かに星雲
(Crab Nebula)

かに星雲コンパス
Crab Nebula Compass

ウェッブの近赤外線カメラ(NIRCam)と中間赤外線装置(MIRI)によって撮影された「かに星雲」のイメージ、参照用のコンパス矢印、スケールバー、カラーキー付き。

北と東のコンパス矢印は、空でのイメージの向きを示す。空の北と東の関係 (下から見た) は、地上の地図 (上から見た) の方向矢印に対して反転していることに注意。

縮尺記号には、光が地球の1年で移動する距離である光年でラベル付けされている。(光がバーの長さと同じ距離を移動するのに2年かかる。1光年は約9兆 4600 億キロメートルに相当する。このイメージに写っている視野は直径約10光年。

このイメージは、目に見えない近赤外および中間赤外光の波長の光を可視光色に変換したものである。カラーキーは、 NIRCam と MIRI によって観測された成分と、各特徴に割り当てられた可視光の色を示す。

かに星雲
Crab Nebula

NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、かに星雲の構造を解剖し、天文学者達が超新星の残骸の起源に関する有力な理論を評価し続けるのを助けた。ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)と中間赤外線装置(MIRI)が収集したデータによって、科学者達のチームは、かに星雲の主要成分のいくつかを詳細に検査することができた。

天文学者達は、この超新星の残骸の中の、暖かいダストの放出を史上初めてマッピングした。ふわふわのマゼンタ色の素材として表されたダストの粒は、この残骸の左下と右上部で最も明らかな、檻(cage)のような構造を形づくっている。また、ダストのフィラメントがカニの内部全体に織られており、ある時は緑色に着色された二重にイオン化された硫黄(硫黄Ⅲ)の領域と一致することもある。黄白色のまだら模様のフィラメントがこの超新星の残骸の中心付近に大きなループ状の構造を形成し、ダストと二重に電離した硫黄が重なり合った領域を表している。

ダストの檻のような構造は、あるものは束縛するのに役立っているが、青で表された幽霊のようなシンクロトロン放射の全てではない。放射は煙の塊に似て、カニの中心に向かって最も顕著である。高速で回転する中性子星、蟹パルサーのハートによってつくられた薄く青いリボンが磁場線をたどっている。

大判はそれぞれのイメージをクリック(タップ)。右下イメージの大判はリンク先ページの Zoom Image から。
なお、硫黄イメージは こちら、シンクロトロンイメージは こちら から。
シンクロトロンの解説は こちら から。

June 17, 2024    



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