5月19日(木):
NASAのインサイト、パワーレベルが低下しても火星の地震を追っている (インサイト)
ダストで覆われた太陽電池板と暗い空は、この火星着陸船ミッションが、今年の終わりごろに終息をもたらすと予想させる。NASAのインサイト火星着陸船はパワーを徐々に失っており、この夏後半には科学オペレーションを終えると予想される。インサイトのチームは、最も最近では5月4日に起きたマグニチュード5を含む、これまでに 1,300 超の火星の地震を検出し、また、赤い惑星の地震を起こしやすい領域を特定して、12月までには着陸船を運用できなくなると予想している。
これらの地震から収集された情報により、科学者達は火星の地殻、マントル、コアの深さと組成を測定することができ、さらに、インサイトは、貴重な気象データを記録し、火星の古代の磁場の名残を調査した。
イメージ: 2022年4月24日(火星日 1,211 日)に撮られた、ダストで覆われたソーラーパネルの一つ。
この記事は5月17日に行われた概況説明の結果を受けたものです。大判はイメージをクリック。インサイトの概要解説動画は こちら(.mp4 英語解説つき) から。
<参考>: 火星では毎年(地球歴で2年に1回)ほぼ全球を覆うダストの季節が現れるが、通常はそよ風程度の弱い風が吹くのみである。しかし、このような弱い風が微細な土埃を降らせ積もって行く。これまでにマーズローバー・スピリッツやオポチュニティなど多くの探査機が、同様な発電量の低下で機能を失ってきた。このため、マーズローバー・キュリオシティ以降では、原子力を利用した内部電源を主体に切り替えている。比較的新しいインサイトが何故太陽電力に頼ったかは分からない。
May 19. 2022
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