2007年火星探査着陸船 フェニックス

このページでは2008年5月に火星の北極地方に着陸したマーズフェニックスランダーの火星での活動をご紹介しています。フェニックスは1976年のバイキング着陸船以来の固定式探査機であり、これまでの探査の集大成である最も水が存在する可能性のある北極地方を掘削探査し、生命の可能性をより深く調査します。そのプライマリーミッションは3ヶ月、7月末に9月末までの90日間の延長が発表された。
<関連記事>: フェニックスミッションはデンバーのロッキード・マーティンの開発パートナーシップを得たNASAのジェット推進研究所(JPL)の計画管理の下に、アリゾナ大学のピーター・スミス(Peter Smith)が主導し、カナダ宇宙機関、スイス・デンマークの大学、ドイツ、フィンランドの機関が国際協力している。


<火星フェニックス着陸船、赤い惑星での作業を成功裏に終える> 11月12日

NASAのフェニックス火星着陸船は5ヶ月を超えて活動した後に通信を中止した。予想されたような北極のロボットのランディングサイトの日光の季節的な低下は着陸船の機器を動かすのに必要な力をバッテリに充電するソーラーアレイへの十分な日光を与えていない。
ミッション技術者達は11月2日に着陸船からの最後の信号を受信した。火星の北の夏が秋に近づき、フェニックスは昼の光の短縮に加えて、ダストの空、多くの雲、更に冷たい温度に遭遇した。このミッションは科学調査を行いデータを返すために計画された運用年数3ヶ月を越えた。プロジェクト・チームはフェニックスが生き返り電話するかどうかを聞くための今後数週間注意深く聞くだろう。しかしながら技術者達は今火星の悪化する気象状態からあり得ないだろうと考えている。
宇宙船の仕事は終わったが機器のデータの分析は最も早期の段階にある。「フェニックスはある驚きを我々に与えた。私は、我々が今後何年もこのデータの宝から更に多くの宝石を引き出すだろうと確信している」とアリゾナ大学のフェニックスの主調査者 Peter Smith は言った。
2007年8月4日に打上げられたフェニックスは2008年5月25日に以前の全ての宇宙船より北の火星の地表に着陸した。着陸船は火星の土を掘り出し、掬い、焼き、匂いを嗅ぎ、味わった。フェニックスは早期の結果でNASAのマーズオデッセイ軌道船が2002年に最初に遠隔的に検出した火星の地下の水の氷の存在を証明した。フェニックスのカメラはまた、広い展望から、これまでに地球の外で使われた初めての原子力顕微鏡を使った原子レベル近くまでの 25,000 を超える写真を送り返した。「フェニックスは安全に着陸する恐るべき挑戦に応じたばかりでなく、それは有能なチームによる献身的な作業の結果152火星日のうちの149火星日の科学調査を完了させた」NASAのジェット推進研究所のフェニックス計画マネージャー Barry Goldstein は言った。
フェニックスの事前の科学成果はかつて火星の北極の環境が細生物に対して好意的であったかどうかを研究するゴールを進めている。追加の調査結果には、初期の火星探査ミッションで発見されたものと異なるアルカリ性の土の環境、生命の栄養になるであろう塩の小さな集中の発見、氷と土の特性に影響を持つ過塩素酸塩の発見、液体の水の影響のマーカである炭酸カルシウムの発見の実証を含んでいる。
フェニックスの調査結果は火星での水の歴史を学ぶためのゴールをサポートしている。これらの調査結果には少なくとも二つの明白なタイプの氷の堆積を明らかにする氷のテーブルの土の掘削、雲から降る雪の観測、気温・気圧・湿度・風のデータのミッション長の気象の記録の提供、かすみ、雲、霜、旋風の観測、火星の気象の軌道観測を同時に行うNASAのマーズ・リコナッサンス軌道船との協調などを含んでいる。「フェニックスは我々は火星がかって居住性がありおそらくは生命をサポートしたことを示すことができる希望に拍車をかけるための重要な手段を提供した」とワシントンのNASA本部の火星探査プログラムディレクター Doug McCuistion は言った。「フェニックスは魅惑的な科学を生み出している間通信を中継する軌道を周っているNASAの宇宙船によってサポートされた。やがて打上げられる火星科学研究所 (MSL) とともに火星プログラムは決して眠らない」

Nov 10, 2008   




<フェニックスミッション・ステータスレポート> 11月5日

NASAのフェニックス・マーズランダーは10月30日以降火星の軌道船の中継を通して毎日コントローラと通信した。週末を通して受信した情報は、フェニックスは毎日午後または夕方にパワーを使い果たすが、ソーラーアレイが朝の光を捕えた後には再び目覚めることを示している。地平線上の毎日の太陽は火星の北極のランディングサイトでは次第に低下している。先週嵐によって吹き上げられたダストがやや日光をブロックし続けている。「ダストの嵐は我々が期待したより数週間早かったが、これは我々がミッションの最終局面に予想したシナリオである」とNASAのジェット推進研究所のフェニックス計画マネージャー Barry Goldstein は言った。「我々は可能な限り追加の科学データを得ようとするだろう。全ての日が我々の最後の日かも知れない」
ミッション技術者達は、今週、着陸船が毎日目を覚ますときに行う、着陸船のフラッシュ・メモリーに科学活動を格納させるコマンドをアップロードしようと試みている。「気象観測が今我々の最優先である」とフェニックスの主調査者 Peter Smith は言った。「もし十分なエネルギーがあるならば、我々は土に挿入された伝導率プローブの読み取りと、恐らくは霜を評価するためにいくつかのイメージを得ようと試みるだろう」

Nov 03, 2008   




(速報・追記)<フェニックスミッション・ステータスレポート> 10月31日

フェニックスは木曜日にNASAのマーズオデッセイ軌道船と通信した。この通信は宇宙船が低いエネルギーによって誘起された予防モードにあるという診断を補強した。ミッション技術者達は科学オペレーションに戻るために着陸船の状況と必要なステップを評価している。

Oct 30, 2008   


(速報・追記)<フェニックスミッションステータスレポート > 10月31日

米国太平洋夏時間10月30日 4 p.m. (日本時間10月31日午前7時)の最新情報

木曜日にフェニックスはNASAのマーズオデッセイ軌道船と通信した。この通信は、この宇宙船が低エネルギーのために誘起された予防モードにあるという診断を強めた。ミッション技術者達は科学オペレーションに戻るために着陸船の状況と必要なステップを評価している。

水曜日の夜と木曜日の朝、NASAのフェニックスマーズランダーは短い昼とダストの嵐によって縮小した太陽電力のために通信を試みる軌道船に応答しなかった。ミッション・コントローラ達は1日に僅か約2時間の軌道船の呼び掛けの信号に対して低下した電力が予めセットされた覚醒予防の行動を誘発した可能性が最も強いと判断している。もしそうであればバッテリが使い果たされた状態になったある時間に覚醒と睡眠のサイクルが始まったのであろう。「我々はフェニックスが応答できる時を捕えるためにフェニックスを迎えることが可能である度に軌道船チームと協調するだろう」とNASAのジェット推進研究所のフェニックス計画マネージャー Barry Goldstein は言った。「もし我々が通信を再構築できるなら、我々は科学を再開するための良好な状態に宇宙船を取り戻すことができる」。天候が協力するならば最良のケースでは1週間の大半になるだろう。

フェニックス着陸船は初めに計画された3ヶ月のミッションより2ヶ月以上長く火星の北極のサイトで働いてきた。太陽は初期のミッションの間休みなく地平線の上に留まっていたが今では毎夜約7時間地平線の下に留まっている。

Oct 30, 2008   


<フェニックスミッション、ステータスレポート> 10月31日

NASAのフェニックス・マーズ・ランダーは天候状態の悪化によってもたらされた低パワーへの落ち込みに応えて昨日遅くセーフ・モードを入った。技術者達は減少する電源に起因して欠陥が起きることは予期していたが、着陸船は予期されなかった冗長電子機器の「B」面に切り替えられ二つのバッテリの一つをシャットダウンした。セーフ・モードの間着陸船は重要でない活動を止めミッションチームからの更なる命令を待っている。安定化の出来事の情報を受ける時間の中でNASAのジェット推進研究所とデンバーのロッキード・マーティンのミッション技術者達はバッテリ充電を再開させるコマンドを送ることができた。多くのエネルギーが失われた可能性はない。
火星の北極地方におけるランディングサイトの天候状態は日中の高い温度で摂氏マイナス45度、夜間を通しての温度の落ち込みはこれまでのこのミッションで経験された最低気温摂氏マイナス96度である。水の氷の雲と共にこのエリアを通して吹く穏やかなダストの嵐は着陸船のソーラーアレイに達する日光の量を減少させ、それによって発生させるパワーの量を減少させることによって状況を複雑にした。低い温度は貴重なパワー供給の別のドレインをつくり火曜日に初めて着陸船のバッテリヒータを切り替えさせる原因となった。
科学活動は宇宙船がパワーを再充電し保存することを可能にするために今後数日間保持したままにされるだろう。正常なオペレーションを再開する試みは週末以前には行われないだろう。
「これはフェニックスにとって不安定な時である」とジェット推進研究所 (JPL) のフェニックス計画マネージャ Barry Goldstein は言った。「我々は拡張ミッションのボーナスラウンドにおり、我々はどんなときにも終末が起き得ることに気づいている。エンジニアリングチームは宇宙船を生きた状態に保ち科学を取り戻すためにできる全てのことをしている。しかし、この時点での生存可能性は火星の天候や温度のような我々の手におえないいくつかの要因によって変化する」
宇宙船と通信する能力はインパクトを受けていなかったがチームは宇宙船のパワーを保持するために水曜日の朝通信セッションをキャンセルすることを決定した。次の通信パスは水曜日の太平洋夏時間 9:30 p.m.(日本時間木曜日午前0時30分)に予期される。昨日、発表されたミッションではパワーを維持するために4台のヒータを同時にオフにする予定である。(以下の内容は機能の記事と同じなので省略しました)

Oct 29, 2008   



<NASAのフェニックスミッション、生存への挑戦に直面する> 10月30日

NASAのフェニックス火星着陸船ミッションの技術者達は時間と装置との戦いで今日スタートするいくつかの機器とヒータの徐々のシャットダウンによって着陸船の生存を延長することを期待している。

元々90日間を予定されたフェニックスは火星の極寒の地において探査の5ヵ月を完成させた。夏から秋に変わる火星の北半球の着陸船は短い昼と太陽電池パネルに日光が達する時間の減少によって予期されたように少ない電力を生み出している。宇宙船はまた同時に温度が低下するときにも動くことができるようにいくつかの生存ヒータ(survival heater)のための更に多くのパワーを必要としている。

「もし我々が何もしなかったならば宇宙船を動かすのに必要とするパワーが毎日発生するパワーを越えるのは長い先ではないだろう」とNASAのジェット推進研究所のフェニックス計画マネージャ Barry Goldstein は言った。「我々はいくつかのヒータと機器をオフにすることによって着陸船の寿命を数週間伸ばしていくつかの科学を行うことができる」

今後数週間4台の生存ヒータがパワーを温存するために一度に閉じられるだろう。これらのヒータはテストされた生存限界の中に電子機器を保つ目的に役立つ。それぞれのヒータが機能を停止するのでいくつかの機器はオペレーションを中止すると予想される。セーブされたエネルギーはミッションの最後の最後まで着陸船のメインカメラと気象測器にパワーを供給することを意図している。

技術者達は今日遅く最初のヒータの機能を停止させさせるコマンドを送るだろう。このヒータは、フェニックスのロボットアーム、ロボットアームカメラ、熱・放出ガス分析器(TEGA)を温めている。このヒータをシャットダウンすることで火星の一日当たりパワーの250ワット時を節約できると予想される。

フェニックスチームはロボットアームを火星の土の代表的な片に滞留させた。更なる土のサンプルは集められないだろう。 アームの手首にある熱・電気伝導度探査器(TECP)は土に挿入され地表近くの大気の湿度と共に地温と伝導率の測定を続けるだろう。この探査器は動くのにヒータを必要とせず何週間もデータを送り続けるだろう。

着陸船のロボットアームはこのミッションを通して火星の土を掘り出し、砕き、研究室に届けた。

電力レベルが更なる動きを要するときはフェニックス技術者達は着陸船の熱技術開始ユニット(pyrotechnic initiation unit)に貢献する第2のヒータの機能を停止させるだろう。このユニットはランディング以来使われず、このヒータを無効にすることによって4〜5日間ミッションの寿命を伸ばすと予想される。技術者達はこのステップに続いてフェニックスのメインカメラ(地表ステレオ画像装置)と気象機器一式を暖める第3のヒータの機能を停止させるだろう。気象測定器を操作する電子機器はそれらの機器の大部分とカメラを機能させ続けるために独自に十分な熱を発生させるだろう。

最終のステップではフェニックス技術者達は宇宙船とそのバッテリを暖める2台の生存ヒータの一つである第4のヒータをオフにするかもしれない。これによって生存ヒータが自身で使い切る状態で残るだろう。

「このポイントではフェニックスは火星次第になるだろう」とジェット推進研究所の主ミッションマネージャ Chris Lewicki は言った。

技術者達はまた太陽が地球と火星の間に入る「合」に備えて準備している。11月28日から12月13日までの間火星と太陽は宇宙船と地球の間の無線をブロックして地球から見たとき互いに2度の中に入るだろう。この期間コマンドはフェニックスに送られないであろうが、フェニックスからの毎日のダウンリンクはNASAのオデッセイと火星リコネッサンス軌道船を通して続くだろう。この時期、コントローラ達は、第4のヒータが「合」の前または後に機能を停止するかどうかを予測することができない。

Oct 28, 2008   


写真集 --- 大判はイメージをクリック

フェニックス、火星のトレンチを深める
同  上
フェニックス、火星のトレンチを深める(3D)
同  上
フェニックス着陸船の下
火星の土に挿入されるフェニックスの熱・電気伝導度探査器(TECP)



<フェニックス着陸船、研究室への土の引き渡しを終わる> 10月23日

NASAのフェニックス火星着陸船は研究室に届けるためのサンプルの掬い上げを終え今既に獲得したサンプルを分析する準備に入っている。科学者達はフェニックスが生み出すパワーが低下し続けているのでサンプルを分析することを切望している。火星の北の平原では晩夏が秋に変わり日光の量は落ちている。宇宙船のロボットアームは「上部カップボード(Upper Cupboard)」の下部とフェニックスの作業エリアの「ストーン・スープ(Stone Soup)」エリアを掘っている。その地表ステレオ画像装置は科学者達が火星の氷のテーブルの地質をマップできるようにこのトレンチの写真を撮っている。「我々は地質と気象がその構成をどのようにコントロールしているかに関して氷のテーブルの深さと範囲を基本的に理解しようとしている」とNASAのジェット推進研究所のフェニックスミッション科学者 Diana Blaney は言った。フェニックス技術者と科学者達はサンプルの分析のために今週中に着陸船の湿式化学研究室の漏斗に土を積み上げようとロボットアームを使うだろう。彼らはフェニックスのロボットアームカメラによって「眠りの精(Sandman)」と呼ばれる岩のディジタルな高さモデルをとるとともにその光学望遠鏡で獲得された土のイメージをとるだろう。
フェニックスは2008年5月25日に着陸して以来火星で約5ヶ月を運行してきた。

Oct 21, 2008   


写真集 --- 大判はイメージをクリック

フェニックスのデッキの土



TOP PREV