火星探査メイブン(MAVEN)軌道船

このページでは2013年11月に打ち上げられ2014年9月に火星軌道に入ったNASAの火星探査メイブン(MAVEN)軌道船による火星軌道からのイメージをご紹介しています。


<火星の大気消失、NASAによって説明される(動画)> 4月15日

科学者達は、その歴史の早期の火星から、我々が今日見る赤い惑星に変えたかもしれないプロセス、火星の大気を宇宙に奪い取る太陽風を長く疑ってきた。2014年、NASAの MAVEN 軌道船は火星に到着し、その超高層大気の調査を始めた。今、 MAVEN は、それらが太陽風の電界からエネルギーを拾い上げて宇宙に逃がす超高層大気でのイオンを観測し、火星での太陽の風の食の初めての測定を送り返した。

リンク先(イメージをクリック)は英語解説によるビデオ(Youtube)です。 MAVEN 軌道船の活動についてはほとんど発表がありませんが、このビデオはこれまでの観測の集大成のようなので、英語が主体のビデオですが敢えてご紹介しています。

April 13, 2016   



<NASAの科学者達、火星の月フォボス形成の神秘に近づく> 3月3日

2015年11月下旬と12月初旬にかけて、NASAの火星大気不安定性探査軌道船(MAVEN)ミッションは、火星の月フォボスの500キロメートル内からデータを集める一連の接近を行った。フォボスの地表のメイブン軌道船のイメージとスペクトラムと小惑星や隕石との類似性の比較は、フォボスが捕えられた小惑星かあるいは火星周辺軌道で形成されたのかの、この月の起源を惑星科学者達が理解するのを助けるだろう。完全に分析されたとき、メイブンのデータはまた、地表上の有機分子を探す科学者達を助けるだろう。そのような分子の証拠は、マーズエクスプレス宇宙船による紫外線分光写真の以前の測定によって報告された。この観測はメイブン軌道船の紫外線分光装置によって行なわれた。

Feb 29, 2016   

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< MAVEN 軌道船ミッション概況説明:太陽風、火星の大気を剥ぐ> 11月12日

2015年11月5日の、火星の大気に関するNASAの MAVEN ミッションの調査結果からのハイライト。 ----- 記者会見の模様です。英語ですが一応掲載して置きます。

MAVEN は、今日冷たい不毛の惑星である火星の地表に生命をサポートしたかもしれない、初期の、暖かく、湿った環境からの火星の気象の移り変わりに鍵となる役割を演じたように見えるプロセスを確認した。

大判動画は こちら(Youtube) から。

Nov 06, 2015   



<太陽風、火星の大気を剥ぐ> 11月11日

今日、火星は冷えて不毛な砂漠であるが、科学者達は古い過去には暖かく湿っていたと考えている。初期の火星の大気の消失がこの劇的な変化に結びついたのかもしれず、その主要な容疑者の一つは太陽風である。地球とは異なって、火星は、連続的に太陽から吹きつける帯電した粒子の流れを逸らす広域な磁場に欠けており、太陽風は火星の超高層大気と衝突して宇宙にイオンを推進する。今、NASAの MAVEN は、火星から逃げるイオンの速度と方向を測定することによって、初めて活動中のこのプロセスを観測した。この視覚化されたデータは、 MAVEN によってとられた新しい測定を使って、太陽風と火星の大気の逃亡のシミュレーションを比較している。

大判動画は こちら(Youtube) から。

Nov 06, 2015   



<NASAのミッション、太陽風が火星の大気を裸にする速度を明らかにする> 11月10日

NASAの火星大気不安定性探査・軌道船(MAVEN)ミッションは、火星が、地表の生命をサポートしたかもしれない初期の暖かく湿った環境から、今日の冷えた不毛の惑星になったプロセスを確認した。 MAVEN データは、研究者達が、火星の大気が太陽風によって裸にされ、宇宙にガスを失っている割合を判定するのを可能にした。この調査結果は太陽嵐の間に火星の大気の浸食が著しく増加することを明らかにした。ミッションからのこの科学的な成果は、ジャーナルサイエンスと地球物理リサーチレターの11月5日の刊に見ることができる。

「火星は、現在我々が知っているような生命にとって鍵となる成分と、媒体となる液体の水をサポートするのに十分な暖かく厚い大気を持っていたように思われる。」と、NASAのサイエンスミッションディレクター John Grunsfeld は言った。「火星大気に何が起きたかの理解は、我々の知識にあらゆる惑星の大気の力学と進化を知らしめるだろう。」 

MAVEN の測定は、太陽風が毎秒約100グラムの割合でガスをはぎ取ることを示している。「我々は太陽嵐の間に大気の浸食がかなり増加するのを見てきた。したがって、我々は、太陽が若くより活動的であった何十億年か前には消失割合が非常に高かったと考えている。」と、コロラド大学の MAVEN 主任研究員 Bruce Jakosky は言った。

加えて、2015年3月に火星の大気を襲った一連の劇的な太陽嵐では MAVEN での消失が速められるのを見た。大きな消失割合と通過する太陽嵐の増加は、宇宙への大気の消失が、恐らく、火星の気象を変える上での大きなプロセスであったことを示唆している。

太陽風は、主に陽子と電子の粒子の流れであり、時速約160万キロメートルの速度で太陽の大気から流れ出る。太陽風によって運ばれ火星を通して流れる磁場は電界をつくり出すことができ、この電界は火星の超高層大気で帯電するイオンと呼ばれるガスの原子を加速し、それらを宇宙に放つ。

MAVEN は、太陽風と紫外線光が、惑星の大気のトップからどのようにガスをはぎとるかを調べた。新しい成果は、この消失が、太陽風が火星の後を流れる「尾」の部分、「極の噴煙」の火星の極の上、火星を囲むガスの引き伸ばされた雲の、赤い惑星の三つの異なる領域で経験していることを示した。科学チームは、逃げるイオンのほぼ75パーセントが尾の領域からであり、ほぼ25パーセントが噴煙領域からであり、引き伸ばされた雲からの貢献は僅かであると判定した。

Nov 06, 2015   

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<NASAの宇宙船、火星の周辺にオーロラと不可解なダストの雲を検出>3月20日

NASAの火星大気不安定性探査(MAVEN)宇宙船は、火星の大気に、火星大気深部に届く不可解な高高度のダストの雲とオーロラの、二つの予想外の現象を観測した。地表上約150キロメートルから300キロメートルの軌道の高度のダストの存在は予測されていなかった。ダストの源と組成は分かっていないが、火星軌道を周っている MAVEN と他の宇宙船に危険はない。「ダストが大気に起因しているなら、これは、我々が火星の大気のある基本的なプロセスを見落としていることを示している」と研究者は言った。雲は宇宙船のラングミュア探針と波形(lpw)装置によって検出され MAVEN が全運転中に存在した。雲が一時的な現象なのかまたは長期にわたるのかは分かっていない。雲の密度は低い高度で最も大きい。しかしながら、雲は最も密度の高いエリアでさえも非常に薄い。これまで、その存在の徴候は、他の MAVEN 装置の全ての観測において見られなかった。観測されたダストの可能性のある源は、火星の二つの月フォボスとデイモスから来ているダスト、太陽からの太陽風の中のダスト、彗星からの太陽を周っている破片など、大気から上に漂うダストがあり得るが、火星の既知のプロセスでは、これらの源の何れからも、観測された場所でダストの存在を説明することができるものはない。

左図:火星の MAVEN オーロラのマップ。2014年12月のオーロラ検出のマップ。このマップは、オーロラが北半球で広範囲にわたること、また、地理的な場所には結びつかないことを示している。

オーロラは5日間の全ての観測において検出された。 MAVEN のイメージング紫外線分光器(IUVS)は、12月25日の前の5日間の、科学者達が「クリスマスの光(Christmas lights)」と名付けた観測を行った。 MAVEN は明るい紫外線のオーロラの輝きが火星の北半球にわたっているのを見た。地球では、オーロラは、北または南の光として知られている。

Mar 18, 2015   

右のイメージの大判は省略、左の大判はイメージをクリック。



<NASAのメイブン宇宙船、最初の深部降下キャンペーンを完了する>2月23日

NASAの火星大気不安定性探査軌道船(MAVEN)は、火星の超高層大気の下端に近い測定値を集めるように設計された5回の深部侵入作戦の初回を完了した。通常の科学マッピングでは高度150キロメートルと 6,200 キロメートルの間で測定を行なった。キャンペーンの間、全ての超高層大気を通して測定する、約125キロメートルまでの近点と呼ばれる軌道まで低く高度を下げた。高度25キロメートルまでの差は多くないように見えるが、科学者達に低い大気のトップまで測定をする場を提供する。これらの低い高度での大気密度は、150キロメートルのときより10倍の大気密度であった。最初のキャンペーンは2月10日から18日まで行なわれた。送り返される科学データは来たる週の間に分析されるだろう。

Feb 19, 2015   



<12月3日メイブン最新情報>12月9日

メイブン火星大気不安定性探査軌道船は、今、火星で完全にその科学フェーズにあり、科学者達は、彗星サイディングスプリングとの最近の遭遇からの調査結果のみならず興味ある結果を発表した。イメージング紫外線分光計は、彗星遭遇の後、マグネシウムと鉄イオンからの、大気での激しい放射を観測することができた。中性ガス・イオン質量分析計は、これまでに行われなかった、火星の大気における彗星のダストの組成の、直接のサンプルをとって測定した。我々の太陽エネルギー粒子装置は、太陽から火星までの、フレアとコロナ質量放出の形での重要な太陽活動を観測した。我々は、また、下層大気の火星のオゾン層のマップをつくった。最終的に、我々は、酸素原子、炭素原子、水素原子の消失を示す、火星の逃亡する大気の視界を提供することができた。更なる大きな科学が来る!

Dec 03, 2014   



<メイブン最新情報:セーフモードから戻る>12月1日

11月28日金曜日現在、火星大気不安定性探査軌道船(MAVEN)の科学装置はセーフモード回復に続いて戻り、我々は科学データの収集を再開した。

Nov 29, 2014   



<メイブン最新情報:セーフモードに入る>11月22日

メイブンは、11月19日水曜日に、安全維持(safehold)モードになった。宇宙船は、その活動に関して問題を検出するときに、安全を維持しかつ地球との接触を確実にするために自動的にこの状態に入る。この安全維持はコマンド間のタイミングの競合によって引き起こされた。これは、新しい環境で宇宙船をどのように管理するかを学ぶ一部であり、宇宙船が完全な科学活動のシナリオに入って以来の初めてである。この装置は全て切り替えられ安全であり、宇宙船は健康でありまた地球との高率のデータ信号を維持している。宇宙機運用チームは、現在、科学活動のためにメイブンに送り返す計画を作成中である。

Nov 20, 2014   



<メイブン最新情報:任務を完了し基本サイエンスミッションを始める>11月20日

メイブン(火星大気不安定性探査・軌道船)宇宙船は、11月16日にそのコミッション活動を完了し、正式に1年間の基本サイエンスミッションを始めた。この科学の始まりは、実際には、その機器類は軌道に着くと間もなく科学測定を開始し、またいくつかの機器はミッションを通して較正活動を続ける“ソフトスタート”である。メイブンチームが「移行段階」と呼ぶ宇宙船の作業には、科学軌道に入るための軌道調整、宇宙船から離していくつかの機器を保持するブームの展開、中性ガスとイオン質量分析計(NGIMS)装置のカバーの取外し、科学機器のそれぞれの切替とチェック、宇宙船と機器の較正活動の続行をを含んでいる。この期間には、また、10月19日に火星の僅か 135,000 キロメートル内を接近飛行した、彗星サイディングスプリングの観測を含んだ。

Nov 17, 2014   



<ミッション最新情報>11月4日

10月はチームにとって非常に忙しい時であった。我々は、今月、 MAVEN を 4.6 時間の軌道周期と火星地表から最も近い距離を175キロメートルの計画された科学軌道に置くために合計3回のエンジン点火を行なった。この近点の高度は、科学チームの大気の密度要求と特定の高度をサポートするために、当初の計画150キロメートルより少し高い。我々は火星環境について学びそれに応じて調整する。全ての機器は成功裏に展開され、我々は彗星を安全に回避した。科学者達は、サイディングスプリング彗星から受け取ったデータを詳細に調べており、我々は近い将来興奮し得る科学結果について聞くことを楽しみにしている。 MAVEN システムのチェックアウトと較正は次の数週間続くだろう。11月中旬に科学フェーズを始める前に、我々はいくつかの更なるチェック項目を持っている。このリストには火星の地表を運行しているキュリオシティローバーとの通信テストも含まれている。

Oct 30, 2014   



<NASAのミッション、火星の超高層大気の初めての観察を提供する(遠隔会議で使われたデータの一部)>10月20日

NASAの火星大気揮発性進展軌道船(MAVEN)は、赤い惑星を囲む薄い酸素、水素、炭素のコロナの先例のない紫外線イメージをつくり、また、科学者達に、コロナの下に横たわる大気の強く変化するオゾンの包括的なマップを与える、火星における嵐のようなエネルギーに満ちた太陽粒子の初めての観察を提供した。9月21日に火星の軌道に入ったこの宇宙船は、今、その軌道を下げ、また機器をテストしている。
メイブンは、赤い惑星がどのようにしてその大気の大部分を失ったかの神秘を解くために、2013年11月に火星に向けて打上げられた。「全ての機器は、ミッションの初期に期待したより良いデータ品質を示していている」と、コロラド大学のメイブン主調査者 Bruce Jakosky は言った。
太陽エネルギー粒子(SEPs:Solar energetic particles)は、太陽からフレアまたはコロナ質量放出(CMEs)のような爆発性の太陽活動の間に吹き飛ばされた高速粒子の流れである。火星では、それらは、大気の消失をドライブする、ひとつの可能性のあるメカニズムであると考えられている。9月26日の太陽面爆発では、NASAの衛星によって観測された太陽の両側のコロナ質量放出をつくり出した。コロナ質量放出伝搬のコンピュータ・モデルは擾乱を予想し、付帯する SEPs は9月29日に火星に着いただろう。メイブンの太陽エネルギー粒子装置は、その日の出来事の始まりを観測することができた。「惑星間宇宙を旅した後に、これらのエネルギーに満ちた粒子の大部分の陽子は、火星の超高層大気にエネルギーを堆積する。」 SEP 装置のリーダー、カリフォルニア大学バークレー校の宇宙科学研究室の Davin Larson は言った。「このような太陽エネルギー粒子の出来事は一般的に数週間ごとに起きる。全ての機器が稼働すれば、我々はまたそれらに対する超高層大気の反応を追うことができると考えている。」
火星の水素と酸素のコロナは惑星の超高層大気の薄い外の縁にあり、そこでは大気の端が宇宙と接している。この領域では、かつて地表の近くにあった二酸化炭素の一部または水の分子であった原子が宇宙に逃げるだろう。これらの分子は気象を支配するので、それらの跡を追うことは、我々がこの40億年の間の火星の歴史を理解し、暖かく湿った気象から我々が今日見る冷たい乾燥した気象までの変化を追うことを可能にする。メイブンは、これらの原子によって反射される日光に敏感な紫外線分光計 IUVS を使って火星の大気の端を観測した。
「これらの観測によって、メイブンの IUVS は、これまでに行なわれた広がった火星の超高層大気の最も完全な写真を得た」と、コロラド大学のメイブン遠隔探査チーム・メンバー Mike Chaffin は言った。「惑星の広がった超高層大気を測定することによって、メイブンは、直接、これらの原子がどのように宇宙に逃げたかを徹底的に調査する。これらの観測は、金星や地球と比較して、火星の超高層大気が、赤い惑星の弱い重力によってのみ、弱く縛られているという我々の現在の理解をサポートしている。」
IUVS は、また、分子による紫外線日光の吸収を検出することによって、火星における大気のオゾンマップをつくった。「地球では冷蔵庫の CFC が極地のオゾンホールの破壊の原因である。火星では、オゾンは、紫外線日光によって壊された水蒸気の副産物によって容易に破壊される。オゾンの追跡は、火星の大気に起きる光化学物質のプロセスを追跡させる。我々は、メイブンの主サイエンス・ミッションの間に、より完全な詳細でこれらを探査するだろう。」とコロラ大学のメイブン遠隔探査チーム・メンバーの Justin Deighan は言った。
メイブンは、その基本的なサイエンス・ミッションを始める前に、約2週間の新しい機器較正とテストを行なうだろう。これには、火星の地表のNASAのキュリオシティ・ローバーと地球の間のデータを送るための、メイブン・ミッションのエレクトラ・データ通信リレーを使ったエンドツーエンドのテストを含んでいる。このミッションは11月前中旬早期の完全な科学収集開始のスタートを狙いとしている。
メイブンの主研究者は、コロラド大学の大気と宇宙物理のための研究室に基礎を置いている。大学は二つの科学機器を提供し、ミッションのための科学活動をリードしている。また、カリフォルニア大学バークレー校の宇宙科学研究室がミッションのために四つの科学機器を提供した。NASAのゴダード宇宙飛行センターがメイブン・プロジェクトを管理し、ミッションの二つの科学機器を提供した。ロッキード・マーティンが宇宙船を建造しミッションの運用を行っている。NASAのジェット推進研究所が、エレクトラ遠隔通信中継ハードウェアの運用と、深宇宙ネットワークサポートを提供している。

Oct 15, 2014   

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<ミッション最新情報>10月17日

火星大気揮発性進展軌道船(MAVEN)が9月21日に火星軌道に入った時以来数週間、予定された活動は極めてよく進んだ。以来、我々は、宇宙船の軌道を下げるための4回のエンジン点火を成功裏に完了した。メイブンは、今、火星地表からの最も近い距離を175キロメートルで、 4.6 時間周期で火星軌道を周っている。全ての装置・機器は起動され、我々は、火星超高層大気から刺激的な初めての科学を意味するデータを見ている。昨日、科学チームは、初期段階での結果を議論するために、メディアと電話会議を開いた。

<参考>; 近日中に関連資料の一部を掲載します。

Oct 15, 2014   



<現状報告>10月15日

9月21日の火星軌道入り以降、火星大気揮発性進展(MAVEN)軌道船は極めて順調に進み、機器は起動された。 軌道入り以来周期約 4.6 時間の軌道で合計四回のエンジンの点火が行なわれた。機器のいくつかが起動され、我々は今、火星超高層大気上の大きな科学成果を提供するだろう機器からのデータセットを見ている。10月9日には二つの機器(Langmuir Probe & Waves)付属物が成功裏に配置された。残りの機器の展開は次の数日の間に起きるだろう。

Oct 10, 2014   



<NASA、10月19日の火星の彗星遭遇に科学艦隊を用意する> 10月14日

特に火星軌道を周っている、NASAの広範囲な科学資産の艦隊は、10月19日日曜日に生涯でただ一度の彗星接近飛行を調査する特別席を持っている。サイディングスプリング(Siding Spring)と呼ばれる彗星 C/2013 A1 は、地球と我々の月の距離の半分より近く、全ての既知の地球に接近した彗星の10分の一の距離より接近する赤い惑星の約 139,500 キロメートルを通るだろう。サイディングスプリングの核は東部夏時間午後2時27分(日本時間10月20日午前3時27分)ごろに火星に最接近し、秒速約56キロメートルで通過するだろう。この接近は、研究者達が、彗星と、火星の大気に対する影響に関するデータを集める、先例のない機会を提供するだろう。サイディングスプリングは、我々の太陽を囲む 5,000 〜 100,000 天文単位の間の宇宙を占めるオールトの雲から来る。この彗星は、科学者達に、46億年前の太陽系の構成の間に存在した、水と炭素混合物を含む素材について研究するかけがえのない機会を与えるオールトの雲からの初めての彗星になるだろう。彗星の接近飛行に備えて、NASAは、マーズ・オデッセイ軌道船、火星偵察軌道船(MRO)、火星大気揮発性進展(MAVEN)軌道船を注意深く運行するだろう。軌道を周っている宇宙船の最も大きな危険の期間は、彗星の核の最接近の約90分後に始まり、火星が彗星の核から飛んでくるダストの広がる尾の中心に最も近くなる20分間続くだろう。 --- 以下略

<以下参考>:

この記事の原版は こちら(英語) 、サイディングスプリングについては こちら(英語) 、ビデオ解説は こちら(Youtube) から。

右図は観測体制を整えるNASAの機器等。

左上から下へ・・・
@ BOPPS(気球)、 A 赤外線望遠鏡、
以下火星周回軌道船 --- B 火星探査軌道船MRO、C マーズオデッセイ、D マーズエクスプレス(欧州)、E メイブン
以下火星探査着陸船 --- F オポチュニティ、G キュリオシティ

右上から下へ・・・
@ ハッブル(可視光線天文探査衛星)、A スウィフト(ガンマ線バースト観測衛星)、B ステレオ(太陽観測衛星)、C SOHO(太陽観測衛星)、D ネオワイズ(地球接近天体広域赤外線探査衛星)、E スピッツアー(赤外線探査衛星)、F ケプラー(系外惑星探査衛星)、G チャンドラ(X線探査衛星)

その他、NASAの施設ではありませんがハワイのケック地上望遠鏡など。

Oct 10, 2014   

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<現状報告> 10月12日

9月21日の火星軌道入りから、火星大気揮発性進展軌道船(MAVEN)とこれまでに起動された機器は極めて良好に進み、火星の地表から最も近い距離175キロメートルの、軌道入り以来周期約 4.6 時間の軌道で合計四回のエンジンの点火が行なわれた。いくつかの機器が起動され、我々は、今、我々が火星超高層大気に関する大きな科学結果を提供するだろうと考えている機器からのデータセットを見ている。加えて10月9日に二つ機器が成功裏に配置された。残りの機器の展開が次の数日間に行なわれるだろう。

Oct 10, 2014   



< MAVEN 軌道経路> 10月6日

<註>; この記事は9月30日付になっていますが、最近掲載されたものです。

火星大気揮発性進展(MAVEN)軌道船の火星を軌道を周るミッションの全ては良好に進んでいる。全てのシステムは通常通り働いている。9月21日の火星軌道入りの後、宇宙船を計画された科学軌道に持ち込む二回のエンジン点火は成功した。我々は、35時間の捕捉軌道から 5.5 時間の軌道に、軌道船を引き下げた。次週、我々は、軌道船を 4.5 時間の軌道と、求められた大気密度の回廊に入れるために、新しいエンジン点火を行なうだろう。我々は、また、10月中の五つの装置の展開の準備をしている。これらの全てが計画通りに行くならば、我々は、10月19日に火星の約 135,000 キロメートルに接近するであろう彗星、サイディングスプリングの、ボーナスの科学機会を目標にするだろう。軌道船は、この「多くの寿命期間で一度の」機会で特等席にいるだろう。
科学者達は既に火星の軌道船の科学を意味する早期の観測を得ている。先週発表された紫外線画像分光計(IUVS)からの興奮させる結果(右図)はまさに氷山の一角であり(*)、ここ数週間で多くの他の機器の起動と付属物の展開が行われるだろう。全てが計画通り行くならば、主要な科学観測は11月8日に始まるだろう。

Sept 30, 2014   

(*): 「今日の宇宙(9月30日)」 により詳しく掲載してあります。



< MAVEN 、火星に到着する> 9月22日

NASAの火星大気・揮発進展(MAVEN)宇宙船は、東部夏時間9月21日日曜日午後10時24分(日本時間9月22日月曜日午前11時24分)に成功裏に火星の軌道に入り、今、赤い惑星の超高層大気を調査する準備に入るだろう。 MAVEN は火星の薄い超高層大気の調査に専念する初めての宇宙船である。「 MAVEN は、火星の気象が時とともにどのように変化したか、また、地表の進化とこの惑星の潜在的な居住適性にどのように影響したかについて、大気の歴史の我々の知識を大いに向上させるだろう」と、NASA長官チャールズ・ボールデンは言った。「それはまた2030年代に人間を赤惑星に送るための将来のミッションに良い知らせになるだろう。」10ヵ月の旅の後の成功した軌道入りの確認は、カリフォルニア州のNASAのジェット推進研究所(JPL)のナビゲーション施設で監視されている追跡データと、コロラド州リトルトンのロッキード・マーティンオペレーションセンターで観測されているメイブン・データから受け取られた。この遠隔通信と追跡データは、オーストラリア、キャンベラのNASAの深宇宙ネットワーク・アンテナ・ステーションによって受信された。

写真は軌道入りの成功を喜ぶコロラドのロッキード・マーティンの MAVEN コントロール・ルーム

Sept 22, 2014   

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