火星探査インサイト(ツール)

このページでは、2018年5月に火星に向けて打上げられたNASAの火星探査着陸船インサイトの、主要な科学機器をご紹介しています。

 

インサイトの科学ツールには何があるだろうか?

インサイト着陸船の三つの基本的な機器、 SEIS , HP3 , RISE は、この惑星の“内部空間”のこれまでで初めての調査を行う。このトリオは、火星の内部深くに埋められた、惑星形成のプロセスの指紋を調査するだろう。これらの測定は、火星がどのように暖かく、また地質学的に活動的かについて光を投げ掛け、火星のまた全ての地球型惑星の進化に関して、重要な手掛かりを提供する。

 

SEIS -火星の脈動を測定する

内部構造のための地震実験装置、インサイトの地震計(SEIS)は、火星の地表に置かれ、火星の「パルス」または地震の振動を採る丸い、ドーム形の装置である。その測定は惑星内部の活動の一瞥を提供する。地震計は、火星の地震からの、また隕石の衝突からのパルスまたは地震波を感じるために根気よく待つ。風、圧力、温度、磁場センサーは、地震計の測定を微調整するのに役立つ。これは、ダストの嵐のような気象システムによって生ずる、あるいは地震波をつくり出すかも知れないダストデビルのような環境に起因する大気の混乱による表面振動を感じるのに役立つ。これら SEIS の測定は、太陽系の岩の惑星を最初に形づくった素材の特性について科学者達に語る。何が下に横たわっているかが明らかになるとき、地震計は、液体の水または火星の地下の活火山の噴煙の存在を我々に語ることができるかもしれない。
諸元等さらに詳しい記事は こちら(英語) から。

HP3 は火星の温度を測定する

熱の流れと物性探査機(HP3:Heat Flow and Physical Properties Probe)は、火星の地表の中約5メートルまで表面に穴を掘る。それは、すべての以前のアーム、採集器、匙、ドリルあるいは検知器よりも深い。自動車のエンジンに残っている熱を調査するように、それは、どのくらい多くの熱が惑星本体から流れ出ているか、また何がその熱源であるかを明らかにするために、火星の内部から来る熱を測定する。これは、火星が地球や月と同じ物質から形成され、またこの惑星がどのように進化してきたかを科学者達が判断するのに役立つ。
諸元等さらに詳しい記事は こちら(英語) から。

RISE は火星の反射作用をテストする

インサイトの RISE (Rotation and Interior Structure Experiment、回転・内部構造実験装置)は、火星が太陽を周る時に火星の北極がどの程度揺れるかを判定するために、着陸船の位置を正確に追跡する。これらの観測は、火星の鉄の豊富なコアの大きさに関する詳細な情報を提供するだろう。それらは、また、コアが液体か、また、鉄の外の他のどのような元素が存在するかを判定するのに役立つだろう。
諸元等さらに詳しい記事は こちら(英語) から。

April 30, 2018   

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