ベータ・ピクトリス
(Beta Pictoris)

ベータ・ピクトリス(中間赤外線装置コンパスイメージ)
Beta Pictoris (MIRI Compass Image)

ウェッブの MIRI (中間赤外線装置)によって撮影された恒星システムベータ・ピクトリス(Beta Pictoris)の注釈付きイメージ。参照用のコンパス矢印、スケールバー、カラーキーが付いている。

北と東のコンパス矢印は、空における向きを示す。空の北と東の関係(下から見た)は、地上の地図(上から見た)の方向矢印に対して反転していることに注意。

縮尺記号には、天文単位と秒角でラベルが付けられている。1 AU は地球と太陽の間の平均距離。太陽系では、海王星は太陽から30 AU の軌道を回っている。アーク秒は、空の角距離の尺度。1秒角は、1度の円弧の 1/3600 に相当する。(満月の角直径は約 0.5 度。天空の1秒角を覆う天体の実際の大きさは望遠鏡からの距離によって異なる。

このイメージは、実際には見えない中間赤外線光の波長を可視光の色に変換したものである。カラーキーは、光の収集時に使用された MIRI のフィルターを示す。各フィルター名の色は、そのフィルターを通過する赤外光を表すために使用される可視光の色である。

 

ベータ・ピクトリス(中間赤外線装置、注釈付イメージ)
Beta Pictoris (MIRI Annotated Image)

ウェッブの MIRI (中赤外観測装置)で撮影されたベータ・ピクトリスイメージの注釈付きバージョン。コロナグラフ(黒い円と二つの小さな円盤)が中心の星の光を遮るために使われている。いくつかの形が強調表示され、ラベルが付けられている。

オレンジ色のメインデブリ円盤の上に白い線が引かれ、「メインディスク平面(main disk plane)」とラベル付けされている。薄い青緑色のディスクは、オレンジ色のメインディスクに対して反時計回りに約5度傾いており、「拡張2次ディスク(extended secondary disk)」とラベルの付いた青緑色の線で強調表示されている。中央付近に集まった灰色の物質の一部は右上に湾曲した特徴を形成し、「猫の尾(cat’s tail)」とラベル付けされた黄色の線でマークされている。

縮尺記号は、Beta Pic の円盤が数百天文単位 (AU) にわたって伸びていることを示している。このイメージでは 15.5 ミクロンの光はシアン、 23 ミクロンの光はオレンジ色である。

 

ベータ・ピクトリス(中間赤外線装置イメージ)
Beta Pictoris (MIRI Image)

NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は恒星システム、ベータ・ピクトリスを撮影した。ウェッブ宇宙望遠鏡の MIRI (中間赤外線観測装置)によって、天文学者達のチームは、ハッブル宇宙望遠鏡が以前に検出したベータ・ピックのメインデブリ円盤と二次デブリ円盤の組成を調べることができた。

意外なことに、ウェッブの赤外線機能は、ベータ・ピック・システムの新しい特徴、つまり猫の尾の形に似た曲がりくねったダストの枝を検出した。この尾は、 MIRI のデータでのみ顕著であり、二次デブリ円盤の南西部から伸び、100億マイルに及ぶと推定されている。

尾を形成するダストは、太陽系の彗星や小惑星の表面に見られる物質に似ている可能性がある。このネコの尾の起源を理解するにはさらなる分析が必要だが、研究チームは、小惑星、彗星、微惑星の衝突などのダストの生成が原因だと考えている。

コロナグラフ(黒い円と二つの小さな円盤)が中心の星の光を遮るために使用され、その位置は白い星の形をしている。このイメージでは、 15.5 ミクロンの光はシアン、 23 ミクロンの光はオレンジ色である。

 

大判はそれぞれのイメージをクリック。

Jan 10, 2024    



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