系外惑星TOI-421 b
(Exoplanet TOI-421 b)

ホットサブネプチューン系外惑星のイラスト
Hot Sub-Neptune Exoplanet Illustration

このアーティストのコンセプトは、高温のサブ海王星の太陽系外惑星TOI-421 bがどのように見えるかを示している。

TOI-421 bは、地球から約244光年離れた、うさぎ座(constellation Lepus)の太陽のような星を公転している。この惑星は、サイズ、質量、密度の点で地球と海王星の間にあり、その星(恒星)は太陽よりも僅かに小さく、冷たくなっている。しかし、惑星は恒星に非常に近い軌道(僅か0.056天文単位、つまり地球と太陽の間の距離の5.6%)を公転しているために非常に高温である。

NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のNIRISS(近赤外線画像装置・スリットレス分光器)とNIRSpec(近赤外線分光器)が捉えたTOI-421 bの分光観測は、水(H2O)と、水素が豊かな大気中に、二酸化硫黄(SO2)と一酸化炭素(CO)が存在する可能性を示す強力な証拠を示している。より冷たい海王星とは異なって、TOI-421 bは雲や靄に覆われていない澄んだ大気を持っているように見える。

このアーティストのコンセプトは、ウェッブが収集した分光データに基づいている。これまでの地上や宇宙の他の望遠鏡と同様、ウェッブはこの惑星のイメージは撮っていない。

 

ホットサブネプチューンのスペクトラム
Hot Sub-Neptune Spectrum

NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた透過スペクトルでは、高温のサブ海王星惑星TOI-421 bの大気中に、水(H2O)の存在と二酸化硫黄(SO2)と一酸化炭素(CO)が存在する可能性を明らかにしている。しかし、二酸化炭素(CO2)やメタン(CH4)の兆候はない。この観測は、これほど高温の惑星(TOI-421 bは約1,340°F:(参考)摂氏約170度)が、雲や靄によって隠されていない澄んだ大気を持っているという仮説をサポートしている。

これらのスペクトルは、惑星が恒星の表面を横切って移動したときの、恒星の光のさまざまな波長(色)の見かけの明るさの減少を測定することによって作られた。トランジット中、星の光の一部の波長は惑星の大気を透過するが、他の波長は部分的に遮られる。各分子は独自の波長の組み合わせを吸収するために、透過スペクトルを使用して大気中のガスを識別できる。

このスペクトルは、2023年にウェッブが得た、 NIRISS(近赤外線画像装置(NIRISS)とスリットレス分光器と、NIRSpec(近赤外分光器)が得たデータを組み合わせて作成された。

 

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May 05, 2025



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