<図の解説>: これは、物質の円盤に囲まれた若き星、オリオン座 FU 型星(FU Orionis)の爆発の初期段階を描いたアーティストのコンセプトである。天文学者達のチームは、ハッブル宇宙望遠鏡の紫外線機能を使って、FU Oriの恒星表面と、90年近くにわたって成長している星にガスを放出してきた降着円盤との間の相互作用についてさらに学んだ。彼らは、星に触れている内側の円盤が、予想よりもはるかに高温であることを発見した。太陽の表面温度の約3倍の 16,000 K である。その焼けるような温度は、以前に考えられていた約2倍の暑さである。

ハッブル、若き星 FU Orionis について熱き詳細を発見
NASA’s Hubble Finds Sizzling Details About Young Star FU Orionis

オリオン座 FU 型星(FU Orionis) が、わずか数ヶ月で100倍明るくなった。最盛期には、この FU Ori は、本質的に太陽の100倍も明るかった。しかし、爆発する星とは異なり、それ以来、光度はゆっくりと低下している。

現在、天文学者達のチームは、ハッブル宇宙望遠鏡の紫外線機能を使って、 FU Ori の恒星表面と、90年近くにわたって成長中の星にガスを放出してきた降着円盤との間の相互作用についてさらに学んだ。その結果、恒星に接触している内側の円盤が異常に高温であることがわかり、これは従来の常識に疑問を投げかけている。

この観測は、望遠鏡の COS (Cosmic Origins Spectrograph) および STIS (Space Telescope Imaging Spectrograph) 機器で行われた。このデータには、 FU Ori の初めての遠紫外線スペクトルと新しい近紫外線スペクトルが含まれている。

恒星の降着についての理解を深める
もともとは星の中でも珍しいケースと考えられていた FU Ori は、明るさが劇的に変化する若くて噴火する星のクラスを例示している。これらの天体は、古典的なおうし座 T 型星のサブセットであり、円盤や周囲の星雲から物質を降着させることによって新たに形成される星である。古典的なおうし座 T 型星では、円盤は星の磁場の外向きの圧力によって制限されているため、円盤は星に直接触れない。

しかし、FU Ori 天体の周りの降着円盤は、中心の星に比べて質量が巨大であること、連星の伴星との相互作用、落下物質などにより、不安定になりやすい。このような不安定性は、質量の降着率が劇的に変化する可能性があることを意味する。このペースが速くなると、恒星の磁場と円盤の内側の縁との間の微妙なバランスが崩れ、物質が星の表面に近づき、最終的には接触することになる。

降着円盤の降着率の向上と星への近接性により、 FU Ori 天体は典型的なおうし座 T 型星よりもはるかに明るくなっている。実際に、アウトバースト時には、星自体が円盤に照らされてしまう。さらに、円盤の物質は、恒星に近づくにつれて急速に公転しており、恒星表面の自転速度よりもはるかに速く公転している。これは、円盤が星に衝突し、物質が減速して大幅に加熱される領域があるはずであることを意味する。

ハッブル宇宙望遠鏡のデータは、モデルが以前に予測していたよりもはるかに高温の衝突領域を示している。 FU Ori の温度は 16,000 ケルビン(太陽の表面温度の約3倍)である。その焼けるように暑い温度は以前のモデルが計算した量のほぼ2倍である。このことは、このような温度の急上昇をどのように説明できるかを考えるよう我々に挑戦している。

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Nov 21, 2024    


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