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このNASAとヨーロッパ宇宙機関のハッブル宇宙望遠鏡のイメージは、今、地球から約195億光年にあるが、この銀河が55億光年遠くにあり、膨張する宇宙を通して我々の方向への旅を始めたときの、約110億年前と同じように見える、遠くの銀河を見る機会を提供してくれている。HerS 020941.1+001557として知られるこの遠方の銀河は、約27億光年離れた前景の楕円銀河を部分的に取り囲む赤い弧として現れている。SDSS J020941.27+001558.4と呼ばれる楕円銀河が、イメージの中心に明るい点として表れ、その中心から外側に向かって星の広い霞が覆っている。SDSS J020941.23+001600.7と呼ばれる3つ目の銀河が、遠くの銀河がつくり出した赤い三日月の光の湾曲した部分と交差しているように見える。 この3つの銀河の並びは、アインシュタインリングと呼ばれる一種の重力レンズをつくっている。この現象の影響は、局所的なレベルで見るには微妙に過ぎるが、巨大な天文学的なスケールでの光の曲率を扱うと、はっきりと観察できるようになる。 重力レンズは、遠くの物体からの光を曲げたり歪ませたりするだけでなく光を拡大する。ここでは、楕円銀河の質量によって作られた時空の曲線をたどる遠方の銀河からの光が見える。遠方の銀河の光が重力レンズを通過すると光は拡大され、前景の銀河の周りで部分的なリングに曲げられ、独特のアインシュタインリングの形を作り出す。 このイメージの部分的なアインシュタインリングは美しいだけでなく注目に値する。このアインシュタインリングを、ある市民科学者が、市民科学者達にイメージ内の重力レンズを探すように依頼したSPACE WARPSプロジェクトの一部であると特定した。
May 20, 2025 |