カッシーニ

カッシーニは9月15日に土星大気へ突入してそのミッションを終えました。このページではその後に発表された記事をまとめています。なお、ミッションの最終期には、“土星と最も内側のリングとの間を調査”するファイナル・ステージ(グランド・フィナーレ)を行いましたので、この調査に関する記事は「グランド・フィナーレ」として別ページにまとめています。

ミッション終了後に発表された記事を整理し連載しています。記事の前後、これまで掲載した記事との重複もありますのでご了承ください。



<赤外線のエンケラドゥス>  10月2日

土星の氷の月エンケラドゥスのこの赤外線の広域なマップは、NASAのカッシーニ宇宙船によって得られたイメージを使ってつくられた。これは、2020年に発表されたカシーニの可視光・赤外線マッピング分光計(VIMS)によって得られた赤外線マップを、2018年に発表された画像科学システム(ISS)からの可視光線マップとを結合している。このマップで使われた色は VIMS 装置によって集められた赤外線データを表している。赤色のチャンネルは観測されたエンケラドゥスの明るさの比率と一致している。これらの色は、赤色で示された、新しい結晶質の氷の位置に焦点を当てている。研究者達は、また、地質の形を示すために、 ISS カメラでとられたクリアーフィルタイメージを、この月の表面の高解像度マップに重ねた。このマップは、赤道でピクセルあたり200メートルのスケールを持つ、経度ゼロに中心を置く投影である。

Sept 29, 2020

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<赤外線のエンケラドゥス>  2020年9月25日

NASAのカッシーニ宇宙船のデータからつくられたこの新しい合成イメージは、土星の月エンケラドゥスの、これまでで最も詳細な広域赤外線の視界である。また、このイメージを造るために使われたデータは、この月の北半球が、その内部からの氷で舗装し直された強い証拠を提供している。
カッシーニの土星システムの13年間の調査の間に、宇宙船の可視光・赤外線マッピング分光計(VIMS)は、惑星、そのリング、その10の主要な氷の月から反射される光を集めた。続いて、 VIMS は、素材の反射する構造について科学者達により多く語っている情報、その様々な波長に光を分類した。この VIMS データが、カッシーニの画像科学サブシステムによって捕えられた詳細なイメージと結合されて、エンケラドゥスの新しい広域なスペクトルのマップを作るために使われた。
それは、赤外線の信号が、南極で進行中であることが知られている、氷の粒と蒸気の煙が氷の地殻の下に横たわる海から噴出している地質学的活動と相関することを示している。噴煙の起源である、いわゆる「タイガー・ストライプ」の長く深い傷がここに見られる。しかし、同じ赤外線の地形のいくつかは北半球でも見られる。このことは、科学者達に、北の地域は新しい氷で覆われているが同種の地質学的活動があり、二つの半球に再舗装が起きたことを物語っている。この北の再舗装は、氷のジェットによるものかもしれないし、あるいは、地下の海から表面への地殻の破砕を通した氷のより段階的な動きに起因するのかもしれない。
カッシーニ・ミッションは、2017年9月に、エンケラドゥスの環境を保護するために、土星の大気に突っ込んで終了した。

<参考>:エンケラドゥスの赤外線から作られたアニメーションは こちら から。

Sept 18, 2020

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<アーティストの描写による噴煙を持つエンケラドゥスの広域な視界>  2020年2月26日

このイラストレーションは、この月の南極の領域の破砕から放出される氷の粒、水蒸気、有機分子の噴煙とともに、土星の氷の月エンケラドゥスを示している。NASAのカッシーニ・ミッションによって発見された、この月の内部の海と熱水活動を示す切断されたバージョンを左に示す。この広域な視界は カッシーニに由来するエンケラドゥスのマップ を使ってつくられた。

Feb 24, 2020

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<エンケラドゥス、氷の粒の有機物質(イラストレーション)>  2019年12月3日

このイラストレーションは、土星の月エンケラドゥスから発した氷の粒に、NASAのカッシーニ宇宙船によって新しく検出された有機化合物(アミノ酸の成分)が、どのように検出されるかを示している。エンケラドゥスのコアの強力な熱水の噴出孔から、この月の大きな地下の海に素材を放出している。水と混じり合った後に、素材は水蒸気と氷の粒として宇宙に開放される。窒素と酸素を含んだ有機化合物が氷の粒に凝縮される。地球の海底の熱水噴出孔では、生命の素材であるアミノ酸を生み出す反応に燃料を与えるエネルギーを提供する。科学者達は、エンケラドゥスの熱水噴出孔が、アミノ酸の生産につながるエネルギーを供給する、同様な働きをするかもしれないと考えている。
(この記事は専門的な内容なので要点のみ示しました。詳しい内容はヘッドラインから英文でご覧ください)

Oct 02, 2019

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<タイタンの縁の湖(アーティストのコンセプト)>  2019年9月10日

土星の月タイタンの北極の湖のこのアーティストのコンセプトは、NASAのカッシーニ宇宙船によって見られた、この月のウィニペグ・ラカス(Winnipeg Lacus:ラカスは湖水)の周りの持ち上げられた縁と城壁のような形を例示している。カッシーニのレーダーデータとモデルを使った新しい調査は、このような湖の鉢が、恐らく、爆発クレータであることを提起している。それらは、液体の窒素分子が暖められた地殻の中に堆積し、この月の地殻の穴に吹き、素早く蒸気に変わったときに形づくられたのかもしれない。これは、タイタンの過去の寒い、窒素によって支配された期間に起きた温暖化の出来事の間に起きた。この新しい調査は、今日の比較的温い状況に続くタイタンの過去の、これらの寒い期間の証拠を提供しているのかもしれない。地球と比較するとタイタンは非常に冷たいが、この月の表面を暖める大気のメタンが温室効果を提供している。

Sept 07, 2019

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<カッシーニの間隙の外側の模様>  2019年7月24日

アポロ11号の記事の掲載で中断していました、カッシーニ土星探査機のデータ解析の結果を掲載します。なお、これは先般掲載された最終記事です。

補足図(右)を加えた土星のリングのこのイメージ(左)は、リングの模様が非常に接近したところでどのように異なるかを照らし出している。このイメージは、右図をつくるために、ローカルな構造と模様を示すための、この場面全体に亘る、平均化、及び、主な明るさ変化を差し引くプロセスのフィルターが用いられた。右図の羽毛のような模様は、イメージ右側のカッシーニの間隙の「三つの丘」領域---従って三つの明るい峰と名付けられた---に現れているが、その周辺領域にはない。このイメージはリングから約 113,000 キロメートルでとられた。イメージスケールはピクセル当たり690メートルである。

June 13, 2019

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<赤外線の目、新しいスペクトルのマップを与える>  2019年7月5日

右の疑似カラーイメージは、カッシーニの可視光・赤外線マッピング分光計(VIMS)で捕えられた、土星のA、B、Cリングのスペクトルマッピングを示している。それは、可視光線ではなく、リングの赤外線の視界を表示している。青緑色のエリアは、一次的にはAとBリングの、最も純粋な水の氷 and/or 最も大きな粒を持つ領域である。一方、赤い色は、一次的にはCリングとカッシーニの間隙の、氷でない素材 and/or 小さな粒の量の増加を示している。左の、同じイメージは、カッシーニの画像科学サブシステムによってとられた土星の自然色の合成の上に重ねられている。

June 13, 2019

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<Fリングのミニ・ジェット>  2019年7月4日

小さなオブジェクトが同時にリングに衝撃を与え素材の筋を引き起こす証拠を示して、ここにはFリングのコア領域が見える。黒い矢で示されたミニ・ジェットは、約30キロメートルに広がる尾を残している。これらは、それらが恐らく全てほぼ同時にリングを叩いたインパクターの群れに起因することを示して、同じ長さと方向を持っている。このことは、このリングが土星自体を周る素材の流れによって形づくられていることを示している。イメージの中央の点線は二つのメージがどこで接合されたかを示している。下部のFリングのコアは図の中で部分的に露出過度であり、筋を見えるようにするためにイメージの画質を変えている。この図は、2017年7月13日にとられた ISS 狭角カメライメージからつくられた。

June 13, 2019

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<埋め込まれた月、土星のリングを彫る(2)>  2019年7月3日

このイメージはリング素材がどのようにふるまうか示している。ダフニスに因る構造の破壊の後に、自身の相互作用でどのように戻るかを示している。イメージの右の部分のギャップの中に突き出て見える素材のリボンは、実際には、恐らく、リング平面の上に急に立ち上がっている。イメージの左に向かう素材の同じリボンは、リング平面の下に飛び込んでおり、リングの主要部分によって隠され視界から消えている。このイメージは、ダフニスから約 23,000 キロメートルの距離で、カッシーニ宇宙船の狭角カメラの可視光線でとられた。イメージスケールはピクセル当たり160メートルである。主イメージとは異なり、このイメージは、リングの陽に照らされていない側でとられている。

June 13, 2019

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<埋め込まれた月、土星のリングを彫る(1)>  2019年7月2日

しばらくの間、最近発表されたカッシーニデータの分析を連載します。
この画質を高められたカラーイメージの合成は、リングの日の当たる側のキーラーギャップの、土星のリングに埋め込まれた月の一つダフニスを示している。ダフニスがギャップの外の端に三つの波を巻き起こしているのを見ることができる。三つの波頭は大きさを減じながら月を追っている。それぞれ連続した頂は、その中のリングの粒が相互作用し合い互いに衝突して波の形が変化している。ダフニスの左下のリングの素材の薄いストランド(撚り糸)は、このイメージでは新しく見え、下流の第3の波の頂上では以前に観測されなかった複雑な形をしている。このイメージがとられたとき、カッシーニは、僅か15度ほどの非常に浅い角度でリングの上にあった。垂直の構造、土星から外側への放射の形状、リング平面の内部構造などの間の、このイメージの結果の違いを短く語ることは難しい。それにも関わらず、カッシーニ画像科学者達は、昼夜平分時の間の影との比較において、ギャップの波が大きくは垂直であると判断した。この素材の薄いストランドはまた恐らく垂直である。ダフニス自体は、実際には、ギャップの幅の五分の一ほどであるが、ここではより大きく見える。--- 中間略(色付けの根拠を述べている) --- 色の急激な変化の原因は不明であるが、それらは、恐らく、組成の違いより粒の径その他の特性の変化に起因している。この合成イメージは、ダフニスから約 28,000 キロメートルの距離で、カッシーニ宇宙船狭角カメラの可視光線でとられた。イメージスケールはピクセル当たり170メートルである。

June 13, 2019

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<NASAのカッシーニ、タイタンの湖の驚異を示す>  2019年5月13日

2017年の土星最大の月への最終的なフライバイで、NASAのカッシーニ宇宙船は、タイタンの北半球の小さな液体の湖が、驚くほど深く、丘の頂の高い所に置かれ、メタンで満たされていることを明らかにするレーダー・データを集めた。4月15日にネイチャー・アストロノミーで発表されたこの新しい調査結果は、あるタイタンの湖がどれくらい深いか(100 メートル以上)の、また、それらの組成の初めての確認である。これらは、我々の太陽系で地球以外にその表面に安定した液体を持つことが知られている唯一の惑星天体タイタンに、液体のメタンが、どのように降り、蒸発し、しみ込むかについての新しい情報を提供している。(以下要約)
タイタンでは、地球と異なり、メタンとエタンが水の働きを行う。地球では、これらの炭化水素はガスとなるが、タイタンは冷たく、液体として存在する。科学者達は非常に大きな北の海がメタンで満たされていることは知っていたが、小さな北の湖がほとんどメタンで満たされている発見は驚きであった。以前、カッシーニは、タイタンの南半球の唯一の大きな湖オンタリオ・ラカス(Ontario Lacus)を測定し、大雑把にメタンとエタンの等しい混合を発見した。エタンは、その組成に多くの炭素と水素原子を持ち僅かにメタンより重い。
タイタンは発見が為される度にますますその神秘が深くなる。

April 18, 2019

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<カッシーニ、小さな月を覆っているのを見る>  2019年4月4日

土星のリングへの接近した通過の間に、NASAのカッシーニ宇宙船は、Aリングの小さな月パンとダフニス、Aリングの端のアトラス、Fリングの端のパンドラ、月エンケラドゥスから扇形に広がる素材に浸されるエピメテウスを調べた。これらの小さな月の直径は、ダフニスの8キロメートルからエピメテウスの116キロメートルにわたっている。このイラストレーションで表されているリングと月はスケールには合っていない。
新しい調査結果は、土星のリングの中とその近くにある小さな月に現れた。NASAのカッシーニ宇宙船のこれまでにない最接近は、これらの異常な月の表面が惑星のリングからの、および、土星の大きな月エンケラドゥスが吹き飛ばした氷の粒子からの素材で覆われていることを明らかにした。この作業では、これらの小さな月達を形づくっているプロセスの写真を描いている。
これらの奇妙な小さい月の向こうみずな接近した通過は、「それらがどのように土星のリングと相互作用しているかを我々に見せている」とNASAのジェット推進研究所の Bonnie Buratti は言った。「我々は、土星のリングと月のシステムが、どれくらい激しく活動的で、ダイナミックであるかの更なる証拠を見ている」
2017年に終わったミッションの、カッシーニの機器の六つによって以前に集められたデータからの新しい調査では、リングからのダストと氷が、リングの中にまたその近くに埋めこまれたこれらの月の上に付着していることが明確に確認できる。
科学者達は、また、非常に多孔性の月の表面を発見し、更に、それらが複数の段階に形づくられたことを確認した。この多孔性は、また、球形でなく、赤道のまわりに素材を固着した小さな塊である、それらの形を説明するのに役立っている。

March 28, 2019

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<タイタンの合成:霞の下の地表>  2018年12月12日

このこのカッシーニ画像科学サブシステム(ISS)からの 938 nm の近赤外線波長のタイタンの地表の明度の広域な合成は、広大な赤道の砂の海から高緯度の湖、液体炭化水素の海に至るまでの、タイタンの幅広い種類の地形の分布を示している。この合成をつくるために、NASAのカッシーニ宇宙船のオペレーションの13年以上の間に土星でとられた 9,873 の個別の ISS イメージが結合された。そのような多くのイメージの平均は地表の地形がどのように良く見えるかを劇的に改善している。(中間略)このイメージのスケールは、緯度1度につき16ピクセルまたは 2.8 キロメートルである。この新しいイメージは以前のバージョンのタイタンの ISS マップイメージの最新版である。この最も新しいバージョンは2015年に発表された。

Dec 06, 2018

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<グランド・フィナーレ:カッシーニの最後のダイブの一つ(イラストレーション)>  2018年10月10日

このイラストレーションは、ミッションのグランド・フィナーレの一部としての、NASAのカッシーニ宇宙船からの最終的なダイビングの一つでの、土星とその最も内側のリングの間の視界を描いている。

Oct 03, 2018

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<グランド・フィナーレ:ギャップのカッシーニ(イラストレーション)>  2018年10月9日

このイラストレーションは、ミッションのグランド・フィナーレの一部として、土星とその最も内側のリングの間にダイビングするNASAのカッシーニ宇宙船を示している。カッシーニはリングと惑星の間の軌道を22回通過し、2017年9月15日に土星に飛び込んでそのミッションを終えた。

このイラストは以前にも示されたものの再掲です。

Oct 02, 2018

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<土星を周るカッシーニ(イラストレーション)>  2018年10月5日

このイラストレーションは土星を周っているNASAのカッシーニ宇宙船を示している。カッシーニは、土星への最終飛び込みによって2017年9月15日にそのミッションを終える前に、リングと惑星の間を周る軌道を22回通過した。

Oct 02, 2018

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<タイタンのダストの嵐>  2018年10月 4日

2009年と2010年のタイタンの9回のカッシーニの接近通過からのイメージのこの編集は、宇宙船の可視光・赤外線光マッピング分光計によってとられたイメージに突然現れた、くっきりした明るい場所三つのの例を捕えている。この明るみは地球の5週11時間の短い期間のみ見られ、その前や以降のイメージに見ることができない。

Sept 24, 2018

大判(13008x9984)はイメージをクリックしてNASAのサイトから。



<タイタンのダストの嵐を見る>  2018年10月 3日

アニメーションは こちら をクリック。

2009と2010年の何回かのタイタンフライバイの間の、NASAのカッシーニ・ミッションの可視光・赤外線光マッピング分光計によってとられたイメージに基づくこのアニメーションは、ダストの嵐の証拠と解釈される昼夜平分時ごろの赤道近く見えるくっきりした明るい場所を明らかにしている。 この明るさは、地球で5週間11時間の短い間のみ見られ、以前や以降のイメージでは見ることができなかった。

Sept 24, 2018

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<タイタンのダストの嵐のアーティストのコンセプト>  2018年10月2日

研究者達は、土星の最大の月タイタンに、強力なメタンの嵐で起きる強い突風によって、ダストの膨大な量が起きることがあると考えている。 以前に国際的なカッシーニ宇宙船からのイメージに観測されたそのようなメタンの嵐は、 太陽が赤道を横切る年のこの月の赤道領域に、特に昼夜平分時ごろに砂丘フィールドに形成されることがある。

Sept 24, 2018

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