<図の解説>: NASAとヨーロッパ宇宙機関のハッブル宇宙望遠鏡からのこれらのイメージは、2022年10月の天王星のダイナミックなオーロラを示している。これらの観測は、望遠鏡のイメージング分光器(STIS)によって行われ、可視データと紫外線データの両方が含まれている。天文学者達の国際チームは、ハッブル宇宙望遠鏡を使って、天王星のオーロラの10年以上の観測を分析することによって、天王星の内部回転速度の新しい測定を行った。この惑星の自転周期の改善は、これまでの推定値よりも1000倍も高い精度を達成し、将来の惑星研究にとって重要な新たな基準点となっている。

ハッブル、天王星の自転速度を前例のない精度で決定
Hubble Helps Determine Uranus’ Rotation Rate with Unprecedented Precision

惑星内部の自転速度を決定することは、特に天王星のように直接測定できない世界では難しい。チームは、天王星のオーロラの自転運動を追跡する革新的な方法を開発した。これは、天王星の磁極付近の高エネルギー粒子の流入によって上層大気で生成される壮大な光のディスプレイである。この手法により、天王星は17時間14分52秒で全回転を完了することが明らかになった。これは、NASAのボイジャー2号が1986年のフライバイで得た推定値よりも28秒長い時間である。

このブレークスルーは、ハッブル宇宙望遠鏡による天王星の長期監視のおかげで可能になった。ハッブル宇宙望遠鏡は10年以上にわたって、その紫外線オーロラ放射を定期的に観測しており、研究者達は、時間とともに変化する磁極の位置にうまく一致する磁場モデルを作成することができた。

地球、木星、土星のオーロラとは異なり、天王星のオーロラはユニークで予測不可能な方法で動作する。これは、この惑星の磁場が大きく傾いているためであり、自転軸から大幅に外れている。この発見は、天文学者達が天王星の磁気圏を理解するのに役立つだけでなく、将来のミッションにも重要な情報を提供する。

これらの発見は、太陽系で最も神秘的な惑星の1つについての理解を深めるための、一層の研究の舞台となる。何十年にもわたって天体を監視する能力を持つハッブル宇宙望遠鏡は、惑星科学にとって不可欠なツールであり続け、天王星での次の時代の探査への道を開いている。

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April 09, 2025    


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