インサイト－火星の「内部空間」調査

インサイトは、地震の調査、測地、熱移動を使って内部を調査する、４５億年前にこの赤い惑星が形成されて以来の、初めての完全な調査をするように設計された火星着陸船である。インサイトは、火星の「内部空間（inner space）」、地殻、マントル、コアなどの深部を調査する、初めての宇宙ロボット探査機である。
火星の内部構造の調査は、４０億年以上前の我々の内部太陽系の岩石惑星、水星、金星、地球、火星への、更には太陽系外の岩石惑星に対する初期の構成に関して重要な疑問に答える。インサイトは、また、今日の火星での、地殻構造の活動と隕石のインパクトを測定する。
この着陸船は、最先端の機器を使い、その「パルス」（地震）、「温度」（熱の流れ）、「反応」（正確な追跡）の、惑星の「生命のサイン」を測定することによって地下深くを調べ、地球型惑星を形づくったプロセスの指紋を捜す。
このミッションは、太陽系科学の重要な疑問を尋ねる、高度に焦点を当てられた科学ミッションのためのＮＡＳＡのディスカバリ・プログラムの一部である。
初めてのキューブ衛星深宇宙へ

地球を越えてインサイトを打ち上げるロケットは、別のＮＡＳＡの技術実験機、マーズキューブワン（Mars Cube One：MarCO）と呼ばれる２機のミニ宇宙船をも打上げるだろう。これらの書類カバンサイズのキューブ衛星は、インサイトの後ろで火星への自身の道で飛ぶだろう。
それらの目的は火星の大気と陸地に入るときにインサイト・データを中継し送り返すことである。それは、将来のミッションに研究者達が新しい能力の提供を期待している、他の惑星での小型キューブ衛星技術の初めてのテストになるだろう。
もし成功すれば、この MarCOs は、安全な着陸や他の潜在的な問題の素早いニュースを得る、地球への新しい種類のデータ中継を提供するかもしれない。インサイトの成功はそれとは独立している。

＜参考＞：　これまでの火星着陸船と地球との交信は軌道船が中継してきました。現在の探査車オポチュニティとキュリオシティとの交信は軌道船オデッセイとＭＲＯが担っています。
インサイトの科学のゴール

インサイトミッションは、火星の内部の構造と組成を調査することによって、岩の天体が惑星になるためにどのように形成され進化するかを明らかにしようとしている。このミッションは、また、火星の地殻構造の活動と隕石インパクトの割合を判定するだろう。

火星インサイト着陸船は、ミッションの科学ゴールをサポートする二つの科学ゴールを持っている。

形成と進化：火星の内部の構造とプロセスの調査を通した地球型の惑星の形成と進化を理解。
地殻構造の活動：火星における地殻構造上の活動と隕石インパクトの割合の現在のレベルの判定。

　

なぜ火星なのか？

火星への以前のミッションは、谷、火山、岩、土などの形を調べることによって、赤い惑星の地表の歴史を調査してきた。しかしながら、惑星の形成のサインは、地表の遥か下の「重要なサイン」を探り研究することによってのみ見つけることができる。
他の地球型惑星と比較して、火星は大きくもなく小さくもない。このことは、それがその形成の記録を保持しており、また、地球型の惑星がどのように形づくられたかの洞察を我々に与えることができることを意味する。それは岩の惑星の形成と進化を調査するための完全な研究室である。科学者達は火星が地質学的な活動の低いレベルにあることを知っている。しかし、インサイトのような着陸船はまた実際に火星がどのように活動的であるかを明らかにするだろう。

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