このページではNASAの各機関が発表する科学記事を中心に、欧州宇宙機構(ESA)、国内関連機関などの主要な科学記事を掲載しています。国内記事を除きリンク先は英文です。
なお、人名・地名・機器の名前などの固有名詞の“日本語読み”には誤りがあるかもしれません。

 
<12月4日(水)>
  1. 大西卓哉宇宙飛行士のISS船長(ISSコマンダー)就任決定

    2024年(令和6年)12月2日
    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

    大西卓哉宇宙飛行士のISS船長(ISSコマンダー)就任決定

     大西宇宙飛行士は、クルードラゴン宇宙船運用10号機にて2025年2月以降の打上げ予定です。第72次長期滞在ではフライトエンジニアを務め、第73次長期滞在ではISS船長としてミッションの達成及び全搭乗員の安全確保に向けて指揮を執る予定です。ISS船長就任日が決まりましたら、改めてお知らせいたします。

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<11月28日(木)>
  1. 宇宙ステーションの調査、自己修復量子技術の性能を試験

    国際宇宙ステーション(ISS)の外部に設置された「マテリアルズISS実験飛行施設」では、材料やデバイスの性能や耐久性を試験することができる。これは、放射線、高活性原子状酸素、微小重力、極端な温度など、宇宙環境を過酷なものにするすべてのものに関心のあるアイテムを晒すことによって行われる。

    その一つの技術には、量子データを伝送する新しい方法がある。この方法は、従来のコンピューターよりも数百万倍高速に動作することが期待される技術である量子クラウドコンピューティングの基盤を提供する可能性がある。また、放射線損傷に対する高感度検出器の「自己修復」技術を検証し、宇宙環境でのこれらの量子ツールの寿命を延ばす。

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  2. NASAのデータによって、冷却都市における緑地の役割が明らかに

    熱波を経験した都会の住人なら誰でも知っているように、木の日陰が大きな違いを生むことがある。しかし、日陰が利用できない場合は? 

    Nature Communications 誌に掲載された最近の研究では、NASAの衛星データを使用して、気候変動に対する地球規模のレジリエンス(回復力)に大きなギャップがあることが特定された。これは、グローバル・サウスの都市は、グローバル・ノースの都市に比べて緑地がはるかに少ないために、冷却能力も低い。この研究では、先進国(主に北半球)と発展途上国(主に南半球)を区別するために、グローバルノースとグローバルサウスという用語が使用された。

    都市部は、ヒートアイランド現象の影響によって、近隣の農村部よりも暑くなる傾向がある。歩道、建物、道路など、熱を閉じ込める暗い表面は、太陽光線からの熱を吸収し、都市の温度を上昇させる。猛暑は、脱水症状、熱中症、さらには死に至るなど、都市住民に深刻な健康上の脅威をもたらす。万能薬ではないが、緑は日陰を提供し、湿気を空気中に放出し、周囲を冷やす。

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  3. 棒渦巻銀河 NGC 4123  (すばる望遠鏡)

    おとめ座にある棒渦巻銀河です。ほぼ正面を向いていて大きく広がった腕が見事な形です。左に淡く広がった銀河を従えていますが、それらはおそらくはこの銀河の衛星銀河であると思われます。こういった淡い銀河の検出はHSCが得意とするところです。

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<11月22日(金)>
  1. 強力な新しい米印衛星が地球の変化する表面を追跡 (NISAR)

    NISAR のデータは、地震、火山、土砂崩れなどの現象やインフラの被害などの理解を促進する。

    地球の表面の大部分は常に動いている。科学者達は、衛星や地上の機器を使用して、火山、地震、地滑り、その他の現象に関連する土地の動きを追跡してきた。しかし、NASAとインド宇宙研究機関(ISRO)の新しい衛星は、我々が知っていることを改善し、自然災害や人為的災害への備えと回復に役立つことを目指している。

    NISAR(NASA-ISRO 合成開口レーダー)ミッションは、12日ごとに2回、地球のほぼすべての陸地と氷に覆われた表面の動きを測定する。 NISAR のデータ収集のペースは、研究者達が地球の表面が時間とともにどのように変化するかについての全体像を提供する。

    NISAR のデータは、他の衛星や機器からの補完的な測定とともに、地球の表面が水平および垂直にどのように移動するかについてより完全な画像を提供する。この情報は、地球の地殻のメカニズムから、世界のどの部分が地震や火山噴火を起こしやすいかまで、すべてをよりよく理解するために重要になる。また、堤防の一部が損傷しているかどうか、または地滑りによって丘の中腹が動き始めているかどうかを解くにも役立つ可能性がある。

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  2. 太陽とは関係のないNASAの驚くべき太陽物理学の発見五つ

    科学者達は、NASAの太陽物理宇宙船の艦隊を使って、我々の太陽を監視し、太陽系全体での影響を調査している。しかし、常に見守る艦隊やユニークな視点で、時には誰も予想していなかった発見をする機会が生まれ、太陽系やその先の謎を解くのに役立っている。

    ここでは、NASAの太陽物理ミッションが他の科学分野でもたらしたブレークスルーの五つの例を紹介する。

    以下、項目のみ
    ・何千もの彗星
    ・超巨星の調光
    ・輝く金星の表面
    ・最も明るいガンマ線バースト
    ・火山が宇宙へと吹き飛ぶ

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  3. NASAのチャンドラとハッブル、「火炎放射」ギター星雲に注目 (Chandra)

    「火炎放射ギター(flame-throwing guitar)」が、宇宙を移動するのが目撃された。天文学者達は、NASAのチャンドラX線天文台とハッブル宇宙望遠鏡を使って、この極端な宇宙天体の動画を撮影した。

    チャンドラ(赤)とパロマー(青)のデータの新しい動画は、ギター星雲で何が起こっているのかを分析するのに役立つ。チャンドラからのX線は、約2光年長の高エネルギー物質と反物質粒子のフィラメントがパルサーから吹き飛ばされている。

    ギターの形は、パルサーからの一定の風によって放出された粒子によって吹き飛ばされた泡から来ている。

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  4. 発見警報:新生の惑星の珍しい一瞥

    発見
    IRAS 04125+2902 bという長い名前の巨大な惑星は、実際にはただの赤ん坊であり、わずか300万歳である。このような幼い世界は、通常、破片の不明瞭な円盤の中に隠されているために、これまでに惑星検出の支配的な方法を使用して発見された最も若い惑星である。

    主な事実
    この巨大な惑星は、おそらくその形成の熱でまだ輝いており、約430光年の、何百もの新星がある活発な星の苗床、おうし座分子雲にある。雲が比較的近いために、天文学者達にとって主要なターゲットになる。しかし、雲が若い星の形成と進化について深い洞察を提供する一方で、それらの惑星は通常、トランジット系外惑星調査衛星(TESS)のような望遠鏡にとっては閉ざされている。これらの望遠鏡は、惑星が主星の表面を横切るときに星の光がわずかに落ち込むのを監視する「トランジット法」に依存しているが、そのような惑星システムは、地球の視点から見て、トランジット方式が機能するためには、真正面から見なければならないが、この非常に若い星システムは破片の円盤に囲まれており、トランジットする可能性のある惑星の視界を遮っている。

    ある研究チームが並外れた幸運のひらめきを報告した。この新生の惑星 IRAS 04125+2902 b を取り巻く外側のデブリ円盤は急激に歪んでおり、TESSによる広範なトランジット観測にこの世界をさらしている。

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  5. NASAのスイフト、改良されたポインティングモードで20周年を迎える (Swift)

    宇宙での20年の後、NASAのニール・ゲーレルス・スウィフト天文台は、今年初めに実施された新しい運用戦略のおかげで、これまで以上に優れたパフォーマンスを発揮している。科学者達が宇宙で最も強力な爆発であるガンマ線バーストを探索する新しい方法を夢見て以来、この宇宙船は科学的な大きな進歩を遂げた。

    ガンマ線バーストは前触れもなく空一面で発生し、平均して1日に1回検出される。天文学者達は、一般的に、これらのバーストを二つのカテゴリーに分ける。長いバーストは、2秒以上にわたってガンマ線の初期パルスを生成し、大質量の星のコアが崩壊してブラックホールを形成するときに発生する。短いバーストは2秒未満続き、中性子星のような高密度の物体の合体によって引き起こされる。

    しかし、1997年当時、科学界はこれらの出来事の起源モデルをめぐって意見が分かれていた。

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  6. 欧州宇宙機関(ESA)との将来大型協力に関する共同声明について

    2024年(令和6年)11月20日     
    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事長:山川 宏は11月20日、欧州宇宙機関(European Space Agency:ESA)のアッシュバッカー長官との間で、両機関の連携の深化を図るべく、機関間の会合を開催しました。会合において、両機関の将来大型協力に関する共同声明を署名いたしました。

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<11月11日(月)>
  1. シャドウ・ザ・サイエンティストで、すばる望遠鏡観測体験しよう! (すばる望遠鏡)

    シャドウ・ザ・サイエンティスト(Shadow the Scientists; StS)はオンラインでどこからでも世界第一線の望遠鏡の観測現場を体験できるプログラムです。日本時間 2024年11月16日(土)15:30 から 17:30 の2時間、StS 初の日本語セッションを開催いたします。Zoom でハワイ島ヒロのすばる望遠鏡山麓施設内、リモート観測室とつながって、研究者と一緒にすばる望遠鏡の観測体験をしませんか。

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  2. 3重リング銀河 (すばる望遠鏡)

    銀河の形態を系統的に分類する方法として、ハッブル分類が有名です。銀河を大きく楕円銀河、レンズ状銀河、(棒)渦巻銀河に分類し、どれにも当てはまらない不規則な形状の銀河を不規則銀河とします。ほとんどの銀河はこの分類で対応できますが、規則的な形状をしているにもかかわらず、これらのどの分類にも当てはまらない銀河あります。リング銀河はその一つです。その名の通り輪っかを持った銀河で、めずらしい銀河です。起源には諸説ありますが、衝突合体の結果という説が有力です。すばる望遠鏡が捉えた広大な宇宙画像に写りこんだ銀河を市民が分類する「市民天文学」プロジェクトGALAXY CRUISEでは、リング銀河を衝突銀河として扱っています。

    ただでさえ稀なリング銀河ですが、この画像の銀河には3つのリングがあるように見え、極めて珍しい銀河です。

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<11月6日(水)>
  1. NASAの NEOWISE 宇宙船が大気圏に再突入するが、さらなる発見が待っている! (MEOWISE)

    NASAの NEOWISE(Near-Earth Object Wide-field Infrared Survey Explorer)宇宙船は、予想通り、金曜日の夜に地球の大気圏に再突入し、燃え尽きた。2009年に WISE ミッションとして打ち上げられたこの探査機は、15年近くにわたって赤外線波長で全空をマッピングしてきた。その間、10万人以上のアマチュア科学者達が、 Milky Way Project、Disk Detective、Backyard Worlds: Planet 9、Backyard Worlds: Cool Neighbors、Exoasteroids などの市民科学プロジェクトでこれらのデータを使用してきた。

    この市民科学の研究は、55を超える科学出版物につながっている。例えばハイライトは次のとおり、

    コンパクトな星形成領域の一種であるイエローボールの発見。
    ピーターパン円盤、低質量星の周りの長寿命の降着円盤の発見。
    最初の極端T型亜矮星の発見。
    褐色矮星でのオーロラの発見の可能性。
    有効温度 ~400 K までの磁場の恒星亜質量関数の測定。
    円盤を持つ最古の既知の白色矮星の発見。
    惑星間の衝突の可能性の検出。
    最低質量の超速度星の発見。

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  2. NASAのパーカー・ソーラー探査機、最後の金星フライバイ (Parker Solar Probe)

    2024年11月6日、NASAのパーカー・ソーラー・プローブは、金星表面から376キロメートル以内を通過し、最後の金星重力アシスト操作を完了する。このフライバイによって、パーカーの軌道が最終的な軌道配置に調整され、12月24日に、探査機は、太陽表面から前例のない618万キロメートル内に到達する。それは、人口物の太陽に最も接近したものになる。2020年のフライバイと2021年の次のフライバイの WISPR イメージは、金星の表面を新たな光で明らかにした。しかし、それらは不可解な疑問も提起した。

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  3. H3ロケット4号機によるXバンド防衛通信衛星「きらめき3号」の打上げ結果 (JAXA)

    2024年(令和6年)11月4日        
    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

     宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、種子島宇宙センターから2024年11月4日15時48分00秒(日本標準時)に、H3ロケット4号機によるXバンド防衛通信衛星「きらめき3号」の打上げを行いました。

     ロケットは計画どおり飛行し、打上げから約29分11秒後にXバンド防衛通信衛星「きらめき3号」を正常に分離したことを確認いたしました。

     今回の打上げ実施にご協力頂きました関係各方面に深甚の謝意を表します。

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<10月28日(月)>
  1. 天の川銀河中心の巨大ブラックホールの観測データを再解析 (国立天文台)

    天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールについて、国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)コラボレーション」が取得し公開した観測データが、このたび独立に再解析され、巨大ブラックホールを中心としたやや東西に伸びた構造が見いだされました。公開されているEHTのデータに別の視点から考察を加えた本研究は、研究者の間で議論を重ね仮説を検証しながらその確度を高めていく、科学研究に必要な過程の一端を示すものです。

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<10月24日(木)>
  1. 米田あゆ・諏訪理宇宙飛行士認定記者会見

    各種メディアで報道されているように、米田あゆ・諏訪理の2名が新しいJAXAの宇宙飛行士として認定されました。二人は、合格者としては最年少・最年長です。彼らは、NASAのアルテミス計画によって、月に派遣される可能性もあります。記者会見模様はイメージのリンク JAXA YueTube から。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画(Youtube)です。

 
<10月21日(月)>
  1. ヨーロッパ宇宙機関のユークリッドの偉大な宇宙地図の最初のページにズームイン (Euclid)

    2024年10月15日、ヨーロッパ宇宙機関のユークリッド宇宙ミッションは、何百万もの星と銀河を示す宇宙の偉大な地図の最初のピースを明らかにした。

    この最初のマップは、208ギガピクセルの巨大なモザイクで、今日、イタリアのミラノで開催された国際宇宙会議で、ヨーロッパ宇宙機関のジョセフ・アッシュバッハー事務局長とキャロル・マンデル科学局長によって公開された。

    このモザイクには、2024年3月25日から4月8日の間に行われた260の観測が含まれている。わずか2週間で、ユークリッドは南の空の132平方度を手付かずのディテールをカバーし、これは満月の面積の500倍以上だった。

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  2. NASA、MSFC のフルシェルX線光学で隠された宇宙を解き明かす

    天体からのX線放射の研究は、最大および最小の空間スケールで宇宙についての秘密を明らかにする。天体のX線は、ブラックホールが近くの星を消費することで発生し、銀河間の構造をたどる100万度のガスから放出され、星が生命に適した惑星をホストできるかどうかを予測するために使用できる。X線観測によって、宇宙の可視物質のほとんどが銀河間の高温ガスとして存在し、銀河団のダイナミクスを説明するためには「ダークマター」の存在が必要であること、銀河団の質量をダークマターが支配していること、そしてそれが宇宙の膨張を支配していることが決定的に証明された。

    また、X線観測によって、宇宙の謎を最小スケールで探ることも可能になる。白色矮星、中性子星、ブラックホールなどのコンパクトな天体をX線で観測することで、宇宙を物理学の実験室として、密度、圧力、温度、磁場強度の点で、地球上で作り出されるものよりも桁違いに極端な条件を研究することができる。この天体物理学研究室では、中性子星の状態方程式の探索や、中性子星の大気の観測による量子電磁力学の試験などを行うことで、素粒子スケールでの新たな物理の解明が期待されている。NASAのマーシャル宇宙飛行センターでは、科学者とエンジニアのチームが、宇宙のX線の謎に焦点を絞る革新的な光学系を構築、テスト、飛行している。

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  3. 極リング銀河 NGC 660 (すばる望遠鏡)

    NGC 660は、大きく広がったリング状の構造が、中心にある渦巻銀河を垂直に近い角度でとり囲むように分布している極リング銀河です。うお座の方向にあります。リングは青く輝き、この中で活発に星が生まれています。リング内のダスト(チリ)が暗く帯状に見えていますが、それが銀河円盤の暗い帯状のダストレーンと交差している様子も見られ、複雑な構造が際立っています。このリングは、中心の銀河が他の銀河との重力相互作用を経て形成されたと考えられています。

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<10月15日(火)>
  1. 遠い惑星は木星のイオのような火山の衛星を有しているか?

    太陽系の外に月が存在することは確認されていないが、NASAが主導する新しい研究が間接的な証拠を提供するかも知れない。

    NASAのジェット推進研究所で行われた新しい研究では、地球から635光年離れた太陽系外惑星を周回する岩石質の火山衛星の潜在的な兆候を明らかにしている。最大の手がかりはナトリウムの雲であり、この発見は、太陽系外惑星である WASP-49 b と名付けられた、土星サイズのガス惑星とほぼ同じであり、わずかに同期していないことを示唆しているが、雲の振る舞いを確認するには追加の調査が必要である。我々の太陽系内では、木星の火山の衛星イオからのガス放出が同様の現象を引き起こしている。

    太陽系外衛星(太陽系外の惑星の衛星)は確認されていないが、複数の候補が特定されている。これらの惑星の伴星は、現在の望遠鏡では検出できないほど小さくて暗いために検出されなかった可能性がある。

    例えば、太陽系で最も火山性が高い天体であるイオは、二酸化硫黄、ナトリウム、カリウムなどのガスを絶えず噴出しており、木星の周りには巨大な惑星の半径の 1,000 倍にも及ぶ巨大な雲を形成することがある。月自体が小さすぎて見えない場合でも、イオのようなガス雲を検出できる可能性がある。

    WASP-49 b とその恒星はほとんどが水素とヘリウムで構成されており、ナトリウムは微量に含まれている。どちらも、毎秒約 100,000 キログラムのナトリウムを生成しているソースから来ているように見える雲を説明するのに十分なナトリウムを含んでいない。たとえその星や惑星がそれだけのナトリウムを生成できたとしても、どのようなメカニズムでそれを宇宙に放出できるのかは不明である。

    その源は火山性の系外衛星だろうか? 

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  2. 420年前:天文学者ヨハネス・ケプラーが超新星を観測

    1604年10月、新しい星が空に現れ、当時の天文学者を困惑させた。10月9日に初めて観測されたドイツの天文学者ヨハネス・ケプラー(1571-1630)は、10月17日に観測を開始し、新しい星を1年以上にわたって追跡した。その間に、木星を凌駕する-2.5等級まで明るくなり、数週間は昼間も見え続けた。1606年に彼の詳細な観測が発表されたことで、天文学者達は、この星をケプラーの超新星と呼び、今日では正式に超新星 SN 1604 と命名された。当時の天文学者達は、この星が突然現れ、最終的に消滅した原因が何なのか分からなかったが、この現象は、半世紀前にポーランドの天文学者ニコラウス・コペルニクスが提唱した地動説に向かうヨーロッパの宇宙論を形成するのに役立った。今日、天文学者達は SN 1604 を白色矮星の爆発から生じた Ia 型超新星と指定し、地上および宇宙の望遠鏡を使用してその残骸を研究している。

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  3. 最も遠い回転円盤銀河の発⾒ (ALMA:国立天文台)

    この研究成果は、2024年10月7日に欧州南天天文台(ESO)他からプレスリリースされたものです。詳しくは、ESOのプレスリリース(英語)(https://www.eso.org/public/news/eso2415/)をご覧ください。

    稲⾒華恵助教(広島大学)、Hiddo Algera研究員(国立天文台/広島大学)らが参加する国際共同研究チームは、アルマ望遠鏡を使って、最も遠い、天の川銀河に非常に良く似た⼤きな回転円盤銀河を発⾒することに成功しました。

    現在の銀河の形成と進化に関する理解では、初期宇宙の若い銀河は、激しく衝突合体を繰り返すことでだんだんと成⻑するため、現在の銀河に⽐べて、より⼩さく、より複雑な形と運動をしていると予想されていました。今回、131億年前の宇宙(7億歳の宇宙)で⾒つかった、REBELS-25と呼ばれる若い銀河は、成⻑し切った銀河である天の川銀河に匹敵するくらいの⼤きさを持つ回転円盤銀河でした。

    --- 以下略。

    <ひとこと>: 大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

 
<10月7日(月)>
  1. NASAの航空機を介して、科学者達、嵐の雲で新しいガンマ線放射を見つける

    雷雲には、雨や稲妻以上のものがある。雷雲は、可視光線の放出に加えて、最もエネルギーの高い光であるガンマ線の強力な爆発を生む可能性があり、それは100万分の1秒続く。雲はまた、一度に数秒から数分の間、ガンマ線で着実に光ることもある。

    NASAの空中プラットフォームを使用している研究者達は、定常の光よりも持続時間が短く、マイクロ秒爆発よりも長い新しい種類のガンマ線放射を発見した。彼らはそれを「ちらつくガンマ線フラッシュ(flickering gamma-ray flash)」と呼んでいる。この発見は、科学者達の雷雲の放射について理解を埋め、雷を発生させるメカニズムに関する新たな洞察を提供する。この洞察は、ひいては、人、航空機、宇宙船のより正確な雷リスクの推定につながる可能性がある。

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  2. NASAの TESS、記録破りの恒星三つ子を発見

    プロとアマチュアの天文学者が人工知能とチームを組み、NASAの TESS (Transiting Exoplanet Survey Satellite)が捉えた宇宙の「ストロボライト」のおかげで、 TIC 290061484 と呼ばれる比類のない恒星のトリオを見つけた。

    このシステムには、1.8 日ごとに互いの周りを回る双子の星のセットと、わずか25日でペアを一周する3番目の星が含まれている。この発見は、1956年に設定されたこのタイプのシステムの最小外側軌道周期の記録を破るものであり、3番目の星が33日間で内側のペアを周回していた。

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  3. ゲートウェイ、ストレステストのために立ち上がる

    ゲートウェイ宇宙ステーションの居住および物流前哨基地は、イタリアのトリノで静的負荷試験を成功裏に完了した。このストレステストのフェーズが完了すると、モジュールは月周回軌道への打上げに先立って、最終的な艤装に一歩近づく。

    <ひとこと>: 大判イメージは省略。

  4. Hera の打ち上げ (Hera)

    ヨーロッパ宇宙機関のヘラ小惑星ミッションがまもなく打上げられる。 Hera は、米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から、スペースXのFalcon 9 ロケットで打上げられる。打上げウィンドウは10月7日に開き、大西洋の両側のチームは、現在、打上準備に取り組んでいる。

    ヨーロッパ宇宙機関は、 ESA WebTVESA YouTube で打上げを中継する。

    Hera は、ヨーロッパ宇宙機関初の小惑星ミッションである。地球には、現在、35,000 個以上の小惑星が接近していることが分かっており、我々は注意深く監視している。 Her ミッションは、「衝突のコースで発見されたら、何かできることがあるのか」という疑問に答えるための国際的な取り組みの一環である。

    <付記>:  Hera ミッションの詳細は 「今日の宇宙(10月7日)」から。

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  5. 雲エアロゾル放射ミッション「EarthCARE」衛星(はくりゅう)に関する記者説明会 (JAXA)

    リンク先からご覧ください。EarthCARE は、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)主導による共同ミッションです。

    <ひとこと>: イメージは省略。

 
<10月5日(土)>
  1. NASA、木星の月へのエウロパ・クリッパー打上放送を設定 (Europa Clipper)

    NASAは、木星の氷の衛星エウロパを探査するミッション、エウロパ・クリッパー(Europa Clipper)の打上前および打上活動のライブ中継を提供する。NASAは、東部夏時間10月10日木曜日午後12時31分(日本時間10月11日午前1時31分)に、フロリダ州のケネディ宇宙センタの発射施設39Aから、 SpaceX の Falcon Heavy ロケットで打上げることを目標としている。

    地球以外では、木星の衛星エウロパが、太陽系で最も有望な生物の居住可能な環境の一つと考えられている。約18億マイルの旅の後、エウロパ・クリッパーは、2030年4月に木星の周りの軌道に入り、探査機はエウロパの詳細な調査を行い、氷の世界が生命に適した条件を持っているかどうかを判断する。エウロパ・クリッパーは、NASAが惑星ミッションのためにこれまでに開発した最大の宇宙船である。この宇宙船には、九つの機器と、科学者達が地球の海の2倍の液体の水が含まれていると考えているエウロパの表面下の海を調査する重力実験が搭載されている。

    <放送開始>:東部夏時間10月10日木曜日午前11時30分(日本時間10月11日午後12時30分)
    <視聴先>: YueTube または NASAプラス(NASA+)

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  2. 月の氷の堆積は広範囲に広がっている (LRO)

    NASAの(LRO:Lunar Reconnaissance Orbiter)ミッションからのデータの新しい分析によると、月の塵や岩石(レゴリス)の氷の堆積は、これまで考えられていたよりも広範囲に及んでいる。氷は将来の月面探検のための貴重な資源となるだろう。水は、放射線防護や人間の探検家を支援するために使用したり、水素と酸素の成分に分解してロケットの燃料、エネルギー、呼吸可能な空気を作ったりすることができる。

    以前の研究では、カベウス、ハワース、シューメーカー、ファウスティニ・クレータ内の領域を含む、月の南極近くのより大きな恒久的な影のある領域(PSR)で氷の兆候が見つかっていた。新しい研究では、南極の外側、少なくとも南緯77度に向かった PSR 内に水の氷の広範な証拠があることを発見された。

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  3. ベピコロンボ (BepiColombo)

    ベピコロンボは、2024年6月のフライバイで水星を高速で通過したとき、この小さな惑星の磁場でさまざまな特徴に遭遇した。これらの測定は、ミッションが太陽系の最も内側の惑星の周りの軌道に到着したときに調査するように設定されている謎の、興味をそそる味覚を提供している。

    <ひとこと>: ベピコロンボはヨーロッパ宇宙機関(ESA)と日本(JAXA)の共同探査宇宙船です。大判はイメージをクリック(タップ)。

  4. 衝突銀河 NGC 5366 & PGC 49574 (すばる望遠鏡)

    銀河の衝突は実に多様です。画面の上、正面から見ている銀河(フェイスオン銀河)NGC 5366と、その下、横から見ている銀河(エッジオン銀河)PGC 49574が衝突している、めずらしい銀河ペアです。おとめ座の方向にあります。銀河の向きが違うおかげで両者の色合いが対照的で、NGC 5366 では星形成領域が青く輝いているのに対し、PGC 49574では銀河円盤を真横から見た暗い帯状のダストレーンが赤っぽいのが印象的です。さらに、両者の重力相互作用によって引き伸ばされた細長い尾のような構造も広がっており、これも見どころの一つです。

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  5. アルマ望遠鏡、惑星誕生の現場で重力不安定性の「揺らぎ」を捉える (アルマ望遠鏡:国立天文台)

    アルマの干渉計技術による詳細な観測で、若い星周辺に形成される息を飲むような美しい渦巻き状の腕構造が重力の影響で生じていることが明らかになり、惑星誕生の過程を理解する手がかりが得られたことになります。

    従来、惑星の形成は、若い星をとり巻く円盤(原始惑星系円盤)の中で、塵の粒子が数千万年の長い時間をかけて徐々に集まり、より大きな塊へと成長を続けて惑星になるという「ボトムアップ」過程で理論的に説明されていました。数マイクロメートルの塵粒子が成長して、センチメートルサイズ、メートルサイズ、キロメートルサイズの塊へと大きくなっていきます。一方、別の理論では、惑星は原始惑星系円盤で起こる重力不安定性のために渦巻き構造の腕が分裂して「トップダウン」の過程で短期間に形成されるという考え方もあります。

    <ひとこと>: 大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

 
<10月4日(金)>
  1. NASAの装置、地球の放射線帯の最も鮮明な画像をとらえる

    ヨーロッパ宇宙機関の Juice (Jupiter Icy Moons Explorer)ミッションは、8月19日から20日にかけて、大胆な月-地球フライバイと二重重力支援で歴史を作った。宇宙船が月と故郷の惑星を通り過ぎるとき、ジュースの機器は、木星に到着したときに何をするかの予行演習のためにオンラインになった。その間、NASAの搭載機器のうち2台は、地球の放射線帯(地球の磁気シールド、磁気圏に閉じ込められた荷電粒子の帯)の史上最も鮮明な画像を撮影するという、初めての試みを行った。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画(Youtube)です。

  2. NASA、記録破りの恒星三つ子を発見 (TESS)

    プロとアマチュアの天文学者が人工知能とチームを組み、NASAの TESS (Transiting Exoplanet Survey Satellite)が捉えた宇宙の「ストロボライト」のおかげで、TIC 290061484 と呼ばれる比類のない恒星のトリオを見つけた。

    このシステムには、1.8 日ごとに互いの周りを回る双子の星のセットと、わずか25日でペアを一周する3番目の星が含まれている。この発見は、1956年に設定されたこのタイプのシステムの最小外側軌道周期の記録を破るものであり、3番目の星は33日間で内側のペアを周回していた。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画(Youtube)です。

  3. すばる望遠鏡25周年と GALAXY CRUISE (すばる望遠鏡)

    すばる望遠鏡は今年2024年に初観測から25周年を迎え、様々な記念事業が進められています。その中から、GALAXY CRUISEメインクルーが大活躍の事業をご紹介いたします。

    <ひとこと>: 大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  4. 二重小惑星探査計画(Hera)に関する記者説明会 (JAXA)

    <ひとこと>: イメージは省略。ビデオはヘッドラインから。リンク先は JAXA Youtube です。



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