Mars Rover B
火星探査ローバー オポチュニティ
このページでは2004年1月に火星のメリディアニ平原に着陸したマーズローバーオポチュニティ(火星探査ローバーB)の火星での活動をご紹介しています。
7月28日 <火星の「忍耐の谷」の拡張されたカラー・パノラマ>
この拡張されたカラーの右側の場面は、火星のエンデバー・クレータの西の縁の頂の広い窪みである。2017年の春から「忍耐の谷(Perseverance Valley)」を観測したときに、NASAの火星探査ローバー・オポチュニティによってそのエリアに轍が残された。この谷はローバーの拡張ミッションの主要な目的地である。それは縁の内部の傾斜を下り、その窪みから東に広がっている。オポチュニティのパノラマカメラ(Pancam)は、この視界のためにクレータの外の場所からこの構成要素のイメージをとった。火星日 4753 日から 4765 日(2017年6月7日から19日)までの間に、この場面は、排水路であったかもしれない縁の窪みの方へ動く、水、氷または風による古代のチャンネルかもしれない地形を含んでいる。向こう側の忍耐の谷(Perseverance Valley)は、水、水で流れやすくなった破片、風など、恐らくある流体の作用によって彫られた。このパノラマは、左の南東から中央の西、右の北東の、全周の視界の約4分の3を見せている。エンデバー・クレータの縁に見える高所は、左の「ウィネマッカ(Winnemucca)」、右の「トリビュレーション岬(Cape Tribulation)」を含んでいる。ウィネマッカはクレータの縁の「バイロン岬」の一部である。遠い右の地平線が直径約22キロメートルのエンデバー・クレータのフロアを横断して広がっている。
オポチュニティは、2004年の着陸の後、小さなクレータを調査する7年間続いた2011年以降、エンデバーの西の縁とその近くのサイトを調査してきた。
この視界は、 753 ナノメートル(近赤外線)、 535 ナノメートル(緑)、 432 ナノメートル(紫)の、パノラマカメラのカラー・フィルタの三つを通してとられた露出を結合している。このバージョンでの色は、地表の素材の違いを見易くするために拡張されている。ローバー・チームは、このイメージは、30度以上外側を指した一つの前輪のステアリングの診断を技術者達が行うドライブ停止の間に集められたので、「捻挫した足首(Sprained Ankle)」パノラマと呼んでいる。チームは、真っ直ぐ前を指すように車輪を整理することができ、続いてドライブを再開した。
July 21, 2017
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7月27日 <マーズローバーから:「忍耐の谷」のパノラマ>
NASAの火星探査ローバー・オポチュニティは、この大きなクレータの縁の内部の傾斜を下る、流れで刻まれた谷の上端に入る前に、このパノラマの眺望を記録した。この場面は、クレータの縁の頂の広い凹み(notch)を含み、それは、水、氷、風のいづれかが縁の上をクレータの中に流れた水はけ口だったのかもしれない。凹みのエリアに見られる轍は、ローバーがルート設計に使う谷の下のイメージをとり地面を調査したときに、オポチュニティによって残された。オポチュニティのパノラマカメラ(Pancam)は、2週間のドライブ休止の間の2017年6月に、この場面の構成要素イメージをとった。この場面の二つの端は、南北に拡がるエンデバー・クレータの西の縁を示し、この場面の中央はクレータの外側の大地を示している。
また、ローバーの技術者達は、左前輪のステアリング起動装置の一次的な停止を診断した。チームは、真っ直ぐに前を指すように車輪を整えることができ、今、二つの後輪のみのステアリングの可能性を使っている。右正面の車輪のステアリング起動装置は、2006年から使えなくなっていた。
オポチュニティは、2004年の火星への着陸以来 44.97 キロメートルをドライブしてきた。2017年7月7日に、オポチュニティは、「忍耐の谷(Perseverance Valley)」の中のサイトにドライブした。そこでは、それは、電波通信に影響する火星が太陽の向こうに入る約3週間を、ドライブすることなく過ごすだろう。ローバーの現在の場所は、水はけ口かも知れない下の、「捻挫した足首(Sprained Ankle)」パノラマの外にある。オポチュニティは、他の視界を記録するためにこの場所からパノラマカメラを使っている。8月の初めに完全に通信が再開した後、チームは、それを刻んだプロセスを求めて、「忍耐の谷」を下って更に遠くオポチュニティをドライブさせる予定である。
July 20 2017
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6月19日 <火星のクレータ、アポロ月面歩行を思い起こさせる>
この春のアポロ16号の地球の月への旅の45回目の記念日に、NASAの火星探査ローバーオポチュニティは若いクレータの近くを通った。オポチュニティ科学チームは、この火星の地形に、非公式に「オリオン・クレータ」と名付けた。この名前は、1972年4月に、月の地表に宇宙飛行士達ジョン・ヤング(John Young)とチャールズ・デューク(Charles Duke)を運んだ、アポロ16号月着陸船オリオンを称えて名付けられた。一方、この間、クルーメイト ケン・マッティングリー(Ken Mattingly)は、アポロ16号月周回モジュールキャスパー(Casper)を操縦していた。オリオンは、また、人間を深宇宙に運び、その旅の間、地球軌道を越えて彼らを支えるであろう NASAの新しい宇宙船の名前でもある。オポチュニティのパノラマカメラ(Pancam)は、オリオンクレータのこの視界のために、2017年4月26日に、その構成要素のイメージをとった。このクレータは幅約27メートル、1000万年未満と推定される。
このオリオン・クレータは、ジョン・ヤングとチャールズ・デュークが、月面車を使って月面を調査した3回の月面歩行の初回に探査した、月のプラム・クレータ(Plum Crater)とほぼ同じ大きさである。
火星の「オリオン・クレータ」のこの視界は、NASAの火星探査ローバー・オポチュニティのパノラマカメラ(Pancam)の左目と右目のレンズからのイメージを結合している。赤・青眼鏡を通してみたときに3次元で見ることができる。
June 16, 2017
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6月8日 <マーズローバー・オポチュニティ、谷の起源の調査を始める>
図1 --- 「忍耐の谷」は、谷に下るドライブの準備として2017年5月に早くにこの目的地に到着したNASAの長命の火星探査ローバーオポチュニティのナビゲーションカメラ(Navcam)の、この視点から見られるクレータの縁の下り坂の向こう側に横たわっている。
NASAの火星探査ローバー・オポチュニティは、その現在の2年間の拡張ミッションの主な目的地、広大なクレータの縁の内部の傾斜で刻まれた古代の流体で刻まれた谷に着いた。ローバーが5月初めに「忍耐の谷(Perseverance Valley)」の上端に接近したとき、そのカメラからのイメージは、火星の軌道からとられたイメージに見るより大きな解像度で、このエリアの部分を示し始めた。
図2 --- 右の図は、NASAの火星探査ローバーオポチュニティが、2017年春に、エンデバークレータの西の縁の「忍耐の谷」に最終的に接近したルートを示している。
何10億年も前にエンデバークレータの縁に忍耐の谷(Perseverance Valley)を刻んだプロセスはまだ確認されていない。その可能性としては、少量の水が泥と巨礫の混ざった混乱を促進した水の流れまたは破片の流れであったかもしれず、あるいは、風の浸食のようなより乾燥したプロセスであったかもしれない。谷の上端は、クレータの縁の頂の広い窪みである。ローバー・チームのこのエリアを調査する計画は、縁の深みにおける二つの広く切り離された点から谷のイメージのセットをとることで始まった。この長いベースラインのステレオ画像は、この地勢の特別に詳細な3次元分析のための情報を提供するだろう。この谷は、概ね二つのフットボールフィールドの距離で約15~17度の傾斜で、縁の頂上のラインからクレータの中に下って広がっている。
図3 --- この2017年4月21日のローバーのパノラマカメラからの視界に、エンデバークレータの縁の「トリビュレーション岬(Cape Tribulation)」のセグメントを降下し出発する、NASAのマーズローバーオポチュニティからの轍が見える。ローバーは、「忍耐の谷」への南への旅の間に、北に向かって振り返った。
以下長文のため省略します。
May 15, 2017
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12月14日 <オポチュニティ、火星の「スピリッツ・マウンド」の「ガスコネイド」を調べる>
「ガスコネイド(Gasconade)」と呼ばれる岩のこの比較的明るい露出は、ローバーが火星のエンデバークレータの西の端の「スピリッツマウンド(Spirit Mound)」に留まっている間に、NASAの火星探査ローバーオポチュニティによって調査された。この合成は、火星日 4,512 日の2016年10月2日に、オポチュニティのロボットアームの顕微鏡画像装置によってとられた四つのフレームを結合している。ターゲットに見える素材の違いを強調するために、オポチュニティのパノラマカメラからの拡張されたカラー情報が加えられた。この視界は幅約5センチメートルのエリアをカバーしている。オポチュニティの調査では、クレータを掘ったインパクトの出来事の落下物からつくられたのかもしれない明るいマトリックスの中の暗い岩の角ばった風によって彫られた露岩、ガスコネイドを発見した。スピリッツマウンドの この場所 は、エンデバークレータの西の縁で、オポチュニティが以前に訪ねたどのサイトよりも深いものである。
Dec 09, 2016
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12月13日 <火星の「プライベート・ジョセフ・フィールド」のオポチュニティ視界>
「プライベート・ジョセフ・フィールド(Private Joseph Field)」と呼ばれるターゲットの、この2016年5月29日のイメージは、NASAの火星探査ローバー・オポチュニティの顕微鏡画像装置からのイメージを、ローバーのパノラマカメラからの拡張されたカラー情報と結合している。このターゲットは火星のエンデバー・クレータの西の縁にある。
Dec 09, 2016
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10月27日 <マーズローバー・オポチュニティの「ウォートン隆起」のパノラマ>
NASAの火星探査ローバーオポチュニティからのこの場面は、エンデバークレータの西の縁の「マラソン谷」の南の壁の一部を構成する「ウォートンの隆起(Wharton Ridge)」を示している。エンデバークレータのフロアと遠い背景のクレータの遠い壁とともに、ウォートン隆起の完全な広がりが見える。この場面の右端近くは、2016年9月にオポチュニティがマラソン谷から「ビタールート谷」へ向かって横断した、「ルイスとクラークギャップ(Lewis and Clark Gap)」である。この光景の構成要素イメージは、ローバーがマラソン谷を出発する前の、火星日 4,480 日(2016年8月30日)に、そのパノラマカメラ(Pancom)でとられた。オポチュニティの科学チームは、この隆起の名前を、火星の居住適性に結びつく科学的な問題を研究した、特に南極大陸の地球のアナログ環境を使うパイオニアであった宇宙生物学者、ロバート A. ウォートン(Robert A. Wharton:1951~2012年)の記憶を称えるために選んだ。この視界は左の東北東から右の南東まで広がっている。これは、 753ナノメートル(近赤外線)、 535 ナノメートル(緑)、 432 ナノメートル(紫)の、パノラマカメラの三つのカラーフィルタを通してとられた露出を結合している。これはほぼ真の色で示されている。
同、疑似カラー(組成の際を明確に示すための表現)。
Oct 08, 2016
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10月26日 <エンデバー・クレータの端の「スピリッツ・マウンド」>
NASAの火星探査ローバーオポチュニティのパノラマカメラ(Pancam)からのこの光景は、エンデバークレータのフロアを見渡す「スピリッツマウンド(Spirit Mound)」を示している。このマウンドは、クレータの西の縁の「ビタールート(Bitterroot)谷」の東端近くにあり、東の方向に向かっている。スケールの参考として、中央下の2個の岩はそれぞれ差渡し約20センチメートルである。マウンドの頂上ラインのイメージは幅約 8.5 メートルのエリアをカバーしている。この合成のための構成要素イメージは火星日 4,501 日(2016年9月21日)にとられた。各露出は、 753 ナノメートル(近赤外線)、 535 ナノメートル(緑)、 432 ナノメートル(紫)の、パノラマカメラの三つのカラーフィルタを通してとられた。この光景はほぼ真の色で示されている。ローバーの科学チームがこの地形のために選んだ非公式の名前はサウスダコタのスピリッツマウンドを指している。チームは、ルイスとクラーク遠征(Lewis and Clark Expedition)によって訪問された、その遠征がモンタナを訪ねた谷にちなんで、非公式の名前として火星のビタールート谷の名前を使っている。
同(疑似カラー:組成の違いを表す)
同(ステレオ)
Oct 08, 2016
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10月25日 <エンデバーの縁の「マラソン谷」から溝へ>
このマップは、2015年と2016年にNASAの火星探査ローバーオポチュニティが集中的に調査した、またミッションの南の目的地である流体が刻んだ溝、「マラソン谷」エリアを含むエンデバークレータの西の縁の一部を示している。このマップでカバーされたエリアの幅は約800メートルである。北は上である。オポチュニティは2015年1月にマップのエリアの北の端に入り、同年7月にマラソン谷に入った。拡大しないと見えないかも知れないが、マップの金色の線はローバーのルートを示している。キュリオシティは、「ビタールート(Bitterroot)谷」の中で、「ルイスとクラークギャップ(Lewis and Clark Gap)」を通して南に向かってドライブするために、2016年9月にマラソン谷を出発した。マップの南端近くの溝は、おそらく、水を含んだ破片の流れまたは水の流れによって大部分が古い昔にエンデバーの縁に刻まれた。その流れについて一層学ぶためにこの溝の中をドライブすることは、2018年9月を通しての、オポチュニティの2年間の拡張ミッションのゴールの一つである。ここに示されているローバーの横断は、NASAの火星偵察軌道船の HiRISE カメラからのイメージである。
Oct 08, 2016
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6月27日 --- (3) <ローバーオポチュニティ、火星の谷の調査を終える (ステレオ)>
NASAの火星探査ローバーオポチュニティのパノラマカメラからの三次元の「マラソン谷」。
June 17, 2016
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6月27日 --- (2) <ローバーオポチュニティ、火星の谷の調査を終える (拡張した色)>
NASAの火星探査ローバーオポチュニティのパノラマカメラからの火星の「マラソン谷」。この光景は2016年4月と5月の間にとられた多くの露出を結合している。手前には谷の砕かれた様を示している。
June 17, 2016
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6月27日 --- (1) <ローバーオポチュニティ、火星の谷の調査を終える>
2015年7月以降、マラソン谷はNASAのオポチュニティローバーにとって実りの多い調査目標を提供してきた。ローバーは間もなく火星の大きなクレータの縁を横断して進むだろう。オポチュニティは、最近、この東西の谷の西端近くから見渡すパノラマを集めた。この眺望は、このミッションが、古代の岩を、また、エンデバークレータの広いフロアやクレータの約22キロメートル離れた東の縁を、水がどのように変えたかに関する証拠を調査したエリアを示している。マラソン谷は、NASAの火星偵察軌道船(MRO)を使っている研究者達が、エンデバークレータの西の縁のこのエリアで、水に関連する粘土鉱物をマッピングしたことから取り上げられた。マラソン谷の名は、2004年1月の火星着陸以来のドライブ距離が、この地点でマラソン競走の距離を越えたので谷の非公式な名前として選んだ。
オポチュニティは軌道から検出された谷のフロアの粘土を含む岩を調べた。谷の南の山腹のローバーの観測は赤いトーンのもろい素材の筋を明らかにした。科学チームはこの明らかに風化した素材の調査した。6月14日現在、オポチュニティのドライブ距離は 42.79 キロメートルになった。
June 15, 2016
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4月11日
<オポチュニティの高所からのデビルの視界>
NASAの火星探査ローバー・オポチュニティは、丘の高所のとまり木から、下の谷で渦巻く火星のダストデビルのこのイメージを記録した。この視界は、「マラソン谷(Marathon Valley)」の南の端の一部、「クヌーセンの丘(Knudsen Ridge)」の北に面した斜面のローバーの轍を振り返っている。オポチュニティは、火星日 4,332 日(2016年3月31日)に、そのナビゲーション・カメラ(Navcam)を使ってこのイメージをとった。ダストデビルは、グセフ・クレータの対のローバースピリッツとっては一般的であったが、オポチュニティには稀である。地球では、ダストデビルは、熱い空気の上昇と回転によって生じる。その柱が十分に速く回転するとき、ダストの小さい粒を地面から拾い上げ渦となって見える。オポチュニティの傾きは、クヌーセンの丘の上に向かってドライブする間に、これまでに全てのローバーが経験したことのない32度に達した。ダストデビルは小型の竜巻です。火星ではこの季節に頻繁に見られ、砂を巻き上げることで地面についた筋で確認することができます。ダストデビルはローバーの太陽電池板に積もったダストを吹き払って発電量を上げる効果をもたらします。なお、その後送られたキュリオシティでは太陽電池板は使われていません。
March 31, 2016
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2月1日 <オポチュニティ、冬の最中も多忙>
NASAのシニア火星ローバーオポチュニティは、ここ数週間、赤い惑星に関する環境の歴史の手掛かりを調査するために、ダイヤモンドの歯を持つ岩研磨機その他のツールを使って、ミッション7回目の火星の冬の、最も低い太陽エネルギーの日を通して働いてきた。最近の、火星の1月2日の南半球の冬至前後の週に、火星の環境は、オポチュニティの太陽電池板からダストを取り除く風を提供した。オポチュニティは、ここ数年の冬よりソーラーアレイが非常にクリーンだったので、この冬は非常に活動的であった。冬至が過ぎ、2016年のほとんどはオポチュニティが利用できる日光の量が増加し続けるだろう。
ミッションは、今、火星でのホールインワンの着陸の12回目の記念日を通過した。オポチュニティは国際時間2004年1月25日早くに着陸した。エアバッグで保護された宇宙船が直径約22メートルのイーグルクレータの中に転がり込んで停止した後、宇宙船はローバーを解放するために開いた。3ヵ月の当初に計画されたミッションの間、イーグルクレータの岩の検査は、古代の火星の湿った、酸性の環境の証拠を与えた。
調査者達は、ここ数年間、火星の歴史の深く古い層に近づき、これまでより大きなまた遠くのクレータを調べるためにオポチュニティを使ってきた。
火星の南北の回転軸は地球のように傾いているので火星もまた夏と冬の季節を持っている。各火星年は約 1.9 地球年に相当する。このため、オポチュニティの着陸後地球年で12年は、ローバーの7回目の火星の冬に当たっている。
オポチュニティは、2011年から、エンデバーと名付けられた幅22キロメートルのクレータの西の縁を調査してきた。今冬、オポチュニティは、クレータの縁を西から東へ切っている「マラソン谷」の南の側で岩を調べている。ここは、NASAの火星偵察軌道船(MRO)による観測で、湿った、非酸性の環境の下で生じた粘土鉱物の濃度をマップした場所である。
調査者達は、今月、 「プライベートジョン・ポッツ(Private John Potts)」と呼ばれるターゲットの岩の表面を払うためにオポチュニティの岩研磨ツールを使った。チームは、このマラソン谷のターゲットの非公式の名前として、ディスカバリの遠征部隊のメンバー、ルイスとクラークの名前を使った。露出した岩の内部の組成と外見はオポチュニティのロボットアームの機器で調べられた。
この谷の南の冬の作業エリアでは、ローバーの太陽電池板は、北の空の太陽の方向に傾けられている。風によるダストの除去と傾けられた北の空への太陽電池板によって、オポチュニティの当初のミッションの目標3ヵ月は48倍に引き伸ばされた。
現在、太陽電池板は1日に460ワット時以上をつくり出している。対照的に、エンデバーの縁での、オポチュニティの最初の火星の冬の間の電力生成は2ヵ月以上で300ワット時であった。このため、ミッションは、4ヵ月以上、ドライブと岩の研磨を控えられた。
Jan 26, 2016
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9月29日<火星の「マラソン谷」のフロアのヒンナーズ・ポイント>
<注>; 上段 --- 自然色、中段 --- 疑似カラー、下段 --- ステレオ(赤青メガネ使用)
この火星の場面は「マラソン谷」の北の端の「ヒンナーズ・ポイント(Hinners Point)」の模様と色の対比、および左に向かった谷のフロアの渦巻く赤い地帯を示している。この視界は、NASAの火星探査ローバーオポチュニティのパノラマカメラ(Pancam)で、火星日 4,108 日の2015年8月14日にとられた六つのフレームを結合している。この頂上はノエル・ヒンナーズ(Noel Hinners:1935-2014)に対する賛辞として非公式に名付けられた。ヒンナーズは、NASAのアポロ計画で、月の着陸地点の選択と、宇宙飛行士達の科学的な訓練で重要な役割を演じた。マラソン谷はエンデバークレータの西の縁で一般に東西に切っている。この谷の名前は、2004年の着陸地点から2014年のこの場所への到着までにオポチュニティがドライブした距離を指している。この谷は、軌道からの観測が粘土鉱物を検出したので、ローバーミッションにとって優先度の高い目的地であった。ヒンナーズ・ポイントの暗い岩は、この視野角から右側に向かった、エンデバーの内部に向かった下り坂のパターンを示している。この強い落ち込みは、クレータを掘ったインパクトの出来事の激しさから生じたのかもしれない。明るい岩が谷のフロアをつくっている。赤い地帯は水が変化した組成を持つエリアかもしれない。オポチュニティによる検査では、その部分の組成が、エンデバーの縁の岩の典型的な組成より二酸化ケイ素が高く鉄が少ないことが発見された。この場面は左の西南西から右の北西に伸びている。中央左手前の互いに接近した二つの岩の大きな方は約12センチメートルである。それらの石の右側の明るい基盤で、オポチュニティは、非公式に「ジョージ・ギブソン二等兵(Pvt. George Gibson)」と名付けられたターゲットを調べた。もう一つのターゲット「シラス・グッドリッチ二等兵(Pvt. Silas Goodrich)」がこの場面の左端近くの谷のフロアにある。これらのターゲットの非公式な名前は、 ルイス・クラーク探検隊 の発見隊(Corps of Discovery)のメンバーを参照している。イメージのこのバージョンは、パノラマカメラのカラーフィルタの、753 ナノメートル(近赤外線)、 535 ナノメートル(緑)、 432 ナノメートル(紫)の三つを通してとられた露出を結合することによってほぼ真の色で表されている。
Sept 26, 2015
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9月28日<オポチュニティローバー、冬の活動の準備をする>
<注>; 上段 --- 自然色、下段 --- ステレオ(赤青メガネ使用)
NASAの火星探査ローバーオポチュニティは、粘土鉱物を有する露岩の概要を調査するために、ローバーのオペレータが近づく火星の冬とその先を通して宇宙船を使う予定の、「マラソン谷」での「放浪」調査を行っている。
マラソン谷は、エンデバークレータの西の縁を、西から東へ約300メーター切っている。オポチュニティは、このエリアの全体調査で東方向の道をとりながら、7月下旬から、この谷の西の部分で岩のターゲットを調査してきた。ローバーのパノラマカメラは、谷の北の端の一部を構成する、「ヒンナーズ・ポイント(Hinners Point)」と呼ばれる、頂上によって占有される光景を捕えてきた。このイメージは、調査のターゲットであった渦巻く赤いゾーンを持つ、一部の谷のフロアをも示している。ローバーチームは、10月の中旬から下旬に始まる数ヶ月間、太陽に面した斜面の有利さを得るために、谷の南側でオポチュニティを運用する予定である。このサイトは火星の南半球にあり、秋と冬の間太陽は北にある。ローバーを太陽に向かって傾けることは、その太陽電池板からの電力の出力を増加させる。オポチュニティのこの7回目の火星の冬の短い日照期間は、2016年1月に来るだろう。
「我々の期待は、オポチュニティが冬を通して自動で残ることである。」 この査察では谷のフロアとその近くに調査のターゲットを確認している。ここの赤い地帯の岩は、このエリアの大部分の岩よりも多くの二酸化ケイ素と少ない鉄を含んでいる。「我々はマラソン谷で多くの月の間検出作業を持つ。火星の秋遅くと冬の間、オポチュニティは谷の南の側で測定と横断を行うだろう。春が来たとき、ローバーは、粘土鉱物を保持するかもしれない谷のフロアの露岩の詳細な測定のために戻るだろう。」
エンデバークレータは直径約22キロメートルである。オポチュニティは2011年からその西の縁を調査してきた。NASAの火星偵察軌道船の火星のためのコンパクト調査画像分光計(Compact Reconnaissance Imaging Spectrometer)による観測に基づいて、スメクタイト(smectites)と呼ばれる粘土鉱物の濃度がそこでマップされた後、マラソン谷は高いプライオリティの目的地になった。スメクタイトは、オポチュニティサイトの大部分の岩よりも湿った、より穏やかな環境の下でつくられる。オポチュニティは、環境の変化の歴史に関する手掛かりのために、粘土の含有と近隣の堆積の間の関係を調査している。ローバーチームは、一年間以上、電力が切れたときに情報を保持するオンボードメモリ、フラッシュメモリを使ったときに生じる、オポチュニティの計画にないコンピュータのリセットを扱ってきた。9月中旬までの3ヵ月間、オペレータはフラッシュメモリの使用を全面的に避けてきた。このモードでは、ローバーがエネルギーの省力化のために電力を切断しているとき、イメージその他のデータを夜を通して保存することができない。チームは、リセットで失われる可能性と引き換えに、操作の柔軟性を得るためにフラッシュメモリの時折の使用を再開した。
NASAの火星探査ローバープロジェクトは、2004年に、3ヵ月を目標とした対のローバースピリッツとオポチュニティを火星に着陸させた。二つのローバーはそれらの計画を上回った。スピリッツは6年間働き、オポチュニティは依然として活動している。二つのローバーから火星の古代の湿った環境に関する調査結果がもたらされた。このプロジェクトは、2030年代に惑星に人間を送るミッションを準備しているNASAの、現在と将来の火星ミッションの一つ要素である。
Sept 26, 2015
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