このNASAとヨーロッパ宇宙機関のハッブル宇宙望遠鏡のイメージの渦巻銀河は IC 3225 である。円盤からガスの尾が流れ出る彗星に似て、あたかも大砲から発射されたかのように宇宙を疾走して見える。地球の視点からは、銀河達が現れるこれらのシーンは興味深い。多くは、まるで紐でぶら下げられているかのように、宇宙の空虚に静かにぶら下がっているようにも見える。しかし、他ははるかにダイナミックに演じている! 地球から遠く離れた天体(実際には IC 3225 自体は約1億光年にある)では見た目に惑わされる可能性があるが、IC 3225 はおとめ座銀河団の 1,300 を超えるメンバーの一つであり、この銀河の位置は、アクティブな場面のいくつかの原因を示唆している。おとめ座銀河団の銀河の密度は、それらの間に「銀河団内媒体」と呼ばれる高温のガスの豊かなフィールドをつくっている。厚い銀河団内物質を突き抜けると、特に集団の中心に近い移動する銀河に巨大なラム圧(ram pressure)がかかり、銀河からガスが剥ぎ取られる。
銀河が宇宙を移動すると、銀河団内の物質を構成するガスとダストが銀河の動きに対する抵抗をつくり出し銀河に圧力をかける。この圧力はラム圧力と呼ばれ、銀河から星形成ガスやダストを奪い、新しい星の生成を減らしたり、止めたりすることがある。逆に、ラム圧力は銀河の他の部分を圧縮する原因にもなり、星の形成を促進する可能性もある。IC 3225 は、現在、銀河団のコアにそれほど接近していないが、天文学者達は、過去にラム圧ストリッピング(ram pressure stripping)を受けたことがあると推測している。この銀河は片側が圧縮されているように見えるが、その前縁(左下)で星の形成が著しく多く、反対側の端は形が崩れている(右上)。このような混雑したフィールドにいるために、別の銀河との接近が IC 3225 をこの形にした可能性もある。この歪んだ銀河の光景は、銀河全体を動かし、形を変えることがある、天文学的なスケールで働いている信じられないほどの力を思い起こさせる。
Oct 25, 2024 |