1月9日(火):
キュリオシティ、火星の「合」の日を捉える (キュリオシティ)
NASAの火星探査機キュリオシティは、ミッションの 4,002 回目の火星日である2023年11月8日に、12時間の経過を示す25フレームのビデオを2本撮影した。これらのビデオを構成するイメージをとるためのコマンドは、太陽が地球と火星の間にある数週間である合が始まる前に、エンジニアがローバーにビームを当てた最後のコマンドの一つであった。太陽のプラズマが無線通信を妨害する可能性があるために、NASAの火星ミッションは、合の間、探査機にコマンドを送信するのを中断し、ミッションを一時的に停止させる。
イメージは、キュリオシティのフロントとリアの危険回避カメラ(Hazcams)で撮影された。ローバーのドライバー達は、これらの白黒カメラを使って安全なドライブルートを計画する。長い一連のイメージを組み合わせてビデオを作成することによって、科学者達は通過する雲やダストデビルを探すことができ、火星の環境についてより詳しく知ることができる。この種の作業を行うのに最適な期間は、火星の太陽の合のときのように、キュリオシティが長時間活動していないときである。カメラは、火星現地時間の午前5時30分から午後5時30分まで、1日のうち12時間、初めてイメージ撮影を行うことができた。これらのカメラビデオは、雲やダストの活動は明らかにしなかったが、太陽が昇り、沈むまでの時間の経過を捉えた。
メインビデオは、キュリオシティが2014年から登頂しているシャープ山にある谷、ゲディス谷に沿って南東を見たカメラの正面の景色を示している。日の出の頃は東の空が明るくなり(イメージの左)、ローバーの静止した2メートルのロボットアームの影が日時計のように地面を横切って移動している。ローバーの二つの前輪がフレームの両側に見える。左上には、ロボットアームの肩部に取り付けられた円形のキャリブレーションターゲットがある。エンジニア達は、火星表面の化学元素を検出する装置であるアルファ粒子X線分光計の精度をテストするためにこのターゲットを使う。日中は、カメラの自動露出アルゴリズムは、約3分の1秒の露出時間に落ち着く。夕方から夜になると、その露光時間は1分以上に増加し、「ホットピクセル」と呼ばれる典型的なセンサーノイズが発生し、最終的なイメージ全体に雪として現れる。
下の図(クリックして動画 .m4 参照)は、シャープ山の斜面を北西に下り、ゲイル・クレータの底面を見下した様子を示している。ローバーの右後輪と、キュリオシティのパワーシステムの影が見える。最初の数フレームには多くのノイズがある。さらに、午後の日差しの明るさがカメラのセンサーを飽和させ、太陽を歪んだ塊のように見せている。信号がピクセルを横切ってにじむと、太陽からのスパイク状に伸びる白いピクセルの列も生じる。 ローバーの暖かい電源の近くにある後部のカメラはセンサーノイズの影響を受けやすい。このビデオでは、過剰な熱によって人工物が発生しクリップ全体に見られる。ビデオの左中盤、17フレーム目に現れる小さな黒い人工物は、宇宙線がカメラのセンサーに当たった結果である。
これら二つのビデオのイメージは、かめらのレンズの広角を補正するために再投影されている。特に後部カメラの映像で目立つ個々のイメージの斑点のある外観は、11年間にわたって火星のダストがレンズに付着したことによるものである。
<ひとこと>: これらのイメージはローバーの前後下部にある危険回避カメラ(Hazard-Avoidance Cameras, or Hazcams)から撮られています。危険回避カメラは、ローバーの進路の岩など危険物を確認するために、車輪の近くに取り付けられています。
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Dec 28. 2023