ハッブル、抑圧下の銀河を観測
Hubble Views a Galaxy Under Pressure

このNASA/ヨーロッパ宇宙機関のハッブル宇宙望遠鏡のイメージは、地球から約5200万光年のおとめ座の銀河、LEDA 42160を示している。この矮小銀河は、おとめ座銀河団の比較的密度の高いガスの中を無理に通り抜けている多数の銀河の一つである。この銀河間ガスが及ぼす圧力は ラム圧(英語版) と呼ばれ、LEDA 42160の星形成に劇的な影響を与えている。

宇宙空間を貫くガスやダストは、銀河が動くときに圧力をかける。ラム圧と呼ばれるこの抵抗は、銀河から星を形成するガスやダストを奪い、新しい星の生成を減らしたり、止めたりすることさえある。しかし、ラム圧は銀河内のガスを圧縮し、星形成を促進することもある。

<参考>: ラム圧(流体媒体中を移動する物体にかかる圧力。ランダムな熱運動ではなく、流体の相対的な大量な動きによって引き起こされる。 (英語版ウィキペディアから)

このLEDA 42160のイメージの作成に使われたハッブル宇宙望遠鏡のデータは、おとめ座銀河団のような大きな銀河団の一部であるラム圧剥離(ram pressure stripping)を受けている矮小銀河を研究するプロジェクトの一部である。研究によると、ラム圧剥離は、より大きな銀河で最初に新しい星を形成する原因となる可能性がある。研究者達は、LEDA 42160のような小さな銀河にも同じことが当てはまるかどうかを調べたいと考えた。LEDA 42160の右下側面の明るい斑点は、ラムの圧力剥離によって促進された星形成領域である可能性がある。ハッブル宇宙望遠鏡によるLEDA 42160の観測は、天文学者達がこの小さな銀河に見られる特徴をつくりだした過程を突き止めるのに役立つ。

ヨーロッパ宇宙機関の解説から。大判はイメージをクリック。

March 15, 2024    


  戻る