めています。その重力が及ぼす影響は、星や銀河といった宇宙の基本構造が作られる過程で重要な役割を果たしてきたと考えられています。ダークマターの空間分布は一様ではなく、その重⼒によって遠⽅からやってくる電磁波の経路をわずかに変化させます。重⼒レンズ効果と呼ばれるこの現象の観測から、ダークマターは銀河や銀河の集団と似通った分布をしていることが分かっています。しかし、さらに⼩さな規模の分布は、これまで詳しく分かっていませんでした。

    国立天文台を含む研究者達の国際研究チームは、アルマ望遠鏡を⽤いて、地球から110億光年の距離にあるクエーサー「MG J0414+0534」を観測しました。このクエーサーは、⼿前にある銀河の重⼒レンズ効果によって見掛けでは四つの像に分かれて⾒えます。しかし、今回観測された見掛けの像の位置や形は、手前の銀河による重力レンズ効果のみを考慮して計算したものとは異なっており、銀河よりも小規模でかつ複数のダークマターの塊による、重力レンズ効果が働いていることが分かりました。さらに詳細な解析から、ダークマターの密度に3万光年程度の小さな規模の空間的なゆらぎがあることが判明したのです。これは、これまでに観測されたダークマターのゆらぎよりもはるかに小さな規模です。この結果は、宇宙空間に低速のダークマターが漂っていると仮定した理論的な予測と⼀致するものでした。

    ダークマターの塊による重力レンズ効果は非常に小さいため、直接そのものを検出することは極めて困難です。今回は、銀河による重力レンズ効果とアルマ望遠鏡の高い解像度とを組み合わせることで、初めて検出することができました。本研究は、ダークマターの理論を検証し、正体を解明するための重要な⼀歩と⾔えます。

    <イメージの説明>: 検出されたダークマターの密度の空間的なゆらぎ。ダークマターの密度は、オレンジ⾊が明るいほど⾼く、暗いほど低い。アルマ望遠鏡が捉えた重⼒レンズ効果を受けたクエーサーの姿を、青白色で表している。

    大判はイメージをクリック。

 
<9月8日(金)>
  1. X線分光撮像衛星(XRISM)及び小型月着陸実証機(SLIM)の打上げ結果について (JAXA)

    X線分光撮像衛星(XRISM)及び小型月着陸実証機(SLIM)の打上げ結果について

    2023年(令和5年)9月7日:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

    X線分光撮像衛星(XRISM)及び小型月着陸実証機(SLIM)は、H-IIAロケット47号機(H-IIA・F47)により、種子島宇宙センターから2023年9月7日8時42分11秒(日本標準時)に打ち上げられました。

    ロケットは計画通り飛行し、XRISMは打上げから約14分09秒後、またSLIMは約47分33秒後にロケットから正常に分離された事を確認しました。

    今回のXRISM及びSLIMの打上げ実施にご協力頂きました関係各方面に深甚の謝意を表します。

    大判イメージは省略。通しの録画は こちら 、打上のみの録画は こちら から。

 
<9月6日(水)>
  1. X線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)の打上げ日時について[再設定] (JAXA)

    X線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)を搭載したH-IIAロケット47号機の打上げについて、下記のとおり決定いたしましたので、お知らせいたします。

              記
    打上げ日 : 2023年9月7日(木)
    打上げ時刻 : 午前8時42分11秒(日本標準時)
    打上げ予備期間 : 2023年9月8日(金)~2023年9月15日(金)
    打上げ場所 : 種子島宇宙センター 大型ロケット発射場
     なお、9月7日の打上げの可否については、引き続き天候状況を注視していきます。

    <早わかり>: 
     X線分光撮像衛星: 銀河を吹き渡る風である「高温プラズマ」のX線精密分光撮像を通じて、物質やエネルギーの流転を調べ、天体の進化を解明する。宇宙科学のフロンティアを拓くあらたな国際X線観測計画としてNASAやヨーロッパ宇宙機関などと密接に協力。
     小型月着陸実証機: 将来の月惑星探査に必要なピンポイント着陸技術と、小型で軽量な探査機システムの実現を目指す月面探査機。将来の太陽系科学探査を見据え、リソース制約の厳しい惑星への着陸やより高性能な観測装置搭載のための軽量化を実現する。

    打上中継はイメージをクリック(Youtube)--- 打上予定時刻の約30分前(7日 08:12 AM)から、打上後約60分後までを予定。

 
<9月2日(土)>
  1. 短編プラネタリウム番組集「ワン・スカイ・プロジェクト」が世界無料配信へ (国立天文台)

    人類は古(いにしえ)より星空を眺め、宇宙とのつながりに思いを馳せてきました。世界中の至る所で、その地域と文化に特有の星の物語が今日に至るまで語り継がれています。
    「ワン・スカイ・プロジェクト」は、「1つの星空(ワン・スカイ)」がつなぐ世界中の様々な文化をテーマに、伝統的な星にまつわる物語を題材にした短編プラネタリウム番組集です。TMTが出資し、イミロア天文学センターが制作指揮したこの国際協力プロジェクトからこの度、様々な文化圏の星座、天文機器、科学知識に関する、美しいプラネタリウム用短編動画7編のコレクションが発表されました。これらの動画は無料で世界に配信されています。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  2. X線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)の打上げ日程について (JAXA)

     X線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)を搭載したH-IIAロケット47号機の打上げについて、8月28日の打上げ中止以降、打上げ日の設定に向け今後の天候の推移を含めた確認を行っておりましたが、少なくとも週明けまでは天候の回復が見込めないことから、週明けに改めてお知らせいたします。引き続き天候状況を注視していきます。

    詳細はヘッドラインから。

 
<9月1日(金)>
  1. 新彗星を日本の天体捜索者が発見—西村彗星(C/2023 P1 (Nishimura)) (国立天文台)

    日本の天体捜索者が新彗星を発見しました。

    静岡県掛川市の西村栄男(にしむら ひでお)さんは、2023年8月13日(日本時)の明け方、東の低空、ふたご座の方向に新天体を発見し、国立天文台の新天体通報窓口に報告しました。日本の天体愛好家を含む世界中の観測者の確認観測により、この天体は新彗星(すいせい)であることが分かりました。新天体の発見報を取りまとめている国際天文学連合小惑星センターは、この新彗星を「西村彗星(C/2023 P1 (Nishimura))」として公表しました。西村さんは、1994年7月と2021年7月にも彗星を発見しており、今回が3つ目の新彗星の発見となります。

    この西村彗星は、2023年9月中旬には太陽におよそ0.2天文単位の距離まで接近する見込みです。日本では8月末から9月上旬にかけて明け方の東の低空で、双眼鏡を使えば見えるほどに明るくなると予報されています。彗星が明るさを増す頃は、かなり低空に位置し太陽にも近づくため、観察には十分な注意が必要です。

    日本の天体捜索者による新天体の発見は、天文学に大きく貢献しています。今回発見された彗星も、太陽に近づく前後の振る舞いなどが詳しく調べられれば、天文学に新たな知見を与えてくれるものと期待されます。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  2. 閏月が定まらない? 2033年の中秋の名月やいつに (国立天文台)

    旧暦2033年問題: これまでは天保暦時代の規則にならって日付を決めることができた旧暦ですが、2033 年に閏月の入れ方が定まらないという問題が生じることが分かっています。2033 年から 2034 年にかけて、中気の二つ入る月が二つ、中気の入らない月が三つ生じるのです。この問題は天保暦が採用されてから初めて起こるものです。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

 
<8月26日(土)>
  1. NASA、米国の汚染監視装置からの最初のイメージを共有 (TEMPO)

    NASAは、木曜日に、今年初めに宇宙に打上げられた新しい機器からの最初のデータマップを発表し、現在、北米の主要な大気汚染物質に関する情報の送信に成功している。 TEMPO ミッションからのデータは、全国の意思決定者達がその目標を達成し、歴史上最も堅牢な気候アジェンダをサポートするのに役立つ。赤道上 2,000 マイルの軌道から、NASAの TEMPO (対流圏排出量・汚染監視)は、数平方マイルの分解能で北米上空の大気質を継続的に測定するように設計された最初の宇宙ベースの機器である。

    以上記事の冒頭部分のみ。リンク先はビデオ。

  2. NASAと森林局、月の苗木を共有へ

    教育やコミュニティ組織は、科学、技術、工学、数学を促進するための宇宙飛行の歴史の生の部分、2022年後半にNASAのアルテミス1ミッションで月の周りを飛んだ木の種から成長した苗木を受取るために申請することができる。NASAと USDA 森林局は、二つの異なる種のアルテミス月ツリーの苗木を配布し、地球上のコミュニティがすべての人の利益のために人類の宇宙探査とつながるための新しい方法を設ける。約2千の種子が宇宙に飛ばされた。
    学校、図書館、美術館、学生、一般の人々と関わるその他の組織は、NASAを通してムーンツリーの苗木を申請することができる。

    大判イメージは省略。

  3. X線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)の打上げ延期について (JAXA)

    X線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)を搭載したH-IIAロケット47号機の打上げが2023年8月26日に予定されていましたが、天候の悪化が予想されることから、下記のとおり変更いたします。

               記

    打上げ日:   2023年8月27日(日)
    打上げ時刻:  午前9時30分15秒(日本標準時)
    打上げ予備期間:2023年8月28日(月)~2023年9月15日(金)
    打上げ場所:  種子島宇宙センター 大型ロケット発射場

    イメージはありません。

 
<8月24日(木)>
  1. 巨大なブラックホール、巨大な星を破壊する (チャンドラ)

    天文学者達は、近年、巨大なブラックホールからの重力がある星を破壊する、“潮力混乱の出来事”の多くの例を見つけてきた。これは、星の破片が加熱され、フレアを引き起こし、しばしば、可視光線、紫外線光、X線で見ることができる。この ASASSN-14li と呼ばれる出来事は、いくつかの理由で際立っている。
    2014年11月に発見されたとき、その約10年間に発見された、2億9000万光年の、地球に最も近い潮力の混乱であった。この近さの故に、ASASSN-14li は、破壊された星に関する驚異的なレベルの詳細を提供した。

    大判はイメージをクリック。

  2. 2023年7月の太陽活動 (国立天文台:太陽観測科学プロジェクト)

    7月は例年以上の猛暑に苦しめられつつも、観測条件としては安定した快晴の日が多く。26日の観測ができました。黒点相対数(右図)は129.33(北65.54、南64.79)と先月をわずかに上回り、Mクラス以上の太陽フレアの発生回数も54回と増加傾向にあります。 フレアは、太陽活動が活発になるにつれて回数も規模も増大していきます。2019年から始まった現在の第25周期も、2025年ごろが極大期になると予想されており、日に日に活発になっていく様子が、三鷹フレア望遠鏡の観測からも分かります。

    太陽の活動は毎月発表されていますが、今年の7月は地球で猛暑が続きましたので、参考までに太陽の活動を取り上げました。大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  3. 国際宇宙ステーション長期滞在クルー古川宇宙飛行士搭乗のクルードラゴン宇宙船(Crew-7)の打上げ日時の決定について (JAXA)

    8月21日(米国東部夏時間)に開催された飛行準備審査会(FRR:Flight Readiness Review)の結果、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び国際宇宙ステーション(ISS)計画参加宇宙機関は、古川宇宙飛行士が搭乗するクルードラゴン宇宙船(Crew-7)の打上げについて、安全性を含めた準備状況を確認し、下記のとおり打上げ日時を正式に決定しました。
    古川宇宙飛行士は、長期滞在クルーとしてISSに約6ヶ月間滞在する予定です。

                         記

    1. 打上げ予定日時:2023年8月25日(金)16時49分(日本時間)、2023年8月25日(金) 3時49分(米国東部夏時間)
    2. 打上げ場所:米国フロリダ州ケネディ宇宙センター

    イメージはありません。なお、打上と国際宇宙ステーション到着は、NASAのほかJAXAからも中継放送されます。 こちら から。
    なお今回の搭乗員はNASA 1、ヨーロッパ宇宙機関 1、日本 1、ロシア 1の国際構成です。

 
<8月23日(水)>
  1. 宇宙の過去と未来を書き換える (国立天文台)

    新たな研究により、宇宙の膨張を支配する宇宙論パラメータの精度を向上させることに成功しました。より正確な宇宙論パラメータによって、宇宙がどのように現在の状態に成長し、将来どのように進化するか、という謎に迫ることができると期待されています。 --- 中間 略
    国立天文台のマリア・G・ダイノッティ助教らを中心とする国際研究チームは、超新星やクエーサー、ガンマ線バーストといった、標準光源となる天体のデータを解析するために、さまざまな新しい統計的手法を活用することで新たな研究分野を開拓しました。このデータ解析は、国立天文台 天文シミュレーションプロジェクトが運用する中規模サーバを用い、国立天文台の岩崎一成(いわさき かずなり)助教の協力の下で行われました。距離が異なるいくつかの範囲では、それぞれ異なる標準光源を用いることが有効です。つまり、複数の標準光源を組み合わせることで、宇宙のより広い範囲に渡る天体のデータを使い、宇宙論パラメータを絞り込むことに成功しました。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  2. この夏、JAXAアカデミーキッズを開講します!
     「宇宙の授業」と「夏のホームワーク」&「APRSAF-29 世界を繋ぐオンライン天体観望会」 (JAXA)

    1,第1部「星の見え方 ~観察する場所や時差でのちがいを知ろう~」
    2,第2部「宇宙を観る様々な「眼」」

    その他:夏のホームワーク 「星の動きを観察しよう」
    「APRSAF-29 世界を繋ぐオンライン天体観望会(zoom:申込要)」など

    主に小学生対象ですがどなたでも参加できます。

    各イメージを含む詳細はヘッドラインから。

 
<8月19日(土)>
  1. NASA、スペースXクルー7のイベント、打上の放送を設定

    NASAは、国際宇宙ステーションに向かう宇宙飛行士達スペースXクルー7ミッションの今後の打上前および打上活動の報道を提供する。打上げは、ケネディ宇宙センタの打上台3Aから、東部夏時間8月25日金曜日午前3時49分(日本時間8月25日金曜日午後4時49分)に予定されている。エンデュランスと名付けられたドラゴン宇宙船は、東部夏時間8月26日土曜日午前2時2分(日本時間8月26日土曜日午後3時2分)に宇宙ステーションにドッキングする予定である。クルーの到着、打上げ、打上げ後の記者会見、ドッキングの報道は、NASAテレビ、NASAアプリ、NASAのウェブサイトで生放送される。

    スペースXクルー7には、日本の古川飛行士(写真右端)が参加しています。大判はイメージをクリック。
    なお、前任のクルー6は9月1日以降に帰還の予定です。

  2. マウイ島コミュニティへのメッセージ (すばる望遠鏡)

    山火事で被災されたマウイ島の皆様へ

    国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)のオハナ(家族)は、マウイ島での大規模な山火事で被災された皆様に、心よりお見舞いと「アロハ」を申し上げます。多くの方の尊い命と、財産、生活が失われたことを深く悲しみ、心を痛めております。私たちの心は、この前例のない悲劇に見舞われたすべてのご家族、ならびに関係者の皆様に寄り添っています。

    以下はヘッドラインから。イメージはありません。

 
<8月17日(木)>
  1. 新しいアルマ受信機の試験に成功 ―宇宙における私たちの起源に迫る新しい窓を開く― (ALMA:国立天文台)

    アルマ望遠鏡の天文学者と技術者からなる国際チームは、新しい受信機を複数のアンテナに搭載した最初の観測を行いました。これは、アルマ望遠鏡が今、建設当初に設計していたうちの最後の周波数領域である2.6~4.5ミリメートルの波長域(= 67~116ギガヘルツの周波数帯域)について、最初の試験観測ができるようになったことを意味します。この「バンド2」受信機は、遠方の星や銀河がどのようにして形成されるのか、惑星の起源や生命の構成要素に至る様々な事象を解き明かす観測を可能とし、宇宙における私たちの起源に迫る新しい窓を開きます。
    チリのチャナントール高原に建設されたアルマ望遠鏡は合計66台のアンテナからなり、アンテナ1つ1つに非常に高感度の10帯域の受信機が搭載されています。各帯域の受信機は、電磁波スペクトルにおけるミリ波/サブミリ波領域の中で、それぞれ決まった周波数帯域(波長域)を観測します。これら受信機全体で、0.3から8.6ミリメートル(= 950~35ギガヘルツ:バンド10~バンド1に対応)の「観測窓(周波数帯域)」をカバーします。今回開発されたバンド2受信機は、これまでアルマで観測されなかった67~84ギガヘルツの新しい窓を開くとともに、現在運用中のバンド3受信機によってカバーされている84~116ギガヘルツの周波数帯域も観測できます。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

 
<8月16日(水)>
  1. NASA、2023年7月を1880年以来記録上最も暑い月として計時

    NASAのゴダード宇宙研究所(GISS)の科学者によれば、2023年7月は世界の気温の記録の何れの月よりも暑かった。

    2023年7月は、全体として、NASAの記録の他のどの7月よりも 0.24 度暖かく、1951~1980年の平均的な7月より 1.18 C 暖かかった。 GISS の分析の基本的な焦点は、何十年にわたる長期の温度変化にあり、定常の温度は、一般的に、数十年以上、典型的には30年で定義される。

    以上要点のみ。大判はイメージをクリック。

 
<8月11日(金)>
  1. ミリ波/テラヘルツ帯の正確な誘電率計測技術を確立―電波望遠鏡の受信機開発からBeyond 5G/6G用材料の開発に貢献― (国立天文台)

    国立天文台と情報通信研究機構は、共同研究により、ミリ波/テラヘルツ帯における高精度な材料特性計測系の研究開発を行ってきました。今回研究チームが研究の対象にしたのは、電気を通さない絶縁体に電圧をかけたときに、内部の電子がどのように反応するかを示す「誘電率」という値です。誘電率は、絶縁体の中を電波が伝わっていくときのふるまいを理解するためにも重要な値です。電波望遠鏡では、宇宙からやってきた電波がアンテナから受信機に導かれる途中で、レンズを通過することがあります。天文学者たちが求める性能通りに電波望遠鏡を開発するためには、レンズの誘電率を正確に測定することが必要です。また通信の分野でも、通信機器に使われる回路基板やアンテナの材料の誘電率や、電波が通過する建物に使われる建材の誘電率を、正確に測定することが求められています。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  2. 超巨大ブラックホールに引き寄せられる水分子のガス (国立天文台)

    電波銀河は、中心から数万光年の規模で活発に噴出する明るい電波ジェットを持っています。このようなジェット噴出には膨大なエネルギーが必要です。銀河の中心に潜む巨大ブラックホールに星間ガスが落下する時、ガスの持つ重力エネルギーがジェット噴出エネルギーに変換されていると考えられています。
    電波銀河NGC4261も明るいジェットを持つことから、巨大ブラックホールの存在が推測されていました。加えてNGC4261のごく中心部では高密度のガスが円盤のように取り巻いていることが既に知られています。これらのガスは、ブラックホールに落下すればジェット噴出エネルギーを投入することができるかもしれません。しかし、本当にこれらの高密度なガスはNGC4261のブラックホールへ落下しているのでしょうか? これまで数光年というブラックホール近傍からガスが落下しているという観測的証拠はなく、この銀河で中心部のガスがジェット噴流のエネルギー源になっているかどうかは推測の域を出ていませんでした。

    大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

 
<8月7日(月)>
  1. 3本の腕でガスを吸い込む三つ子の赤ちゃん星 (国立天文台)

    3つの原始星から成る恒星系「IRAS 04239+2436」について、ガスの詳細な構造をアルマ望遠鏡による観測から調べた結果、細長くたなびく大きな3つの渦状腕が形作られている様子が描き出されました。また、得られたガスの速度を数値シミュレーションと比較することによって、3つの渦状腕が3つの原始星にガスを供給する「ストリーマー」の役割を担っていることも分かりました。観測とシミュレーションとがタッグを組むことで、多重星のダイナミックな形成過程を明らかにした成果です。

    太陽のような恒星の多くは、複数の星が互いを回り合う「多重星」として誕生することが知られています。多重星の形成メカニズムを理解することは、恒星がどのようにして生まれるのかを知る上でたいへん重要ですが、その形成過程は多くの謎に包まれています。最近の原始星の観測では、原始星に向かってガスが流れ込む「ストリーマー」と呼ばれる構造がしばしば報告されています。ストリーマーは原始星がガスを吸い込んで成長する様子を示す重要な構造ですが、どのように作られるのかはまだ解明されていません。多重星の原始星の周りのガスの流れは複雑な構造をしていると予想されることから、ストリーマーの起源を解明するためには、アルマ望遠鏡による高解像度観測は強力な研究手法となります。

    大判を含む詳細はヘッドラインから。

  2. 国際宇宙ステーション長期滞在クルー古川宇宙飛行士搭乗のクルードラゴン宇宙船(Crew-7)の打上げ日時について(その3) (JAXA)

    打上げを実施するSpaceX社および米国航空宇宙局(NASA)は、古川宇宙飛行士が搭乗するクルードラゴン宇宙船(Crew-7)の打上げについて、ファルコンヘビー打上げ後に追加で必要となった射点の整備作業およびISSへの補給船による補給スケジュール調整のため、日本時間8月21日18時23分としていたCrew-7の打上げ準備目標を以下のとおり変更することといたしました。


    2023年8月25日(金) 16時49分(日本時間)
    2023年8月25日(金)  3時49分(米国東部夏時間)

    <参考>
    ・ISSへのドッキングは以下が予定されています。
     2023年8月26日(土) 15時45分(日本時間)
     2023年8月26日(土) 2時45分(米国東部夏時間)

    ・打上げの予備日として、米国東部夏時間8月26日、8月27日が設定されています。

    イメージはありません。

  3. この夏、JAXAアカデミーキッズを開講します!  「宇宙の授業」と「夏のホームワーク」& 「APRSAF-29 世界を繋ぐオンライン天体観望会」 (JAXA)

    夏休みを迎えた小中学生のみんなのために宇宙の授業を贈ります!
    JAXA・国立天文台からの「夏のホームワーク」や世界中の生徒たちが参加する「APRSAF-29 世界を繋ぐオンライン天体観望会」もあります!
    --- 対象 小学4年生~中学3年生

    詳細はヘッドラインから。

  4. JAXA SDGsシンポジウム開催決定! (JAXA)

    JAXAでは、SDGsを社会課題解決のための世界の共通言語およびイノベーションの機会として活用し、様々なパートナーと連携しながら、先導的研究開発とその成果の展開を通じて、持続可能で安全で豊かな社会の実現に取り組んでいます。

    今回、宇宙・航空分野のSDGs関連の取組に関心を深めて頂くことを目的とした、「JAXA SDGsシンポジウム」を開催いたします。 本シンポジウムでは、JAXAのSDGsに関する取組を紹介するとともに、SDGs研究の専門家やSDGsに関する取組が盛んな民間企業からもご講演いただき、宇宙・航空分野のSDGs関連の取組を共有いたします。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

    申込要。オンライン参加も可能です。詳細はヘッドラインから。

 
<8月5日(土)>
  1. 「マウナケアの夏 ペルセウス座流星群スペシャル 2023」- 星空ライブカメラによる特別配信を開催!- (すばる望遠鏡)

    夏休みを飾る最大の天文イベントは、8月13日頃に極大を迎える「ペルセウス座流星群」でしょう。この流星群は、ペルセウス座が空高く昇って来る深夜から夜明けにかけて、毎年多くの流星を降らせます。今年は極大の頃までには月がだいぶ細くなるため、比較的良い条件で流星観測ができそうです。

    この夏、星空ライブカメラを発案した「朝日新聞宇宙部」が、ハワイ観測所を取材訪問する機会に合わせ、ハワイ観測所と共同で「マウナケアの夏 ペルセウス座流星群スペシャル 2023」を開催する事となりました(8月11日~13日ハワイ時:日本では12~14日の午後)。

    このイベントでは、定常運用している「星空ライブカメラ」に加えて複数のカメラを設置し、ペルセウス座流星群の極大日を含む3日間、様々な角度からこの流星群を捉えます。13日の夜(ハワイ時)には、山頂だけではなく、多くのビジターが星空を楽しむ「オニズカビジターセンター」の近くからも特別ライブ配信を行う予定です。

    時差の関係で、日本の昼間にハワイは日没となります。日本でペルセウス座流星群がよく見えるのは、深夜から明け方なので、観察するのも大変ですが、ハワイの星空ライブカメラなら、日本の夕方からリアルタイムのペルセウス座流星群を楽しむ事ができます。

    大判イメージ含む詳細はヘッドラインから。



  HOME