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この新しいNASA、ヨーロッパ宇宙機関、カナダ宇宙機関のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の今月のイメージは、アインシュタイン・リングと呼ばれる珍しい宇宙現象を特徴としている。最初は奇妙な形をした1つの銀河のように見えるが、実際には2つの銀河で大きく離れている。手前の銀河はイメージの中心にあり、背景の銀河は近くの銀河に巻き付いたリングを形づくっているように見える。 アインシュタイン・リングは、非常に遠い物体からの光が巨大な中間物体の周りで曲げられる(または「レンズ化」される)ときに発生する。これが可能なのは、宇宙そのものの時空が質量によって曲げられ、これによって空間と時間を移動する光も曲げられるからである。この効果は、局所的なレベルで観察するには微妙に過ぎるが、巨大な天文学的なスケールの光の曲率を扱うと、はっきりと観察できるようになることがある。たとえば、ある銀河からの光が別の銀河や銀河団の周りに曲がっている場合などである。 このアインシュタイン・リングの中心にあるレンズ銀河は、銀河の明るい中心と滑らかで特徴のない体からわかるように楕円銀河である。この銀河は、SMACSJ0028.2-7537という名前の銀河団に属している。楕円銀河を包み込んだレンズ銀河が渦巻銀河である。光が銀河の周りを通り抜けるにつれて像が歪んでしまっても、個々の星団やガスの構造ははっきりと見える。 このイメージで使われているウェッブのデータは、ベルギーのリエージュ大学のギヨーム・マーラーが主導し、国際的な天文学者のチームで構成されるSLICE(Strong Lensing and Cluster Evolution)調査の一部として撮影されたものである。この調査は、ウェッブの近赤外線カメラ装置を使って182の銀河団を対象とし、80億年にわたる銀河団の進化をたどることを目的としたものである。このイメージには、ハッブル宇宙望遠鏡のデータも取り入れられている。 <イメージの説明>:中央には楕円形の銀河があり、小さな明るいコアの周りに楕円形の輝きが見られる。この周りには、渦巻銀河が引き伸ばされてリング状に歪んだように見える幅広の光の帯が巻き付けられており、渦巻き状の腕が円に引き伸ばされた場所には明るい青い線が引かれている。リングの周りの黒い背景に、いくつかの遠くの天体が見える。
Mar 27, 2025 |