ウェッブとハッブル、宇宙の膨張率を肯定、謎は続く
NASA's Webb, Hubble Telescopes Affirm Universe's Expansion Rate, Puzzle Persists

ウェッブの測定、10年来の謎に新たな光を当てる。

ハッブル宇宙望遠鏡を建設するための米国議会に対する三つの科学的根拠の一つは、その観測力を使って宇宙の膨張率の正確な値を与えることであった。1990年のハッブル宇宙望遠鏡の打上げ以前、地上の望遠鏡による観測は大きな不確実性をもたらした。膨張率にもよるが、宇宙の年齢は100億年から200億年の間であった。過去34年間、ハッブル宇宙望遠鏡はこの値を1%に近い精度にまで縮小してきた。これは、ケフェイド変光星として知られる宇宙マイルポストマーカーのゴールドスタンダードを測定することにより、いわゆる 「宇宙距離のはしご」 を洗練させることによって達成されてきた。

しかしながら、これらの結果は10年間宇宙論者を悩ませてきた。ハッブルからの最良の測定は、宇宙は今、ビッグバンの直後にどのように見えたかの観測に基づいて予測されるより高速で拡大していることを示している。これらの観測は、ビッグバンからクールダウンした後、宇宙が構造をどのように進展させたかの青写真の一種、宇宙マイクロウェーブ背景放射のプランク衛星マッピングによって行われた。このジレンマの単純な解決は、恐らく、ハッブル観測がその深宇宙の物差しに潜む、若干の不正確さのために間違っているのだろうとされている。その後、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がハッブル宇宙望遠鏡の観測結果をクロスチェックした。ウェッブのケフェイドの鋭い赤外線画像はハッブルのデータと一致した。ウェッブは、ハッブルの鋭い目が最初から正しかったことを確認した。 要するに、初期の宇宙の膨張と比較して、近くの宇宙で起こっていることの間のいわゆる「ハッブルの張力」は、宇宙論者にとって魅力的なパズルであり続けているということである。もしかしたら、我々がまだ理解していない何かが、宇宙の織物に織り込まれているのかもしれない。 しかし、その結果はこの10年間、宇宙論者を困惑させてきた。ハッブル宇宙望遠鏡による最良の測定は、ビッグバン直後の宇宙の様子の観測に基づいて、宇宙が予測よりも速く膨張していることを示している。これらの観測は、宇宙マイクロ波背景放射のプランク衛星マッピングによって行われた - ビッグバンから冷やされた後、宇宙がどのように構造を進化させるかの青写真のようなものである。

このジレンマに対する容易な解決策は、ハッブル宇宙望遠鏡の観測が間違っているのは、深宇宙の物差しに忍び寄る不正確さの所為であるかもしれないと言うことである。その後、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がハッブル宇宙望遠鏡の観測結果をクロスチェックした。ウェッブのケフェイドの鋭い赤外線画像はハッブル宇宙望遠鏡のデータと一致した。ウェッブは、ハッブル望遠鏡の鋭い目が最初から正しかったことを確認した。

つまり、初期の宇宙の膨張と比較して、近くの宇宙で起こっていることの間のいわゆる 「ハッブル張力(Hubble Tension)」 が、宇宙論者にとって魅力的なパズルであり続けているということである。もしかしたら、我々がまだ理解していない何かが、宇宙の織物に織り込まれているのかも知れない。

 

以下は同じ内容のウェッブの記事 からの補足です。

NGC 5468 のケフェイド変光星
P42Cepheid Variable Star P42 in NGC 5468

これらのイメージの中心には、宇宙の膨張速度を測定するためのマイルポストマーカーとして使用される特別なクラスの星、ケフェイド変光星がある。この二つのイメージは、遠くの銀河を非常に拡大して撮影したものであり、特別にピクセル化されている。各ピクセルは一つ以上の星を表す。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のイメージは、ハッブル宇宙望遠鏡(主に可視紫外線望遠鏡)よりも近赤外線波長でかなり鮮明である。ウェッブの鮮明な視界で乱雑さを減らすことで、セファイドはよりはっきりと目立ち、潜在的な混乱を排除する。ウェッブは、セファイドのサンプルを調べるために使用され、宇宙の膨張速度と年齢を正確に測定するための基本となる以前のハッブル観測の精度を確認した。

大判はイメージをクリック。

March 11, 2024    


  戻る