- ハッブル、新しいポインティングモードで科学を再開
NASAは、ハッブル宇宙望遠鏡の運用を、一つのジャイロを使用する代替動作モードに移行することに成功し、金曜日に、探査機を日常の科学運用に戻した。望遠鏡とその機器は安定しており、正常に機能している。
ハッブル宇宙望遠鏡は、5月24日、望遠鏡のスルーレートを測定し、望遠鏡が向いている方向を決定し制御するシステムの一部であるジャイロスコープ(ジャイロ)の一つに問題が発生したため、セーフモードに入った。ジャイロは過去6カ月間、誤った測定値を返すことが増え、科学活動を何度も中断していた。これにより、ハッブル宇宙望遠鏡のチームは、三つのジャイロの運用モードから一つのジャイロのみによる観測に移行し、より一貫性のある科学観測を可能にし、別のジャイロを将来の使用に利用できるようにした。
チームは、問題のあるジャイロが安定し、将来再び使用できるかどうかを確認するために、引き続き監視する。一つのジャイロモードでの観測には若干の限界はあるものの、ハッブル宇宙望遠鏡は、科学観測のほとんどを継続することができる。チームがワンジャイロモードでより多くの経験を積むにつれて、操作を最適化するためのさらなる改良が期待される。
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- NASAのチャンドラからの新しい外観で「スーパー」星団が輝く (Chandra)
ウェスタールンド1(Westerlund 1)は、地球に最も近い最大かつ「スーパー」星団である。NASAのチャンドラX線天文台からの新しいデータは、NASAの他の望遠鏡と組み合わせることによって、天文学者達が星が活発に生産されているこの銀河の工場をより深く掘り下げるのに役立でている。
これは、イタリア国立天体物理学研究所の天文学者達が率いるEWOCS(Extended Westerlund 1 and 2 Open Clusters Survey)と呼ばれるプロジェクトから公開された最初のデータである。 EWOCS の一環として、チャンドラは、ウェスタールンド1を合計で約12日間観測した。
今、我々の銀河系では毎年ほんの一握りの星しか生まれていないが、かつてはこの状況は異なっていた。ミルキウェイ銀河は、かつてはもっと多くの星を生み出していたが、約100億年前に年間数十個から数百個の星を大量生産するピークに達し、その後徐々に減少していったと思われる。天文学者達は、この星形成の大部分は、ウェスタールンド1のような「スーパー星団」として知られる巨大な星団で起こったと考えている。これらは太陽の 10,000 倍以上の質量を持つ若い星団で、ウェスタールンド1は、約300万年から500万年前のものである。
この新しいイメージは、NASAのハッブル宇宙望遠鏡から以前に公開されたデータとともに、新しいチャンドラ深部データを示している。チャンドラが検出したX線は、ほとんどが白とピンクで表される若い星と、銀河団全体に拡散する加熱されたガス(温度が高い順にピンク、緑、青)を示している。ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた星の多くは、黄色と青の点で現れている。
我々の銀河システムにはまだごく少数の超星団しか存在しない、銀河システムの星のほとんどが形成された初期の時代についての重要な手がかりを与えてくれる。ウェスタールンド1は、ミルキウェイに残るこれらの超星団の中で最大の星団であり、5万から10万個の太陽の質量を含んでおり、地球の約 13,000 光年の距離にある最も近い超星団でもある。
これらの特質から、ウェスタールンド1は、超星団の環境が恒星や惑星の形成過程に及ぼす影響や、幅広い質量の恒星の進化を研究するための優れたターゲットとなっている。
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- 、地球の色とりどりの景色で全国海洋月間を祝う (PACE)
今年の全米海洋月間に向けて、NASAの、プランクトン、エアロゾル、雲、海洋生態系(PACE:Plankton, Aerosol, Cloud, ocean Ecosystem)衛星は、地球のユニークな姿を見せてくれる。2月8日に打上げられた人工衛星のデータで作成された視覚化では、すでに海と空の見方を向上させている。
PACE 衛星は、毎日地球全体を観測し、科学者達が、雲の形成、エアロゾルの動き、微視的な海洋生物の経時的な違いなど、急速に変化する大気と海洋の追跡および監視できる頻度でデータを送り返す。
この視覚化は地球の帯状の視界から始まる。オーシャンカラー機器は、紫外線、可視光、近赤外光で地球を観測する。このレベルの詳細により、科学者達は、宇宙から、植物プランクトンの特定のコミュニティを定期的に特定できるようになった。植物プランクトンの種類が異なれば、海洋生態系や健康に果たす役割も異なるので、これは大きな進歩である。
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- 商業デブリ除去実証フェーズI「定点観測」の画像を公開 (JAXA)
「定点観測サービス」は、CRD2フェーズIにおいてJAXAが契約相手方企業に求める4つの「サービス」のうちの1つで、対象デブリの軌道座標系上の定点から対象デブリを観測し、所定の画質・データ量のターゲット連続撮像画像を提供する内容です。
5月23日、株式会社アストロスケールが運用するADRAS-Jは、「定点観測サービス」を、JAXAが定める安全要求(JERG-2-026 軌道上サービスミッションに係る安全基準)を遵守しつつ、ターゲットとの距離約50mで実施し、図1に示す連続画像の撮影に成功しました。
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