2月19日(月):
搭載された SHERLOC 装置を評価する (パーサビアランス)
NASAの火星探査機「パーサビアランス」のデータとこのイメージは、 SHERLOC(Scanning Habitable Environments with Raman & Luminescence for Organics and Chemicals:有機体・有機化学のためのラマンと発光による生物居住可能環境調査)の光学システムにダストが溜まらないようにする二つのカバーのうちの一つが部分的に開いたままであることを示している。この位置では、カバーは科学データ収集操作を妨げる。ローバーのロボットアームに搭載された SHERLOC は、カメラ、分光計、レーザーを使用して、過去の微生物の痕跡である可能性がある水の環境下で変化した有機化合物や鉱物を探索する。
1月6日、この探査機は、カバーが、一部の作動モードがうまく作動しない位置に向けられていると判断された。エンジニアリングチームは、根本原因と可能な解決策を特定するために調査を行っている。最近カバーは部分的に開いた。カバーのモーターの挙動をよりよく理解するために、チームは機器に供給される電力量を変更するコマンドを機器に送信している。
カバーが現在の位置にあると、機器は、岩石のターゲットにレーザーを使用できず、分光データを収集できない。しかし、画像顕微鏡は、岩石の粒や表面の模様のクローズアップ画像を撮影するために使用される SHERLOC のカラーカメラ WATSON で取得することはできる。 WATSON (Wide Angle Topographic Sensor for Operations and eNgineering:オペレーションとエンジニアリングのための広角地形センサー:明日掲載)は、異なる開口部を介して動作する。
SHERLOC はパーサビアランスの七つの機器の一部である。ミッションの開発中、チームは、機器の能力が重複していることで、一つの機器が故障した場合でもローバーが科学目標を達成できるように機器一式を設計した。 SHERLOC の他に、 PIXL (Planetary Instrument for X-ray Lithochemistry:X線岩石化学のための惑星装置)や SuperCam (スーパーカメラ)も分光を行っている。
この探査車は、今、「ビーハイブ間欠泉(Beehive Geyser)」の愛称で親しまれているエリアへの道にあり、2023年12月12日に火星日1千日に達した。 SHERLOC は、2021年2月18日のローバーの着陸以来、34の岩石のターゲットをスキャンして豊かなデータを提供し、それらのターゲットの合計261のハイパースペクトルマップを作成した。
放射性同位元素発電システムを搭載したパーサヴィアランスのデザインは、火星に11年間(火星日で4千日)以上滞在した後もなお活躍している火星探査機キュリオシティをモデルにしている。
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Feb 14. 2024