カメレオン座SZ
(SZ Chamaeleontis)

カメレオン座SZ (アーティストコンセプト)
SZ Chamaeleontis (Artist Concept)

このアーティストのコンセプトでは、若い星SZカメレオン座(SZ Chamaeleontis:SZ Cha)が、惑星システムを形成する可能性のあるダストとガスの円盤に囲まれている。かつて我々の太陽系は、惑星、衛星、小惑星が形成される前は、このようなものだった。地球上の生命の原料を含む原材料は、太陽の原始惑星系円盤に存在していた。

SZ Cha は複数の波長の放射線を放出し、円盤を蒸発させている。惑星は、物質の円盤が完全に蒸発する前に形成される時間との競争にある。NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、主にX線が照射されている円盤内の典型的な状態を観測した。しかし、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡が2008年にこの円盤を観測した際には、円盤内に特定の種類のネオンが存在することによる極紫外線(EUV)が支配する別の光景が見られた。これらの違いは、極紫外線が支配する円盤から惑星が形成される時間が長いので重要である。天文学者達は、ウェッブとスピッツァーの観測値の違いの原因を探っており、活発なときに極紫外線を吸収し、X線が円盤に当たる強い風の存在(または存在しない)が原因ではないかと考えている。


 

原始惑星系円盤 SZ Cha (中間赤外線装置スペクトラム)
Protoplanetary Disk SZ Cha (MIRI Spectrum)

NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とスピッツァー宇宙望遠鏡の対照的なデータは、恒星 SZ Chamaeleontis(SZ Cha)を取り巻く円盤が僅か15年で変化したことを示している。2008年、スピッツアのネオンⅢの顕著な検出は、SZ Cha を類似した若い原始惑星系円盤の間の除け者にした。しかしながら、ウェッブが2023年にこれを追求したとき、ネオンⅡとⅢの比は典型的なレベルの中にあった。

原始惑星系円盤は未来の惑星系の材料であり、これらの惑星候補は時間との戦いの中にあるために、これらすべてが重要である。天文学者達は、円盤に当たって蒸発する支配的な放射線の指標としてネオンを使う。極紫外線が支配的になるとネオンⅢが多くなる。これがスピッツァーが2008年に観察した異常な状況である。通常、円盤はX線放射によって支配されており、X線放射は円盤をより速く蒸発させ、惑星が形成されるまでの時間を短くする。

研究者達は、ネオン検出の劇的な違いは、風が存在すると紫外線を吸収し、X線を残して円盤を叩く結果であると考えている。チームは、今後もウェッブ望遠鏡を使って円盤の状態が変化する他の例を見つけ、太陽に似た恒星の周りで惑星システムがどのように発達するかについての理解を深める研究を進める予定である。

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Nov 17, 2023    



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