ブラックホールの豊穣、ミルキーウェイの中央で捕えられる
Black Hole Bounty Captured in the Milky Way Center

天文学者達は、NASAのチャンドラX線天文台からのデータを使って、我々のミルキーウェイ銀河の中央近くにある何千ものブラックホールの証拠を発見した。

このブラックホールの恵みは、典型的に太陽の5~30倍の質量の、星の質量のブラックホールから成っている。これらの新しく確認されたブラックホールは、いて座 A* (Sgr A*)として知られる我々の銀河の中央にある超巨大ブラックホールの、宇宙のスケールでは比較的短い距離の3光年の中に発見された。

銀河達における星達のダイナミクスの理論的な調査は、星の質量のブラックホールの大きな住民が永遠に中で漂い、ほぼ2万ほどが Sgr A* の周りに集まっているのかもしれないことを示した。この最近のチャンドラ・データを使った分析は、そのようなブラックホールの恩恵の観察の初めての証拠である。

ブラックホール自体は見ることができない。しかしながら、星に接する近い軌道に閉じ込められたブラックホール(または中性子星)は、天文学者達が“X線バイナリ”と呼ぶそのコンパニオンからガスを引き出すだろう。この素材はディスクに落ち何百万度までも熱して、ブラックホールに姿を消す前にX線をつくり出す。これらのX線バイナリのあるものは、チャンドライメージに点のような源として現れる。

研究者達のチームは、 Sgr A* の近くにあるブラックホールを含むX線バイナリを捜すためにチャンドラ・データを使った。彼らは Sgr A* の約12光年内のX線スペクトラムを調査した。

チームは、続いて、比較的多くの量の低エネルギーX線を持つ既知のX線バイナリの、それらに類似したX線スペクトラムを持つ源を選び出した。彼らはこの方法を用いて Sgr A* の約3光年の中に14のX線バイナリを検出した。その後、恐らく以前の調査での特徴的な爆発の検出をベースにした中性子星を含む二つのX線源が分析から除かれた。

X線バイナリとして残っている12は、赤色の円を使った、イメージにラベルをつけられたバージョンに確認される。比較的大量の高エネルギーX線を持つ他の源は黄色でラベルをつけられ、大部分は白色矮星達を含む二重星達である。

研究者達は、これらの12のX線バイナリの多くが恐らくブラックホールを含んでいると結論付けた。それらが時間スケールの上で示した変化の量は、中性子星を含むX線バイナリに予想されるものと異なっている。

ブラックホールを含む最も明るいX線バイナリのみが恐らく Sgr A* の距離に検出できる。したがって、この調査における検出は、微かな非常に大きな住民、星の質量のブラックホールを含む検出されていない少なくとも300また最高 1000 のX線バイナリが Sgr A* の周辺に存在するだろうことを意味している。

この Sgr A* の近くのコンパニオンの星を持つブラックホールの住民は、星達とブラックホールの接近した遭遇からのX線バイナリの形成に対する洞察を提供するのかもしれない。この発見は、また、将来の重力波調査に情報を与えるかもしれない。典型的な銀河の中央のブラックホールの数を知ることは、多くの重力波の出来事がどのようにそれらと関係しているかを予測するのに役立つだろう。

また、コンパニオンの星達を持たない星の質量のブラックホールの更に大きな住民さえも Sgr A* の近くに存在するだろう。引き続く理論的な作業によれば、約 10,000 以上のブラックホール、 40,000 ほどのブラックホールが、銀河の中央に存在するだろう。

一方、著者達は、観測された12の源の約半分が、例えば強い磁場を持つ非常に速く回転する中性子星のようなミリセカンドパルサーの住民からであるという可能性を除外することができないというブラックホールの説明に強い関心を持っている。

これらの結果を記述した論文は『ネイチャー』誌の4月5日の号で記述された。

<参考>:  「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」 の解説。
このチャンドラ天文台X線イメージの赤い円は、二重星システムのメンバーである複数のブラックホールのグループを確認している。太陽の5~30倍の質量を持つこのブラックホールバイナリ達は、いて座 A* (Sgr A*)に確認される超巨大ブラックホールが住む我々の銀河の中央の約3光年以内に群がっている。黄色の円は、恐らく、二重星システムにおける規模の小さな中性子星または白色矮星達であるX線源を示している。単独ではブラックホールは見えないが、彼らの通常のコンパニオンの星からの素材を付着して、二重星システムの一部としてX線をつくり出している。チャンドラは、これまで観測されなかった銀河の中心の距離に、ブラックホール・バイナリが発する多くの微かなX線がそこに存在するだろうことを示唆するX線の点のような源として、これらのブラックホール・バイナリシステムのより明るいもののみを検出することができる。


<編者注記>: 
この観測は、ミルキーウエイ銀河の中心に隣接する周辺に、極めて大量のブラックホールや中性子星が密度濃く集中していることを示しています。弱いX線のために検出されていない他のブラックホールや中性子星を含めると、この付近は想像に絶する高密度の世界かもしれません。記事では「約3光年の中に12の星の質量のブラックホールを検出した」とあります。参考までに我々の太陽系の最も近い恒星系ケンタウルス座アルファ星系の三重連星(ケンタウルス座α星A、ケンタウルス座α星B、プロキシマ・ケンタウリ)までの距離は約 4.3 光年とされています。つまり、距離のみで考えれば、我々のミルキーウェイ銀河の周辺に、多数のブラックホールや中性子星があることと等価です。この周辺は、ブラックホールや連星系、重力波などの、今後の重要な研究の場となるでしょう。

May 10, 2017