新   年   特   集 


1月19日(火): NASAと日本政府、アルテミス計画のゲートウェイ・パートナーシップを正式化

NASAと日本政府は、商業パートナーと国際的なパートナーが共に建設する軌道前哨基地である月ゲートウェイに関する合意を最終決定した。この協定は、アルテミス計画の一環として持続可能な月探査に国際的なパートナーを関与させ、火星への人間の任務に必要な技術を実証するための米国の広範な努力を強化する。
この協定に基づき、日本はゲートウェイの国際居住モジュール(I-Hab)にいくつかの機能を提供し、ゲートウェイの生命維持能力の中心と、乗組員がアルテミスの任務中に、住み、働き、研究を行う追加のスペースを提供する。日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の計画的な貢献には、 I-Hab の環境制御および生命維持システム、電池、熱制御、画像コンポーネントが含まれており、欧州宇宙機関(ESA)が打上げ前にモジュールに統合する予定である。これらの機能は、乗組員と非乗組員の期間中のゲートウェイの持続的な運用に不可欠である。

NASA長官ジム・ブリデンスティンは、「アルテミス計画の一環として、月とその周辺での長期的な人間探査を支援する日本との最新の合意を発表できることを光栄に思う。国際的パートナーシップとのアルテミスへのコミットメントの強化は、この10年の終わりまでに持続可能な月探査という共通の目標を達成するための確かな道を開く」と言った。
ノースロップ・グラマンとの取り決めの下、日本はゲートウェイを訪れる宇宙飛行士のための最初のクルーキャビンであるゲートウェイの居住と物流前哨基地(HALO)のバッテリーも提供する。さらに、日本は HTV-X 貨物補給船の強化を調査しており、ゲートウェイ物流の補給に使用される可能性がある。
この合意はまた、追加の議論の後に決定され、将来の取り決めで文書化される、ゲートウェイへの日本の宇宙飛行士のための乗組の機会を提供する。
国際宇宙ステーションの約6分の一の大きさのゲートウェイは、低月軌道と月面に乗る前に、NASAのオリオン宇宙船と宇宙打上げシステムロケットに乗って月軌道に向かう宇宙飛行士のためのランデブーポイントとして機能する。
日本は、NASAとの間でゲートウェイに取り組む他の二つの国際的なパートナーに加わる。2020年11月、米国とカナダはゲートウェイで協力する協定に署名した。カナダの計画的な貢献には、前哨基地の外部ロボットシステム、ロボットインターフェイス、エンドツーエンドロボット操作が含まれる。2020年10月、NASAとESA(ヨーロッパ宇宙機関)は、ESAによる I-Hab モジュールと給油モジュールの提供、月面通信の強化を含むESAのゲートウェイへの貢献を固める契約に署名した。
2020年3月、NASAはゲートウェイでの最初の二つの科学的調査を選択した。NASAとゲートウェイの国際パートナーは、地球に送信される科学的データを共有するために協力する。
ゲートウェイは、ロボットと人間の月面ミッションによって行われる科学調査を支援することに加えて、火星への人間のミッションに必要な技術をテストするための活動を支援する。例えば、NASAはゲートウェイを使って、自律型宇宙船システム、その他の技術の遠隔管理と長期的な信頼性を実証する。

<図>: 国際的なパートナーからの貢献による月軌道上のゲートウェイのイラスト、大判はイメージをクリック。

<出典>: Moon to Mars

<参考>: ゲートウェイについてはこちら を参照。アルテミス計画については こちら を参照。共に英文です。


1月18日(月): NASAの分析、2020年は記録上最も暖かい年と同等であることを示す

世界的に見て、2020年は記録上最も暑い年であり、実際上は2016年の過去最高とタイとなった。全体として、地球の平均気温は1880年代から華氏2度以上も上昇している。人間の活動、特に二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの排出により、気温は上昇している。NASAのゴダード宇宙研究所(GISS)の科学者によれば、地球の長期的な温暖化傾向は続き、今年の世界の平均気温はベースライン1951~1980平均よりも華氏 1.84 度(摂氏 1.02 度)暖かかった。2020年は、分析の誤差の範囲内で、2016年を非常に僅か上回り、記録的には最も暖かい年とタイとなった。米国海洋大気局(NOAA)による別の独立した分析は、2020年は2016年に次いで2番目に暖かい年であると結論づけた。NOAAの科学者達は、分析に同じ生温度データの多くを使っているが、ベースライン期間(1901~2000)と方法論が異なっている。

長期的な温暖化傾向が続く中、様々な出来事や要因が特定の年の平均気温に影響を与えている。二つの出来事が地球の表面に到達する太陽光の量を変えた。上半期のオーストラリアのブッシュ火災は 4,600 万エーカーの土地を燃やし、大気中の高さ18マイル以上の煙やその他の粒子を放出し、太陽光を遮断し、大気を僅かに冷却させた可能性がある。対照的に、進行中のコロナウイルス(COVID-19)に関連する世界的なシャットダウンは、多くの地域で粒子状大気汚染を減少させ、より多くの太陽光が地表に到達し、小さいが潜在的に有意な温暖化効果を生み出す。また、昨年の二酸化炭素(CO2)排出量も減少したように見えるが、二酸化炭素濃度は全体的に増加し続けており、温暖化は累積排出量に関連しているため、温暖化回避の全体的な量は最小限に抑えられている。
世界の気温の年間変動の最大の原因は、通常、海洋と大気の間の熱交換の自然発生サイクルである エルニーニョ南方振動(ENSO:El Nino-Southern Oscillation) から来ている。
マイナス相による冷却の影響は、2020年よりも2021年に大きな影響を与えると予想される。
--- 以下略

<大判>: イメージをクリック。

<出典>: Earth


1月15日(金): 宇宙の礁を横断する

このイメージは、NASAとヨーロッパ宇宙機関のハッブル宇宙望遠鏡がその30年の生涯の間に観測した、多くの荒れ狂う星の託児所で最も写真うつりのいい例の一つである。 このポートレイトは、ミルキーウェイの約 163,000 光年離れた衛星銀河大マゼラン雲の、広大な星形成領域の一部を構成する、巨大な星雲 NGC 2014 とその隣りの NGC 2020 を示している。

<動画>: 動画はイメージをクリック(.mp4)。

<出典>: Hubble

<参考>: 動画は .mp4 です。クリックしてご覧ください。


1月14日(木): ハッブルの記念イメージのコレクション

NASAとヨーロッパ宇宙機関のハッブル宇宙望遠鏡は、毎年、その貴重な観測時間の小さな部分を、特に美しくまた意味あるオブジェクトを示す、特別な記念イメージをとることに捧げている。これらのイメージは、刺激的な新しい驚きと大衆の魅了の故に、科学者達に挑戦を続けさせている。ハッブルの30回目の記念日を祝って、2005年以降に公開された記念イメージの、それぞれの背後の美しさと科学を振り返ろう。また、このビデオでは、我々は、非常に特別な、2020年ハッブル宇宙望遠鏡30回記念日のイメージを示すだろう。

<アニメーション>: イメージをクリックして Youtube から(英語解説付き)。

<出典>: Hubble


1月13日(水): 科学者達、火星の水を宇宙に放つのに熱とダストが関係していることを発見

NASAの火星大気揮発性探査(MAVEN)宇宙船の機器を使っている科学者達は、赤い惑星の地表近くの水蒸気が、誰もが可能であると予想したより大気の中高くに打ち上げられていることを発見した。そこでは、水蒸気が容易に帯電している気体の粒またはイオンによって破壊されて宇宙に失われている。研究者達は言った。彼らが明らかにした現象は、これまでの何億年もの間に、火星が深さ数百メートルの広域な海の水を失うのに等しいいくつかの理由の一つある。ジャーナル「サイエンス」の11月13日の刊での彼らの発見の報道で、研究者達は、凍った極冠から暖かい季節の間に昇華し、後に蒸気が高々度に運ばれて、火星は今日も水を失い続けていると言った。 科学者達のチームは、火星年の2年(地球での4年)以上、火星の高度の水のイオンの量を追ってきた。それによって、彼らは、南半球の夏の間に、高度150キロメートルほどの大気の上部近くの水蒸気の量が最も高くなると判定した。この期間、この惑星は太陽に最も近くなり、暖まり、ほぼ間違いなくダストの嵐が起きる。

<大判>: イメージをクリック。

<出典>: Mars

<参考>: 火星は、古代には、現在の地球のように、広い海、大きな湖、巨大な峡谷など、大量の水に満たされていたと考えられています。この論拠は火星探査が進むにつれて一層確かなものになっています。しかし、現代の火星には水は極めて乏しく、荒涼とした世界が広がっています。何故水が失われたのでしょう。これは単に火星にとってだけでなく、我々地球にとっても極めて重大な問題です。その理由を確かめるべく、これまで多くの宇宙船が調査してきましたが、特に最近の、NASAの MAVEN とヨーロッパ宇宙機関のエクソマーズは、その原因を突き止めることを主目的に打上げられています。


1月12日(火): 2020年の太陽

これら太陽の366のイメージは、2020年に、ヨーロッパ宇宙機関のプロバ2衛星によってつくられた。この衛星は太陽の変化する活動を連続的に監視している。2020年2月29日のうるう日を含む、年間の各日を表すために一つのイメージが選ばれた。アニメ版は こちら から見よう。これらのイメージは、摂氏約100万度の、太陽の熱い荒れた大気(コロナ)を捕えるために、極紫外域で働くこの衛星の SWAP カメラでとられた。6月21日と12月14日の二つのイメージに、プロバ2の視点から見た部分日食が見える。2020年は、平均して約11年続く新しい太陽活動周期 ― サイクル25 ― の始まりをマークした。年の初めの太陽はまだ低い活動を示していたが、年の終わりには、既に活動のサインを示している。11月と12月のイメージには複数の活動領域が見える。11月と12月のイメージに複数の活動領域が見える。これらの領域は、太陽面爆発やコロナ質量放出のような最も劇的な宇宙気象の出来事を生み出すことがある、激しい磁気活動のエリアを表している。これらの強力な放出の一つが、ヨーロッパ宇宙機関/NASAの、SOHO(太陽・太陽圏天文台)によって11月29日に捕えられた。2月10日のヨーロッパ宇宙機関のソーラーオービタ(Solar Orbiter:太陽軌道船)ミッションの打上によって、2020年は、太陽の調査のための重要な年であった。太陽軌道船(Solar Orbiter)ミッションの主要な調査項目の一つは、この11年の太陽活動周期を何がドライブしているかを理解することである。(中間略)プロバ2は来るべき年にも太陽を観測し、太陽軌道船や他のミッションの支援を続けるだろう。

大型表示の原版は こちら から。アニメーション動画は こちら から。大判はイメージをクリック。

<出典>: Proba-2


1月8日(金): レトロ未来的なNASAの宇宙芸術

リック・ガイディスが描いたこの架空のトロイダル(ドーナツ型)宇宙コロニーは、1970年代にNASAのエイムズ研究センターのアートプログラムから生まれた多くの芸術的なレンダリングの一つである。エイムズの科学者達は、人間が巨大な宇宙コロニーを構築する方法について三つの異なる研究を行った。このような芸術的な努力は、科学と一般の人々とを結びつけ、NASAの探査と発見を示す貴重なツールとして機能している。NASAの芸術計画は以前ほどの広まりはないが、メーカーやクリエイターは、NASAの科学者・技術者達と協力して、ジェット推進研究所の系外惑星旅行オフィスのような、視覚的に魅力的なコンセプトアートやアニメーションをつくり続けている。

<大判>: イメージをクリック。

<出典>: Image of the Day


1月7日(木): 空を横断する星達の旅を追う

ガイア DR2 に関するガイアの早期のデータ公開3(Gaia EDR3)での大きな改良は、測定されたいわゆる固有運動、空を横断する星達の動きの精細さである。ガイア EDR3 のために処理された更に多くの観測と、最初と最後の観測の大きな時間の差によって、この精度は2倍に増した。我々は、この新しいガイア EDR3 固有運動を使った、空の全域を通した星達の動きの視覚化を描いた。上のイメージは、 40,000 星達の、それぞれ一つの星を追って、それらが40万年の間に空をどのように横断するかの、太陽から100パーセクの距離の内部を示している。更にダイナミックにするために、右のアニメーションでは、短いステップで、これらの星達の160万年の将来を示している。

<大判>: イメージをクリック。

<出典>: Gaia

<参考>: ガイア(Gaia)はミルキーウェイの中心方向に向かって星達の存在とその動きを徹底調査するミッションを負ったヨーロッパ宇宙機関の探査衛星。これまでに例のない観測であったこともあり、ミルキーウェイに関する多くの発見を提供してきた。


1月6日(水): ヨーロッパ上空の二酸化窒素濃度

これらの画像は、コペルニクスセンチネル5P衛星のデータを使って、2019年3月から4月の平均濃度と比較した、2020年3月13日から4月13日までの平均二酸化窒素濃度を示している。この割合はヨーロッパの特定の都市に対して算出され、2019年と2020年の天候差によって約15%の不確実性を含んでいる。

2020年は世界中がコロナウィルスの脅威に明け暮れた1年だった。ここに示す二酸化窒素は人間の活動によって生じ、その濃さは「人間が激しく活動している」ことを示している。2020年3月13日から4月13日までのヨーロッパは、広く都市の「ロックダウン」が行われ、人々の活動が厳しく抑制されたために二酸化窒素の発生量が急激に減った。この記事に現れてはいないが、現在も二酸化窒素濃度の減少が続いていると報告されている。
先に本サイトでも数回にわたって示したように、この二酸化窒素濃度の変化は最初にロックダウンが行われた中国武漢付近に典型的に現れ、次いでイタリア北部から、ヨーロッパ全域に広がった。ついでながら、同じ比較がインドについても行われているが、ブラジル、アメリカについては発表されていない。これらの国は経済優先の方策をとったので、コロナ被害は甚大だが、二酸化窒素の発生量の変動は少ないのだろう。

<大判>: イメージをクリック。

<出典>: Sentinel-5P


1月5日(火): 地球に届けられた小惑星リュウグのダスト、NASAの宇宙生物学者達調査の準備

日本時間12月6日(米国時間12月5日)、日本の宇宙船が、オーストラリアのアウトバックの地面に、地球の表面約120マイル(200キロメートル)からカプセルを落とした。そのカプセルの中には、今年初めに宇宙船が小惑星リュググの表面から収集した岩やダストの貴重な資料が入っている。日本‎‎宇宙航空研究開発機構‎‎(JAXA)は、リュウグのサンプルを世界中の科学者達の6チームに配布する予定である。これらの研究者達は、これらの古代の資料を検査し、その起源についてより詳しく学ぶだろう。‎‎リュウグの研究チームの中には、NASAのゴダード宇宙飛行センターにある‎‎アストロバイオロジー分析研究所‎‎の科学者達が含まれている。

<大判>: イメージをクリック。

<出典>: Asteroid

<参考>: 右のイメージは、「はやぶさ2」がリュウグウ(竜宮)の地表にタッチして、サンプルを収集する瞬間の動画にリンクしています。また、NASAも、オシリスレックス宇宙船で小惑星ベンヌのサンプルを集め、現在、地球に向かっています。


1月4日(月): 「マーズローバー2020」着陸迫る

新年に当たって最初に取り上げなければならないのは、やはり、火星を探査する5台目の探査車「マーズローバー2020」だろう。マーズローバー2020は2020年7月30に打上げられ、ローバーを内蔵した宇宙船は、来月、2021年2月18日に火星のジェゼロクレータに着陸する予定である。右にその概略の飛行行程図を示す(クリックして大判参照)。
--- ジェゼロクレータやランディングなどの詳細は、期日が近づいたときに掲載します。

マーズ2020パーサーバランス(Perseverance:忍耐:発音注意パーサーバ/ランス)ローバーは、火星の過去の居住適性を探査するNASAの要求を進めるために、古代の微生物生命のサインを探すだろう。ローバーは火星の岩と土のコアサンプルを収集するためのドリルを持ち、将来、詳細分析のために地球へ送り返すために、それらをチューブに保管する。その調査を想定したイラストレーション動画を こちら(.mp4) に示す。パーサーバランスは、また、将来の人間の火星探査の道を開くための技術をテストし、更に、火星での技術デモンストレーションとしてマーズヘリコプター、 インジェニュイティ(Ingenuity:独創性) が同梱されている。火星は重力が小さく大気も薄いので地球で想定するように飛行できるだろうか? なお、地球以外の天体でヘリコプターを飛ばすのは初めてである。

<大判>: イメージをクリック。

<出典>: マーズローバー2020