5月20日(火):
火星で初めて可視光のオーロラを観測
2024年3月15日、現在の太陽周期のピーク近くで、太陽は、太陽フレアとそれに伴うコロナ質量放出(CME)を起こした。これは、大量の太陽エネルギー粒子を運ぶガスと磁気エネルギーの大規模な爆発である。この太陽活動は、NASAの火星探査機パーサビアランスが、他の惑星の表面から初めてオーロラを検出し、歴史に名を刻んだ火星を含む、太陽系全体での見事なオーロラを引き起こした。
<イメージの説明>: 「パーサビアランス」に搭載されたMastcam-Z装置によって撮影された、左は火星の緑色のオーロラの初めての可視光線イメージ。右はオーロラのない火星の夜空の比較イメージであるが、火星の衛星ダイモスが描かれている。月明かりに照らされた火星の夜空は、主に火星の近くの大きな衛星フォボス(フレームの外側)によって照らされており、大気中のダストのために赤茶色になり、緑のオーロラの光が加わると、左のイメージに見られるように空は緑黄色の色調を帯びる。
火星には全球的な磁場がないので、火星には地球上のオーロラとは異なる種類のオーロラが生じる。その一つが、NASAのメイブン(MAVEN:Mars Atmosphere and Volatile EvolutioN)ミッションが2014年に発見した、太陽高エネルギー粒子(SEP)オーロラである。これらは、太陽からの超高エネルギー粒子が火星の大気に衝突したときに発生し、大気が夜空全体に光る反応を引き起こす。
MAVENは、軌道からの紫外線でSEPオーロラを観測していたが、地上からの可視光ではこの現象は観測されていなかった。SEPは通常、太陽嵐の間に発生し、太陽活動極大期に増加するために、観察者達は、現在の太陽周期のピーク時に、火星の表面からSEPオーロラの可視画像とスペクトルを捉えることに照準を合わせた。
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May 14, 2025