大赤斑周辺の木星の大気(近赤外線カメラと近赤外線分光計)
Jupiter’s atmosphere around the Great Red Spot (NIRCam and NIRSpec)

木星の大赤斑の新たな観測によって、この悪名高い嵐の上空と周辺の惑星の大気が、驚くほど興味深く、活発であることが明らかになった。この図は、ウェッブが観測した領域を示しており、まず惑星全体の NIRCam イメージ上の位置(左)と、ウェッブの近赤外分光器(NIRSpec)によってイメージ化された領域自体(右)を示している。

NIRSpec のイメージは、2022年7月に撮影された6枚の NIRSpec 積分場ユニットイメージ(それぞれ約300平方キロメートル)をつなぎ合わせたもので、木星の電離層で水素分子が放出する赤外光を示している。これらの分子は、嵐の雲の上空300キロメートル以上にあり、太陽からの光が水素をイオン化し、この赤外線放射を刺激する。このイメージでは、赤みを帯びた色で、惑星の電離層にあるこれらの高高度からの水素放出を示している。青みがかった色は、大気中の雲頂や非常に目立つ大赤斑など、低高度からの赤外線を示す。

木星は太陽から遠く、均一で低レベルの日光を受けるために、特に木星の磁場が特に強い極付近の分子からの放射と比較して、木星の表面の大部分は、これらの赤外線波長では比較的暗いことを意味する。したがって、この領域は本質的に均質に見えるだろうという研究者の予想に反して、この領域は、視野全体にわたって、暗い弧や明るいスポットなど、さまざまな複雑な構造を見せている。

ヨーロッパ宇宙機関の記事から。大判はイメージをクリック。

June 25, 2024    



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