軌道船 (赤はヨーロッパ宇宙機関) 探査車(ローバー) ヘリコプター 固定型着陸船
オデッセイ エクスプレス リコネッサンス メイブン エクソマーズ キュリオシティ パーサビアランス インジェニュイティ インサイト(終了)

  2024年6月

このページの対象としている探査機、その名称などは、上のイメージを含む表からご覧ください。火星探査に関するこれまでの経緯は トップページ の案内から、また、 'Perseverance' の読みについては こちら をご覧ください。このページは、特別な記事がある場合を除いて、土曜日・日曜日・祝日の掲載は休みます。

   6月28日(金):   保全作業、チームの SHERLOC 装置の再稼働を可能にする (パーサビアランス)

火星探査機が古代の微生物の潜在的な痕跡を探すのに役立った機器が、6カ月間の努力の末、オンラインに戻ってきた。

NASAの火星探査機「パーサビアランス」に搭載された SHERLOC(Scanning Habitable Environments with Raman & Luminescence for Organics and Chemicals)は、今年1月に問題に遭遇して以来初めて。分光計とカメラで、岩石のターゲットを分析した。この装置は、火星の古代の微生物の痕跡を探すミッションにおいて重要な役割を果たす。ジェット推進研究所のエンジニア達は、6月17日、この装置がデータ収集に成功したことを確認した。

ローバーのロボットアームに搭載された SHERLOC は、2台のカメラとレーザー分光計を使って、水の中の環境で変化した岩石中の有機化合物や鉱物を探索し、過去の微生物の痕跡を明らかにする可能性がある。1月6日、この装置の分光器とカメラの一つをダストから保護するために設計された、可動式レンズカバーが凍結し、 SHERLOC がデータを収集できない状態になった。

NASAの火星探査機「パーサビアランス」に搭載された SHERLOC(Scanning Habitable Environments with Raman & Luminescence for Organics and Chemicals)は、今年1月に問題に遭遇して以来初めて。分光計とカメラで、岩石のターゲットを分析した。この装置は、火星の古代の微生物の痕跡を探すミッションにおいて重要な役割を果たす。ジェット推進研究所のエンジニア達は、6月17日、この装置がデータ収集に成功したことを確認した。

SHERLOC チームによる分析では、保護レンズカバーを動かして分光計とオートフォーカスおよびコンテキスト画像装置(ACI)カメラの焦点を調整する、小型モーターの誤動作が指摘された。ジェット推進研究所の複製の SHERLOC 装置で可能性をテストすることによって、チームはレンズカバーをオープン位置に移動できるかどうか、またどのように移動できるかを確認するために、長く細心の注意を払った評価プロセスを始めた。

上のイメージのリンク先は動画 .mp4 、下のイメージのリンク先は動画 .gif です。

June 26. 2024


    6月27日(木): 「偽の」フライバイを使ってフォボスの神秘を解く (エクスプレス)

2021年の、少々古い記事ですが、取り上げる機会がなかったので、エクスプレスの記事として追記します。

一連の真と偽のフライバイを行なうことによって、ヨーロッパ宇宙機関のマーズ・エクスプレスは、火星の最大の月、フォボスが、太陽によって放出される帯電粒子である太陽風とどのように相互作用するか、また、これまでにフォボスでのみ見られた、理解し難いプロセスに注目した。

この我々の星から流れ出る太陽風は、太陽系をエネルギーに満ちた粒子で満たす。地球の月はこれらの粒子を連続的に反射し、同じ「後方散乱(backscattering)」は、岩石型で、磁場と大気に欠け、内部太陽系の地球型惑星を周っている、火星の月フォボスにおいても、この二つの間に類似性を与えられると予想される。しかしながら、しばしばフォボスの近くに来たにもかかわらず、ヨーロッパ宇宙機関のマーズ・エクスプレスは、これまでにこの後方散乱を2008年に見ただけだった。

研究者達は、今、2016年1月のこの月へのフライバイの間に見られた、フォボスで反射された太陽風の粒子の二回目の成功した検出を報告している。

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Dec 02. 2021


   6月26日(水):   明るい新しい研磨 (パーサビアランス)

2024年6月16日 (火星日 1181) に、前方危険回避カメラAによって、現地平均太陽時 14:20:10 にとられた。このイメージは、ローバーの前方のエリアの、ブライト・エンジェル(Bright Angel)の表面を調査する際の、アームを伸ばした状態を示している。

パーサビアランスは、軌道のデータで目立つ明るい色調の岩石にちなんで名付けられた、待望のブライト・エンジェル(Bright Angel:左図下部または下の横長のイメージ参照)のサイトに到着した。ブライト・エンジェルは、このユニークな色と、地表の特徴、古代の川のチャネルであるネレトヴァ谷(Neretva Vallis)の端にあることから、マーズ2020サイエンスチームにとって興味深い場所となった。

ブライト・エンジェルの離写真を撮った後、パーサビアランスは岩に近づいた。より近いカメライメージ、マストカメラ、 SuperCam のデータから、これらの明るい色調の岩石に興味深い表面が示され、科学チームはその理解に積極的に取り組んでいる。

美しいイメージとエキサイティングな場所を処理するために、数日後、パーサビアランスは、右上のイメージでローバーのアームの下を見るとわかるように、ローバーの前の岩に、計画的な摩耗を実行した。この摩耗の片は、地球のコロラド川沿いのグランドキャニオンの古代の考古学的遺跡にちなんで、「ワルハラ・グレイズ(Walhalla Glades)」と名付けられ、古代のネレトヴァ谷の川のチャネルの端にあるブライト・エンジェルの場所に敬意を表している。

科学機器は、削り取った片を詳細に観察し、これらの岩石の高解像度の化学データを提供するために配備された。上の危険回避カメラのイメージでは、 PIXL 装置が、スキャンを実行する際に、岩の表面に向かった下に向いている。

科学チームは、ブライト・エンジェルで得られたすべての新しいデータを理解するために時間をとり、これまでにパーサビアランスが調査した岩石と比較し、その地域をパーサビアランスのサンプルキャッシュに含めるべきかどうかを判断する。

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June 20. 2024


   6月25日(火):   金属の火星 (エクソマーズ)

錆びた外観と細部の壮大さ、火星のマウルス谷(Mawrth Vallis)地域の新しいイメージは、鉄、マグネシウム、アルミニウムが豊富な世界を明らかにしている。

火星が赤い惑星として知られているのには理由がある。人間の目には、この我々の惑星の隣人は夜空に浮かぶ赤みを帯びた点のように見える。火星の表面には、酸化鉄やミネラルが豊富に含まれている。火星の表面の土などは酸化して赤みを帯びる。

火星を周回するカメラは、我々の目に見えるよりも多くの色を捉えることができる。エクソマーズ・ガス追跡軌道船(TGO:ExoMars Trace Gas Orbiter)に搭載された色・立体表面画像システム(CaSSIS:European Colour and Stereo Surface Imaging System)は、驚くほど多様な色彩を映し出している。

この CaSSIS イメージは、鉄とマグネシウムに富んだ粘土を含む黄色の層を露出させ、その上にアルミニウムを豊富に含む白と青の層が重なっている。この領域は、暗く、激しく侵食された層で覆われている。

この鮮やかな風景の金属の色は、約36億年前に始まった鉱物学的多様性を物語っている。この地域は、火星を取り囲む二分の境界の南に位置し、南の高地と北の低地が出会う場所を示している。この谷は、その地質学的複雑さで科学者の興味をそそっている。かつて液体の水が流れていたこの地域は、エクソマーズ探査機ロザリンド・フランクリンの最も有望な着陸地点の一つとして最終候補に挙がっていた。--- 注: ロザリンド・フランクリンは、ヨーロッパ宇宙機関が計画している火星探査ローバー。最終的にはオクシア平原が選ばれた。

その間、 TGO は火星の周回軌道から情報を集め、火星の太古の過去と潜在的な居住可能性を調べている。 TGO の科学ミッションは、2018年に始まり、壮観なイメージとともに、この惑星の大気の最良のガスを分析し、惑星表面の水が豊富な場所をマッピングしている。

CaSSIS は、6年間にわたって、火星を驚異的な色彩で観測し、火山の風景から活発なダストデビル、巨大な砂丘まで、さまざまな特徴を捉えてきた。

火星の水の歴史と、かつてそれが生命の繁栄を可能にしたかどうかを理解することは、ヨーロッパ宇宙機関のエクソマーズミッションの核心である。

TGO は、2024年2月11日に、西経 18.8 度、北緯 24.4 度を中心とする地点でこのイメージを撮った。

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June . 2024


   6月24日(月):   火星の金属に富んだ光景 (エクソマーズ)

火星のマウルス谷(Mawrth Vallis)領域を撮影したこの新しいイメージは、鉄、マグネシウム、アルミニウムが豊かな世界を明らかにしている。

火星を周回するカメラは、我々の目が見るよりも多くの色を捉えることができる。エクソマーズ・トレース・ガス・オービター(TGO)に搭載された色・立体表面画像システム(CaSSIS)は、驚くほど多様な色彩を映し出している。

この CaSSIS イメージは、鉄とマグネシウムに富む粘土を含む黄色の層を露出させ、その上にアルミニウムを豊富に含む白と青の層が重なっている。侵食の激しい層が暗く見えることがある。

この鮮やかな光景の金属の色は、約36億年前に始まった鉱物多様性を物語っている。この地域は、火星を取り囲む尾根の境界の南に位置し、南部の高地と北部の低地が出会う場所を示している。この谷は、その地質学的複雑さで科学者達の興味をそそり続けている。かつて液体の水が流れていたこの地域は、ヨーロッパ宇宙機関のエクソマーズ探査機ロザリンド・フランクリンの最も有望な着陸地点の一つとして最終候補に挙がっていた。ロザリンド・フランクリンが生命の痕跡を探す場所としてはオクシア平原(Oxia Planum)が選ばれた。

その間、 TGO は、火星の周回軌道から情報を収集し、火星の太古の過去と潜在的な居住可能性を理解している。 TGO の科学ミッションは2018年に始まった。この探査機は、壮観な画像を送り返すだけでなく、惑星の大気のガスの最良のインベントリを提供し、この惑星の水が豊富な場所の表面をマッピングしている。火星の水の歴史と、かつての生命の繁栄の可能性を理解することは、エクソマーズミッションの核心である。

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June 18. 2024


   6月21日(金):   火星は生命の家としてふさわしい (キュリオシティ)

探査機キュリオシティ・ローバーは、太古の火星が、生きた微生物を支えるのにふさわしい化学的性質を持っていることを発見した。キュリオシティは、イエローナイフ湾(Yellowknife Bay)の「シープベッド(Sheepbed)」の泥岩から掘削された粉末サンプルから、生命に必要な重要な成分である硫黄、窒素、酸素、リン、炭素を発見した。また、このサンプルは粘土質の鉱物で、塩分が多すぎないこともわかり、かつては新鮮な、おそらく飲用可能な水がそこに流れていたことを示唆している。

<ひとこと>: 写真は、最初にキュリオシティが掘削したサンプル。大判はイメージはありません。

June 19. 2024


   6月20日(木):   火星でポップコーンを発見 (パーサビアランス)

何ヶ月にもわたる運転の後、パーサビアランスは、ついに「ブライトエンジェル(Bright Angel)」に到着し、ローバーがこれまでに見たことのない奇妙な質感の岩を発見した。チームは、現在、この斜面を登って、この岩石のシーケンスの起源とユニットとの関係を明らかにすることを計画している。

「ウォッシュバーン山(Mount Washburn)」の興味をそそる多様な岩の調査を終えたローバーは、北に向かい、層状になった明るい色調の岩のすぐ前に駐車した。これによって、チームは「ブライトエンジェル(Bright Angel)」の露出を構成する岩石を初めてクローズアップで見ることができた。パーサビアランスは、イメージをとるために立ち止まり、ローバーが詳細な探査を行うためにアクセスしやすい露頭まで西に向かった。

パーサビアランスは火星日 1175 にこの露頭の基部に到着し、科学チームの地質学者達は、そこで見つかった明るい色調の岩石の奇妙な質感に魅了された。これらの岩石は、扇状地の基部に見られる鉱脈に似た鋭い隆起で満たされているが、ここにはもっと多くの岩があるようである。さらに、一部の岩には小さな球体が密集しており、これを冗談で「ポップコーンのような」と呼んでいる。これらの特徴を総合すると、これらの岩石が堆積した後、地下の水がこれらの岩石の中を流れたことを示唆している。次に、パーサビアランスは、岩石の露出を徐々に上昇し、測定を行う。週末には、ローバーのアームの計器を使って詳細な化学情報を得る予定である。このデータ次第で、チームは、サンプリングするかどうかを決定する。「ブライトエンジェル」での探索が完了した後、ネレトヴァ谷(Neretva Vallis)を南下し、「サーペンタイン・ラピッズ(Serpentine Rapids)」と呼ばれる場所を探索する。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。「ブライトエンジェル(Bright Angel)」は6月14日の記事参照。

June 18. 2024


   6月19日(水):   過去の、液体の水が残っていた証拠を発見 (キュリオシティ)

キュリオシティは、着陸直後、足首から腰までの深さの川で、少なくとも数マイル下流に転がり落ちたであろう、滑らかで丸みを帯びた複数の小石を見つけた。キュリオシティがシャープ山に到着したとき、チームは、一連の浅い湖の底にもともと泥として形成された 1,000 フィート以上の垂直の岩を発見した。これ等の川や湖は、おそらく100万年以上もの間、ゲイル・クレータに残っていた。

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April 13. 2024


   6月18日(火):   マーズエクスプレス、霜のオリンパスモンスを見る (エクスプレス)

このイメージは、火星だけでなく太陽系全体で最も高い火山、オリンパス・モンス(Olympus Mons)を示している。火山の直径は約600キロメートル、これは、ヨーロッパ宇宙機関のマーズ・エクスプレスに搭載された高解像度ステレオカメラによって、現地太陽時間早朝午前7時20分にとられ、霜が存在する可能性はないと考えられていた惑星の一部、火星の赤道付近で初めて水の霜を明らかにする新しい調査の一環として撮影された。

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June 14. 2024


   6月17日(月):   科学目標を達成するために古代の川を渡る (パーサビアランス)

当初は、ローバーが減速し、岩を避けるルートに過ぎないと考えられていたネレトヴァ谷(Neretva Vallis)は、科学チームに地質学的な選択肢を豊富に提供してきた。

パーサビアランス」は、岩を避けるために砂丘地帯を迂回した後、6月9日に、最新の科学的関心領域に到達した。このルートの変更によって、「ブライトエンジェル(Bright Angel)」の愛称で親しまれているその地域に到達するまでの推定運転時間が数週間短縮されただけでなく、科学チームは、古代の河道でエキサイティングな地質学的特徴を見つける機会を得た。

パーサビアランスは4回目の科学キャンペーンの後期の段階にあり、ジェゼロ・クレータの縁に沿ったエリアである「マージン・ユニット」で、炭酸塩とかんらん石の堆積物の証拠を探している。北側のチャネル壁の基部に位置するブライトエンジェルは、川の浸食によって露出した古代の岩石や、水路を埋め尽くした堆積物を表している可能性のある岩の多い明るい色調の露頭を特徴としている。調査チームは、炭酸塩とかんらん石を豊富に含むマージン・ユニット(Margin Unit)の岩石とは異なる岩石を発見し、ジェゼロの歴史に関する手がかりをさらに集めようとしている。

<図>: NASAの探査車「パーサビアランス」が撮影した18枚の画像をつなぎ合わせたこの合成は、5月27日の「ウォッシュバーン山(Mount Washburn)」の岩場を示している。中央の明るい色調の岩の質感と化学組成の多様性に興味をそそられた探査車の科学チームは、この岩を「アトコ・ポイント(Atoko Point)」と名付けた。

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June . 2024


   6月14日(金):   ブライト・ロックスと「ブライト・エンジェル」 (キュリオシティ)

先週、パーサビアランス・ローバーは、数十億年前にジェゼロ・クレータに水をもたらした古代の河道、ネレトヴァ谷(Neretva Vallis)に降りた。ネレトヴァ谷で発見された岩石は、はるか上流からもたらされた可能性があり、遠く離れたところから運ばれてきた可能性のある物質を調べる機会を与えてくれた。

ダンレイヴンの狭い道(Dunraven Pass)の砂丘を避けながら、マストカムのZカメラが、遠くからスペクトル面で多様な岩や明るい色調の岩盤の片を持っていると識別した露頭、ウォッシュバーン山(Mount Washburn)に近づいた。到着すると、ローバー周辺の岩石の色や質感の多様性に驚かされ、すぐにリモートセンシング機器による観測計画に取り掛かった。注目したのは、暗い斑点のある明るい岩「アトコ・ポイント(Atoko Point)」だった。多数の Mastcam-Z マルチスペクトル画像を取得し、 SuperCam レーザーでアトコ・ポイントを調べた後、次の目標である「ブライト・エンジェル(Bright Angel)」に目を向けた。現在地の北西にあるこの明るい色調の岩石の露出は、軌道のイメージで鮮やかに際立っている。ブライト・エンジェルの露頭を調べ、層序的関係---異なる岩石の垂直方向の順序と積み重ね---を評価することで、ネレトヴァ谷とクレータの縁とのつながりを理解することが期待されている。

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June 10. 2024


   6月13日(木):   火星の熱帯地方に凍てつく火山発見される (エクスプレス)

ヨーロッパ宇宙機関のエクソマーズ(ExoMars)とマーズ・エクスプレス(Mars Express)ミッションは、火星の赤道付近に、初めて、不可能と考えられていた場所に霜の存在を発見した。

これらの霜は、太陽系で最も高い火山、タルシス火山の頂上にある。ヨーロッパ宇宙機関のエクソマーズガス追跡軌道船(ExoMars Trace Gas Orbiter)が最初に観測し、その後、搭載された別の機器と、ヨーロッパ宇宙機関のマーズエクスプレスの両方で観測された。

「火星の赤道付近では、太陽の光と薄い大気が混ざり合い、地表と山頂がともに気温が比較的高く保たれるので、霜が降りることはないと考えられていた。

火星のタルシス地域には、オリンパス・モンスやタルシス・モンテス(アスクラエウス、パヴォニス、アルシア・モンス)など、数多くの火山がある。これらの火山の多くは巨大であり、地球のエベレストの1倍(パボニス・モンス)から3倍(オリンポス・モンス)の高さで周囲の平原にそびえ立っている。

これらの火山の頂上には、過去の噴火でマグマ溜まりが空になったために生じたカルデラがある。研究者達は、空気がタルシス上空を独特の方法で循環することを提起している。これによって、火山のカルデラ内に独特の微気候が生じ、霜の斑点が形成されまる。

左図はタルシス地方の概要。右下に太陽系最大とされているオリンパス・モンズがある。モン(Mon)は山を意味する。大判はイメージをクリック。

June 10. 2024


   6月12日(水):   NASA、壮大な太陽嵐の間に火星が明るくなるのを見る (キュリオシティ)

オーロラの発生に加えて、最近の極端な嵐は、将来の宇宙飛行士達が火星で遭遇する可能性のある放射線の量について、より詳細を提供した。

火星科学者達は、今年初めに太陽活動極大期と呼ばれる活動のピーク期に入って以来、壮大な太陽嵐を予測してきた。先月、NASAの火星探査機は、火星に到達した一連の太陽フレアとコロナ質量放出を最前列で研究者達に提供し、また、火星のオーロラを引き起こすことさえあった。

この科学の宝庫は、そのような出来事が深宇宙でどのように展開するか、そして火星での最初の宇宙飛行士が遭遇する可能性のある放射線被曝の量を研究する前例のない機会を提供した。

--- イメージは動画です。リンク先から。

最大のイベントは5月20日に発生し、ESAとNASAの共同ミッション、太陽軌道船(Solar Orbiter)からのデータに基づいて後にX12と推定された太陽フレアが発生した。このフレアでは火星に向けてX線とガンマ線を放出し、その後のコロナ質量放出は荷電粒子を放出した。光の速さで移動するフレアからのX線とガンマ線が最初に到着し、荷電粒子は僅か数十分遅れて火星に到達した。

NASAのゴダード宇宙飛行センターのアナリスト達は、この宇宙の気象を綿密に追跡し、コロナ質量放出後に荷電粒子が飛来する可能性を示唆した。

もし当時、宇宙飛行士が火星探査機キュリオシティの隣に立っていたとしたら、8,100 マイクログレイ(micrograys:胸部X線30枚分に相当する)の放射線量を受けていたことになる。致命的ではないが、キュリオシティの放射線評価検出器(RAD)が測定したサージとしては、12年前にこのローバーが着陸して以来の最大の急増だった。

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June 10. 2024


   6月11日(火):   手の届かないところ (キュリオシティ)

キュリオシティは、国際時間2024年6月7日 04:20:07 (火星日 4207)に、ロボットアーム先端にあるマーズハンドレンズイメージャ(MAHLI)を使ってこのイメージを撮った。

先に進む前に、キュリオシティは、この美しく魅力的な場所で、更に集中的なコンタクトサイエンス活動がある。この場所が特別なのは何だろう? 岩石の色や質感が多様である。 MAHLI のイメージは、変わった色を間近で撮影したものであり、科学者達は調査に追われている。数日前から調査している目の前にあるホワイトバーク峠のブロックは、特に非常に複雑であり、掘削目標として評価してはいるが、その場所は現在地から少し離れ過ぎている。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

JUN 07, 2024


   6月10日(月):   オールド・フェイスフル・ガイザーで炭酸塩を彫る (パーサビアランス)

先週、パーサビアランスはオーバールック山の近くでオールド・フェイスフル・ガイザー(Old Faithful Geyser)と呼ばれる岩を掘削した。このターゲットは、ジェゼロ・クレータの上端付近の西側にあり、炭酸塩が豊かであり、宇宙生物学的に興味深い場所である。炭酸塩を含む岩石は、パーサビアランスは、火星日923のペリカンポイント、942日のルフロイベイ、1088日のコメットガイザーを含む、三つのコアから収集している。これらの各ターゲットではすべて炭酸塩の存在を確認しているが、各岩石の粒子と鉱物の集合体は独特であり、一部の炭酸塩は異なる形成メカニズム、および/または変質したことを示している可能性がある。

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<図>: オールド・フェイスフル・ガイザーを磨く: 火星日1151(2024年5月16日)、パーサビアランスはオールド・フェイスフル・ガイザーと呼ばれる炭酸塩を含む岩石を削り取った。この活動は、ローバーの左危険回避カメラ(HAZCAM)によってとられた。

記事は一部の要約。大判はイメージをクリック。

June 05. 2024


   6月7日(金):   層化の歴史 (リコネッサンス)

機会をとらえて火星の地表の特徴的な地形を掲載しています。古い記事を含むので、現在と異なる可能性があることをご了知ください。

惑星の地質学的な歴史はその層に描かれている。表面の侵食によって堆積物と思われる明るい色調の層が数階に現れている。

此処の最新の地質学的な特徴は、すべての岩の頂上を横切って蛇行する狭い砂丘である。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

Feb 07. 2019


   6月6日(木):   風の流れ (リコネッサンス)

機会をとらえて火星の地表の特徴的な地形を掲載しています。古い記事を含むので、現在と異なる可能性があることをご了知ください。

地球の海面での大気圧は約1バールである。火星の大気圧は6〜10ミリバールであり、地球の100分の一である。それでも、この大気の中で、風は、障害物の周りを流れる。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

Feb 18. 2019


    6月5日(水):   複数の高度の溝 (リコネッサンス)

機会をとらえて火星の地表の特徴的な地形を掲載しています。古い記事を含むので、現在と異なる可能性があることをご了知ください。

この谷は、おそらく過去数百万年の間に、この名のないクレータの上部斜面の岩石層に沿って形成された。谷はこれらの火口斜面を侵食し、堆積物を斜面に運び、瓦礫のエプロンを複数回形成した。

これらの古いエプロンの表面は、斜面に垂直に走る多数の亀裂によって切断された。その後の溝の活動のエピソードは、これらの亀裂を侵食し新しいエプロンを堆積させた。

このイメージは直径1キロメートル以下である。

大判はイメージのリンク先から。

January 24, 2019


   6月4日(火):   ヨーロッパ宇宙機関のマーズ・エクスプレスでニリ・フォッセを横断 (エクスプレス)

火星の表面は傷だらけである。その多くの痕跡には、タンタラス・フォッセ(Tantalus Fossae)の爪の引っ掻き傷、巨大なマリネリス峡谷(Valles Marineris)システム、アングスタス・ラビリンサス(Angustus Labyrinthus)の奇妙に整然とした尾根、そして、マーズ・エクスプレスから今回公開されたビデオで撮影された魅力的な特徴であるニリ・フォッセ(Nili Fossae)の猫の引っ掻き傷などがある。

ニリ・フォッセは、深さ数百メートル、長さ数百キロメートルの平行な溝で構成されており、イシディス平原(Isidis Planitia)と名付けられた巨大なインパクト・クレータの東端に沿って広がっている。

この新しいビデオでは、マーズエクスプレスの高解像度ステレオカメラ(HRSC)による観測データを紹介している。まず、これらの大きな溝に向かって北上し、その砕かれた不均一な外観を示し、その後、南向きに戻る。最後に「鳥瞰図」にズームアウトし、NASAのパーサビアランス・ローバーの着陸地点「ジェゼロ・クレータ」が最後の場面の中央下に見える。

ニリ・フォッセの溝は、実際には「地溝(graben)」と呼ばれる地形であり、平行する二つの断層の間にある地面が割れて崩れ落ちたときに形成される。地溝はイシディス平原の周りを湾曲しているように見えるので、火星の地殻が地表に衝突してクレータが形成された後に沈殿した際に形成された可能性が高い。ニリ・フォッセに相当する同様の破裂がクレータの反対側で発見され、アメンテス・フォッセ(Amenthes Fossae)と名付けられた。

近年、科学者達は、その多くがマーズ・エクスプレスの OMEGA 機器によって発見された、ケイ酸塩、炭酸塩、粘土など、この地域で発見された鉱物の驚くべき量と多様性のために、ニリ・フォッセに注目している。これらの鉱物は水の存在下で形成され、この地域が古代の火星の歴史の中で非常に湿っていたことを示している。ここの地盤の大部分は火星の地表に水が豊富にあった35億年以上前に形成された。科学者達は、水が地表を横切るだけでなく、その下も流れ、古代の火山によって加熱された地下熱水流を形成したと考えている。

ニリ・フォッセは、火星の太古の昔と水が豊富だった過去を知ることができるために、最終的に2012年にゲール・クレータに送られるまでは、NASAのキュリオシティ・ローバーの着陸地点の候補地として検討されていた。他のミッション、NASAの探査車「パーサビアランス」は、後に近くのジェゼロ・クレータに着陸し、このビデオでは最後に映されている。

マーズ・エクスプレスは以前、ニリ・フォッセを訪れ、2014年にこの地域の地溝システムを撮影したことがある。このミッションは2003年から火星を周回し、火星表面の画像撮影、鉱物のマッピング、希薄な大気の研究、地殻の下の調査、火星の環境でのさまざまな現象の相互作用の調査を行っている。

イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

May 29. 2024


   6月3日(月):   NASA、インサイト火星ミッションの協力を得て月震を測定

NASAの遠方側地震計一式を構成する二つの地震計の背後にある技術が、赤い惑星の地震を検出するために 1,000 回以上使用された。

これまでに他の惑星の地震や隕石の衝突を測定するために作られた中で最も感度の高い機器が、月の神秘的な裏側への旅に近づいている。これは、もともとNASAの火星着陸船「インサイト」用に設計された機器から月面に適合した二つの地震計のうちの一つであり、2022年の火星でのミッション終了までに 1,300 回以上の火星の地震を記録した。

NASAのジェット推進研究所で最近組み立てられた、遠方側地震計(FSS: Farside Seismic Suite)と呼ばれるペイロードの一部である、二つの地震計が、月の南極から約500キロメートル離れた広いインパクトクレータ、シュレーディンガー盆地に2026年に到着する予定である。自給自足の太陽光発電には、独自のコンピュータと通信機器に加えて、月面の日中の猛暑と夜の極寒の条件から身を守る機能がある。

--- 以下略。

<図>: 2018年12月4日、火星探査機「インサイト」に搭載された内部構造物の地震実験装置(SEIS)が、着陸船のロボットアームのカメラで撮影された銅色の六角形の筐体の中にある。

大判はイメージをクリック。

May 30. 2024



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