木星の月（ガリレオ衛星を主体に）

木星には多くの衛星（月）がある。２００３年４月に発表されたものを含めて６０にも及ぶ。ガリレオ宇宙船は、望遠鏡を発明したガリレオ・ガリレイが発見したことでも知られる木星の四つの大きな月、“ガリレオ衛星”を中心に詳細な調査を行った。

リ　ン　ク　（個々の衛星の詳細）

1. イ　　　オ

2. エウロパ

3. ガニメデとカリスト

・・・以下に衛星の概説を載せて置きます・・・

＜ガリレオ衛星１＞

この合成されたイメージは太陽系システムで最も傑出した家族の一つである木星とその四つの大きな月”ガレリオ衛星”のポートレートである。上からイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト。上から下に行くほど木星からの距離が遠くなる。これらは太陽系で最も大きな惑星木星に連れ添った大きな月達である。最も小さな月エウロパは地球の月の大きさでありガニメデは太陽系システムで最も大きい。実際、直径約５０００キロメートルのガニメデは惑星水星や冥王星より大きい。渦巻く大赤斑が木星の端にある。カリストのイメージは近接して飛んだボイジャによって１９７９年に記録され、他は１９９５年に木星システムの探査を始めたガリレオ宇宙船によって撮られた。

September 29, 1997　　　　

この合成写真はガリレオ衛星として知られる木星の四つの大きな月を示している。ガリレオ衛星はイタリアの天文学者ガリレオガリレイによって最初に１６１０年に発見された。木星からの距離が近い順に左からイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト。イオは木星からの最も強い潮力のストレスに支配されている。これらのストレスは表面に表れ、イオを太陽系で最も火山に富んだ活動的な月にする内部の熱を提供している。エウロパは、岩と鉄の核、表面の氷の層、これらの層の間の部分的また広域の水の可能性がある。ガニメデは非活動的な、部分的に異なった地殻構造を持っている。カリストは木星から最も遠く、低い解像度イメージでは激しくクレータされているように見られ、内部の活動による証拠は示していない。これらの衛星は全て上が北、ピクセルあたり１０ｋｍである。ガリレオ宇宙船の Solid State Imaging (CCD) システムは、１９９６年６月にイオとガニメデ、１９９６年９月にエウロパ、１９９７年１１月にカリストのイメージを撮影した。

1998-05-08　　　　

木星の内部のポテトの姿をした月が、木星の小さな衛星のモザイク”ファミリーポートレート”の中にラインアップしている。個々のイメージは１９９６年ＮＡＳＡのガリレオ宇宙船によって記録され衛星の相対的な大きさで示されている。木星からの距離は左から右へ向かって増え、メティス（Metis：最長約６０ｋｍ）、アドラスティア（Adrastea：約２０ｋｍ）、アマルセア（Amalthea：約２４８ｋｍ）、テーベ（Thebe：１１６ｋｍ）である。イオと木星のリングの間の領域にあるこれらの月の軌道は、木星の磁気圏の中で高いエネルギのイオンに照射されており、おそらく木星の強い重力によって同期した回転を保たされている。彼らはなぜポテトのような姿をしているのだろうか？　小惑星またはちっぽけな火星の月に似て、彼ら自身の重力が球形に変形させるほど十分に強くないからである。

1997-11-27　　　　

木星の内側の月、左からテーベ、アマルセア、及び、メティスのこれらのイメージは、ＮＡＳＡのガリレオ木星探査機のカメラによって２０００年１月に撮られ、これらの小さな不規則な形の衛星についてこれまでに得られた最高解像度のイメージである。

これらのイメージはテーベについてさし渡し２ｋｍ、アマルセアについて２.４ｋｍ、メティスについて３ｋｍ程度の小さな表面の形を解明できる。ガリレオ宇宙船は、１９９５年に巨大な惑星の周辺の軌道に初めて入って以来、ガリレオエウロパミッションとして知られる２年間のミッションの拡張の終わり近くの１９９９年末と２０００年初頭に更に木星に近接して調べた。これらの計画は、ガリレオの火山活動で活発な月イオからの三回のフライバイを可能にし、また、イオの軌道の内側の、木星に非常に近くに横たわる、テーベ、アマルセア、及び、メティスのこれらの新しい高品質のイメージを可能にした。

月は正確な相対的サイズで示されており、日光は右から射している。我々は各月の木星から永久に顔をそむけている側を見ており、北は全ての場合にほぼ上である。テーベの目立ったインパクトクレータはさし渡し約４０ｋｍであり、仮の名前としてゼサス（Zethus）を与えられた。アマルセアの南極近くの大きな白い領域は、これらの三つの月のどこにでも見られる表面物質の最も明るい小片の位置を表している。ガエア（Gaea）と命名された大きなクレータの中に座るこの異常な物質は非常に露出過度にされた。従って、このイメージの白いエリアはアマルセアの実際の明るいエリアより幾分大きい。アマルセアのターミネータ ( 昼夜の間のライン；アマルセアの円盤左手端）の「スカラップ；縁取りに用いる扇形の連続模様」または「鋸歯状の歯」の形にも注目しよう、そこでは多くの小さい丘と谷とともに、この衛星の地表の部分が非常に粗いことを示している。

これらのイメージは左から、テーベ、２０００年１月４日に 193,000ｋｍの距離で、アマルセア、２０００年１月４日に 238,000ｋｍの距離で、メティス、２０００年１月４日に 293,000ｋｍの距離で撮られている。

April 24, 2000　　　　

１９９９年８月（左）と１９９９年１１月（右）の、ＮＡＳＡのガリレオ木星探査機によって撮られた木星の小さな不規則な形の月アマルセアのこれらの二つのイメージは、科学者達がこの月の形とその地表の地誌の特色を決めるのを助ける「ステレオペア」を形成している。アマルセアに関して撮られた最高解像度のイメージを構成し、さし渡し３.８ｋｍほどの小さな形がこれらのイメージで見分けることが出来る。

アマルセアの円盤の右端近くの、二つのイメージに見える大きなインパクトクレータはさし渡し約４０ｋｍである。影を投げ掛けるのに十分な高さの二つの隆起は「兎の耳」テレビアンテナを思い出させる二つの隆起、Ｖ字形がクレータの上から伸びている。これらの隆起の左側、アマルセアの円盤の中央上の部分に、最初のクレータと大きさで類似した第２の大きなインパクトクレータがある。この第二クレータの左側に向かって長さ約５０ｋｍの比較的明るい物質の線の「筋」がある。他の視界方向から撮られたアマルセアの以前の宇宙船イメージでは、この明るい形は小さな、丸く、明るい「スポット」であると考えられ、名前イーダを与えられた。これらの新しいイメージで初めてイーダが実際には長い線の「筋」であることを明らかにし、この明るい筋が隣接のインパクトクレータの形成の間に噴出された物質を示す、あるいは、それは単にローカルな隆起の頂上を示すのかもしれないことを明らかにしている。他のこれらの明るいスポットにはイーダの線の形はないが、比較的明るい物質の他の小片がアマルセアの円盤のあちこちに見ることができる。

二つのイメージで日光は左から射しており北はほぼ上である。アマルセアの北極が右手イメージで欠落していることに注目しよう。それはカメラフレームのエッジによってカットされた。明るい筋イーダは木星から永久に顔をそむける月の側にあり、ディスクの右端近くのクレータはアマルセアを導くサイド（アマルセアが木星の周辺の軌道で動くときに「導く」月の側）の中心にある。

このイメージは、左から 446,000 ｋｍの距離で１９９９年８月１２日に、また、374,000 ｋｍの距離で１９９９年１１月２６日に撮られたアマルセアである。

April 24, 2000　　　　

ＮＡＳＡのガリレオ木星探査機のカメラからの木星の小さな内側の月のイメージのモンタージュ写真は、これらの月について得られた最も良い視界を示す。これらのイメージは１９９７年１１月の巨大な惑星の周りのガリレオの第１１軌道でとられた。そのポイントでは、ガリレオは、ガリレオの「最初のミッション」として知られた木星軌道における最初の２年を完了し、ガリレオ・エウロパ・ミッションと呼ばれる２年の拡張に首尾よく着手しようとしていた。

上の二つのイメージは月テーベ（Thebe）を示す。テーベは、これらの二つのイメージがとられる間に約５０度回転しており、それゆえに同様に明瞭なインパクトクレータが双方の視界に見られる。仮の名前をゼサス（Zethus）と与えられたこのクレータは、テーベの木星から永久に顔をそむける場所に近い。

次の二つのイメージは月アマルセア（Amalthea）を示す。これらは観測者の背後に太陽があり、本質的に明るい、または、暗い表面の物質のパターンを強調する位置で撮られた。上から三番目のイメージは、アマルセアの主要な側の視界、アマルセアが木星の周りの軌道を動くときの「主要な」月のサイドである。このイメージはうまい具合に木星の衛星イオの観測の間に獲得されたため「騒々しく」見える。アマルセアとイオは同じカメラフレームを共有したが、そのイメージは、はるかに暗いアマルセアのためよりむしろ明るいイオのために露光された。上からの四番目のイメージは、木星からは永久に背面のアマルセアのポイント近くに位置する比較的明るい物質の明らかな「スポット」を強調している。下のイメージは小さな月メティス（Metis）の視界である。

全てのイメージは概ね北が上であり、月は相対的に正確なサイズで示されている。これらのイメージは上から下に、テーベは１９９７年１１月７日に 504,000 km と 548,000 km の距離で撮られ、アマルセアは １９９７年１１月６日に約 650,000 km 、１９９７年１１月７日に 475,000 km の距離で撮られ、メティスは１９９７年１１月７日に 637,000 km の距離で撮られた。

April 24, 2000　　　　

ＮＡＳＡのガリレオ宇宙船は、アマルセアと命名された木星のジャガイモの形をした内側の月が穴に満ちていることを示す、非常に低い密度を持つように見えるという発見の驚きを届けた。

「その密度は思いがけなく低い」と、ＮＡＳＡのジェット推進研究所の天文学者ジョン D. アンダーソン（John D. Anderson）博士は言った。「アマルセアは明らかに瓦礫の緩く固められた集まりである」

「おそらく固体の塊の間の空洞が固体の部分よりも多くの月のトータルのボリュームを占め、おそらくその塊さえもが、木星の月の起源についてある学説を適合させるには不十分な、密でない素材である」と、ジェット推進研究所のガリレオプロジェクト科学者、トレンス ジョンソン（Torrence Johnson）博士は言った。「アマルセアは、今では、岩と鉄の密な混合よりも、多分ほとんどが少しの氷を含んだ岩のように思われる」

この赤い色をした月は長さ約２７０キロメートル、幅その半分と測られている。宇宙船が１１月５日にこの月の約１６０キロメートル内を通ったとき、アンダーソンと同僚達は、ガリレオへのその引力の影響からアマルセアの質量を見積った。コーネル大学のピーター トーマス（Peter Thomas）博士は早期のガリレオの月のイメージからアマルセアのボリュームを計算した。

アンダーソンはサンフランシスコの米国地球物理連合の秋の会合で、「アマルセアの全体の密度が水の氷の密度に近い」と今日報告する。しかしながら、この月はほぼ確実に氷の固体の大きな塊ではない。「木星システムの何れもその主体が氷であるという組成を示唆しないだろう」とアンダーソンは言った。

アマルセアの不規則な形と低い密度は、この月が、それらの小片がきつく結ばれない隙間と混じり合い、互いの重力の索引力からくっつき合った多くのかけらに壊されたことを示唆している。「それは、互いに強く押し合わない、互に単に触れ合っているだけの岩の大きさ、または、それより大きなかけらである」とアンダーソンは言った。

ジョンソンは言った。「この発見は、木星の内側の月が激しい衝撃と解体を受けた。アマルセアは元々一つのかけらとして生れたのかもしれないが、その後衝突によってこなごなに破壊されたという考え方を支持している」

アマルセアは、地球の月や木星の四つの大きな月のように自身を統合された球形のボディにまとめる十分な質量を持たなかった。ジョンソンとアンダーソンは言う「更に驚くことに、密度の見積りが、アマルセアの固体の部分さえもが、木星から２倍遠くの軌道にあるより大きな月、イオよりも明らかに低密度であることである」

木星の月の形成の一つのモデルは、より惑星に近い月は、より離れたものより密な素材で作られるであろうと示唆している。木星の四つの大きな月は、主として岩と鉄で作られた最も内側の、最も密度の濃いイオでこのモデルに適合している。しかしながら、新しい発見は、たとえアマルセアがほとんど空洞であるとしても、その固体のかたまりがイオより低い密度を持つことを示唆している。

Dec 09, 2002　　　　

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