軌道船 (赤はヨーロッパ宇宙機関) 探査車(ローバー) ヘリコプター 固定型着陸船
オデッセイ エクスプレス リコネッサンス メイブン エクソマーズ キュリオシティ パーサビアランス インジェニュイティ インサイト(終了)

  2023年6月

このページの対象としている探査機、その名称などは、上のイメージを含む表からご覧ください。火星探査に関するこれまでの経緯は トップページ の案内から、また、 'Perseverance' の読みについては こちら をご覧ください。
なおこのページは、特別な記事がある場合を除いて、土曜日・日曜日・祝日の掲載は休みます。

   6月30日(金):   活動的な溝を監視する (リコネッサンス)

火星の多くのインパクトクレータの急な斜面では溝は一般的である。これらの溝が最初に観察されたとき、地球と同様に、液体の水の作用によって形成されるものとして、溝を取り巻く多くの興奮があった。

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April 3, 2020


   6月29日(木):   二つの若いクレータ (リコネッサンス)

このイメージは一度に二つの異なるターゲットを捕らえている! 上(北)には、直径約 300 メートルの地質学的に若いクレータがあり、岩石の噴出物がある。クレータは非常に新鮮で急な傾斜に見え、その地域を覆う滑らかな堆積物で埋もれたり埋められたりしていません。このようなクレータは、浅い地下に何があるかを示唆し、地質を理解する上で非常に貴重である。このクレータは、非常に新鮮で急峻に見え、この領域を覆っている滑らかな堆積で満たされずあるいは埋められていない。

下(南)には、直径約15メートルの小さなクレーターがある。これはさらに若く、軌道船のコンテキストカメラによって検出された2008年から2010年の間に形成された。この小さなクレータは地下の氷を露出させており、 HiRISE は、氷がゆっくりと昇華するにつれてどのように変化するかを確認するために、再度イメージを撮っている。

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April 14, 2020


   6月28日(水):   奇妙なクレータフロア (リコネッサンス)

ボエイコフクレータ(Voeykov Crater)の縁にあるこの特殊なクレータは、「脳の形」、リング型のクレータ、多くの同心円リングで構成された奇妙な地形がある。これらの地形のすべてはこのエリアではあまり一般的ではない。

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April 4, 2020


   6月27日(火):    宇宙船、赤い惑星の紫外線の視界に悶絶する (メイブン)

NASAのメイブン(MAVEN:Mars Atmosphere and Volatile EvolutioN、火星大気と揮発性探査)ミッションは、隣接する太陽を周る惑星の軌道に沿った異なるポイントで撮影された二つの紫外線イメージで、火星の素晴らしい景色を得た。
この惑星を紫外線の波長で見ることによって、科学者達は火星の大気についての洞察を得、驚くべき表面の特徴を見ることができる。
MAVEN のイメージング紫外線分光器(IUVS)装置は、この惑星が楕円軌道の両端近くにあった2022年と2023年に火星のこれらのグローバルな視界を得た。
IUVS 装置は、可視スペクトル外の 110 から 340 ナノメートルの波長を測定する。これらのイメージは、三つの紫外線波長が赤・緑・青で表現され、視界の様々な明るさのレベルの疑似カラーに編集された。この配色では、大気中のオゾンは紫色に見えるが、雲や霞は白または青に見える。表面は、コントラストを高めて詳細を表示するために、最適化に応じて黄褐色または緑色に見える場合がある。

 

最初のイメージは、火星が太陽に接近する南半球の夏のシーズンの2022年7月に撮影された。夏の季節は、地球上の季節と同様に、惑星の自転軸の傾きによって起きる。

  • 火星で最も深いクレータの一つであるアーガイル盆地(Argyre Basin)が、大気のもやで満たされた左下に現れている。
    ---ここでは淡いピンクで描かれている。
  • マリネリスの深い峡谷が雲で満たされて左上に表示されている。
    ---このイメージでは黄褐色である。
  • 南極の氷冠が下部に白く見え、夏の比較的暖かさから縮小している。
    南の夏の温暖化と砂嵐が水蒸気を非常に高い高度まで追いやり、探査機がこの時期の火星からの水素の損失の増加を発見したことを表している。

2番目のイメージは火星の北半球であり、火星が太陽から軌道上で最も遠い地点を通過した後の2023年1月に撮影された。

北極地域が急速に変化するこの季節は、豊富な白い雲を発生させる。

  • 多くのクレータとともに、マリネリスの深い峡谷が、左下に黄褐色で見ることができる。

  • この紫外線の視界でマゼンタ色に見えるオゾンは、北の冬の寒い極の夜の間に積もった。その後、北の春に水蒸気との化学反応によって破壊され、この時期の大気は低い高度に限られている。

メイブンは2013年11月に打ち上げられ、2014年9月に火星軌道に入った。このミッションの目的は、この惑星の上層大気、電離層、太陽および太陽風との相互作用を調査し、火星の大気が宇宙に失われていることを調査することである。大気の喪失を理解することによって、科学者達は、火星の大気と気象、液体の水、惑星の居住可能性の歴史についての洞察を得ることができる。

MAVEN チームは、また、2024年9月の、宇宙船の火星での10周年を祝う準備をしている。

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<参考>: 火星はかって極めて豊富な水に満たされていたと考えられている。マリネリス峡谷システムなどはその好例である。これらの水は何処に行ったのだろう? このことは将来の地球を予測する上でも極めて重要である。全ての火星探査がこれを解くミッションを抱えているが、NASAのメイブンとヨーロッパ宇宙機関のエクソマーズガス追跡軌道船は、この解析に専念するために送られている。

June 22. 2023


   6月26日(月):   リビングルームに着陸:NASAの火星探査車とヘリコプターのレゴモデル (パーサビアランス)

NASAのパーサビアランスローバーとインジェニュイティヘリコプタが火星の探査に忙しい間に、それらの10分の一のスケールの構築可能なモデルが世界中の家庭に着陸し始めている。

カリフォルニア南にあるNASAのジェット推進研究所と協力して開発された新しいレゴの構築物のこのセットは、2021年5月に火星に着陸して以来火星のジェゼロクレータを歩き回っている、実際のローバーとヘリコプターに基づいている。パーサビアランスは、古代の微生物の生命の兆候を探すために将来のキャンペーンで地球に持帰られる可能性のある火星の岩石と土壌のサンプルを収集してきた。また、インジェニュイティは、他の惑星で動力制御飛行を行った初めての飛行機となり、以来、50回を超える追加の飛行を続けている。

この構造物セットをつくるために、レゴのデザイナーは JPL のエンジニアと会い、宇宙船のエンジニアリング設計について詳しく学んだ。このキットは、 JPL を管理するカリフォルニア工科大学の技術移転および企業パートナーシップオフィスと協力して、どのように業界と連携するかの一例に過ぎない。最新のこのキットを使用すると、モビリティ・システムや科学機器などのパーサビアランスの主要な機能を調べ、ローバーから持帰られるデータを確認し、インタラクティブなチャレンジを完了することができる。

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June 22. 2023


   6月23日(金):   砂嵐の後のダルース (キュリオシティ)

引続きダストの嵐について(2018年)

NASAのキュリオシティ・ローバーのマスト・カメラ(Mastcam)からのこれら二つのイメージは、ダストの嵐がゲイルクレータをのみ込んで以降の火星の地表を照らす、光の色の変化を表している。左のイメージは、2018年5月21日の、「ダルース」ドリル・サイトを示しており、右のイメージは6月17日からである。
嵐の後のこのイメージの鮮紅色(cherry red)はいくつかのファクターに原因がある。二つのイメージの違いの一つは露出時間である:キュリオシティを覆うダストが低い照明条件をつくり、カメラにとってより長い露出時間を必要とする。嵐の前のイメージは露出時間 7.3 ミリ秒であり、それはローバーにとって普通であるが、後のイメージは露出時間66ミリ秒であり9倍長かった。しかし、主な要因はダストを通す赤の光である。緑は非常に少なく、青い光は基本的にダストの雲を通過しない。最初の嵐の前のイメージは一日の早い時間にとられたが、それは第2のイメージより非常に深い影を持っている。それは、全空が赤く、全ての側から岩を照らしていることによっている。

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May 21. 2018


   6月22日(木):   火星のダストの嵐の前と後 (マーズグローバルサーベイヤー)

引続きダストの嵐について(2018年の広域な嵐:動画)

NASAの火星偵察軌道船(MRO)のマーズカラー画像(MARCI)カメラによって、2018年広域なダストの嵐がどのように赤い惑星を包んだかをムービーが示している。この広域なダストの嵐は、NASAのオポチュニティ・ローバーが地球との接触を失う原因になった。この5月からの視界は、マリネリス峡谷の溝(左)、メリディアニの中央、アシダリア(上)の秋のダストの嵐、南の極冠の初春(下)を示している。7月からの視界は同じ領域を示しているが、地表の大部分は、惑星を囲んでいるダストの雲と霞によって隠された。

注: ビデオは .mp4 ですが不具合があるようです。ヘッドラインからイメージをクリックしてご覧ください。

July 19, 2018


   6月21日(水):   2001年のダストの嵐 (マーズグローバルサーベイヤー)

今から20年以上前の2001年6月下旬、マーズグローバルサーベイヤー(MGS)の火星軌道カメラ(MOC)システムは、南の冬が春に移行するにつれて、砂嵐が南半球の一部を包み込み始めた瞬間を捉えた。これらの嵐は、南極の帽子からの冷たい空気が火星の赤道で暖かい空気に向かって北に移動するにつれて始まった。7月上旬までに、砂嵐は、特に南半球全体で、火星全体に現れた。まもなく、惑星全体(南極の帽子を除く)がダストに包まれた。全惑星が一つの嵐の中にあったことはなかった。いくつかの大きな嵐が同時に起き、ダストは大気圏高くに蹴り上げられ、残りの惑星の多くが隠される原因になった。ダストの嵐は2001年9月後半までにほとんど治まったが、大気圏はその年の11月まで霞んでいた。

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火星では南の冬が春に移行する時期に周期的に全球を覆うような大規模な砂嵐が起きる---火星の四季の長さは地球のおおよそ2倍である。
これらのダストは火星への視界を遮るだけでなく、着陸船や探査車のソーラーパネルに降り積もることによって発電に支障をきたし短命で終わらせる原因となる。このため、最近のローバーは、太陽光発電でなく、原子力に依存する発電装置を積んでいる!

June 07, 2002


   6月20日(火):   NASAは火星で調査する全ての場所に、何故、また、どのようにして名前を付けるのか?

<図1>: この図は、NASAのパーサビアランス火星探査車の近くにあるさまざまな象限のテーマを示している。

NASAのパーサビアランスローバーは現在、火星のベルバ・クレータ(Belva Crater)の縁に沿った岩の露頭を調査している。一方、約 3,700 キロメートル離れたNASAのキュリオシティローバーは、最近、「ウバハラ(Ubajara)」と呼ばれる場所でサンプルを掘削した。クレータには正式名称が付けられている。ドリルの場所はニックネームで識別されるため、引用符がつけられている。

いずれの名も、NASAのミッションによって、クレータや丘のみならず、調査するすべての岩、小石、岩の表面にも適用された数千の一つである。

これら名前を選ぶ一番の理由はチームが毎日何を見つけているかを追跡できるようにすることであり、後に、多くの丘や岩を名前で参照しながら話し合い、最終的にその発見をドキュメント化することができる。

科学者達が識別子を考え出す方法は、漫画のキャラクター名を使用した25年前の初期の頃から進化してきた。

<図2>: NASAはどのように名前を付けるか

火星科学者達がクレータ、丘、谷、岩にどのように名前を付けるかの詳細は右のイメージのリンク先(Youtube:英語解説)から。

正式名称: 火星の正式名称と非公式名称の違いは一見単純である。公式名称は国際天文学連合(IAU)として知られている科学者達の団体によって承認されている。連合は、惑星の特徴に名前を付けるための基準を設定し、その名前を惑星命名法の地名集に記録する。

例えば、60キロメートルを超えるクレータは、有名な科学者達やSF作家にちなんで名付けられ、小さなクレータは、人口が100万人未満の町にちなんで名付けられる。パーサビアランスが調査しているジェゼロ・クレータは、ボスニアの町の名前を共有している。ジェゼロ内のインパクトクレータであるベルバ(Belva)は、ウェストバージニア州の町にちなんで名付けられている。

火星では 2,000 を超える場所に正式な名前が付けられているが、火星の地図にはさらに多くの非公式なニックネームが点在している。

進化するニックネーム

初期の火星ミッションでは、漫画のキャラクター名を使用した、ニックネーム付きの気まぐれなルートを取ることがあった。「ヨギ・ロック(Yogi Rock:ヨギ岩:ヨギはクマの縫ぐるみ)」、 「キャスパー(Casper)」「スクービー・ドゥー(Scooby-Doo:架空の犬の名前)」 などは、1990年代後半にNASAの最初のローバーであるソジャーナのチームによって適用された非公式の名前の一つだった。

スピリットとオポチュニティのローバーでその哲学が変わり、チームはより意図的な名前を使い始めた。たとえば、オポチュニティチームは、探検家アーネスト・シャクルトンの南極大陸への不運な遠征を運んだ船を称えるために、クレータに「エンデュランス」というニックネームを付けた。キュリオシティとパーサビアランスが着陸した場所の名前は、それぞれのSF作家、レイブラッドベリとオクタヴィア E. バトラーを称えている。インサイト(InSight)チームは、着地中に着陸船の逆噴射によって揺さぶられた岩を、バンドにちなんで「ローリング・ストーンズロック」と名付けた。また、キュリオシティ・チームは COVID-19 の合併症で亡くなった同僚のラファエル・ナバロ・ゴンザレスにちなんで火星の丘に名前を付けた。

図3:キュリオシティの象限テーマ:このマップは、NASAのキュリオシティ火星探査車のすべての象限のテーマを示している。赤い楕円形は、ローバーが2012年に着陸する予定だった着陸楕円を示している。黄色の象限は、それ以来ローバーが通り抜けてきた領域である。

火星上の地球

時折の例外にもかかわらず、キュリオシティとパーサビアランスのミッションは、地上の場所に基づいたニックネームに固執している。キュリオシティが2012年に着陸する前に、ローバー・チームは着陸エリアの地質図をつくった。彼らはグリッドを描き、両側に約 1.2 キロメートルに相当する正方形または象限を作ることから始めた。これらの象限は、地質学的に重要な場所をテーマにしている。

そして、今のように、チームメンバーは、彼らが働いたことのあるサイトや個人的なつながりのあるサイトに基づいてテーマのアイデアを提案し、将来の科学論文でさまざまな名前が記念されることを念頭に置いて最も興味深いかを非公式に議論した。テーマが選択されると、そのテーマに適合する何百もの名前がコンパイルされる。キュリオシティが数ヶ月間その象限にとどまる可能性があることを考えると多くが必要となる。

ローバーのチームは、キュリオシティの最新の象限に、ブラジル最北の州ロライマ(Roraima)と、ベネズエラ、ブラジル、ガイアナの国境の近くのパラカイマ(Pacaraima)山脈の最高峰ロライマ山のためにロライマ(Roraima)を選んだ。これは、初めての南米の象限テーマを印した。

ローバーは、今、岩の山の象限を探査しており、最近、ロッキー山国立公園の“パウエルの峰(Powell Peak)”のニックネームの場所で岩に穿孔した。

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<参考>: 火星探査の当初、初めての探査車ソジャナーの時代、クマの縫ぐるみに似た岩に「ヨギ」、同じく「スフレ(菓子)」、「ロックガーデン」、「ツイン・ピークス」など、様々なニックネームが付けられた。これには大きな意味があった。例えば Rock 01 など数字を用いることも考えられる。特に上の図に示すようなマトリックスに分割された地形の場合、左上から Regio 11 、Regio 12 などと命名する方が分かり易いとも考えられる。しかし、数字は「正確に伝えにくい、誤解され易いという致命的な欠陥を含んでいる。例えば、ある探査で、キロメートルとマイルとを取り違えて致命的な失敗に結びついた例もある。多くの人達の協力を必要とする宇宙探査では、多少煩瑣であっても「正確な伝達」が非常に重要な課題になる。

June 08. 2023


   6月19日(月):   新しい「ポストカード」で火星の朝と午後を捉える (キュリオシティ)

NASAのキュリオシティ火星ローバーは、4月に主要なソフトウェアの更新を終えた後、「マーカーバンド・バレー(Marker Band Valley)」を離れる前に、この場面の「ポストカード」を撮った。

ポストカードは風景の芸術的な解釈であり、キュリオシティのナビゲーションカメラによって撮られた八つの白黒パノラマに色が追加されている。この視界は、火星時間の現地時間である4月8日の午前9時20分と午後3時40分に撮影されたもので、劇的に異なる照明を提供し、組み合わせるとその場面の詳細が際立っている。2021年11月にキュリオシティによってとられた同様なポストカードと同じく、朝捕えられたポストカードに青が加えられ、午後にとられ部分に黄色が加えられた。

結果のイメージは驚異的である。キュリオシティは、2012年の着陸以来ローバーが探索しているゲイルクレータの高さ5キロメートルのシャープ山のふもとにいる。その軌跡を越えた遠くには、ローバーが古代の湖の予期せぬ兆候を発見した「硫酸塩含有地域」の曲がりくねった地域であるマーカーバンドバレー(Marker Band Valley)がある。さらに下(中央右)には、「ボリバー(Bolívar)」と「ディープデール(Deepdale)」の二つの丘があり、キュリオシティは「パライテピュイ峠(Paraitepuy Pass)」を探索しているときにその間をドライブした。

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June 13. 2023


   6月16日(金):   二つの若いクレータ (リコネッサンス)

このイメージでは一度に二つの異なるターゲットを捕らえている。上(北)には、直径約300メートルの地質学的に若いクレータがあり、岩石の噴出物がある。クレータは非常に新鮮で急勾配に見え、その地域を覆う滑らかな堆積物で埋もれたり、埋められたりしていない。このようなクレータは、浅い地下に何があるかを教えてくれ、地質を理解する上で非常に貴重である。
下(南)には、直径15メートルほどの小さなクレーターがある。これはさらに若く、軌道船の概況カメラで検出された2008年から2010年の間に形成された。小さなクレータは地下の氷を露出させており、 HiRISE は、氷がゆっくりと昇華するときに、どのように変化するかを確認するためにそれを再イメージングしている。

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April 14. 2020


   6月15日(木):   アシダリア・プラニシアの堆積物の破壊 (リコネッサンス)

このカラーの HiRISE の視界は窪んだブロック状の表面を示しているが、さらに珍しいことに、歪んだ不規則な地形がある。
このエリアにはインパクトクレータがあるが、中央下のような地形はインパクトクレータまたは川の溝の残骸とするにはあまりに不規則である。
一つの可能性は、これらのパターンをつくるために堆積物の層が下から歪められたことである。 地下の氷の凍結と融解が、これを引き起こしたかもしれないメカニズムである。

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April 17. 2020


   6月14日(水):   レナウドクレータのフロア (リコネッサンス)

このクレータは直径約64キロメートルであり、そこには、フロアの砂丘に加えて、その壁に古い氷河の証拠がある。それは、フランスの天文学者に因んで、ガブリエル・レナウド・フラマリオン(Gabrielle Renaudot Flammarion)と名付けられた。

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May 28. 2019


   6月13日(火):   目を光らせて (リコネッサンス)

このインパクトクレータのイメージは、赤道に面した壁の、小さな繰り返しの傾斜の線(RSL:recurring slope lineae)に似たいくつかの暗い線を示している。ただし、典型的な RSL とは異なり、これらのラインは火星の数年間存続し、僅かな変化しかない。

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April 16, 2020


   6月12日(月):   カラーによる広域の火星 (マーズエクスプレス)

ヨーロッパ宇宙機関のマーズエクスプレスの20周年を記念して、高解像度ステレオカメラ(HRSC)チームは、これまでに見たことのない火星の新しいグローバルカラーモザイクを作成した。この合成は、この惑星の表面の色と組成を壮観な詳細で明らかにしている。

火星の大気中のダストの量が変動するために、軌道から正確な表面の色を確実に決定することは困難であり、多くの合成イメージがパッチワークのような外観を帯びている。イメージ処理でこの効果を抑制すると、一般的には火星の異なる部分の間の色のばらつきが減少するが、この合成を作るために、 HRSC チームは、代わりに、高高度のイメージから派生したカラーモデルを使って、各構成イメージの色を参照し、色の変化を維持し、これまでに見られたよりもはるかに豊かな火星の色の視界を表すことができるようにした。

これは、巨大なマリネリス峡谷システムの2千5百キロメートル上の見晴らしの良い場所からの火星のシミュレートされた視界であり、色とコントラストが強化されてい。なお、この比較的低い高度では惑星の極冠は見えない。これは、赤、緑、青のフィルターの合成であり、カラーバンドの値が個別に引き伸ばされ、ピクセルあたり2キロメートルの空間解像度を備えている。

火星の暗い灰色の領域は、火山起源の灰色がかった黒の玄武岩質の砂を表している。より軽い片は粘土と硫酸塩のミネラルを示す。惑星の顔を横断する大きな傷跡はマリネリス峡谷である。

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May 23. 2023


   6月9日(金):   火星のモザイクを構築する (マーズエクスプレス)

ヨーロッパ宇宙機関のマーズエクスプレスの20周年を記念して、高解像度ステレオカメラ(HRSC)チームは、90枚の高高度 HRSC イメージを組み合わせて、火星の新しいグローバルカラーモザイクを作成した。

このイメージは、 HRSC の軌道 21,688 の間に撮影された、広域合成に使用された高高度 HRSC イメージの例を示している。灰色の地形はNASAの火星探査機レーザー高度計からのデータで構成され、 HRSC データは二つの色のスライスを形成している。火星の座標は、地理的な文脈のために円盤の周りに表示されている。

左:可視光で表面がどのように見えるかを示す、赤・緑・青の合成。北と南の端の水色は、カメラが火星の大気を通してより浅い視野を持っていることによって引き起こされていることに注意。そのような地域は広域合成からは除外されている。

右:この赤・緑・青の合成は、地表が可視光線でどのように見えるかを示す。火星の大気圏を通して浅い視界を持つカメラによって起きる明るい青の南北の縁に注意。そのような領域はこの広域な合成からは除外された。

赤・緑・青の合成は、このような珍しい視界(赤外線チャネルを含む視界)は、様々な波長での火星の表面の反射率を調べる方法を提供し、広域合成を構成するデータの人工物や穴を検出するために検査される。

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May 23. 2023


   6月8日(木):   世界の火星カラーモザイクからのヴァレスマリネリスのクローズアップ (マーズエクスプレス)

ヨーロッパ宇宙機関のマーズエクスプレスの20周年を記念して、高解像度ステレオカメラ(HRSC)チームは火星の新しいグローバルカラー合成をつくった。このイメージは合成のクローズアップであり、コントラストが引き伸ばされ、峡谷システムのヴァレス・マリネリス(Valles Marineris)と、硫酸塩の堆積物、霞と霧、雲量などの注釈付きの表面の詳細を示している。この構造の特徴は、東西4千キロメートル以上、南北700キロメートルまで伸び、太陽系で最大かつ最も劇的な峡谷システムである。

かすかな明るい色から水色の領域は大気中の雲を示している。マリネリス峡谷の深部は、また、この季節に火星の地表の窪地に形成されるような、霧と霞によって覆われている。

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ヴァレス・マリネリス(Valles Marineris:マリネリス峡谷)は、宇宙探査の初期の1971年にNASAのマリナー9号探査機によって最初の見られたことからこの名が付された峡谷システムである。多数の複雑な支流を持ち、かっては膨大な量の水を蓄えていたと考えられている。長さ 4000 km、深さ 7 km に達し、幅は最大 200 km、太陽系で最大規模の峡谷である。地球上の代表的な峡谷の一つであるグランド・キャニオンが長さ 446 km、平均深度約 1200 m、幅 6 km - 29 km に比してもその大きさが巨大であることが分かる。

May 23. 2023


   6月7日(水):   20年と数えている:数字で見るマーズエクスプレス (マーズエクスプレス)

20年前の2003年6月2日、ヨーロッパ宇宙機関のマーズエクスプレス軌道船が打上げられ、ヨーロッパ初の火星ミッションとして赤い惑星への旅が始まった。

宇宙船は火星の周りの軌道に入り、火星の大気と気象を調査し、惑星の構造、鉱物、地質を解明し、表面全体の水の痕跡を探すことを目指した。ミッションは、これを達成するための八つの機器の最先端のパッケージを搭載し、表面、地下、大気などを調査した。

マーズエクスプレスは、僅か687地球日の計画された初期寿命にもかかわらず、現在20年間も宇宙にいる。それは前述の目的を達成し、その間に火星に関する豊富な知識を明らかにし、間違いなく赤い惑星に送られた中で最も成功したミッションの一つになった。このグラフは、 24,000 を超える火星軌道の11億キロメートルの旅から現在までの、ミッションの最も印象的なものに焦点を当てている。更に記録破りの里程標が、2019年に公開された、ミッションの15年の記念日を祝うための情報イメージで焦点を当てられた。

マーズエクスプレスは、水の存在下でのみ形成される鉱物から、水彫りの谷、地下水システム、地下に潜む池まで、火星全体の過去の水の兆候を特定してマッピングし、火星の歴史を通じてその影響と普及を追跡した。火星の大気を深く覗き込み、ガス(水、オゾン、メタン)が、どのように分布し、どのように宇宙に逃げるかをマッピングし、ダストが表面から空気中に泡立つのを見てきた。このミッションでは、巨大な砂嵐が惑星を飲み込み、地球上で見られるようなおなじみの雲を作り、また、珍しい紫外線オーロラを追跡した。

火星の科学に焦点を当てることに加えて、マーズエクスプレスは、今後数十年で宇宙の秘密を明らかにする新しい初期のキャリア研究者のトレーニングを含む、重要な科学的研究と発見を引き続きサポートする。また、マーズエクスプレスの最新の拡張機能により、2025年に到着するJAXA主導の火星衛星エクスプロレーション(MMX)ミッションをサポートする。

(以上は記事の一部の要約です)。

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May 23. 2023


   6月6日(火):   マーズエクスプレスの20年:これまでに見たことのない火星 (マーズエクスプレス)

ヨーロッパ宇宙機関のマーズエクスプレスの打上げから20年を迎え、新しい火星のモザイクが、惑星の色と組成を壮観な詳細を明らかにする。

この合成は、マーズエクスプレスの高解像度ステレオカメラ(HRSC)からのデータを使ってつくられた。通常、 HRSC は、探査機が楕円軌道で火星に最も近い高度約300キロメートルから火星の表面を撮影し、結果として得られるイメージは、直径約50キロメートルの領域をカバーする。ただし、ここに紹介するモザイクは、少し異なるアプローチを使っている。この惑星をより広く見るために、 HRSC はより高い高度 4000 ~ 10,000 キロメートルで90枚のイメージを収集し、幅約 2500 キロメートルの領域をとらえた。次に、これらのイメージをまとめて完全な広域の視界をつくり上げた。このような大規模なイメージは、通常、火星の気象パターンを観察するためにとられるが、大気現象がない場合でも、惑星の表面の素晴らしい景色を提供している。

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May 23. 2023


   6月5日(月):   火星の異常な炭素の収支は太陽光によって説明されることを ExoMars が発見 (エクソマーズ)

ガス追跡軌道船エクソマーズ(TGO:ExoMars Trace Gas Orbiter)は、火星の大気中に奇妙な「軽い」一酸化炭素が形成されることを明らかにした。この発見は、炭素含有物質が、この赤い惑星でどのように形成されたかをよりよく示し、昨年NASAのキュリオシティローバーによって行われた不可解な発見を明らかにするのに役立つ。

この軌道船の観測は、火星の大気中で起きている「二酸化炭素が太陽光によって分解される」プロセスが、我々が予想するよりも少ない「重い」炭素を含む一酸化炭素を形成することを示している。この発見は、太陽光と複雑な化学の組み合わせが、火星の表面に見られる炭素ベースの化合物(生命ではない「有機物」)を生み出したという考えと一致している。

火星の大気には、軽質炭素(太陽系の炭素の大部分を占める炭素12)と重質炭素(同位体炭素13:余分な中性子を持つ炭素12原子)の両方が含まれている。これらの同位体の相対量を測定することによって、過去と現在の環境について多くのことが明らかになる。短期的および長期的な多くのプロセスが、物質が日光の下でどのように分解するか、大気の最上層から宇宙にどのように逃げるか、凝縮またはガスにどのように変化するか、また、エキサイティングなことに、それらが生物学的形態によってどのように生成および消費されるかなど、この比率に影響を与える。

「一酸化炭素の炭素同位体比の測定は、惑星の有機物がどこから来たのかを理解し、火星の居住可能性の歴史を明らかにする強力な方法である」と、東京大学・ベルギー王立宇宙航空研究所、惑星科学ジャーナルに掲載された新しい論文の筆頭著者の Shohei Aoki は述べている。

以上は記事の冒頭部分の翻訳です。先進的かつ専門的な記事なので誤訳を避けるため以下は省略します。ヘッドラインから本文(英語)を確認してください。大判はイメージをクリック。

May 31. 2023


   6月2日(金):   マタラ・クレータの活動的な溝 (リコネッサンス)

マタラ・クレータ(Matara Crater)の砂丘の溝は非常に活動的である。特に一つの大きな溝は、 HiRISE が監視を初めて以降、毎年堆積する季節的なドライアイスの霜によってつくられ、火星の冬ごとに大きな変化を遂げてきた。

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April 15, 2020


   6月1日(木):   凍った地面で (リコネッサンス)

火星の土壌の表面は、特に高緯度では水の氷を含んでいると考えられている。地球上の永久凍土の地域と同様に、この永久に凍った水は地質学的に活発なままである。

季節の変化に伴う凍化と温暖化が交互に行われると、氷で固められた土壌は収縮し膨張する。これらの力は固く凍った地面に亀裂をつくり、収縮によって引き起こされる応力を解放する。何年にもわたる周期的な亀裂で、奇妙なハニカムのような多角形のパターンが生じる。

火星におけるこれらの広範なパターンの存在は、地下の氷の発生または消滅に関する貴重な手がかりを提供する。このイメージは、正六角形のポリゴン・ネットワークの教科書的な例を示している。ポリゴンの形状は、氷がそこにあった時間とそれがどれほど深く埋まっているかのヒントを明らかにする。

このイメージは幅1キロメートル未満である。

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December 18, 2020



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