12月27日(金):
NASAの火星探査機、引退したインサイト着陸船を発見し、ダストの動きを調査する (リコネッサンス)
<図の解説>: 2018年から2024年にかけてNASAの火星偵察軌道船(MRO:Mars Reconnaissance Orbiter)の HiRISE(High-Resolution Imagine Science Experiment)カメラが撮った一連のイメージでは、NASAの火星探査機「インサイト(InSight)」は、惑星の他の部分と同じ赤茶色をしている。
軌道から撮影された新しいイメージは、インサイト自身と周囲のダストが、時間とともにどのように変化しているかを示しており、科学者達が火星についてさらに学ぶのに役立っている。
NASAの MRO は、最近、NASAの引退した着陸船「インサイト」を垣間見ることができ、宇宙船のソーラーパネルにダストが蓄積していることを記録した。MROの高解像度イメージング科学実験(HiRISE)カメラが10月23日に撮影した新しいイメージでは、インサイトのソーラーパネルは、火星の他の部分と同じ赤茶色を得ている。
2018年11月に着陸した後、この着陸船は火星の火星地震を最初に検出し、その過程で地殻、マントル、コアの詳細を明らかにした。探査機が科学を収集した4年間で、ミッションを主導したNASAのジェット推進研究所のエンジニア達は、インサイトのカメラと軌道船の HiRISE からのイメージを使って、静止した着陸船のソーラーパネルにどれだけのダストが積もっているかを推定した。
NASAは、着陸船が長期ミッション中に電力を使い果たし、地球との通信を停止した後、2022年12月にインサイトを引退させた。しかし、エンジニア達は、風が宇宙船のソーラーパネルからバッテリーを再充電するのに十分なダストを取り除く場合に備えて、着陸船からの無線信号を聞き続けた。過去2年間に変化が検出されなかったため、NASAは今年末にインサイトからの聞き取りを停止する。
<図の解説>: このイメージの中央に写っているのは、2024年10月23日に、 MRO が、 HiRISE カメラを使って撮影した、NASAの退役火星着陸船インサイトである。
科学者達は、インサイトへの別れとして、また着陸地点が時間の経過とともにどのように変化したかを監視するために、最近の HiRISE イメージを求めた。
インサイトは、聞き取れなくなった今でも、地表にどれだけのダストが溜まるのか、また、どれだけのダストが風や塵の悪魔によって吸い取られるかを監視することで、風や塵のサイクル、また火星を形作る他のプロセスについてさらに学ぶことができる。
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ダストデビルとクレータ
ダストは火星全体の原動力であり、大気と風景の両方を形づくる。それを研究することは、科学者達がこお惑星を理解するのに役立ち、エンジニア達は将来のミッション(太陽光発電またはそれ以外)に備えることができる。
インサイトがまだ活動していた頃、科学者達は、風景を横切るダストデビルの軌跡の MRO イメージを着陸船の風センサーからのデータと照合し、これらの渦巻く気象現象が冬には治まり、夏に再び増加することを発見した。(ダストデビル:火星特有の旋風)
このイメージは、火星表面への隕石の衝突の研究にも役立った。クレータが多ければ多いほど地表は古い。これは、地殻プレートが再編成される地球の表面には当てはまらない。これらのクレータの跡は時間とともに薄れてゆく。ダストがクレータを覆う速度を理解することは、クレータの年代を確認するのにも役立つ。
クレータがどれだけ早く衰退するかを推定する別の方法には、着陸時に InSight の逆噴射推進装置が残した爆風の跡のリングを調査することにもある。2018年にははるかに目立つようになったこれらの暗いマークは、今では周囲の地形の赤茶色に戻っている。
HiRISE は、火星を探査中のNASAのローバー「パーサビアランス」や「キュリオシティ」のほか、ローバー「スピリット」や「オポチュニティ」、着陸船「フェニックス」など、他にも多くの宇宙船のイメージを撮っている。
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Dec 17, 2024