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<図の解説>: 楕円銀河NGC 3561B(左上)と渦巻銀河NGC 3561A(右下)はArp 105と総称され、現在合体が進行中であり、きらめくギターの形をしている。 |
Arp 105は、楕円銀河と渦巻銀河との、重力によって引き寄せられた、まばゆいばかりの進行中の合体であり、362,000光年以上の長さの星とガスの長く引き伸ばされた潮の尾が特徴である。NASAのハッブル宇宙望遠鏡からのこのイメージを超えて伸びる巨大な尾は、重力の相互作用によって2つの銀河から引っ張られ、星団と矮小銀河に埋め込まれている。銀河と尾の独特の形をしたこの配置は、このグループに「ギター」というニックネームを与えている。 楕円銀河NGC 3561Bと渦巻銀河NGC 3561Aの間の重力のダンスは、魅力的な衝突銀河の特徴を豊かにつくり出している。楕円銀河から現れる暗いダストの長い路地は、アンバルツミアンの結び目(Ambartsumian’s Knot)として知られるギターの基部に明るい青色の星形成領域で終わっている。アンバーツミアンの結び目は、潮汐矮星銀河であり相互作用する銀河の、潮汐の腕の破片から発達する星形成システムの一種である。 ハッブル宇宙望遠鏡のイメージでは、歪んだ渦巻銀河の端に、星形成のさらに2つの明るい青色の領域がはっきりと見える。渦巻銀河の左側の領域は、合体によって引き起こされた激しい星形成の結び目であるアンバーツミアンの結び目に非常によく似ている。右側の領域はまだ調査中であり、衝突の一部である可能性があるが、その速度と距離を示すスペクトルデータがシステムの他の部分とは異なるために、前景の銀河である可能性がある。 ガスとダストの薄くかすかな巻きひげが、2つの銀河の間を伸びてつなげているのがかろうじて見える。これらの巻きひげは、この衝突の進化の時間スケールを定義するのに役立つ可能性があり、天文学者達にとって特に興味深いものである。 この合体したデュオの周囲や、さらに遠くの多数の背景の銀河が見える。アンバルツミアンの結び目の左側にある明るい青い星の塊は、特に明るい背景の銀河かも知れない。 Arp 105は、おおぐま座の Abell 1185 銀河団の中で最も明るい天体の1つである。 Abell 1185 は、約4億光年離れたところにあり、少なくとも82個の銀河が交差するカオス的な銀河団であり、その多くが相互作用しているほか、特定の銀河に重力的に付着していない多くのさまよう球状星団もある。このハッブル宇宙望遠鏡のイメージは、 Abell 1185 における、銀河システムおよび銀河システム間の星の集団が、現在も形成されている調査の一環として撮影された。
Mar 08, 2025 |