火星探査小型衛星マルコ概要

このページでは、2018年5月にNASAのインサイト火星探査着陸船とともに打上げられた、キューブ衛星 MarCo をご紹介しています。

マーズ・キューブ・ワン(Mars Cube One:MarCO、以下「マルコ」と表記)と呼ばれる技術デモンストレーションは、ミニチュア、モジュラ型「キューブ衛星」設計の初めての深宇宙使用になるだろう。ブリーフケース(書類カバン)の大きさの二つの宇宙船、マルコAとBは、インサイトと同じロケットで打上げられ、いくつかの危険を伴う通信と誘導飛行実験を行うだろう。もし成功すれば、対のマルコAとマルコBは火星に向かって別々に飛び、インサイトが着陸するときには、恐らくこの惑星から約 3,500 キロメートルを通過するだろう。一つにはインサイトからの通信を受け取るかもしれず、着陸船の降下と着地について地球に情報を中継するかもしれない。

以前のキューブ衛星は全て地球を周ってきた。マルコは他の惑星に行く初めての試みである。このテストミッションは、惑星間ミッションのための小型衛星の技術が可能であり、短い期間で開発することができることを確認することによって、我々の太陽系を探査するための多くの他の小型衛星への応用に至るかもしれない。「自分自身を運ぶ」中継プロバイダに似たサポート機能も提供できるだろう。その他にも、例えば惑星の大気を通しての無線通信、小型カメラでイメージが撮る、他の小型機器による観測、あるいは宇宙環境のその場での測定などの、彼ら自身の主な科学調査機能を持つだろう。

主となるンサイト・ミッションの成功はマルコのパフォーマンスには依存しない。NASAの火星偵察軌道船(MRO)と地球上の大きな電波望遠鏡が、降下と着陸の間のインサイトからの電波を受信することが予想されている。 MRO は、火星を回っている間、地球に送る前にそのデータを1時間以上保持するだろう。電波望遠鏡のみが「生存」を聞くことができるだろう。しかしながら、マルコ・キューブ衛星は、それぞれがほぼ即時で多量なデータを伝達する能力を持ち、二つの惑星間の約1億 5700 万キロメートルの地球への光速の旅 8.7 分でステータス情報を送り、火星の全ての道で成功するだろう。 2機の同一のマルコ宇宙船を飛ばす理由は、いずれか一つが予定通りに運用できない場合に備えた冗長性にある。

キューブ衛星は、標準化された小型サイズに基づくモジュール式の宇宙船である。その多くは大学生によって作られ、大きな宇宙船の打上の際に利用できる余分な積載物として、地球軌道に何百も打上げられてきた。

基本的なキューブ衛星のユニットは約10センチメートルの長方形のボックスである。大きなキューブ衛星はそのユニットの倍数である。マルコのデザインは六つのユニットのキューブ衛星である。2機の宇宙船それぞれは、約 36.6 センチメートル✖ 24.3 センチメートル✖ 11.8 センチメートルの収納サイズを持っている。

スプリングを装備したマルコのキューブ衛星配備システムは、インサイトのアトラスV打上船のケンタウルス第二段の後方にある。ケンタウルス第二段が火星に向かって正しく進みインサイト宇宙船を解放した後、短く回転してマルコAを解放し、更に180度回転してマルコBを解放する。

マルコの英語解説ビデオは こちら(Youtube) から。



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