特集:クルー・ドラゴン打上げ

民間で建造され運用されるアメリカの宇宙船と宇宙システムの初めての打上、「スペースX」のファルコン9ロケットによる打上が近づいている。フロリダのNASAのケネディ宇宙センタの歴史的な打上複合施設39A(下記注参照)からの打上は、東部標準時3月2日土曜日午前2時49分(日本時間3月2日土曜日午後4時49分)が目標にされている。国際宇宙ステーションへのこのデモ1号ミッションは、システムの能力の全域のテストとして用いられる。打上時の気象予測は80%の可能性を示し良好である。

注:アポロ月探査船が打上げられた打上台。但しその後何度も改良が加えられ、スペースシャトルの打上にも使われた。
今回の大型ロケットの打ち上げに向けても改造が加えられている。

一方、国際宇宙ステーションでは、宇宙飛行士達が、全週を通して、初めての「スペースX」クルー・ドラゴン宇宙船の、週末の到着のための訓練をしている。無人の「スペースX」 DM-1 (デモンストレーション・ミッション1号)は、東部標準時土曜日午前2時49分(日本時間土曜日午後4時49分)にケネディ宇宙センタから打上げられるだろう。クルー・ドラゴンは日曜日にステーションに到着して、午前6時ごろにハーモニーモジュールの国際ドッキングアダプター(IDA)にドッキングするだろう。宇宙飛行士達アン・マクレインとデイビッド・サン‐ジャックは、日曜日に、クルー・ドラゴンの接近とランデブーを監視するだろう。この宇宙船は、 IDA へのドッキングを東部標準時午前6時(日本時間午後8時)を目標とし、約2時間半後にハッチが開かれるだろう。宇宙船は3月8日に切離され、太平洋に着水して地球に戻り、そのミッションを終えるだろう。

<民間宇宙船開発の経緯:国際宇宙ステーションとの関係>

  1. 1998年:ロシアのザリャーモジュール(現在:居住環境)単独飛行で国際宇宙ステーションの開発が始まる。その後NASAのユニティーモジュール(現在:多種のモジュールのドッキングポート)と結合、国際宇宙ステーションの基礎ができる。
  2. 1999年:スペースシャトル4機(コロンビア、エンデバー、アトランティス、ディスカバリ)とソユーズとプログレス(ロシア)を使った構築が始まる。
  3. 2003年:2月、別の科学調査飛行のために飛んだスペーシャトルコロンビアの事故が起きる。7名の宇宙飛行士が犠牲となる。
    事故専門委員会を設置。国際的な約束があることから国際宇宙ステーション構築を終えた後にスペースシャトル計画を廃止することが決定。
    近地球軌道への物資やクルーの配送は民間に委ね、NASAは地球から離れた探査に専念する方針を決定。
  4. 2011年:国際宇宙ステーション建設完了。スペースシャトル計画を廃止。以降国際宇宙ステーション宇宙飛行士の送迎はロシアのソユーズのみとなる。、物資の補給はロシアのプログレス、日本の「こうのとり」、ヨーロッパのATV。
  5. 2012年:スペースXのドラゴン宇宙船 が民間機として初めて補給品を運ぶ。
  6. 2019年:3月、民間開発初めての有人宇宙船のテストとして、スペースXのドラゴンクルー船を打ち上げる予定
  7. 2019年:4月以降、民間開発2社目のクルー船のテスト打上を予定。
  8. 国際宇宙ステーション構築の歴史は こちら を参照。

「スペースX」社

  1. 2002年:カリフォルニア州に設立。
  2. 2006年:NASAの国際宇宙ステーション (ISS) 物資補給のための打上げ機の設計とデモ飛行を行う商業軌道輸送サービス (COTS) を契約。
  3. 2010年:デモ飛行1号ミッションの打上げ(補給品配送)
  4. 2012年:初めての民間輸送機としてドラゴン貨物船を国際宇宙ステーションに打上げ、太平洋に着水させて回収
  5. 2015年:打上ロケットファルコン9の第一段の自動回収に成功
  6. 2018年:火星に向けた独自の宇宙船打上
  7. 先般のイスラエル民間月探査船など、世界的な打上ビジネスに成功している。現在国際宇宙ステーションから研究結果、確認用資材などを回収できるのはドラゴンのみ。

March 01, 2019    


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