軌道船 (赤はヨーロッパ宇宙機関) 探査車(ローバー) ヘリコプター 固定型着陸船
オデッセイ エクスプレス リコネッサンス メイブン エクソマーズ キュリオシティ パーサビアランス インジェニュイティ インサイト(終了)

  2023年4月

このページの対象としている探査機、その名称などは、上のイメージを含む表からご覧ください。火星探査に関するこれまでの経緯は トップページ の案内から、また、 'Perseverance' の読みについては こちら をご覧ください。
なおこのページは、特別な記事がある場合を除いて、土曜日・日曜日・祝日の掲載は休みます。

   4月28日(金):   半分のクレータを見る (リコネッサンス)

惑星科学者達は、興味のある分野を更に理解するのに役立つターゲットを探す。このイメージには1キロメートルの小さなクレータがあり、その周囲に流れ込んだ堆積物によって部分的に満たされているように見える。

この観察によって、科学者達はこれらの堆積物の性質について更に学ぶことができる。クレータのサイズを利用してその深さを推定できることを考えると、クレータはこれらの堆積物の流動の動きとその厚さについて多くの情報を得る機会を提供している。

このマップはピクセルあたり50センチメートルのスケールで投影されており、北は上である。

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April 13. 2023


   4月27日(木):   ユートピアプラニシアの泥火山の候補 (リコネッサンス)

火星の北半球にある広大な平野、ユートピアプラニシアには、興味深く複雑な歴史がある。興味深い特徴の一つは、頂上の円形の窪みを示す塚のフィールドである。これらの「クレータ」の多くがマウンドの上にあるという事実は、火星や太陽系全体の他の惑星体で一般的であるように、それらがインパクトによってつくられたクレータでないことを示している。

このような地形を形成するには多様なプロセスがあり、ほとんどは注目すべき熱い溶岩である。しかしながら、様々な地質学的メカニズムを介して地下から放出された泥の可能性もある。HiRISE のステレオ画像の助けを借りてこれらの特徴がどのように形成されたかを良く理解することは、この地域の地質学的歴史を理解するために重要である。

このマップはピクセルあたり50センチメートルのスケールで投影されており、北は上である。

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April 13. 2023


   4月26日(水):   ワックス掛けし衰退する風 (リコネッサンス)

ヘレスポンタス山は、太陽系で最大のインパクト盆地の一つであるヘラス盆地の西の縁に位置するゴツゴツした山塊である。ヘラスの7キロメートルの深さと南半球のその位置は、その地域の景観の進化に直接影響を与える活発な大気のシステムを形成する。ヘレスポントスには、 HiRISE が火星の画像化を開始して以来の、継続的に移動する砂丘や、その他の風で作られたベッドフォームが大量に蓄積されている。

「すべり面(slip face)」と呼ばれる砂丘の最も急な領域は、砂丘の風下の側と、局所的な風によって駆動される砂丘の移動の方向を示している。この場所には、ヘラスに流れ込んだ東向きの風の影響を受けた多くの砂丘がある。一方、他の場所では、移動が西の反対方向にシフトしたことを示している。

ある場所では、これらの反対の砂丘の方向が近接しているのが見える。このような複雑なパターンは、大きさや方向が一定の風によるものではなく、火星の年間に増減する。

このマップはピクセルあたり50センチメートルのスケールで投影されており、北は上である。

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April 13. 2023


   4月25日(火):   でこぼこの、膨れたクレータ (リコネッサンス)

火星のこの膨張したクレータは、氷の豊かなターゲットのインパクト・クレータの上部の斜面が昇華するときに生じたと考えられている。気化する氷が壁を後退させ、一方、下の斜面はダストや破片で装甲され漏斗形をもたらしている。

このイメージの膨張したクレータは、昇華が起こった外側のエプロンに異常な凹凸の模様を持っている。これらのこぶは大き過ぎて岩ではない。これは、氷が他の物質の濃度を持っていたことを示唆している。

このマップはピクセルあたり50センチメートルのスケールで投影されており、北は上である。

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April 13. 2023


   4月24日(月):   「飛行場ムー」でのインジェヌイティ (インジェヌイティ)

「飛行場ムー(Mu)」でのNASAのインジェヌイティ火星ヘリコプターのこのイメージは、2023年4月14日にパーサビアランスに搭載された Mastcam-Z 機器によって撮影された。ヘリコプターの着陸危険回避アルゴリズムは、50回目の飛行を完了した後の前火星日に、ムーに安全に着陸するのに役立った。

ヘリコプターはイメージの中央の左下(黄色の矢印)にある。ローバーからは約220メートル離れている。ヘリコプターの正面右にある幅 1.2 メートルの割れた岩は、実際にはこの回転翼航空機の約115メートル前にある。

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April 20. 2023


   4月21日(金):   火星での2年 (インジェヌイティ)

NASAのインジェニュイティ火星ヘリコプターのこのカラーイメージは、2023年4月16日火星日766日に、パーサビアランスに搭載された Mastcam-Z 装置によって撮影された。イメージが撮影されたとき、ローバーは約23メートルの距離にあった。ヘリコプターの火星での初飛行は2021年4月19日だった。

これは、最初の飛行以来、インジェニュイティチームがこの回転翼航空機に関して得てきた最高の外観である。

このヘリコプターのイメージではっきりと見える小さなダイオードが、ヘリコプターのソーラーパネルの上部に小さな突起として表れている。パネルと四つの 2.13 メートルの逆回転ローターには、ダストの細かいコーティングが堆積している。ヘリコプターの胴体の外側を覆う金属化された絶縁フィルムは無傷のようである。インジェニュイティのカラーの、13メガピクセルの、地平線に面する地形カメラが、胴体の中央下に見ることができる。

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April 18. 2023


   4月20日(木):   NASA、火星の衛星への国際ミッションに10人の科学者を選出

NASAは、NASAが支援する参加科学者として、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)の火星衛星探査(MMX)ミッションの科学ワーキングチームに参加する米国中の機関から10人の研究者達を選んだ。

2024年に打ち上げ予定の JAXA の MMX ミッションは、火星の衛星、フォボスとダイモスを訪問し、フォボスの表面に着陸し、表面のサンプルを収集する。このサンプルは2029年に地球に届けられる予定である。選ばれた科学者のうち7名は MMX の飛行装置を用いて調査を行う。

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April 18. 2023


   4月19日(水):   NASA、火星サンプルリターンレビューを招集

NASAは、火星サンプルリターン(MSR)計画独立審査委員会(IRB)を招集し、人類がこれまでに行った中で最も困難なミッションの一つである、地球上で研究するために別の惑星からサンプルを持ち帰るという現在の計画と目標のレビューを実行する。

今年後半、サンプルリターンは、NASAがミッションの技術、コスト、スケジュールのベースラインを公式に確立する里程標となる確認に近づく。この計画の2回目のレビュー委員会を招集することで、プログラムが確認後にガイドラインを超えないという一層の自信が得られる。このようなレビューはまた、NASAが、以前の大規模かつ戦略的な科学ミッションの経験から学んだ教訓を採用している。

--- 以下略。

イメージは掲載済みのものなので大判は省略。

April 13. 2023


   4月18日(火):   NASAのキュリオシティローバー、ソフトウェアの大きな更新を得る (キュリオシティ)

何年に亘るキュリオシティローバーにインストールされた主要なソフトウェアのアップデートによって、火星ロボットはより速く運転し、車輪の摩耗を減らすことができる。これらは、チームが4月3日から4月7日までキュリオシティの科学および画像操作を保留した、アップデート中に実装された約180の変更の三つに過ぎない。

このアップデートの計画は、キュリオシティが最後にソフトウェアのオーバーホールを受けた2016年に遡る。最大の変更は今後何年にもわたってキュリオシティをより効率的に運転し続けるのに役立つだろう。

以上要点のみ。イメージは掲載済みのものなので大判は省略。

April 13. 2023


   4月17日(月):   50回目のフライトを終える (インジェニュイティ)

NASAのインジェニュイティ・マーズヘリコプターは、火星での50回目のフライトを終えた。この他の世界で初めての航空機は、4月13日に、 145.7 秒で 322.2 メートル超を旅した。このヘリコプターは、また、幅800メートルの“ベルバ・クレータ(Belva Crater)”の近くに降りる前に、18メートルの新しい高度記録を達成した。フライト50によって、ヘリコプター・チームは、ジェゼロ・クレータの“フォールリバー・パス(Fall River Pass)”領域を探査する前に、他の配置飛行を行なうことを予定している。

ビデオ(Youtube)はイメージをクリック。

イメージはインジェニュイティとパーサビアランス・ローバーの現在位置。大判は省略

April 13. 2023


   4月14日(金):   複数の標高でのクレータの溝 (リコネッサンス)

火星の南の高地にあるこの直径10キロメートルのクレータの極に向いた斜面に沿った溝は、縁に沿って様々な高さから始まっている。東の溝はクレータの縁またはその近くで始まっており、一方、西方向の溝は、中間高度の斜面に沿って石の層を浸食している。

これらの層の下の中間斜面の多くは、多角形の破砕のパターンを形成する地形で構成されている。その下部は、斜面全体で直角をなす一連の破砕によって切られている。これらの地形は、斜面の中間領域には、かつて溝形成中にとり除かれた可能性のある、明確な地下の氷の埋蔵があったことを示唆している。

より最近の溝の活動は、恐らく、地下の氷の昇華による堆積物の支持を失ったことによる、あるいは単に重力に起因する、乾燥した流れからの結果である。

火星のクレータ壁の溝の様々な形は、かっての地下の水の存在を示すものとして、探査の初期から関心が持たれてきました。大判はイメージをクリック。

April 15, 2021


   4月13日(木):   ミスターピーナッツ (リコネッサンス)

南極の残留キャップは、急峻な斜面から二酸化炭素が昇華して穴を拡げ、平らなエリアで凝縮して穴を埋め、絶えず変化している。 これらの奇妙な風景は、あるピーナッツ会社のマスコットのような、見覚えのあるものをつくり出すことがある。

このイメージは幅1キロメートル未満である。

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May 11, 2021


   4月12日(水):   明るい噴出物を持つ新しいインパクトクレータ (リコネッサンス)

マーズリコネッサンス軌道船に搭載されたコンテキストカメラ(参考:概況を見るためのカメラ)は、火星の新しいインパクトサイトを発見し、続いて HiRISE (参考:詳細を見るためのカメラ)がイメージを撮った。

通常、これらのサイトは、明るいダストの除去または乱れから新しい暗い場所として発見されるが、いくつかは新しい明るい場所として示される。これらのクレータは、浅い地下の素材の露出から明るい排出物を持つことがある。明るい素材は周囲のエリアより明らかに赤いので、また、排出物は地表を明るくするよりむしろ暗くする、典型的な粗い粒子状なので、これに代わる理論はないだろう。

この新しいクレータは直径約13メートルである。この切抜きの色は拡張されている。

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May 12, 2021


   4月11日(火):   アルガクレータの縁 (エクソマーズ)

エクソマーズガス追跡軌道船(ExoMars Trace Gas Orbiter)に搭載されたカラーおよびステレオ地表画像システム(CaSSIS)によって撮影されたこのイメージは、アルガ・クレータ(Alga Crater)の縁の一部を示している。このイメージは、2021年1月28日に取得された。アルガ・クレータは火星の南の高地にあり、その色の多様性でよく知られている。

青の色調はダストで覆われており、緑がかった色は、通常、マグネシウムや鉄分が豊富なケイ酸塩などの 苦鉄質鉱物(mafic minerals) であるが、最も正確な識別を行うには分光が必要である。

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April 05. 2023


   4月10日(月):   新しいインタラクティブモザイク、NASAのイメージを使って火星を鮮明に表示する (リコネッサンス)

NASAのマーズリコネッサンス軌道船(MRO)からの11万枚のイメージで構成される赤い惑星の新しいモザイクで、崖の中腹、インパクト・クレータ、ダストデビルの跡が、魅惑的な詳細で捕えられている。このベテランの宇宙船の白黒コンテキストカメラ(CTX)で撮影されたイメージは、ピクセルあたり約25平方メートルの表面をカバーしている。

火星の広域 CTX モザイクは、これによって、これまでに作成された赤い惑星の最高解像度のグローバルイメージになる。印刷された場合、この 5.7 テラピクセルのモザイクは、カリフォルニア州パサディナのローズボウル・スタジアムをカバーするのに十分な大きさになる。

この CTX は、NASAのジェット推進研究所が率いるリコネッサンス軌道船に搭載されている3台のカメラの1台である。これらのカメラの一つである高解像度イメージング科学実験(HiRISE)は、ダイニングルームのテーブルと同程度の小さな表面の地形のカラー画像を提供している。対照的に CTX はこれらの特徴の周りの地形のより広域の視界を提供し、科学者達がそれらがどのように関連しているかを理解するのに役立っている。このカメラは、より広い範囲の地形を捉えることができるため、特に地表のインパクトクレータを見つけるのに役立つ。 CTX を運用する同じチームが率いる3番目のカメラである火星カラーイメージャ(MARCI)は、はるかに低い空間解像度で火星の天気の毎日のグローバルマップを生成している。

--- 以下略。

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April 05. 2023


   4月7日(金):   北の平原の氷の地形 (リコネッサンス)

このイメージは、氷で形づくられた地表を示している。イメージ全体に散在する漏斗状のクレータは、かつては古典的なボウルの形をしていたが、現在は昇華によって拡大したインパクトとして解釈されている。高解像度では、表面は数メートル離れた多角形の割れ目によって分割されている。これらの多角形は北の平原では一般的であり、フェニックス着離船によっても見られた。これらは、年間の気温サイクルによって氷が膨張および縮小するときに氷が砕かれて形成される。多角形は、イメージ(西中央部分)の浅いピットで特に目立ち、明確に定義され、氷の深さまたは純度が異なることを示している可能性がある。
このイメージは直径5キロメートル未満である。

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May 15. 2021


   4月6日(木):   ユートピアプラニティア南の天問1号着陸船とチューロンローバー (リコネッサンス)

中国の 天問1号(Tianwen-1) ミッションは、2021年5月14日にユートピアプラニティアの南に着陸した。カメラは2021年6月6日にこのイメージを得た。はっきりと見えるのは、爆風のパターンに囲まれた着陸船と、着陸船から降りた後のローバー自体と解釈される少し南にあるもの(大判で確認)である。このイメージは、周囲の地形がユートピア・プラニシア南部で非常に典型的であり、滑らかでほとんど岩のない地域であることを示している。明るい湾曲の特徴は風成の地形である。

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June 06. 2021


   4月5日(水):   火星のダスト雪崩 (リコネッサンス)

火星の急なダストで覆われた斜面では、比較的暗い斜面の縞は一般的である。高い太陽の照明の下で画像化すると、地形の起伏のない単なる暗い汚れのように見える。ただし、太陽を空の低い位置(および高解像度)で画像化すると、地形の特徴がはっきりとわかる。地すべり(質量移動とも呼ばれる)から予想されるように、表面の物質が上部の斜面から取り除かれ下部に堆積した。イメージは幅1キロメートル未満、表面から275キロメートル上にある。

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June 14, 2021


   4月4日(火):   新しい科学キャンペーンの最初の火星サンプルを収集 (パーサビアランス)

このイメージは、NASAの火星探査車が岩石のコアを抽出し(右)、円形のパッチを磨耗させた後(左)の、パーサビアランス科学チームが「ベレア(Berea)」と呼ぶ岩の露頭を示している。このイメージは、2023年3月30日(火星日749日)に、マストカメラZによってとられた。パーサビアランスは、円形の片に岩を砕きまたは磨き、科学機器が岩石の組成を分析できるようにする。得られた岩石のコアは教室のチョークほどの大きさであり、極めて清浄なサンプルチューブに密封された。現在は、ローバーのサンプリングおよびキャッシングシステムに保存されている。

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March 31. 2023


   4月3日(月):   ヨーロッパの火星探査 (エクソマーズ)

ヨーロッパ宇宙機関のビジョンは、2040年までにヨーロッパの人を火星に送ることである。ヨーロッパは、ロボットを使用して、独立かつ持続可能な方法で火星への最初の有人ミッションに備える野心を新たにした。

ヨーロッパの火星へのミッションは、ヨーロッパ宇宙機関の 「Terrae Novae 探査計画」(.pdf:英語) の一部であり、赤い惑星の有人探査の準備に役立つ地球低軌道と月へのミッションも含まれている。

更に先を見据えて、この Terrae Novae 2030+ 戦略ロードマップはヨーロッパの野心的な探査ビジョンであり、その目的には、

1,継続するヨーロッパの存在のために国際宇宙ステーションの後の低地球軌道での新しい機会をつくること。
2,2030年代の持続可能な月探査に対するステップとして、2030年までに初のヨーロッパ人が月の表面を探査することを可能にすること。
3,火星への最初の人間のミッションの一部としてヨーロッパのゴールを準備すること。 の三つがある。

イメージは火星で撮られた15年間の実績動画(.mp4:4.48 秒)。壮大な火星を見ることができます。

Mar 13. 2023



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