ガイア、ミルキーウェイ・ファミリーの新メンバーを明らかにする
Gaia reveals a new member of the Milky Way family

ガイア衛星とミルキーウェイ銀河

<はじめに>: ヨーロッパ宇宙機関のガイア(Gaia)衛星は、我々の銀河とその彼方の約10億の星達の位置、距離、宇宙での動きと多くの物理的な特徴を測定するために2013年12月19日に打ち上げられた。ガイアの測定はこれらの星達の詳細な3D分布と宇宙動きを提供し、他の天体観測にない独自の特徴を持っている。

本サイトのトップ(Potal)ページの背景 は初期のガイアデータで得られた実測データからの引用であり、また、右図はその後発表された分析結果の一つ、矮小銀河 Sagittarius とミルキーウェイの衝突の歴史の概念図を示している。
ガイアデータの第3回目の公式発表は6月に予定されているが、以下の記事はこれに先立つ解析結果を述べたものである。
なお、ガイア(Gaia)の名はギリシャ神話の大地の女神に由来している。


矮小銀河 Sagittarius 衝突の歴史

・・・・・・・ 以下、今回発表の記事 ・・・・・・・

我々の銀河ミルキーウェイはおよそ120億年前に形成され始めた。以来、それは、他の銀河達との併合の連続を通して、質量と大きさともに成長してきた。最も刺激的なことは、恐らく、このプロセスがまだ終わっていないことであり、天文学者達は、ヨーロッパ宇宙機関のガイア宇宙船からのデータを使って、そこに起きていることを見ることができる。これは、言い換えれば、小さな銀河達の「家族の木(family tree)」を明らかにし、また、今日のミルキーウェイをつくり上げるのに役立った我々の銀河の歴史の再構築が許されるということである。この主題に関する最新の作業は、研究者達が、我々の銀河と併合したより小さな銀河達の残骸を探す、ガイアの早期の3回目のデータの公開(EDR3)に基づくデータの分析であった。これらは、若い星達のディスクと古い星達の中央のバルジを囲む、ミルキーウェイのいわゆるハローに見ることができる。他の銀河が我々の銀河に落ち込むとき、潮力として知られる大きな重力がそれを引き裂く。もしこのプロセスがゆっくり進むならば、この併合する銀河からの星達は、ハローにおいて容易に識別することができる広大な星の流れを形づくるだろう。もしこのプロセスが急速に進むならば、併合する銀河の星達はハロー全体に散らばり、はっきりしたサインは見えないだろう。---しかし、併合しつつある銀河は、星達より多くを含むかもしれない。---それは、また、球状星団や、小さな衛星銀河達によって囲まれるかもしれない。そこで、このチームは、ガイア・データにこれらを探した。彼らは、全体で、170の球状星団、41の星の流れ、ミルキーウェイの46の衛星達を調査した。それらのエネルギーと運動量(momentum)によるプロットは、これらのオブジェクトの25パーセントが、六つ異なるグループに落ちることを明らかにした。各グループはミルキーウェイと併合している。データではまた七つ目の併合の可能性がある。その五つは以前に星達の調査で確認された。それらは、 Sagittarius, Cetus, Gaia-Sausage/Enceladus, LMS-1/Wukong, Arjuna/Sequoia/I'itoi として知られている。しかしその六つ目は新しく確認された融合であった。チームはそれを、海を意味するポンタス(Pontus)と呼んだ。ギリシャ神話において、ポンタスは、ギリシャの大地の女神ガイア(Gaia)の最初の子供達の一人の名前である。ポンタスがミルキーウェイによって引き裂かれた方法に基づいて、研究者達は、それが、恐らく、約80億~100億年前にミルキーウェイに落ちたと推測した。他の五つ融合の出来事の四つもまた、恐らく、ほぼ同様に起きた。しかし、6番目の出来事 Sagittarius は新しい。それは、最近の50億~60億年のいつかに、ミルキーウェイに落ちたのかもしれない。その結果として、ミルキーウェイは、まだ、それを完全に崩壊させることができていない。天文学者達は、ひとつづつ銀河の融合の歴史を適合しつつあり、ガイア・データが非常に貴重であることを証明している。ガイア・ミッションは、2022年6月13日に、そのデータ公開3を発表するだろう。それは、ミルキーウェイの現在・過去・未来に関して、さらに詳細な情報を提供するだろう。

<イメージの解説>: このイメージはガイア(Gaia)衛星によって見られたミルキーウェイを示している。四角形は球状星団の位置を表し、三角形は衛星銀河達の位置、小さな点は星の流れである。紫の点と四角形は、ポンタス併合銀河によってミルキーウェイの中にもたらされているオブジェクトである。

大判はイメージをクリック。原版(3000×1578) は こちら から。なお、この調査は アストロフィジカル・ジャーナルに発表された。

<出典>: ヨーロッパ宇宙機関の今週のイメージ(Week in images) から。.なお、このコーナーには複数の記事が含まれていますので、リンク先から該当する項を追ってください。


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