カッシーニ

このページでは2004年7月に土星軌道に入ったNASAの土星探査衛星カッシーニ・ホイヘンス軌道船による土星からのイメージをご紹介しています。

カッシーニは9月の土星大気への突入を前にして、土星と最も内側のリングとの間を調査するファイナル・ステージ(グランド・フィナーレ)に入っています。記事は従前のものとグランド・フィナーレのものとが混在しています。発表順に掲載しますのでご注意ください。



<暗い側との別れ> 10月11日

土星の夜側のこのイメージのような衝撃的な視界は、カッシーニのような我々のロボット特使のおかげでのみ可能である。将来のミッションが土星に送られるまで、カッシーニのイメージの豊富な遺産は十分でなければならない。地球は土星より太陽に近いので、地球上の観測者は土星の昼の側のみを見ている。我々は、宇宙船によってのみ、地球からは最大の望遠鏡でさえ可能でない視界やデータを捕えることができる。この視界は、リング平面の上約7度からリングの日の当たる側を見ている。イメージは、2017年6月7日に、土星から121万キロメートルで、NASAのカッシーニ宇宙船の広角カメラの可視光線でとられた。イメージスケールはピクセル当たり72キロメートルである。カッシーニ宇宙船は2017年9月15日にそのミッションを終えた。

Oct 02, 2017

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<幻の縁> 9月27日

三日月形のエンケラドゥスの明るく陽に照らされた輪郭が宇宙の黒さに対して薄く見えている。土星から反射される光によって照らされた残りの月は幽霊のような外見を示している。差渡し504キロメートルのエンケラドゥスは、薄い三日月によって明らかなように、このイメージでは背景の光で照らされている。しかしながら、太陽-エンケラドゥス-宇宙船の角度は141度であり、この月の有名な噴煙を見るには低すぎる。この視界はエンケラドゥスの土星に面する半球を見ている。エンケラドゥスの北は上である。このイメージは、エンケラドゥスから約 180,000 キロメートル離れたところから、カッシーニ宇宙船の狭角カメラで、2017年3月29日に、赤外線(930nm)、緑、紫外線(338nm)フィルタを使ってとられたイメージの合成である。イメージスケールはピクセル当たり1キロメートルである。

Sept 25, 2017

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<ホームからはるかに遠く> 9月15日

この視界で、カッシーニは、遠くから土星とそのメインリングの最後の外観の一つを捕えた。土星システムは13年間のカッシーニのホームであったが、この旅も9月15日には終わるだろう。カッシーニは土星年で約半分を土星を周ってきた。この長期の滞在は、短い、フライバイ・スタイルのミッションからは可能でない観測、惑星、月、リング、磁気圏の長期の変わりやすさの観測を許してきた。宇宙船が2004年に土星に到着したとき、ここのトップに見られる惑星の北半球は冬の始まりの暗闇にあった。今、この旅の終わりで、北極全てが夏の連続の日光を浴びている。2016年10月28日に、広角カメラの赤、緑、青のフィルタを使ってとられたイメージが、このカラーの視界をつくるために結合された。この視界は、土星から約140万キロメートルで、リング平面の上約25度からリングの日の当たる側を見ている。イメージスケールはピクセル当たり80キロメートルである。カッシーニ・ミッションは、ヨーロッパ宇宙機関、NASA、イタリア宇宙機関の協力プロジェクトである。このイメージは、11日に、カッシーニウィークリーイメージとして発表された。

カッシーニは今日15日土星の大気に突入してそのミッションを終える予定です。遠距離なので突入時点のイメージ等はありませんが、以前のイメージを含めて中継放送があります。放送時刻などは 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。また、ミッション終了計画は、特集: 「カッシーニ、土星への突入近づく」 から。

Sept 11, 2017

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<カッシーニ、タイタンの「グッドバイキス」フライバイを行う> 9月14日

<ご注意>: 以下の記事は要約しています。右のイメージは最終週の動き、ヨーロッパ宇宙機関の提供です。 大判はそれぞれのイメージをクリック。

NASAのカッシーニ宇宙船は、巨大な月タイタンへの最終の遠隔フライバイに続いて、土星への9月15日の突入に向かっている。宇宙船は、表面上高度 119,049 キロメートルで、今日、西海岸夏時間午後12時4分(日本時間午前4時4分)に最接近を行った。宇宙船は西海岸夏時間9月12日午後6時19分(日本時間9月13日午前10時19分)に地球と連絡をとる予定である。遭遇の間にとられたイメージその他の科学データは、その後間もなく地球に送り始める。ナビゲータは、このダウンリンクの後、カッシーニが正確に進み、計画的な時間、場所、高度で土星に飛び込む宇宙船の軌道を確認するために分析するだろう。この遠隔の出会いは、劇的な結末に向かって土星の超高層大気へ宇宙船を送る重力推進を提供するので、非公式にミッション技術者達によって「グッドバイ・キス」と呼ばれている。このフライバイの結果はカッシーニの土星を周る軌道を僅かに遅らせる。これは、大気による摩擦がカッシーニを燃え尽きさせ、生き残ることがないような深さに宇宙船が土星の大気の中に深く入るように惑星での飛行高度を下げる。カッシーニは、土星システムの13年間の旅の間に、127の正確なターゲットとの出会いを含む、何百回の接近と、このような遠隔観測を行った。
この宇宙船の宿命的なダイビングは、4月後半に始まった、土星とリングの間のギャップを通る22回の毎週のダイビングミッション、グランド・フィナーレの最終的なビートである。かってどのような宇宙船も、このような惑星の近くに挑戦したことはなかった。
カッシーニ宇宙船は1997年に打上げられ2004年に土星に到着した。カッシーニは、氷の月、エンケラドゥスの中の熱水活動の徴候、他の月タイタンの液体のメタンの広域な海を含む多くの劇的な発見を行った。カッシーニ・ホイヘンス・ミッションは、NASA、ヨーロッパ宇宙機関とイタリア宇宙機関の協力プロジェクトである。

この時点で土星と地球は約16億キロメートル離れています。このため電波のよる通信には83分かかります。また、突入前には八つの測定器が総動員されますが、突入時のイメージは撮れません。これらのデータが提供されるのはかなり後のことと推察されます。

Sept 12, 2017

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<微細なスケールでのカラフルな構造> 9月13日

これらは、惑星のBリングの一部の中心部を示す、土星のリングの全ての部分で、これまでで最高解像度のカラーイメージである。この視界は、土星の中心から 98,600~105,500 キロメートルに横たわる領域を示す二つのイメージの合成である。このイメージは、赤、緑、青のフィルタでとられたイメージを使ってつくられた自然色の合成写真である。淡い黄褐色の色は、特に土星が類似した色を持っているとすると、通常、望遠鏡の視界では肉眼では認識できない。大部分が水の氷であり、また特に白く見えるリングにこの色を与える原因となる素材は、リング科学者達の間での激しい議論の物質であり、うまくいけばカッシーニミッションの終了前に、新しい観測によって解決されるだろう。
ここに見られる異なるリングレットは、Bリングのいわゆる「不規則な構造」の一部である。リングのカッシーニの電波の掩蔽は、ここでカメラが分解できるより小さなスケールで、放射状に、または、土星から外の方向に、これらの形が極めて鋭い境界を持っていることを示した。土星の近くでは、その不規則な構造が、けばだち、丸められ、あまり不透明でなく、色のコントラストは減少している。この場面の中央の狭いリングレットは、それぞれ幅約40キロメートルであり、右側の広い帯は差渡し約 300 ~ 500 キロメートルである。これらのリングレットとバンドの様々な輝度を何が引き起こしているか、彼らの表面に影をつけるリングの粒自身の基本的な明るさの絶対的な量、および、どのように高密度に粒が詰め込まれているか、どのように役割を果たしているかは正確には明らかでない。
左下のイメージはカラー化されたバージョンである。青い色は可視光線の波長のスペクトラムが、赤い波長に向かってより平坦なスペクトラムを意味する赤みがかっていないエリアを表している。一方、赤い色は、赤い波長に向かって急なスペクトラムを持つスペクトルを意味する特に赤いエリアを表している。ボイジャー・ミッションとカッシーニの可視光赤外線光マッピング分光計からの観測は、以前に、これらのカラーの変化を低解像度で示してきたが、ここに見られるような、カラー・コントラストが2キロメートルのスケールで見られるような、鋭く定義された明確なカラー・コントラストでは知られていなかった。
水の氷による光の吸収に敏感な赤外線スペクトルフィルタを使ってとられたこの観測でとられた新しいイメージの分析は、 色を拡張したバージョンで赤く見えるエリアが水の氷に富んでいることを示している。右下のイメージは、比較の容易なための「生」と「拡張された」カラーイメージの合成である。
このイメージは、リングの日の当たる側で 76,000 キロメートルの距離から、2017年7月6日に、カッシーニ宇宙船の狭角カメラでとられた。イメージ・スケールはピクセル当たり約3キロメートルである。

  

Sept 07, 2017

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<驚異的な構造> 9月12日

この記事は科学的には重要な内容ですが、訳者には完全には理解できていません。ヘッドラインから英文でお確かめくださるようお願いいたします。

NASAのカッシーニ宇宙船からのこの視界は、ヤヌス 2:1 渦巻密度波(Janus 2:1 spiral density wave)と呼ばれる土星のリングの波の構造を示している。渦巻銀河をつくるのと同じプロセスからの結果である土星のリングの渦巻の密度波が非常にきつく巻かれている。このケースでは、すべての二番目の波の頂上は、実際には、全ての惑星を複数回取り囲む同じ渦巻の腕である。これは土星のBリングに見られる唯一の大きな密度波である。密度の高い波がエリアを占有する構造によって特徴づけられるこの大部分のBリングで特に起きるのかもしれないが、Bリングのこの最も内側の部分では異なっている。このイメージの右下の、波が起きているところの土星からの半径は、惑星から 96,233 キロメートルである。この場所では、軌道で共振をつくりながら月ヤヌスが軌道を一回周る度にリングの粒は二回周っている。この波は、この視界では左上の方向へ、共振から外へ(土星から外へ)広がっている。大きなリング構造による波の静まりはこの場所では非常に弱く、研究者達がそれらの理由を完全には理解できておらず、この波には、土星のAリングの密度波と異なる、何百もの明るい波の頂上の共振が見られる。このイメージは、リング平面がカメラから左上の方向に傾いているという錯覚を与えるが、これはその例ではない。この種の波がどのように広がるかの構造のゆえに、この波長は共振から距離によって減少する。このように、イメージの左上は右下と同じくらいカメラに近く、一方、密度の波の波長が短い。この波は、それを生み出す月、ヤヌスが奇妙な軌道の構成なので注目に値する。ヤヌスとエピメテウス(こちら を参照)はほとんど同じ軌道を共有しており、交換は4年ごとに起きる。 --- 中略 --- このイメージは、リングの日の当たる側で 76,000 キロメートルの距離からとられた。イメージ・スケールはピクセル当たり530メートルである。

Sept 06, 2017

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<それでもそれは動く> 9月11日

地球から見たとき、しばしば天は広く変化がないように見えるが空の動きは常である。15分間のエンケラドゥスとカッシーニの二つの相対的な動きが、このムービーに見られる動きをつくっている。カッシーニは、長年、差渡し504キロメートルのエンケラドゥスの南極領域の噴煙と地質を、特別な関心をもって監視してきた。視覚上の異なる形状は科学者達に異なる情報を与え、結果として生じるアニメーションは、我々にフライバイのユニークな「宇宙船の目」の視界を与えている。このムービーは、2017年8月1日に、赤外線、緑、紫外線フィルタを使って、カッシーニ宇宙船の狭角カメラでとられた六つのイメージの合成である。このイメージは、930ナノメートルの近赤外線は赤で、可視光線の緑は緑で、338ナノメートルの紫外線は青で表されている。この視界はエンケラドゥスから約 181,000 キロメートル離れたところから得られた。イメージスケールはピクセル当たり1キロメートルである。

Sept 04, 2017

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<土星からの海王星> 8月29日

1989年8月25日、NASAのボイジャー2号は、海王星とその惑星の最大の月トリトンの歴史的なフライバイを行った。カッシーニ・ミッションは、その出来事・イベントの記念日を祝うためにこのイメージを出版した。海王星は、淡青色のディスク(2014年のカッシーニの天王星のイメージと類似している。こちら を参照)として、この自然色の合成写真のイメージ中央の右側の下に現れている。イメージの幽かな汚れの大部分は背景の星であるが、あるものはカメラの探知器をたたく帯電した粒子、宇宙線かも知れない。拡大バージョンでは、海王星の左上の光の点として見えるトリトンとともに、モノクロで明るい点として提供されている。海王星のイメージが撮られた際に、カッシーニの太陽系ファミリーが完全にとられた。このミッションの惑星フォトジャーナルには、写真を撮るには太陽に近すぎる水星と、矮惑星冥王星を除いて、大惑星の全てを含んでいる。この視界は、海王星から約43億 8000 万キロメートルで、2017年8月10日に、カッシーニの狭角カメラによってとられた。この自然色のイメージをつくるために、赤、青、緑のフィルタ・イメージが結合された。

Aug 25, 2017

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<土星照のテチス> 8月28日

NASAのカッシーニは、夜の側が土星照によって照らされている、あるいはこの惑星によって日光が反射している氷の月テチスの方向を、土星の氷のリングを横断して見つめている。カッシーニにとって、テチスは土星の向こう側にあった。この月の表面からカッシーニに向かって見上げている観察者は、土星のディスクが空を満たして照らされているのを見ている。テチスは、その可視性を増やすために、このイメージでは二倍に明るくされている。月の日の当たる北半球の片がトップに見られる。土星の日の当たる側の明るいくさびが左下に見られる。この視界はリング平面の上約10度から、リングの日の当たる側を見ている。このイメージは、2017年5月13日に、土星から約120万キロメートルで、カッシーニ宇宙船の広角カメラの可視光線でとられた。イメージスケールはピクセル当たり70キロメートルである。テチスまでの距離は約150万キロメートルであった。テチスのイメージ・スケールは、ピクセル当たり約90キロメートルである。

Aug 21, 2017

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<カッシーニの最終のタイタン測定> 8月22日

2017年4月22日の最終目標とされたタイタンフライバイの間に、カッシーニのレーダーマッパーは、この月の表面のミッション最後の詳細な観察を得た。「T-126」と名付けられたタイタンの127回目の目標とされたパスで、左と右に示された地表の二つのイメージをとるためにレーダーが使われた。二つのイメージは上から下まで幅約300キロメートルである。これらのオブジェクトは、それらが宇宙船の方に傾いているかラフな表面を持っているときに明るく見え、滑らかなエリアは暗く見える。カッシーニが、初めてのタイタンのレーダー・パスの間の2004年にイメージが撮られたときと同様に、左は丘の多い地形で明るく平原は暗い。科学者達は、最初の観測以来13年間、この地形の変化の明らかな証拠を見なかった。右側では、レーダーは、大きな炭化水素の海の一つの一部「ライジーア・メア」の、タイタンの神秘的な「魔法の島(magic island)」(こちら を参照)を探した。この「島」の地形は、このパスの間観測されなかった。科学者達は、この一時的な地形が波とバブルの二つの可能性があるかも知れないと作業を続けている。そのイメージ観測の二つの部分の間に、北極領域に点在するいくつかの湖のこれまでで初めてで最後の深さを測定するために、このレーダー装置を高度測定モードに切り替えた。宇宙船は測定のためにアンテナを直下の地表に向け、レーダーは湖の表面と下部からのエコーの時間の遅れを測定した。右図は、タイタンの以前のカッシーニ・フライバイでとられた同じエリアのレーダー・イメージとともに、並べられたトップの八つの小さな湖の測定された深さのグラフを示している。これらのデータはまだ予備的であるが、全て八つの湖は約100メートルのほぼ同じ深さであると考えられる。科学者達は、この湖が、地下の水面または帯水層と類似した、地下のシステムによって繋がっているかどうかはまだ分かっておらず、この可能性は調査中である。

Aug 11, 2017

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